#137提出データ

 ★宇宙開発グループ創設の経緯

 帝國の宇宙開発は着実に前進している。
  しかし、それはあくまで軍事偏向の宇宙開発であり、正確に言うなら宇宙軍の整備ということになる。進歩ではあるが、広い視野で見るなら、藩国船で大脱出をおこない、この地まで到達した民の国々であるとは思えないほどの後退ぶりである。それだけでも、この地に落ちつくまでに諸国が払った苦難の程をうかがい知ることができるだろう。
  だが、現状に甘んじているわけにはいかない。たとえ行く手にどれだけの苦難があろうと、前進するのが帝國の民である。そして、ただ闇雲に猪突猛進するのではなく、より効率的な道を探るのが、人類の進歩というものであろう。
 
  宇宙開発グループは、宇宙特化の民であるFVBが、宇宙開発の起爆剤として投入した切り札である。
 
  現在でも、各藩国は宇宙艦船、長距離輸送システム、銀河鉄道、宇宙港、マスドライバー等の宇宙活動のためのツールを保有しているが、それはあくまで個々の藩国がそれぞれの思惑で動かすものであり、聯合による協調があっても不効率な部分が多い不完全なシステムでしかなかった。
  なによりも単独の藩国だけで歩むには広すぎるのが宇宙である。
 
  もともとFVBは、TLIOに対して宇宙空間の平和的利用について協定案を作成できないか依頼していた。
  宇宙空間で事故が起こったときには、誰であろうと近くにいる者が手を差し伸べるべきだし、最寄りの港に曳航された宇宙船は修理と燃料補給の後には再び航海できるようになっているべきであろう。足もとを見て不当に高い料金を請求されたり、宇宙船を没収されるようなことがあってはならない。
  宇宙船の航路となる宙域に浮遊している浮遊物や小惑星のかけらの処理、ビーコンの設置、警備艇の配置などは藩国単独でおこなうにはあまりに負担が大きすぎる。
  これらはほんの一例だが、こうした事態が発生したときに、適切に処理するための枠組みは整備されておらず、あくまで個々の能力と善意に依存していたのである。
  だが、もしも複数の藩国でグループを組み、協力し合うことができたとしたら、さまざまな事業への初期投資も抑えることができるだけでなく、相乗効果によって今まで以上の経済発展が見込めるのではないだろうか。
 
  この考えを推し進めたのが、宇宙開発グループである。
 
  宇宙開発が軍部主導から民間へと移っていく中で、こうした国際的な協力体制が生まれてくるのは必然であった。

 


 ★宇宙開発グループと銀河鉄道

  経済の発展による広域化の過程において、運輸は経済という身体を動かすための血管となる。
  そして運輸の鍵は、いかに安価な費用でどれだけ大量に運べるかにある。そのため、ニューワールドにおいての運輸の主力は、空輸や陸運ではなく海運であった。民需において海運はいまだ航空やトラック輸送はもちろん、鉄道コンテナ輸送よりも輸送単価がかなり低い水準に押さえられていた。

  しかし、宇宙においては、また少し事情が異なっていた。

  帝國も共和国も宇宙艦建造はいまだ軍需に偏向しており、低コストの宇宙輸送船や宇宙客船が民間に普及しているとは言い難かった。
  そこで脚光を浴びたのが銀河鉄道であり、宇宙進出に邁進するFVBがながみ藩国(現・無名騎士藩国)、都築藩国(現・満天星国)に続いて銀河鉄道に参入したのは自然の流れであり、その鉄道を宇宙開発の中心に据えるというのは当然の結論であった。
  コスト的には宇宙輸送船と銀河鉄道はほぼ互角である。輸送船は単価としては鉄道車輌より割高だが、鉄道は軌道や駅施設など関連インフラへの投資が膨大なものとなる。しかし、鉄道には輸送船にないメリットがあった。
  それは、船舶に較べて迅速な輸送が可能ということである。
  簡単にいえば、10万トン積める船舶は貨物を10万トン積み込むまで出発できない。しかし、1万トンを輸送できる貨物列車なら、1万トンを積込み次第出発し、それを10回繰り返せばいい。これが、多頻度サービスである。
  また、鉄道の方が荷役サービスが迅速である。宇宙輸送船は、宇宙港で荷物を降ろしたとしても、そこからまたシャトルなりバケツによって地上に降ろさなければならず、地上に降ろしてからもトラックや鉄道への積み替えが必要となるので、その分の時間と費用が余分な負担となる。けれども、銀河鉄道ならば宇宙から惑星上にそのまま降ろすことができ、しかも帝國環状線とも連絡することでコンテナの搬送がスムーズに行われるのだ。

  この、宇宙空間を経由して惑星と惑星を結ぶ銀河鉄道という、輸送効率が非常に高いシステムを利用して物流ルートを整備することは、経済的にも意義のある話である。そして、これは資本提携などで協力関係を増やしていくことによってさらなるスケールメリットを得ることができる。
  それは単に路線整備の効率化、通信・管制設備の改良、列車運行管理技術の向上といったものばかりでなく、鉄道事業から派生するきわめて広範囲にわたる事業にまで影響を及ぼすことができるからだ。それは単に、やってくる旅客や貨物を待つ受け身の立場ではなく、積極的に業績向上を図る攻めの姿勢の産物である。
  たとえば、資源開発、エネルギー供給、、農林牧畜、観光開発である。日本においても、鉄道会社が中核となって、不動産事業、観光ホテル、デパート経営等の事業展開してきた姿を見れば理解してもらえるだろう。

