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*BIOHAZARD CODE:Veronica
【ばいおはざーど こーどべろにか】
|ジャンル|サバイバルホラー|&amazon(B000062YCW)|
|対応機種|ドリームキャスト|~|
|発売元|カプコン|~|
|開発元|ネクステック|~|
|発売日|2000年2月3日|~|
|価格|7,140円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[バイオハザードシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/524.html]]''|
*BIOHAZARD CODE:Veronica 完全版
【ばいおはざーど こーどべろにか かんぜんばん】
|ジャンル|サバイバルホラー|CENTER:&amazon(B000069TFB)&br()&amazon(B00005OULX)|CENTER:&amazon(B00009XBSZ)|
|対応機種|ドリームキャスト&br()プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ|~|~|
|発売元|カプコン|~|~|
|開発元|ネクステック|~|~|
|発売日|【DC】2001年3月22日&br【PS2】2001年3月22日&br【GC】2003年8月7日|~|~|
|価格|【DC】7,140円&br【PS2】6,090円&br【GC】5,040円|~|~|
|配信|ゲームアーカイブス:2012年7月25日/1,200円|~|~|
|レーティング|CERO:18歳以上対象(改定後はD:17歳以上対象)|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
#contents(fromhere)
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**概要
カプコンの大ヒットサバイバルホラー『バイオハザード』のシリーズ4作目。プラットフォームを当時の最新ハードであったドリームキャストに移しての発売となった。~
本作にはナンバリングが付けられていないが、シリーズにおいては正史にあたり、後作においてもゲーム中で言及される場面がある。~
基本的なゲームシステムは従来のシリーズ作品を踏襲しており、大幅な変更点は無い。~
時系列的には『2』『3』の3ヶ月後となっており、『1』『2』で主人公として活躍したクリスとクレアの兄妹を再び主人公に据え、謎の渦巻く孤島からの脱出を目指していく。~
シリーズ1作目以来の登場となるクリスと敵役ウェスカーの因縁が絡んだシナリオも話題となった。~
当初はDCでのみ発売されていたが、後に''完全版''として多くのハードで発売されている。~
完全版では後にシリーズにおける重要人物となってゆくウェスカーのムービーシーンなどが修正・追加されている。またPS2版のみ『[[Devil May Cry>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/1062.html]]』の体験版が付属している。~
HD版は、『4』と共に720pにHDリマスターしたもの。360版は『CODE:Veronica』『4』でディスクチェンジが必要。フルインストールなのでロード時間が速く、実績・トロフィー機能にも対応している。
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**ストーリー
ラクーンシティの惨劇から3ヶ月後、クレア・レッドフィールドは行方不明になっている兄クリスの手掛かりを得るためヨーロッパへ飛ぶが、~
パリのアンブレラ研究所ビルに侵入した際に捕えられ、南米の絶海の孤島「ロックフォート島」の牢獄に収監されてしまう。~
しかしその後、島は謎の部隊の襲撃によりT-ウイルスをばらまかれ、壊滅状態に陥る。~
刑務官ロドリゴの計らいで解放されたクレアであったが、そこに待っていたのは無数のゾンビとアシュフォード兄妹の陰謀、そして意外な襲撃犯であった。
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**新要素
''新しい武器''
-二丁拳銃として「キャリコM-100P」「サブマシンガン」「ゴールドルガー」が登場
--別々の敵を狙い撃つ事や二丁まとめて同じ敵に撃ち込む事ができる。攻撃範囲と威力を兼ね備えているので使いやすい。
