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ドルアーガの塔」(2013/09/11 (水) 09:20:10) の最新版変更点

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*ドルアーガの塔 【どるあーがのとう】 |ジャンル|アクションRPG|&amazon(B00005ONE8)| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|ナムコ|~| |稼動開始日|1984年7月|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要  遠藤雅伸氏が『[[ゼビウス]]』の次に制作したアクションゲーム。~  大悪魔ドルアーガによって石に変えられた恋人カイを助け出すため、主人公ギルガメス(ギル)が単身ドルアーガの住まう塔に乗り込む。~ -ドルアーガの塔から始まる一連の作品は、『バビロニアンキャッスルサーガ』と呼ばれている。本作はその第1作目にして、時系列上では第2話に当たる作品。その世界観はバビロニア神話の影響を強く受けている。 **特徴 -4方向レバーでギルを操作し、ボタンを短く押すと剣を振る。押したままだと剣を前に出した状態となる。基本的には敵を攻撃する場合には押したままの状態を用いる。 -ギルは盾を所持しており、これで敵の呪文を受け止めて無効化することが可能。盾は納剣状態だと前方、抜剣時は左側面に向けられている。 --盾で呪文を受け止める時は正面(納剣時)が基本だが、38階の宝箱の出現条件に「剣を出した状態で盾で呪文を受ける」というものがあるため、抜剣状態で盾を使うテクニックは全面クリアに必須である。ただしインストカードには「盾を使うときはボタンを押さないで」と書いてあるため、剣を出してる間も盾を使えることに気がつかないプレイヤーもいた。 -各階では条件を満たすと宝箱が出現。中には様々なアイテムが入っており、これを習得することでギルは少しづつパワーアップしていく。ただし中には体力が低下する毒薬や呪われてパワーダウンするアイテムも入っていたりする。 -制限時間内にフロア内にある鍵を取り、扉に到達することでクリアとなる。全60面クリアでエンディングが表示されゲーム終了となる。 -剣を出して無い状態で敵に触れる、隠しパラメータであるギルの体力が0の状態で敵と交差する、呪文を盾以外のところで受ける、制限時間を使い切ることで1ミスとなり、持ち人数を全て失うとゲームオーバー。その後タイトル画面で剣ボタンを押しながらスタートすることによってコンティニューが可能となっている。 #region(敵キャラ) -スライム(グリーン、ブラック、レッド、ブルー、ダークグリーン、ダークイエロー) --一マス動く毎に停止を繰り返す。ただし移動中のスライムには一方的に負けてしまうため、動きが停止するタイミングを見計って攻撃するか待ち伏せをする必要がある。なかにはマジシャン同様呪文を放つものもいる。 -マジシャン(メイジ、ソーサラー、ドルイド、ウィザード) --ギルの四方に神出鬼没に出現し、呪文を撃って消える初心者殺しの敵キャラ。剣の一撃で倒せるが、消える前に呪文を掻い潜りつつ近づかなければならない。なお、ソーサラーの呪文は「ファイアーエレメント」を生成、ドルイドのそれは命中した壁を破壊、ウィザードは壁を通過する呪文を放ってくる。 -ゴースト(メイジゴースト、ドルイドゴースト、ウィザードゴースト) --壁を突きぬけながら移動し、呪文を撃ってくる。特定のアイテムを持っていないと姿が見えないが、見えないだけで倒すことは可能。呪文は生前?の特徴を受け継いでいる。 -ナイト(ブルー、ブラック、ミラー、ハイパー、レッド、リザードマン) --近づくと剣を出してギルに向かってくる。剣を出している状態で何度か交差すると倒すことが可能。ミラーナイトは「ギルの能力を一部コピーする」という特徴があるため、脚の速さがギルと同じになる。 -ドラゴン(クォックス、シルバードラゴン、ブラックドラゴン) --動きは遅いが長い炎を吐いてきて攻撃する。炎は終盤で獲得できるあるアイテムが無いと一撃死となる。体力も非常に高く、何も考えないで交差しているとこちらがやられてしまう。 -ローパー(グリーンハンド、ブルーハンド、レッドハンド) --イソギンチャクのような外見の触手が生えた生物。