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*金田一少年の事件簿 星見島 悲しみの復讐鬼 【きんだいちしょうねんのじけんぼ ほしみとう かなしみのふくしゅうき】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000069U51)| |対応機種|セガサターン|~| |発売元|ハドソン|~| |開発元|メトロ|~| |発売日|1998年1月15日|~| |定価|5,800円|~| |レーティング|セガ審査:全年齢推奨|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:&color(black)''[[金田一少年の事件簿シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1531.html]]''| **概要 人気の絶頂にあったアイドルが「事務所社長の息子との密会」というスキャンダルで失脚。アイドルのマネージャーであった「立花由布」も、真相を探る途中で謎の転落死を遂げた。~ 警察は由布の死を自殺と断定したが、そのことに不審を抱く者が2人いた。1人はスキャンダルを仕掛けられた張本人で由布の親友でもあった「桂木なお」。もう1人は由布の婚約者「阿佐桐卓也」。スキャンダルが仕組まれたものであったことに気づいた2人は別々に由布の復讐を決意。すべての関係者が集まるレジャー施設「星見島」でその機会を伺うのだった…。~ ~ 本作は''殺人犯になって復讐を遂げることが目的''という、推理ゲームの中でも類を見ない異色作である。その異色さは「''このゲームは犯罪を助長するものではありません''」という警告文がCDケース・説明書・ゲーム開始時の3か所にわたって記載されていることからも伝わるだろう(なぜか対象年齢は「''全年齢推奨''」だが)。 **特徴 主人公は「桂木なお」(初級編)と「阿佐桐卓也」(上級編)の2人。主人公によって主な登場人物と復讐のターゲットが変わり、復讐のきっかけとなる事件から始まって復讐相手を探し出して殺害し、金田一の追及をかわして復讐を成し遂げることが最終的な目的となる。基本的には選択肢を選びながらシナリオを読む「アドベンチャーモード」でゲームを進めていくが、殺害シーンや逃走シーンでは「リアルタイムサスペンスモード」なるアクション要素が強いミニゲームをすることもある。~ ~ ゲームの難易度は高めである。復讐を遂げるにはターゲットを探すところから始まって、殺害方法やトリック、殺害する順番までを自分で決めていかなければならず、ちょっとでも方法や手順を間違えたり不審な行動を取ったりすれば、たちまち金田一に気づかれてバッドエンドになる。気づかれるポイントは、プレイヤーでさえ「いくらなんでも」と思うような大失敗から、金田一の本領発揮と言えるさりげないものまでさまざま。反対にうまく欺いていけば、原作ではなかなか見られない推理を外しまくる金田一(と最後にちょっとだけ出てくるあの人)を見ることができる。~ ~ 金田一に気づかれる以外にも、「疑心暗鬼に陥った復讐相手に殺される」「復讐相手を間違える」「''金田一を殺そうとする''」などバッドエンドの種類は豊富で、特にちょいちょい混ざっているネタ選択肢を誘惑に負けて選ぶとほぼ間違いなくバッドエンドに直行する。バッドエンドにもネタ要素の強いものが多く、''殺人をする前どころか復讐を決意する前に話が終わってしまう''ものもある。 **評価点 -「ちょっとしたことでバッドエンドになる」という難しさが「気づかれずに殺人を犯す緊張感」をうまく表現しており、それだけに復讐を達成できたときのカタルシスは他のゲームではなかなか味わえないものがある。また、バッドエンドが多いということはそれだけ自由な行動ができるということでもある。どうやっても回避できない場合もあるが、フラグを立てなければ多少のミスはカバーできるし、ネタ選択肢を選んでも何回も本筋に戻そうとしてくれるなど、その点は比較的親切になっている。 -また、ネタバッドエンドが多いことや金田一の追及が見られること、普通に進めていたらまず行き着かないような展開になることもあって、バッドエンドに行き着くこと自体にも妙な達成感がある。本作の殺害シーンの描写は原作に負けず劣らずどぎついが、ややオーバー気味の演出とこうしたネタ選択肢・ネタバッドエンドの豊富さがそれをある程度中和してくれている。 --「桂木なお編」「阿佐桐卓也編」にはそれぞれとんでもなく間抜けなバッドエンドがあり、「桂木なお編」の序盤のバッドエンドや「阿佐桐卓也編」の通称「にんじんエンド」などがプレイヤーの間でたびたびネタとして取り上げられる。 -バッドエンドになると「ファントム」(オペラ座館殺人事件)や「放課後の魔術師」(学園七不思議殺人事件)、「首狩り武者」(飛騨からくり屋敷殺人事件)など''原作に登場した怪人たちが現れ、プレイヤーにアドバイスをしてくれる''。実体験に基づいた先輩たちのアドバイスには妙な説得力があり((放課後の魔術師が「自分も金田一の周りの人間を襲って失敗した」とぼやいたり、首狩り武者が「女の執念は恐ろしい」と忠告してきたり、雪夜叉が「一晩で氷の橋をつくれるぐらいのスピーディーさが必要だ」と言ってきたり…。原作を知っていると、あまりに的確すぎて笑えてしまう。))