 

   宇宙開発グループは、こうした鉄道経営と事業展開に必要な周辺宙域諸国の政治・経済・地理情報等の基礎的調査を行ない情報提供をおこなうことも、その役目としている。いわば、それ自身が1つのシンクタンクであり、単に各藩国各組織の利害関係の調整にあたるだけでなく、グループに加盟する藩国・事業者たちが、新路線を開拓するとき、新たに起業するとき、新規に駅や車 両基地を計画し設計するとき、銀河鉄道グループは適切な情報を提供し、あるいは代行することにより既存のネットワークに組み込み、より効率的に発展させて いくのだ。

  現時点で、同じく銀河鉄道を有する満天星国と路線の相互乗入れに向けて事務レベル協議を進めている。現在は満天星国の都合で作業は中断しているが、最終的には互いの駅施設や路線を共有することで事業の更なる発展が期待でき、FVBで建設中の大地球駅(仮名)もテラ総合駅として機能するよう、複数路線が乗り入れできる構造で建設中である。

 

 ★銀河鉄道と宇宙輸送船

  宇宙輸送において銀河鉄道を優位と判断したFVBであったが、従来の輸送船による方式を放棄するわけでもなかった。

 

  玉子は1つのカゴに盛らない。

 

  マーク・トゥエインあたりなら、複数のカゴに分けたら注意を分散させて失いやすくなるだけだと皮肉るだろうが、そのためのグループである。1人で2つのカゴの面倒が見られないなら、2人で、いや4人で2つのカゴを見張ればいいと言うのがリスクマネジメントの考え方。1つの方式に絞った場合、突発事態や状況の変化に対応しきれなくなることが明白だからだ。

  銀河鉄道には長所は多いが、路線変更や新規路線の開拓が容易にはできず、また軌道がテロや軍事作戦の標的になりやすいという短所もある。もちろん、そのために警備機構や隠蔽システムに力を注いでいるわけだが、サブシステムとして輸送船を確保しておくことも重要である。

  両者に競合する部分が多いというのであれば、競合しない部分を伸ばせばいいだけの話なのだ。

 

 

 ★宇宙開発グループの共同事業

  宇宙空間に国境はない。
 
  宇宙開発グループに加盟する藩国(以下「宇宙開発グループ」)は、個別の加盟国の主権を尊重しつつ一致結束を図り互いに協力し合うことで、まだインフラ整備が不十分な宇宙空間において、宇宙開発事業において人材や機材、資源を集約し、効果的な宇宙開発をおこなうことをめざす。


  宇宙開発グループは、宇宙における人の自由な移動を確保し、雇用の促進を図ると共に、協力して移民問題や広域犯罪の防止にあたる。
  TLIOの発効する条約や法令については、宇宙開発グループとして批准する。


  宇宙開発グループ内では、宇宙港の係留料金や銀河鉄道の利用料等、宇宙関連施設の利用料金あるいは燃料や資材等の補給物資のについてグループ料金体系として低廉な統一料金を設定する。
  また、宇宙開発グループは、宇宙における資源開発や技術開発について協力することに務める。
 

  こうした協力体制によって、加盟時点で宇宙関連施設や艦船機材をもたない藩国であっても、グループに加盟することで藩国民の雇用を確保できるであろうし、投資による利益も期待できるはずである。
  宇宙は限られた者のための狩猟地でもないし、戦争のためだけにあるのでもない。

  星を求めるすべての者に手を差し伸べ、支え合うために宇宙開発グループはあるのだ。

 

 ★流動化の進展と監視体制の強化

  宇宙開発グループ内では、宇宙空間での人的交流や物流への規制が緩和(一部撤廃)され、結果として経済の活性化が期待されるが、それは一方で悪質な犯罪やテロも境界を気にせず行き来できる可能性が生じることを意味している。

  犯罪者が一旦宇宙へ出れば、あとは宇宙港を経由して自由気ままに逃亡・潜伏することができる。

  武器や非合法の薬物も自由に流通する。

  そういった事態は避けねばならず、そのために課税や手数料目的の障壁はすべて撤廃したとしても、非合法活動への監視と捜査体制は逆に強化されねばならない。国境無き宇宙は、正しい者に対してのみ開かれねばならない。

  しかし、宇宙開発グループ自体は国家ではないし、母体であるFVBにしても他国に対して強制力を持つわけではないため、TLIOとも協力し、国境を越えた捜査協力についても制度整備を進め対応力を強化することが重要であると認識されている。

 

 ★経済調査部員の活躍

  宇宙には、まだまだ開発の余地がある。交易にしても、天領のように本格的な交易が始まっていないエリアもあり、またオリオン・ペルセウス方面との間とも遠からず本格的に人や物が行き交い始めることになるだろう。