納剣時に交差するとギルの体力を0にしてしまうが、いくら交差してもミスにはならない。逆に抜剣時はナイトと同じ感覚で倒すことができるが、ミスの可能性も出てくる。 -ウィル・オー・ウィスプ(ブルー、レッド) --制限時間が残り少なくなると出現する(高次面では最初から出現している場合もある)。中にはギル以上のスピードで移動するものがあり、無効化するアイテムが無ければ接触は即ミス、しかも倒せない。ただし動きに法則があるので、それを理解すれば安全にやりすごしたり封殺することも可能。 -サッカバス --57階に登場する敵。女神イシターに化けており、こいつを倒すことがこの階の宝箱出現条件の一つ。 --PCエンジン版以降は本来の姿も描写されるようになったほか、物語のキーパーソン的な存在に昇格した。((名前も本来の英語読みである「サキュバス」に改められている。)) -ドルアーガ --本作品のボス。「変身能力を持つ」という設定に則り、4つの形態に変化する。特定のアイテムを揃えないと絶対に倒せず、こいつを倒さないと最終面である60階に行けない。 #endregion **長所 -RPGの要素を上手く取り込んだゲームデザイン --60階立ての塔を登りながらアイテムを集めていく。アイテムを入手するとギルがパワーアップし、場合によっては容姿も変化する。アイテムは各階に1つある宝箱の中に入っているのだが、出現させるには各階毎に設定された条件を満たさなければならない。 -シンプルな記号的表現ながらもわかりやすく美しいグラフィック。 --本作のキャラクターは、データ量削減のため「パーツ毎に細かく分けて描き、それを組み合わせて描画する」という手法で描かれている。また、「同じドットでも部位によって色を変え、従来の作品よりも差異を細かく表現する」という手法がこの作品で始めて用いられるなど、当時としてはとても手の込んだグラフィックであった((GAMEwatch2008年5月12日掲載記事:「立命館大学、「ドルアーガの塔」のセミナーを実施遠藤氏が企画初期の流れを披露。ゴンゾ橋本氏はアニメの狙いを語る」より。))。 -小沢純子女史による美しいBGM --当時のゲーム(アーケード、家庭用ハード問わず)はBGMの曲数が極端に少なく、たいていの作品で1つあるかどうかであった。そんな中での本作の5曲(面クリア時のファンファーレ等も含めると8曲)という曲数は頭一つ抜けていた。そしてどの曲もがプレイヤーの頭にしみついているであろう名曲、名フレーズであり、現在でも非常に親しまれている。 --59階(ラスボスのドルアーガとの決戦)では専用BGMが流れるのだが、本作以前にはこの様な演出を行う作品は皆無であった。もしかすると本作は「ラスボス戦で専用曲を流す」ことの先駆け、と言えるのかも知れない。 --このゲームのエンディング曲は小沢純子女史がナムコ入社後初めて作ったBGMであったのだが「こんな長い曲は使えない」と総ボツにされた経緯がある。それを聞いた遠藤氏は「オレがこのBGMを使えるようなゲームを作ってやる」と氏を励まし、約束通りドルアーガを制作したという。 --ゲームオーバーの曲に合わせて「ゲームはナムコー」という歌詞が当時放送していたナムコ提供のラジオ番組「ラジオはアメリカン」のCMでつけられ、このネタは「カイの冒険」の真のエンディングでも使われた。 -斬新なポスター --実写で表現された塔とアニメ絵で描かれたキャラクターを合成し、かつ漫画のコマ割りのようにしてゲームをダイジェストに紹介している。また右下に「To be continued...」とある。「続きはゲームで」ということなのだろう。 --このポスターは非常に人気が高く、後にゼビウスのそれと共に復刻されて一般にも発売された(本来は店舗が基板購入時に貰えた販促用の非売品だった)。 -神話を取り入れた綿密かつ神秘的な世界観と、登場するキャラクターの魅力 --中でもバビリムの巫女にしてギルの恋人「カイ」の人気は非常に高く、80年代のアーケードを代表するヒロインの一人と言っても過言ではない。 **賛否両論点 -アイテムの出現方法がノーヒント --当時は攻略サイト、ひいてはインターネットすらなかったため、アイテム出現の条件を探ることが非常に困難であった。その出現方法は分かりにくいものが多く、(「敵を全て倒す」と言ったオーソドックスなものから、「スタートボタンを押す((ナムコ純正の筐体でプレイしていると、ヒントとして面スタート時にスタートボタンが光る。))」