--ゴールドルガーは本編クリア後の「バトルゲーム」においてのみ使用可能。本編でも登場するが武器としては使用できない。
-「スナイパーライフル」が登場
--構えるとスコープ画面になって精密な狙いを付ける事が可能。ズーム機能もついている。
--本編で使える場所は特定のボス戦に限られており、本格的に使えるようになるのは『4』からである。
-「リニアランチャー」が登場
--本編に登場する最強武器でラスボスへのトドメに用いられる。弾数はなんと無限。スナイパーライフルのようにスコープ画面で撃つ。
--旧作最強武器のロケットランチャーは隠し武器としてのみ使用可能で、本編には登場しない。
''カメラ視点の改善''
-従来は固定カメラ視点のみだったが、固定カメラ視点と移動カメラ視点が併用されるようになった。
--これにより旧作であった、カメラの切り替わり箇所での戦闘がしにくいという問題がある程度解消された。
--カメラが移動するにつれて霧中から敵が姿を現すといった恐怖演出もできるようになった。
''武器の仕様変更・追加''
-ナイフが十分実用に足る武器となっている。
--旧作では威力・射程が最低で縛りプレイくらいでしか使われなかったが、本作では敵との距離が近いと''多段ヒット''するため攻撃力が高い。
--接近戦を強いられるが故のダメージを受ける危険性や障害物で攻撃が中断されるなどの弱点は変わらない上、全体的に敵が手強く一度に登場する数も多いことから、「ナイフ縛り」のやり応えは旧作通り初心者お断りの域であり、一般層にもやり込み層にも配慮した調整となっている。
-ボウガンは仕様が変更され『2』以来の登場。
--発射される矢が1本ずつで、高速連射が可能。ただし1本1本の威力は大幅に下がり、射角が狭く当てにくくなっている。
--矢をボウガン用火薬と組み合わせた火薬付きボウガンは、単射威力と連射能力が相まって極めて高い火力を有するため、序盤から終盤まで活躍できる。
--わずかだが誘導性能があり、遠距離から撃つと敵に向かって弾道が調整されるのが確認できる。
-グレネードランチャーの新弾種として、「対B.O.W.ガス弾」が登場。
--直撃した敵にダメージを与えるのに加え、そのエリアにいる全てのTウィルス系の敵の体力を半減させるという効果を持っている。
--ただしT-Veronicaウィルス系の敵や、水中にいる敵には効果が無い上に、作中で3発しか手に入らない。
--ちなみに「対B.O.W.ガス」自体は『2』にも登場し、散布すると一部の敵が弱くなるが、裏シナリオで引き継ぐと逆に耐性を得て強くなるという仕掛けがあった。
''ゾンビのバリエーション''
-今作のゾンビは外見や登場箇所によって体力、攻撃力、追跡範囲、攻撃手段などが異なる。
--墓場から這い出てきたものや囚人は能力が低く、訓練生、警備員、特殊部隊員は能力が高い。また、イベントで登場する解剖医は本作最強のゾンビである。
--後半の基地に出てくる一部のゾンビは寄生虫を体に仕込んでおり、それを飛ばして攻撃してくる。
--特殊部隊員のゾンビはたまに背中に爆弾を背負っており、命中すると爆発する。これは攻撃オブジェクトと同じ効果があり、巻き込んで他の敵を倒すことも可能。
''その他''
-ゲームオーバー時にリトライが可能になった。
--リトライできるポイントは「最後にセーブした直後」「パートナーと交代した直後」「前半をクリアした直後」の3種。
--リトライするとクリア時のランクが下がってしまうため、Sランクを取るにはノーコンティニューでクリアする必要がある。
-難易度選択に新たにVERY EASYモードが加わった。
--VERY EASYモードでは体力が多い上にアイテムボックスに大量の武器と回復((ボウガン(72、火薬30)、グレネードランチャー(炸裂36、硫酸20、火炎20)、ショットガン(49)、マグナム(24)、アサルトライフル(200%)、ハンドガンパーツ、救急スプレー6本。さらにセキュリティBOXにはハンドガン弾120、救急スプレー3本が入っている。))が最初から入っているので、戦闘には困らない。
--回復アイテムの効果2倍、取得弾薬2倍、敵のHPが約半分の上に無限インクリボンがあるためセーブし放題。ただし、隠し武器は入手できない。
--ちなみにDC版の完全版に限り、デフォルト武器として無限ロケットランチャーを所持している。
-連射できる武器以外の武器は、ボタンをいちいち一回ずつ押さないと連続で攻撃できない。この仕様は後作では廃止されている。
-ゾンビに組みつかれた時に最速でレバガチャすると、ノーダメージで振りほどくことができる。この仕様は本作と『3』のみ。