   しかし、十分な事前情報がなければ、受入体制に不備も生じるだろうし、法制度の違いや取引条件の解釈の相違から深刻な被害を受けることも可能性として無いわけではない。燃料採掘にしても、ただ闇雲に掘り返しても仕方がないし、新規路線や航路の開発にしても正確な需給予測がなくては赤字路線が増えるばかりである。

  そこで重要となるのが、さまざまな情報を集積し分析する調査部門の存在であり、宇宙開発グループは経済調査部を設置した。

  国籍を問わず集められた優秀な人材が、自由闊達な気風の下、フィールドワーク重視で既知世界すべてからの情報を収集し、具体的な数字をもとに合理的な分析に当たっている。

  互いに補い合いながら新たな市場を開拓していくのが宇宙開発グループであるなら、そのシンクタンクともいうべき組織が、経済調査部なのである。

 

 

文:曲直瀬りま

絵:曲直瀬りま

 

 ★宇宙開発グループへの参加のお願い

  FVBでは、宇宙開発グループへの参加藩国を募集しております。

  下記質疑によると、宇宙開発グループに加盟する藩国は、税収上昇や市場の活性化が期待できるとのことです。
  現時点では
宰相府の参加が確定しており、「銀河鉄道111」を所有する満天星国は国内情勢が安定次第の参加となっておりますが、グループとして機能するにはあと最低8カ国は必要だろうということです。

 

 グループへの参加資格

 帝國に属する藩国を原則とさせていただきます。(質疑にて確認しました)

 応募の方法

 イベント掲示板にて予備募集を開始させていただきます。応募は「正式加盟」と「仮調印」の2種類とし、国内情勢等の事情で今すぐに加盟して参加するには問題があると思われる場合は「仮調印」、そうでなければ「正式加盟」とし、EV137へ「宇宙開発グループの創設」の要点が開示された時点で正式な完成とみなし、正式な加盟調印とさせていただきます。(その際、もし、不都合があって内容変更したい場合は、要点開示後3日以内にお申し出ください。)

  また、グループに加盟される藩国の方は、列車内や駅構内の物販に出店する、資本参加する、不動産分譲や観光でタイアップする、鉄道警備要員を派遣する等、どのような形で参加されるかも付記していただけると幸いです。

 意見募集

 宇宙開発グループに参加するしないにかかわらず、ご意見ご要望をいただければ喜んで参考にさせていただきます。

 

 

 ★質疑

09/01/21

▼ 「宇宙経済グループの発足」を作成する際に、TLIOで作成中の法令を参照しても問題ない。

▼銀河鉄道の停車駅は最初に決めておくのと、あとから設定するので設定国民への影響に差はでない。

 

09/01/20

▼天領と鉄道路線をつないでも経済問題は発生しない。
▼相互乗り入れを設定すれば、複数の銀河鉄道が駅を共有できる。
▼FVBは
第2第3の燃料採掘地を冥王星上に発見することは、燃料探しゲーム等で冥王星で探すと指定して成功すれば可能。
▼銀河鉄道は外敵に対しての自衛戦力をほとんど持たない施設アイドレスなので、これへの対応は必須。

▼銀河鉄道を核とした宇宙経済グループを作成するとした場合、帝國内で10国程度の賛同国があれば良い。宰相府はもちろん賛同します。
▼宇宙港などの宇宙施設は交易において競合相手となる。
▼施設(銀河鉄道)はコスト面で安い代わりに軍事的な自由性はあまりない。
▼EV137において交易用の宇宙施設(例えば物資集積所とテラに対する関税所を兼ねる銀河鉄道駅)を設けることで、衛生面や治安維持に十分な対応を行える。
▼NWの帝國加盟藩国以外に宇宙経済グループに協力してもらうことは考えないほうがいい。


09/01/24

▼宇宙経済グループに加盟する藩国への特典として、税収上昇や市場の活性化が期待できる(具体的な変動データの提示無し)あるいは出資の代わりの燃料配分と設定可能。
▼銀河鉄道の駅を設置する路線として、テラ駅以外に冥王星、オリオンアームのいずれかが有望。

 

###L化開示###

L:宇宙開発グループの創設  =  {

t:名称  =  宇宙開発グループの創設(イベント)
t:要点  =  共同開発,インフラ整備,物流調整
t:周辺環境  =  銀河鉄道,燃料採掘地
t:評価  =  なし
t:特殊  =  {
*宇宙開発グループ創設のイベントカテゴリ  =  世界イベントとして扱う。
*宇宙開発グループ創設の位置づけ  =  自動イベントとして扱う。
*宇宙開発グループ創設の効果 = 宇宙開発グループで輸送する燃料は輸送時、4分の1の重さとして扱う。
*宇宙開発グループ創設の効果 = 宇宙開発グループで行う宇宙開発時にHQ相当の修正を与える。

t:→次のアイドレス  =  宇宙艦船・宇宙筏の開発(イベント),更なる採掘地の捜索(イベント),燃料採掘技術(技術),宇宙船型藩国の開発(イベント)

最終更新:2009年04月28日 22:25