((さらに、本作に登場するトリックのいくつかは原作でも使われているのだが、そのトリックを使うとバッドエンドになり、「金田一には同じ手は通用しない」と忠告されるという念の入れようである。))、中には「''そんなことでは金田一に打ち勝つことなどできない''」と発破をかけてくる人も。なぜか怪人たちの中に「佐木2号((金田一の後輩のビデオマニアで、事件現場の撮影役を担当する。原作では同じ役割をしていた兄がある事件で殺されたため登場するようになったが、アニメ版では兄が生きているので登場しない。))」が交じっているのはご愛嬌。 **問題点 -第1作のときと違ってアニメは始まっていたのだが、主要登場人物のCVはアニメ版のものと異なる。もっとも、『金田一少年の事件簿』はアニメ・ゲーム・ドラマCD・映画など作品ごとに主要登場人物のCVがすべて異なっている(ゲームの場合はさらに、本作とPSで出た一連の作品の間でもCVが異なる)ので、そういうものだと割り切っていれば特に気にはならない。 --ちなみに、CVがアニメと同じなのは、現在のところDSで出た『[[悪魔の殺人航海>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/621.html]]』のみである。内容を知っていると「よりによってこれかよ!」という気にさせられてしまうが…。 -バッドエンドの条件はフラグで管理されているため、間違った選択をしてもその場でゲームオーバーになることはなく、シナリオは普通に進行する。このため、''フラグが成立したことに気づかないと、その後はどんな行動を取ってもバッドエンドに行き着いて詰む''ことがある。この状態でセーブしてしまった場合、最悪初めからやり直さなければならない。 -どちらを選んでも同じ結果になる、1つの行動に対して何回も選択肢を選ばせるくどい展開があるなど選択肢に無駄が多い。一応、フラグに関係していたりネタ選択肢の回避になっていたりする場合もあるのだが。 -プロローグとエピローグがアニメになっているのを除くとゲーム中のグラフィックはすべて1枚絵だけで、セガサターンのアドベンチャーゲームにしてはグラフィックの演出がもの足りない。また、このせいでわずかだが台詞と表情が一致していない場面もある。 -ゲームの都合上仕方ないが、基本的に犯行は行き当たりばったりであり、原作のような考え抜かれた計画殺人はできない(そしてクリアした場合、その行き当たりばったりの犯行を金田一は見抜けなかったことになる…)。また、凶器の始末など細かなところの描写が割といい加減であり、場面によってはそれがバッドエンドのフラグになるため、理不尽に感じられることがある。 -たとえ復讐を成功させたとしてもめでたしめでたしとはならず((そもそも最初の主人公選択画面が「供述調書」となっているので、結局は捕まったか自首したのだと考えられる。))、''殺人犯という業を一生背負っていかなければならない主人公の姿はものすごく後味が悪い''。殺人者が幸せになるというのは倫理的に微妙であるし、復讐の空しさを体験するという意味では「悲しみの復讐鬼」というサブタイトルにはふさわしいのかもしれないが…。 **総評 ありそうで意外とない、犯人視点で話が進む推理ゲームである。このような作品はミステリーでは「倒叙もの」と呼ばれる((推理小説ではF.W.クロフツや鮎川哲也、折原一、大倉崇裕などの作品、ドラマでは『刑事コロンボ』『古畑任三郎』などが有名で、『金田一少年の事件簿』の短編にも倒叙ものの話がある。))が、これらの作品では完全犯罪をもくろむ犯人が探偵に追い詰められていく過程が物語のメインになるため、「犯人が探偵を出し抜く」というシチュエーションにはまずお目にかかれない。~ ~ また、『金田一少年の事件簿』のもう1人の主役とも言える犯人にスポットを当て、復讐を遂げるまでの経緯や心情の変化、殺害を実行に移すまでの苦労、金田一を欺くための涙ぐましい(?)努力を追体験できることや、「先輩としてアドバイスをする」というとんでもない役どころで過去に登場した怪人が出演すること、''犯人にとって金田一がどれほど恐ろしい存在なのかがよく分かる''ことなど、キャラゲーとしても優秀な点が多い。~ ~ 「殺人犯になって復讐を遂げる」という人には勧めにくい内容やアドベンチャーゲームとしては不便なところもあるが、ゲームならではのミステリーの楽しみ方ができる良作と言えるだろう。 **余談 -本作には''女性の入浴シーンなどのいわゆるサービスシーンが多く''(これは原作からして多いのだが)、ゲームの異色さと相まって「本当に全年齢対象でよかったのか?」と思わされる。今だったら確実に対象年齢が引き上げられるだろう。 -本作のネタ選択肢・バッドエンドは妙に作りこまれており、芸能界・マンガ・ゲームに関する話題の扱い方が悪ノリを通り越して各方面に喧嘩を売るつもりなんじゃないかと思うぐらい生々しいものになっている。また、選択肢とバッドエンドの中でちゃっかりハドソンと『週刊少年マガジン』を宣伝している。 -本編の2人の主人公のコンプリートデータを同じデータファイルにセーブすると、おまけシナリオとして「金田一編」が出現するのだが、その内容があまりにもぶっとんだ内容になっている。
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