//3でも可能。(緊急回避では無く)
-ライターを「装備」することができるようになった。これを利用して暗所を照らしたり敵の攻撃を避けたりできる場面もある。
-持ち物がいっぱいの時に新たなアイテムを獲得したとき、それが回復アイテムであれば、その場で使用することができるようになった。
-旧作では強力な武器でゾンビを攻撃すると身体欠損描写が見られたが、本作ではグラフィックが向上したためか、はたまたCERO判定をDにするためか、肉片が飛び散る程度に抑えられている((この仕様は『0』などにも受け継がれており(ロケットランチャーで倒しても頭以外は吹っ飛ばない)、一部のユーザーからは爽快感やリアリティの面で疑問の声もある。))。
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**評価点
''シリーズ屈指のボリューム''
-本作のシナリオは前半のクレア編と後半のクリス編に大きく分かれており、そのボリュームは実に従来シリーズ作品2作分にあたる。
--シリーズ恒例の隠し武器「無限ロケットランチャー」を得るために許されるプレイ時間ですら、なんと5時間である。&br()このことからも、本作がシリーズ屈指のボリュームを誇ることがうかがえるだろう。
--前半と後半で同じ施設内を探索することもあるが、爆発の影響で壁が崩れたり水が凍結するなどしてマップの構造がガラリと変わり、まるで違う場所かのように探索できる。
''バリエーションに富んだ数多くの謎解きや仕掛け''
-謎解きや仕掛けは本シリーズの特徴であるが、特に本作に登場するその種類や数は非常に多く、正に総決算的なものとなっている。
--定番の「カードキー」「暗証番号」「バッテリー」「仲間の救出」などはもちろん、旧作に登場した「ショットガンフック」「両目の無い虎の像」「アイテムを回転させて調べる」といった仕掛けがさらに工夫されて再登場。もちろん新しい仕掛けも多く、「ボスゾンビを倒してキーアイテム入手」「銃を鍵として使う」「バルブハンドルの形を変える」「''バーコードを貼る''」など様々。
--これらが長いシナリオの中に凝縮されて盛り込まれているので、非常にやり応えのある内容となっている。謎解き好きなユーザーにはたまらないはず。
--前半・後半共に序盤に所持可能アイテム数が増加するアイテムが手に入るため、所持アイテム数を切り詰めなければならない場面が少なく、純粋に謎解きを楽しめる。
--中には手に入れたキーアイテムを使える場所が複数存在するため、キーアイテムの使用順によっては大幅に攻略ルートが変わる場合もある。
--ちなみに最終盤の仕掛けにおいてタイトルに含まれる「CODE:Veronica」を用いる場面がある。
--後半のとある場所では『1』の洋館を意識した構造と仕掛けが登場するなど、一種のファンサービスも仕込まれている。
''2つの方向性の恐怖演出''
-定評のある本シリーズの恐怖演出だが、本作では前半と後半でその方向性が変わるという特徴がある。
--前半はゴシックホラー的演出(中世的な恐怖演出)となっており、人形が吊るされた不気味な古城や血生臭い拷問部屋といった''「静」の恐怖''を体験できる。
--後半はハンターを呼び出す自走式監視機が各地に設置されたり、巨大な虫型クリーチャーなどが数多く襲ってくる''「動」の恐怖''を体験できる。
--『2』『3』では「数の恐怖」や「追われる恐怖」といった''「動」の恐怖''に傾倒しがちであったため、『1』以来となる''「静」の恐怖''の演出はファンに歓迎された。
--扉を開ける際や階段を昇る際に鼓動音が入ってスローになる演出がいくつかあり、行き先に待ち構えている恐怖と緊張感を盛り上げてくれる。
''進化したグラフィックで語られるシナリオ''
-新ハードに移行したことで、シリーズ初のフルポリゴンが導入されており、グラフィックが大幅に強化されている。~
『2』→『3』ではほとんど変わらなかったため、当時はとても際立っていた。現在でもグラフィック面での抵抗なくプレイできる出来である。
-シナリオは従来に比べて人間の狂気や愛憎が入り乱れたドラマチックなもの。とはいえ無理に奇をてらってはおらず、基本は王道に基づいている。
-クリスとウェスカーというシリーズにおけるライバル同士((本格的にライバル的関係となってゆくのは後作からであるが。))の再会といった旧作ファンのツボを押さえた展開も含まれている。
-最初の舞台は南米の孤島だが、後半はさらに南…というか、''南の極み''に舞台を移す。当時は意外な場所が舞台となったことに驚かされたプレイヤーも多かった。
