FVBでは横行激化する海賊対策のため、特捜部門「宙海賊改方」を設置し、その殲滅を決意した。
曲直瀬りま(摂政・法官2級)
L:宙海賊改方(そらかいぞくあらためかた)の発足 = {
t:名称 = 宙海賊改方の発足(政策)
t:要点 = 海賊行為の摘発,黒幕の捜索,ISSとの連携
t:周辺環境 = 海洋,オリオンアーム,宇宙港
t:内容 = {
*海賊及び宇宙海賊の横行を取り締まるため、3奉行の共同による摂政直轄の専任部署を臨時に設けることにした。
*海賊法の着実な遂行が目的であるが、同時に情状酌量できる裁量権も与えた。
*海賊活動の激化の背後に煽動者の存在が考えられるため、その首謀者の捜索と拠点殲滅を捜索の第一目的とする。
*領海外の宇宙海賊取締のための国際法整備をTLIOに依頼中である。
}
}
無法者となった海賊船団は、2008/1/5現在、詩歌藩国を占領せんと攻撃をかけている。
しかし、この行動は不可解である。
確かに詩歌藩国は海洋のただ中にあり海賊の狙いやすい地ではあるが、襲撃による掠奪ではなく占領が目的となると海賊の原理原則に反する。もちろんFVB を追われた海賊は本拠地を必要とするはずだが、藩国はその拠点にするには大物過ぎる。今は占拠できたとしても、遠征中の詩歌藩国始め各国の部隊が帰還すれ ば鎮圧は瞬時である。まして詩歌藩国は水竜の国である。海戦で水竜に私掠船がかなうはずもない。
ならば、海賊ではなく、海賊を扇動している者には、詩歌藩国の拠点化以外にも目的があるはずだ。単なる陽動にしてはタイミングが遅すぎる。これは、もしかしたら水竜と人間との分断を狙った策の一環かもしれないことも視野に入れて一刻も早い解決が必要である。
「わたし、摂政である曲直瀬りまは、FVB海賊の皆さんとお話しをしたいのです。少しだけ話を聞いてもらえないでしょうか。
私は、詩歌藩国がこれ以上戦場になることを望みません。
私は、FVBの民である海賊が戦場に斃れることも望みません。
私は、帝國の民同士が争い、真なる敵を利することを望みません。
詩歌藩国の水竜部隊は今回の戦役で大きな力となっています。絢爛方面は水竜部隊によって突破口が開かれたといっても過言ではありません。つまり、今や詩歌藩国は帝國海軍の要、つまり私たち船乗りの守護神ともいえる存在なのです。
その詩歌藩国をこれ以上傷つけてはいけません。むしろ船乗りの民であるFVBこそ詩歌藩国を守護すべきなのです。
そして、あなた方が包囲している神殿は、過日私たちを救ってくださった蛇神様の社ではありませんか!
何者かによる扇動があったのか、それとも単なる勢いであったのかは私は知りません。
しかし、ここでこれ以上戦い続けることは、FVBにとっても帝國にとっても益とはなりません。
さあ、故郷へ帰りましょう。
私はあなた方の過ちを許します。今、投降すれば、恩赦を与えてくださると藩王様のお言葉を戴きました。もし、あなた方が望むなら、近日のうちに創設されるFVB海軍にも迎え入れて良いとも言われました。
そして、あなた方にも私の過ちを許していただけるようお願いします。あなた方もまた、人々を守って帝國の剣となることを誓ったFVBの民だということを忘れた過ちを。
私たちが、共に星の海へ漕ぎ出す仲間であることを思い出していただけないでしょうか。そして1つの樽の酒を酌み交わそうではありませんか?」
宙海賊改方は町奉行・宙奉行・勘定奉行から人員や資材を拠出する形で発足した。
本来なら、犯罪捜査担当の町奉行所(奉行:不変空沙子)あるいは港湾等の秩序維持を担当する宙奉行所(奉行:エステル・ヴァラ・夜明けの艦氏族・夜明けの船・ヤガミ)の所轄となるが、海賊および宇宙海賊行為が密輸から準軍事行動まで大規模かつ広範囲に及び、また海賊の資金の流れや密輸ルートを洗う必要があることから、勘定奉行所(奉行:不変空小春)からの出向者も加えた特別捜査班「宙海賊改方」を設置することとしたのである。
宙海賊改方は臨時の部署であるため、特に役所は設けられず、宇宙港内に主局、中央駅内に副局が設置されるにとどまったが、この主局副局についても不定期に移動することで防諜を図った。
主局が宇宙港に置かれた理由は、宇宙ならではの補給拠点の制限のためである。宇宙で海賊行為を働いたとしても地上のように沿岸の入り江等に上陸することはできないため、いずれかの宇宙施設あるいはその近隣宙域にて略奪品や補給物資の積み卸しをしなければいけない。そして、宇宙港の数は限られているので、宇宙港を拠点にすれば宇宙港に入港する海賊船あるいは港外の海賊船と連絡を取る補給船の発見・監視が容易なのである。
宙海賊改方の権限はあくまでFVB国内にとどまるが、宙海賊行為は公海・他藩国領域にまで及ぶため、国際法による多藩国間の捜査協力が不可欠である。
TLIOに依頼している宇宙条約には、事故等による遭難船及び遭難者の救助や帰国手続、各藩国領域及び公宙域における航路管制や航路整備による安全性の確保、宇宙船航行に必要な物資の安定供給等の条項が盛り込まれるよう依頼をおこなっているが、このうち「航路整備」の範囲に、犯罪行為から船舶を守るため巡視業務が含まれないか検討している。
2008/1/4および1/5の質疑により以下の内容が明らかとなっている。