「レバーを入れっぱなしにする」「特定の順番で敵を倒す((「アルファベット順に倒す」と言う条件もあるが、ゲーム中で敵の名前が表示されないので……。))」など嫌がらせとしか思えない条件まで)ゲームの筺体に攻略情報を書き込むノートが置かれていたり、苦労して見つけた攻略法を他人に知られまいとプレイを隠したりするプレイヤーが現れたりした。 --またナムコ本社にも攻略法を教えてくれと言う電話が殺到した。このため当時ナムコが出していた季刊の情報誌「NG」の84年秋号では「攻略法は答えられないので電話しないでくれ」という通知がなされた。その前号ではストーリー紹介から大々的に取り上げ、また「ドルアーガのテクニックを募集している」と告知していたが蓋を開けてみればテクニックよりも質問のほうが遥かに多かった。 --結果として85年1月に電波新聞社から発売された「マイコンBASICマガジン」での全面マップと解法が掲載されるまで偽情報含め様々な情報が飛び交った。またこの号でも完全な宝箱の出し方でなかった(さらには他誌からの盗作疑惑まで浮上した)がこれによりやっとクリアできたと言う人も多い。 --このシステムはインターネットによって情報収集力が飛躍的に高まった現在でも間違いなくクソゲー判定されるであろう。しかし逆にそれがゲーマー達の火を付け、口コミや雑誌の紹介などで本作はロングヒットとなった。 ---現在で同様のゲームを出しても、良くてニッチゲー、悪ければクソゲーと言う評価を受ける事になると思われる。しかし、高難易度のゲームがごく当たり前であり、ゲームにつぎ込む時間の余裕があった当時だからこそ許され、そして受け入れられた。つまり、「時代に合ったゲーム」と言え、後の評価には「偉大なる駄作」というものもある。 ---また、遠藤氏自身は、そもそも万人受けするゲームではなく、マニア向けの実験作として作っていた。そのため、一歩間違えればクソゲー足りうる敷居の高いゲームである事は必然だったと言える。 -ちなみに最速クリアの公式記録は稼働開始から2週間程、高田馬場のゲーセンで早稲田の学生が出したと言われている。遠藤氏の元に「あのー、ウシ(=ドルアーガ)が出てきたんですけど、これでいいんでしょうか?」という電話がかかってきたそうな。 **短所 -永久ループが可能 --59階でラスボスであるドルアーガを倒さずに扉に入る、60階で壁を破壊したりイシターの幻影やカイを攻撃する、タイム切れになる等の条件を満たした場合、いくつかのアイテムが没収された上で下の階に落とされるペナルティ(通称:ZAP)を受ける。クリアに必須な特定のアイテムを失ってしまう上に再入手できなくなってしまうため、1度ZAPを受けた時点で、事実上ゲームオーバーとなってしまう。 ---これ自体は永久パターンを防止するための措置であったが、これを利用することで永久ループが可能となり、ワンコインで延々とスコア稼ぎができてしまうという新たな問題点が発生してしまった。攻略情報用のノート設置と共に「ZAP禁止」の貼り紙をするゲーセンが多かったのも、今では語り草となっている。 -スコアアタックがほぼ無意味 --コンティニューで再開し、そのステージをクリアすると、莫大なスコアが入るようになっている((敵を倒すと1体につき最大5000点、クリアボーナスでも500000点と言う中、コンティニューボーナスは(フロア数-1)×20000点と言う莫大なポイントとなる。つまり、60階でコンティニュー後クリアした場合のボーナス点はなんと1180000点。))。このため、1コインで必死にクリアするより、毎フロアコンティニューを繰り返してプレイした方が明らかに高得点となる。 ---これは、「スコア要素を入れろ」と言う上司に反発して取り入れた物との事で、「このゲームにはスコアより大切な物がある」と言うメッセージだったらしい。とはいえ、楽しみ方の1つを無くしてしまう要素だったと、遠藤氏も後に反省している。 -不親切すぎる説明 --当時まだゲームに関する情報が少なすぎたこともあり、プレイヤーはゲームを行うにあたって筐体に添付している「インストラクション・カード」が数少ない情報源であった。しかしそれには本当に基本的なことしか書かれておらず、攻撃の仕方すら書いて無かったため「倒すことのできないグリーンスライムをよけつつ鍵を取って扉にたどり着く無理ゲー」と誤解された場合もあった。 --さらに本作にはデモ画面や操作説明画面がない。アトラクトはタイトル画面・英文ストーリー紹介・スコアランキングの3つのループ。 ---そして「盾を使うときはボタンを押さないで」とあるが、ボタンを押している間=剣を抜いている間でも盾は使える。しかも、これを利用しなければ出現しない宝箱がある。 ---これはそもそも「情報が多い」=「敷居が高くてプレイして貰えない」と言う時代だった為らしい。ドラゴンクエストも無い時代、HPと言う言葉さえ一般的ではなかった。 ---もっとも、不親切である事は確かである。そもそも、情報量以前に難易度や前述の宝箱システムが相当敷居が高い訳で……。 **移植 人気作であったこともあり、多くの機種に移植された。 -FC版 --一早く発売されたファミコン初のRPG(下記の理由からRPGと見なされないケースもある)。パッケージ裏にもシッカリと「RPG」の文字を確認できるが、まだその用語は認知されておらず殆どの人はアクションゲームと認識していた。 --ハードの制限を受けモーション短縮や画面サイズ変更などが行われているが、ゲームのプレイ感はさほど変わらず、下位機種移植にありがちな改悪と呼べるようなアレンジ要素もない。そのため良移植の部類に入る。さらに、ストーリー上意味を持ちながらもアーケード版では入手必須ではなかった”ある宝物”がFC版では入手必須となっている。 --後の作品でも存在する「裏ドルアーガ」が初めて導入された。エンディング時に表示されるコマンドをタイトル画面で入力すると、タイトルロゴが緑色に変化し、宝箱の出現方法がガラリと変わる。実質2周分遊べるようなものである。 --FC版発売と共に多くの出版社から攻略本が発行された。中でも『ドルアーガの塔のすべてがわかる本』はかなりの部数を売上げ(((有名店数店の集計に過ぎないが)書店売り上げ1位を記録した事もあり話題になった。そのため噂を聞いた非ゲーマーが「ピラミッドパワーか何かの本」と勘違いして買ったと言う笑い話も。))、単独作品のゲーム攻略本ビジネスのハシりとなった。また、裏ドルアーガの存在もAC版以上の大ヒットを生む結果につながった。 --後に『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』の予約特典として復刻された。ゲーム本編とは別にケースが付属しており、紙ケースは当時のFC版のパッケージがそのまま再現されている。 --ゲームレコードで16階のタイムアタックが開催された。 -GB版 --残機制が廃止され、オリジナルでは隠しパラメータであったライフ制に変更されている。発売、開発はナムコではなくエンジェルが担当している。 -PCE版 --RPG要素が大幅に強化され、様々な特徴のある装備を任意のタイミングで変更可能、ポイント割り振りによるパラメーター強化システムの導入、マップが正方形の斜め見下ろし俯瞰になるなどの大幅なアレンジが施された。 ---難易度も数段階から選ぶことができ、低難易度では残機無限、制限時間の撤廃、宝箱出現のヒント((ただし、文面が謎かけのような文章であり、直接的な表現で示されない。))が表示されるなど難易度が大幅に低下。初心者にもとっつきやすくなっている。一方、高難易度志向のプレイヤーには制限時間あり、体力非表示、宝箱出現のヒント無し(当然低難易度モードとは異なる出現条件になっている)、コンティニュー回数制限あり、と足枷だらけの高難易度モード「プロゲーマー」も用意されている。 ---プロローグの語りでカイがドルアーガに囚われた事を告げにくる謎の男(アンシャー)や、サッカバスがドルアーガの改心を願い、ギルを試した後にブルークリスタルロッドを返すなど、従来のシリーズでは表に出てくることのなかった設定が改めて取り入れられ、キャラグラフィック付の会話シーンも挿入されるようになってストーリー性が高められている。 --遠藤氏はAC版の難易度や仕様について「基板の性能上、塔の形状を円形に近い正方形にしたかったができなかった」ことや「コインオペレートの制約上難易度を高くせざるを得なかった」こと等を挙げ、「PCE版が僕の理想に一番近いドルアーガだ」と述べている。 -パソコン版 --X1、FM-7、FM77AV、MZ-1500、MZ-2500、MSXといった8bitパソコンに移植されている(MSX版のみナムコ、他は電波新聞社)。画面横にステータス画面を配置して縦長風に表示した作品が多い。 -PS版(ナムコミュージアムVol.3収録) --AC版をほぼ完璧に移植したもので、モニター縦置きモードを使えばアーケードそのままの画面にもなる((発売当時は専用モニターを使わなければならなかったが(ブラウン管TVを縦置きにするのは危険!)、現在は向きを変えられる液晶モニターが使える。))。さらに設定資料の閲覧や、「裏(FC版とは別物)」「闇」の2つの高難易度バージョンが楽しめるなど、純粋な移植に止まらずいい仕事をしている。 **続編 遠藤氏が関わった『バビロニアンキャッスルサーガ』の作品は以下の3つ。 この他にも『ドルアーガの塔』の名前を冠する作品は存在するが、生みの親である遠藤氏は''「自分(とゲームスタジオ)が製作に関わっていない作品は正史ではない」''としている。ただしストーリーや世界観の監修作業はそれらの作品においても遠藤氏はきっちり行っているようだ。((MMORPGのドルアーガにおいて、『開発スタッフが「ライオンを敵として出そう」と提案したが、遠藤氏は「ライオンはこの世界では神聖視されているのでダメ」とNGを出した』というエピソードがある。ちなみにPCE版やBCRではライオンが重要な役割を果たしている。)) -『イシターの復活』 --ドルアーガの塔の正統続編。今度はドルアーガの魔力の消滅に伴い崩壊しつつある塔(しかし階数は128階と倍以上に増えている)をギルとカイが力を合わせて脱出するお話。当時としては破格の美しいグラフィックや、ギルとカイを同時に操るプレイスタイル、キャラクターの成長とそれを記録するパスワードシステムが話題となった。 ---1クレジットで二人プレイ可能。一人プレイ時はカイをメインで操作し、ギルをサブで操作する。 ---今作ではギルの体力は常に見えている状態になり、ギルの体力が0になるかカイが一部の防御魔法を発動させていない状態で敵に接触するとゲームオーバーとなる。このためカイを最初のザコにぶつけてしまい開始5秒でゲームオーバーになったというネタがあちこちから寄せられた。 ---ギルとカイを同時に動かせなければクリアは難しいのだが、ゲーム中ではもっぱら魔法の使えるカイを操作することが多く、ギルはカイの使い走り扱いとなってしまった。また、スタート時のギルは大幅な弱体化を受けており((ゲーム上、しかたないこととはいえ、ドルアーガを倒した最強装備のはずなのに戦闘力が最弱のナイトとどっこい。))、ギルファンは涙した。 ---成長システムと、魔力がコンティニュー以外でほぼ回復しない((ゲーム全体で2箇所しか回復ポイントが無い、しかも1クレジットでは各1回しか使えない。それ以前に無事に辿り着ければの話だが。))(ギルの体力は魔法で回復可能)関係上、NEW GAMEからの1クレジットクリアは不可能。ただし2クレジットでのクリアは可能である。パスワードを使い、最初から成長したキャラクターを使うなら1クレジットでもクリアは可能だが。 --当時の家庭用ハードには移植は存在しなかったが、パソコンに移植版が発売されている(MSX2版のみナムコ。他機種版はSPSが開発・販売)。また、PSの『ナムコミュージアムVol.4』にて、ドルアーガ同様高クオリティの移植が行われ、AC版を上回る難易度の「裏イシター」も収録されている。 ---当時家庭用ハードには移植されていないにも関わらず、後述の『カイの冒険』のTVCMでは本作の名前が登場する。そのため、ゲーセンに縁の無かった年齢層には何のことかわからなかったものと思われる。 -『カイの冒険』 --FCにて発売された外伝(もともと「バビロニアンキャッスルサーガ」は三部作の予定であった)。ドルアーガの塔の前日談、つまりカイが塔に挑んでドルアーガに囚われるまでのエピソードを描く作品である。 --宝箱の探索要素がなくなった代わりにアクション性が高められ、ジャンプアクションゲームとなった。 ---カイは敵を一切倒せないためジャンプでひたすら敵を避けて先に進んでいく。強烈な慣性と独特な浮遊感を伴うジャンプをいかに制御できるかがクリアへの鍵で、難易度は高め。裏(60階以上のフロア)になるとさらに難易度上昇。 --前作との兼ね合い上、ゲームをクリアするとカイは石に変えられ塔に幽閉される。バッドエンドの有るゲームは数あれど、正式エンディングがバッドエンドのゲームは、どうやらこのゲームがファミコン初だったようだ。設定上、覆しようのないこととはいえ難易度の高さと裏腹な達成感の無さと後味の悪さは今でも賛否両論点としてあげられる。 ---後に遠藤氏の下に「カイがかわいそう」というプレイヤーからの手紙が届き、「ユーザーをガッカリさせるような結末を作るのは止めようと思った」と、氏は回想している。 --本作はアタリ・ゲームズの名作『メイジャー・ハボック』の横スクロールアクションパートをオマージュした(というより、ほぼそのままシステムが流用されている)作品であり、スタッフロールにも「スペシャルサンクス アタリ メジャーハボックかいはつチーム」と書かれている。 -『[[ザ・ブルークリスタルロッド>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/128.html]]』 --SFCにて発売されたシリーズ完結編。シリーズ唯一のアドベンチャーゲームで、全48のマルチエンディングが特徴。詳細は上記リンクにて。 **余談 -本作はナムコの代表作の1つとなり、時代を経てもテイルズ オブ シリーズやバテン・カイトスシリーズで『ドルアーガの塔』にちなんだアイテムやダンジョン、称号が出てきたりと与えた影響は大きい。 -本作は「余ったマッピーの基板ROMで何か小品を作れ」と上司に言われて作られた作品であった。上は「小遣い稼ぎ程度の何かが作れればよい」と考えていたため、もともとこの作品には期待していなかったのである。そのおかげで遠藤氏はのびのびと手腕を振るうことができ、結果本作は大ヒットとなったのだが、そのせいで「余ったはずの基板ROMが逆に足りなくなり、結果増産するハメになった」という事態を生んだのはなんとも皮肉な話である。 -本作を参考にして製作されたのが、かの名作『[[ハイドライド]]』((なおハイドライドは「アクティブRPG」を名乗っており、「アクションRPG」を名乗っていたのはライバルの『ドラゴンスレイヤー』である。))。そのためドルアーガの塔は「ARPGの始祖」とも呼ばれている。一方で、経験値のシステムがないため、本作を純粋な意味でのRPGと捉えない見方もある((ただし本来の意味のRPG(役割を演じるゲーム)と経験値はイコールではない。テーブルトークRPG(コンピューター役も人間がやる元祖RPG)の代表作「トラベラー」や「ルーンクエスト」には経験値が存在しない。一方で、コンピューターRPGの祖と言われる「ウィザードリィ」、「ウルティマ」、「ローグ」は経験値やレベルと言った要素を持っている。))。 -創元推理文庫から三部構成のゲームブックが発売された。原作破壊とも取れるオリジナル設定がてんこ盛りだが、ゲームブックとしての完成度はすこぶる高く、「名作」「ゲームブックの最高傑作のひとつ」との誉れ高い出来となっている((逆に同社のゲームブックコンテストが本作の模倣作ばかりになって頭を痛めたとか。))。近年では復刊されたり、『[[NAMCOxCAPCOM]]』にゲームブック版の設定が一部逆輸入されたりもした。 --また、『カイの冒険』も創元推理文庫よりゲームブック化されている。ただし『ドルアーガの塔』三部作とはまた別の作者であり、基本的なゲームシステムも別物となっている。 -ナムコがGCで発売した「ミスタードリラー ドリルランド」では、遂に本作をモチーフにしたアトラクション「ドルアーガの穴」が登場した。 --雑魚モンスターに始まりクォックス、ドルアーガも世界観に即したデフォルメがされており、可愛げがある。 ---「ドルアーガの塔をモチーフにしたアトラクション」という設定だが、ギルとカイは''なぜか性別が逆転している。''男の娘「カイル」を、ギルの子孫の少女「ギルコ」が助けるというストーリー。だが、実際参加するのは遊園地のお客であるドリラー達でありゲーム中に二人は登場せず、タイトル画面のみ。 -本来はスライムは剣では切ることが出来ない巨大なアメーバ状の体で人間に覆いかぶさり溶かしてしまう危険な生物だったが、本作のヒットで日本では「剣で切れるプルプルした生き物」扱いになった。そのため遠藤氏は『スライムに対するA級戦犯』と自嘲したことがあった。もっとも、コンピュータRPGの元祖である『ウィザードリィ』や『ウルティマ』でもスライムは剣でも倒せる最弱クラスのモンスターであり、本作のスライムは呪文を使ったり移動中に接触すると一撃で倒されたりと、むしろコンピュータRPGのスライムとしては強い部類に入る。
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