''印象的な戦闘BGM''
-戦闘BGMには従来とはやや毛色の違う印象的楽曲が数多く用いられており、シリーズ中でもトップクラスとの声も高い。
--特に「[[Theme of Alexia>http://www.youtube.com/watch?v=lq0K2mHJTFM]]」は本作を代表する楽曲であり、シリーズでも珍しいオペラ調となっている。
--従来作の流れを組む楽曲としては、中盤のタイラント戦BGMの評価が高い。
--またEDの曲はこれまでの戦いを振り返るかのようなボス戦BGMのメドレー調になっているのも特徴の一つ。
''恒例のクリア後のミニゲーム''
-クリア後に「バトルゲーム」というミニゲームがプレイでき、まずまず好評。
--5人の中から好きなキャラクターを選んで敵を全滅させつつ先に進み、最後に待ち構えるボスを倒すまでの時間に応じてランク付けがなされる。なお、このモードでは弾薬は無制限となっている。
--画面視点は2種類から選ぶことができ、本編と同じ「THIRD PERSON」モードと主観視点の「FIRST PERSON」モードがある。
--なお、全キャラクターでSランクを取得すると本編で隠し武器としてリニアランチャーが使用可能になる。
#region(キャラクター性能)
|キャラクター|所持アイテム|ボス|備考|
|クレア|ハンドガン&br()ハンドガンの弾&br()ボウガン(火薬付き)&br()コンバットナイフ&br()緑赤青ハーブ×4|ノスフェラトゥ|初期選択可能|
|アナザークレア|グレネードランチャー&br()グレネード弾&br()硫酸弾&br()火炎弾&br()アサルトライフル&br()コンバットナイフ&br()緑赤青ハーブ×1|タイラント|クレアでバトルゲームクリア|
|クリス|マグナム&br()ショットガン&br()ショットガンの弾&br()コンバットナイフ&br()緑赤青ハーブ×2|アレクシア第二形態&第三形態|初期選択可能|
|スティーブ|サブマシンガン&br()ゴールドルガー&br()コンバットナイフ&br()緑赤青ハーブ×2&br()家族の写真|砂虫|「ルガーのモデルガン」を取得して本編クリア|
|ウェスカー|コンバットナイフ&br()緑赤青ハーブ×3|アレクシア第一形態|クリスでバトルゲームクリア|
#endregion
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**問題点
''敵の強さ…というより面倒さ''
-「蛾」は毒攻撃の仕様とリスポーンのために面倒な敵。
--主人公の背中に卵を産みつけてくるのだが、この卵は時間が経つと孵化して主人公を毒状態する厄介なもの。
--卵が孵化するタイミングはまちまちで、すぐに孵化することもあればかなり時間を置いて孵化することもある。どちらにしろ、食らってすぐに回復させることができない。
--卵産みつけ攻撃だけでなく、近くを通った際に麟粉を食らっても毒を受けることがある。この麟粉、効果範囲が分かりにくく避けづらい。
--どんな攻撃でも一発当てれば倒せるが、不規則な羽ばたきと登場箇所のカメラアングルの関係上、攻撃が当たりにくい。弾速が遅いボウガンだとなおさら。
--にもかかわらず、「蛾」×2は''特定の通路で必ず復活''して登場する。この通路は攻略上よく通るため、通るたびに毒状態になる危険を冒さなければならない。
--一応救済処置のために、毒を回復させるハーブのプランターが設置されているのだが、''なんとその場所は上述の蛾が出現する通路''。「毒を回復させた途端にまた卵を産みつけられる」なんてこともざらじゃない。
-「ノスフェラトゥ」は避けにくい毒ガス攻撃とシビアな当たり判定を持つ面倒な敵。
--毒ガスは風に流されて広範囲に広がるので飛散方向を予測して避ける必要があるのだが、これまた効果範囲が分かりにくく回避は困難。
--数回毒ガスを食らうと''通常のアイテムでは解毒不可能''な毒に侵される。その場合後半のシナリオ中に解毒イベントをこなさなければならない。
--数回の猶予があるとはいえ、一度食らうとまるで主人公達のナイフよろしく''多段ヒット''することが多いため、一度のミスが命取りになる。それだけでなく触手による攻撃に弾かれて落下すると即死するので立ち位置にも注意を払わなければならない。
--また、後述の主人公交代の際の仕様上、この敵はスナイパーライフル((もしくはナイフか以後使わない武器。))で弱点を狙撃して倒すのがベストなのだが、吹雪のせいで''近寄らないとスナイプできない''上に弱点の当たり判定自体も厳しく、限られた弾数内で倒すのは難しい。
--弱点をしっかり狙おうとして少しでもタイミングや位置取りをミスれば、毒ガスの多段ヒットを食らって解毒イベントをこなさなければならなくなる。決して特別倒しにくい敵では無いのだが、様々な要因のためにとにかく面倒なのだ。
-「アルビノイド」は攻撃が非常に当てにくい上に、全方位遠距離攻撃を持つ面倒な敵。
--攻撃が当てにくい理由は基本的に下段攻撃しか当たらない上に、水中を高速かつ不規則に移動するため。
--岸からだと本シリーズの攻撃システムでは攻撃はなかなか当てられない。強いから倒しにくいのではなく、''システムの都合上''倒しにくいのである。
--水中に入れば近くに寄れば当たり判定が広く分かりにくい体当たり、遠距離からでも強力な全方位電撃攻撃と非常に手こずらされる。
--結局、運良く近くに来た時に岸から下段攻撃を微調整して撃ちこむか、倒すのを諦めてキーアイテムのみを強引に取って突破するしか無く、多くのプレイヤーをイラつかせた。
''お使いの数や仕掛けの多さによるテンポの悪さ''
-同じ場所を行ったり来たりする場面、俗に言う「お使い」が旧作以上に多い。
--敵もアイテムもない長距離ルートを往復することは、「探索」という行為自体に煩わしさを生んでしまった。
--旧作を踏襲した扉や階段においてスローになる演出も、「お使い」が過ぎるためにストレスの元となってしまっている。
-序盤に貴金属類を全て預けないと先に進めない仕掛けがあり、パーソナルアイテム含む全ての貴金属アイテムを預ける必要がある。
--そこを通るたびにいちいち「預ける→通る→用を済まして戻る→取り出す」という一連の作業を行わなければならず面倒。
-下のフロアに行くためにわざわざ''潜水艇''を用いなければならない箇所がある。しかも攻略上何回も通る。
--「潜水艇を呼ぶ→はしごを降る→レバーを引く→潜水艇移動シーン→はしごを昇る」という一連の作業を行わなければならず面倒。
''初見殺しな仕様''
-前半のボスとの戦いの後に主人公がクレアからクリスへ変わるのだが((ただしもう一度クレアを操作する場面もわずかだがある。))、その際にクレアの所持しているアイテムがクリスに自動で受け渡されることはない。すなわちあらかじめクリス編で使いたいアイテムはアイテムBOXに預けておかないと、クレアに''持ち逃げされる''事になる。当然、初見のプレイヤーがそんな事を予期できるはずもなく、前半手に入れた強力な武器を根こそぎ失ってしまうのであった…。
#region(終盤の展開に関するネタバレ注意)
-クレアのパートナーとして登場するスティーブが終盤にモンスター化して襲いかかってくるのだが、この辺の仕様が鬼畜。
--まず「倒せないから逃げるしかない」ということを理解しないと、幾度となくその場でスティーブに斬り殺されることになる。
--次にスティーブの攻撃は「避けられないから回復アイテム必須」ということを理解しないと、二撃必殺の攻撃を食らってゲームオーバー((一応、「少しずつ後ずさり、敵が攻撃しようとしたら即グレネードランチャーや火薬付きボウガンでひるませる」を繰り返せば回復アイテム無しで切り抜けられる。代わりに弾を大量に消費するしクリスがその武器を使用できなくなってしまうが。))。
--ようするに初見で切り抜けられるわけが無いのである。
#endregion()
''おまけ要素に関する問題''
-隠し武器である無限ロケットランチャーを入手する条件がクリア評価でSランクを取得する事なのだが、Sランクを取得するための条件が「5時間以内クリア+救急スプレー未使用+セーブ&コンティニュー未使用+2人の人物に関するイベントで所定条件を満たす」という内容。元々の難易度の高さとボリュームもあって、旧作以上に厳しい条件となっている((ただしセーブについては前半と後半の間におけるセーブのみセーブ回数にカウントされない。))。とはいえ、それでこそ「隠し武器」とも言えるのだが…。
-シリーズ恒例のコスチュームチェンジが存在しない。クリア後にプレイ可能になる「バトルゲーム」にはクレアの別衣装があるが、それを本編で着る事は出来ない。
--上記の点からシナリオのボリュームは多いが『2』や『3』に比べると周回プレイの楽しみが薄い。
''その他''
-本作は全体的に画面が暗く一部のアイテムが見つけ辛い。
--特にグリーンハーブは従来に比べ黒ずんでいるため背景に溶け込んで発見し辛い。ライターを装備すれば明るくなるが一々装備するのは面倒。
--雰囲気を重視しないならテレビの明るさを上げるのも手。
-ドリームキャスト版のみの問題点として操作性がやや悪い。
--特にスティック操作に難があり、力の入れ具合で思わぬ方向に動いてしまうので慣れるのに苦労したという声がちらほら見られた。
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**総評
シナリオ・グラフィック・恐怖演出・BGMなど、現在でも見劣りしない要素は多い。~
『3』までのシリーズ作品が好みのユーザーにとっては、「謎解き」、「戦闘」、そして「恐怖」の三要素をどれも高水準で体験できるはずだ。~
一方でそれら三要素を含めて特筆にあたるほどの新要素が盛り込まれていないため、その点ではパンチに欠けた作品と言わざるをえない。~
とはいえ優れた楽曲やシリーズ全体のシナリオ的方向性を決定付けたストーリーも鑑みれば、良作として十分及第点に届く作品だろう。~
『1』から続く基本システムをベースにして各要素を高い完成度で実現した本作であるが、敵への攻撃方法やお使いによるテンポの悪さなど、~
随所で''「旧来のバイオハザード」のゲームシステムの限界''が垣間見えたことで、本シリーズはこれ以降抜本的変容の道を歩むことになる。~
結果的には、『0』におけるシステム改革の過渡期を経て、『4』にてフルモデルチェンジを遂げて大成功を収めることとなった。~
その意味で本作は、旧来シリーズ作品の終着点であり、同時に新たなシリーズ作品の出発点であると言えよう。~
現在では、様々なハード・媒体で廉価版として販売されており、手軽にプレイすることができる。~
項頭で述べたように一個のゲームとしての出来は良作クラスであるため、シリーズファンであれば是非とも「旧来シリーズ作品の終着点」に触れてみてほしい。
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**余談
//作品自体の問題点では無い上企業問題にあたるので、余談の項目へ移す。
-本作は当初「DCで独占販売する」と宣言されていたにもかかわらず、その後にPS2にも移植されることとなった。
--当時は本作のためにDCを買ったという人も少なくなかったため、この移植騒動は大いに不評を買うことになった。
--その後のDCコンテンツの不振を考慮すると他機種でのプロモーション販売も致し方ないと言えるが、ユーザーへの説明も無く堂々と前言撤回する姿勢はいかがなものか。
--その後、『4』でもGC独占宣言→PS2で発売という事態が起こったために、本作の約束破りの件を、''カプコン浮気癖の原点''と冷ややかに見るユーザーもいる。
-主人公2人は「巨悪に立ち向かう兄と、それを追って自らも戦いに身を投じる妹」、~
悪役の2人は「野望のために周囲の犠牲を厭わない妹と、それを盲信し自らも悪行に身を堕としてゆく兄」であり、登場人物が対比的な関係になっていると言える。
-本作でナイフが強力な武器となった理由として、主人公2人にとって「胸に装着しているサバイバルナイフがトレードマーク」という従来の設定が関係していると考えられる。ただし本作中では両者とも胸にナイフを装着していない。
-作中に『2』の「The 4th Survivor」に登場したハンク自身が書いた報告書が存在する。それによるとハンクがかつてロックフォート島の訓練所で過ごしたことが分かる。
-クレアのパートナー、スティーブはオリジナル版と完全版で髪型が異なり、オリジナル版ではレオンに似た髪形をしている。
-何らかの実験により人並みの知性を獲得、言語を解せるようになった(しかし喋れない)ネズミ、''D.I.J.''が作中でちらほら登場する。
--攻略上1回はどのプレイヤーでも会うことができるが、実はムービーの隅などで計6回登場する(完全版の場合)。
--一瞬しか映らない箇所もあるので全て確認するのは難しいが、やりこみプレイヤーならばぜひ発見してみてほしい。ちなみに最後はウェスカーと共に脱出した模様。
--「バトルゲーム」中のある場所を調べると、ランダムで「D.I.J.の日記」が手に入る。内容はD.I.J.の登場箇所のヒントになっており、割とマジメだったりする。
-完全版で追加されたムービーではウェスカーがラスボス相手に善戦する姿が見られるが、[[オリジナル版>http://www.nicovideo.jp/watch/sm14451957]]だと……。
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''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3739.html]]に移転しました。''