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*スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 【すーぱーだんがんろんぱつー さよならぜつぼうがくえん】 |ジャンル|ハイスピード推理アクション(ADV)|| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|スパイク・チュンソフト|~| |発売日|2012年7月26日|~| |定価|パッケージ版:6,279円、限定版:9,429円、DL版:5,200円|~| |レーティング|CERO:C(15歳以上対象)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 各分野において優れた才能を持つ超高校生級の少年少女のみが入学できる「私立 希望ヶ峰学園」。~ 新入生として第一歩を踏み出そうとしていた主人公・日向創は、急なめまいに襲われて意識を失ってしまう。 目の前に現れた扉を開くと、学校の教室と思われる部屋に日向と同じ15人の新入生が集まっていた。~ そして、突如現れた喋る謎のヌイグルミ「ウサミ」から奇妙なイベントを押し付けられる。  「新入生たちは、リゾート地として有名な南の島・ジャバウォック島で修学旅行をしなければならない。~   島から帰還する唯一の方法は、この島で友情を深め、希望のカケラを集めること。」 教室の張りぼてが割られ、現れたのは南国の風景。~ こうして、島からの帰還を目指しつつ、希望を育む「ドッキドキ修学旅行」が始まった。……かに思えた。 ---- **概要 -独特な世界観と個性的な登場人物などが口コミを通じて話題になった前作『[[ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』の続編。 --タイトルに「スーパー」が追加されているがちゃんとした続編。決してスーパーファミコンソフトではない。 -ジャンルは前作と同じ「ハイスピード推理アクション」。学園内で起こる殺人事件の謎を解く「学級裁判」パートでは、シューティング・リズムアクション・パズルなど、様々なジャンルが融合した推理を行う。 -本作のデザインテーマは「サイコトロピカル」。前作に比べ開放的な舞台になり、BGMやグラフィックなどで明るさが増した。 -これも前作と同じだが、''公式でネタバレが禁止されている''。プレイ動画の公開も1章までとされているため、記事を書く際には注意。実際問題、この種のゲームはネタバレをすると大きく面白さを損なう。 ---- **特徴 変更点・新要素を中心に記述する。基本的な部分は前作と同様なので、併せて参照のこと。 ***基本システム 島内を歩き回るADVパートと、事件の犯人について議論する学級裁判パートの二本柱からなる。 &bold(){変更点} -チャプターセレクトの選択肢追加 --前作ではチャプターの冒頭か学級裁判の冒頭のどちらかから始めることができたが、本作はさらに捜査パートの冒頭から開始することが可能になった。 &bold(){新要素} -おまけモードの追加 --アドベンチャーゲームという体裁上「一周すれば終わり」であった点を改善すべく、やりこみ要素という意味も含め追加された。 --本作ではシナリオを進めるとおまけモード「魔法少女ミラクル☆モノミ」「だんがんアイランド どきどき修学旅行で大パニック?(アイランドモード)」が遊べるようになる。ネタバレになるので詳細は伏せる。 ---アイランドモードでは「モノクマメダル」やキャラクター好感度を稼ぐことができ、前作のようにストーリーを強制的に周回プレイして稼ぐ必要がなくなっている。 --さらに、前作のIFストーリーが読める「ノベルモード」が存在する。執筆を担当したのは、『バッカーノ!』などで知られるライトノベル作家の成田良悟氏。 ---舞台の異なるおまけモードである都合上、完全なノベル形式で演出は殆どないが、それなりのボリュームをもって書かれている。 ---前作では序盤で退場してしまったキャラクターにも見せ場が与えられているのも嬉しい。 -ウサミフラワーの追加 --いわゆる実績システムの実装。シナリオをクリアする、ノーミスでクリアするなど諸条件を達成すると実績が解除され、ページで解除実績を確認できる。 --特に獲得報酬などはない。 -超スキップの追加 --×ボタン押しっぱなしでメッセージを飛ばすことができるが、本作はさらに十字キー↓を一緒に押すことで更にスキップが可能になった。~ メッセージのスキップ速度だけでなくイベントシーンも高速でスキップできる。 ***ADVパート &bold(){変更点} -三人称視点による移動 --前作では常に3Dの一人称視点でマップを移動していたが、本作ではマップ間の移動は2Dの三人称視点となり、施設内でのみ3D一人称視点となっている。 -スキルの習得方法 --前作では自由行動時間を通じてキャラから直接スキルを習得していたが、本作では自由行動時間を通じて「希望のカケラ」を取得、これを消費してスキルを習得する形になった。 ---これにより、キャラが途中で死亡してそのキャラのスキルが取得できない、という前回での欠点を克服している。 --この他自由行動時間のイベントを各キャラごとにコンプリートするたび固有スキルが習得できるなど、習得方法が多様化している。 --また、希望のカケラ収集に特化したモードが追加されたため、キャラ死亡による影響はかなり薄くなっている。 &bold(){新要素} -レベル制の導入 --移動や会話など各種行動で経験値が貯まり、一定数貯めるとレベルアップする。 --レベルは前作でいうスキルポイントにあたり、レベルが上がるほど学級裁判における発言力ゲージが上昇し、沢山のスキルを同時にセットできるようになる。 -電子ペット --生徒手帳で電子ペットを育成することができるようになった。ペットは時間経過ではなく、マップ移動中の歩数で成長する。 ---高速移動やワープを使うと歩数はカウントされない。また、放置プレイ防止のためか、一度にカウントされるのは2000歩まで。 --希望度と絶望度のパラメータがあり、アイテムをペットに与えることで数値が変動し、成長に変化が現れる。糞を放置すると絶望度が上昇していき、最悪死亡してしまう。 --最後まできちんと育て上げると、ペットからプレゼントを入手することができる。ものによってはスキルも入手可能。 -カクレモノクマ --マップの各所にモノクマの人形が隠されており、調べると入手できる。 ---カクレモノクマは△ボタンで使える「観察眼」(調べられる場所が丸で囲まれて表示される)には反応しないようになっている。 --設置数は1章につき5つ。その章で新たに行けるようになった場所にのみ設置されており、過去の場所に遡って設置されることはない。 --入手すると報酬のモノクマメダルが貰えるほか、人形が部屋に飾られていく。実績要素の一つでもある。 --これにより、前作にあった特定の場所を調べるとモノクマメダルが得られる要素は廃止された((前作では、チャプターが進むごとに到達可能な全エリアにばらまかれていたので、その不満を解消したと思われる))。 -イベントアイテム --前作同様、あるタイミングで特定アイテムを所持しているとミニイベントが発生するようになっている。前作よりイベント数は増えている。 ***学級裁判パート 学級裁判は本シリーズの目玉であり、仲間を殺した生徒「クロ(真犯人)」とそれ以外の無実の生徒「シロ」の、生き残りと卒業を賭けた戦いである。~ シロ側がクロの特定に成功すればシロの勝ち、失敗すればクロの勝ち。負けた方は処刑される。 &bold(){変更点} -結果画面の削除 --前作では各議論、各ミニゲームのクリア後すぐに結果画面が挟まれていたが、本作では削除。学級裁判クリア後に一括で結果が表示されるようになった。 -二部構成に変更 --本作の学級裁判は二部構成になっており、前半終了後にセーブするかどうかが問われる(セーブそのものはADVパート時自由に行える)。その後モノミの会話パートをはさみ、後半へ突入するようになった。 ---前作と比べ、学級裁判のボリュームが増したことによる配慮と思われる。 -ミニゲームのシステム変更 --前作における「マシンガントークバトル」「閃きアナグラム」のゲームシステムが変更。「パニックトークアクション」「閃きアナグラム(改)」になった(変更点は後述)。 --クライマックス推理の仕様変更。前作では初めから全てのピースが与えられたが、本作では何回かに分けて選択肢が与えられるようになった。 ---本作では、マンガの穴だけでなくはめるコマにもヒントが表示されるようになった。 ---前作は漫画パート中に選択肢の正誤が判定されていたが、本作はコマをはめた段階で正誤が判定され、全て正解して初めて漫画パートへ進める。 &bold(){新要素} -発言への賛同 --本作では、発言に含まれた矛盾を指摘する「論破」の他に、逆に発言を証拠で補足して正しいと証明する「賛同」が可能となった。 ---「賛同」の方法は「論破」と同様で、発言に根拠となる言弾を当てることで賛同成功となり議論が進む。 ---発言が「論破」できるか「賛同」できるかは各々決まっており、色分けされて区別される。 ---矛盾個所と賛同箇所が同時に出現する議論パートもあり、賛同すべきか論破すべきかは推理して判断しなければならない。 --ちなみに、あるモードにおいては、特殊なパターンである「ココロンパ」というものも存在する。 -パニックトークアクション(PTA) --前作のようにマーカー1つ1つに対して○ボタンを断続的に押していくのではなく、○ボタンを連続的に押し続けることで次々にマーカーを反応させる仕様になりよりスピード感が増している。 --最後のトドメの場面は、各4つのボタンに対応して表示される4つの断片的な言葉を並べて、事件の胆となるキーワードを作って相手にぶつけることで勝利となる。 -閃きアナグラム(改) --前作ではキーワードの欠落した部分を補完する穴埋め形式だったが、本作では問題文と文字数から推理して必要なキーワードを一から完成させなければならない。 --文字入れの仕様も大幅に変更。本作では流れてくる文字をそのまま解答欄に送ることはできず、まず同じ文字と合体させる必要がある。 ---画面の上下左右から流れてくる文字は○ボタンでストックでき、任意のポイントでもう一度○ボタンを押すとそこに落とせる。これによって場所を調整する。 ---同じ文字が接触した場合はその文字がくっつき大きな文字となって停止し、○ボタンで消すか△ボタンで解答欄にはめ込むことができる。文字の接触を待たずとも、ストックした文字を同じ文字の上に落とせば任意にくっつけることができる。 ---異なる文字同士がぶつかる、大きくなった文字が消去も使用もされないまま一定時間が経過する、あるいは間違った文字を解答欄にはめ込んだ場合はダメージを受けてしまう。そのため、ノーダメージを達成するためには単に正解の文字を順番に解答欄に当てはめていくだけではなく、「不要な文字は消去したり場所を調整して画面外に流れるようにするなど、工夫して衝突を防止する」というテクニックも必要となる。 ---同じ文字を複数くっつけることが可能で、くっつけた文字の数が多いほど(前述の時間制限などでリスクは上がるが)高得点が得られる。 ---前作では物語の進行に伴う難易度の上昇はほとんど推理面のみだったが(解答欄の文字数が多くなる。また、解答欄に文字を当てはめるためには当てはめたい文字を決められた回数撃つ必要があるが、その回数が2~3回から2~5回に増加する。)、こちらは物語が進むにしたがって同時に出現する文字が増えることで文字が接触しやすくなり、アクション面でも大幅に難易度が上がっていくようになった。 -反論ショーダウン --推理を進めていると他の登場人物が「反論」を仕掛けてくることがあり、ミニゲーム「反論ショーダウン」に突入する。 --反論ショーダウンでは、 画面内を流れる相手の発言を次々と十字キーかスティックで出る剣撃で「斬る」ことで破壊していく(回数制限あり)。 --画面の中央ラインを相手側に押し込めば成功となり、次の議論に発展する。ラインが中央に近い位置の場合はボタン連打による鍔迫り合い勝負になる。 --議論が発展すると相手の発言内にウィークポイントが発生する。ウィークポイントに対しては、ノンストップ議論と同様に「論破」するための証拠((ノンストップ議論で使う際の証拠が「言弾」と呼ばれるのに対し、このモードでは「言刃」(コトノハ)と呼ばれる。))を△ボタンで提出し斬り割くことで勝利となる。 --切り返し回数が不十分だったり、誤って争点となるウィークポイントを切ってしまうと「逆発展」が発生して一つ前の議論に戻されダメージを受けてしまう。 -ロジカルダイブ --スノーボードを模したレースゲーム形式のミニゲームで、パイプ状のコースを加速やジャンプを駆使して進んでいきゴールを目指す。 --コースにはチェックポイントがあり、コースアウトした場合はダメージを受けチェックポイントからやり直し。壁・ジャンプ台・穴などのギミックもある。 --途中で事件に関する問題が出題され、2~3択内の分岐を選んで進む。正解のコースならそのまま進めるが、間違った答えの場合はコースが途中で完全に切れており、強制的にチェックポイントからやり直しとなる。 -人物選択 --前回は犯人を指摘する時くらいにしか発生しなかったが、今回は犯人以外でもその時の議題で怪しい人物を指摘するようになった。 --また、怪しい場所を指摘するバージョンのスポットセレクトというミニゲームも存在する。 ***キャラクター -今回も、主要人物はいずれも一癖も二癖もある魅力的な面々ばかりである。 --本作でも全員が「超高校級」と賞賛される才能の持ち主達。「料理人」「体操部」など才能が関連しそうな普通の肩書きから、「王女」「飼育委員」「極道」「ゲーマー」などといった変り種もまた豊富。 ---前作の主要人物の一人であった「超高校級の『御曹司』」の十神白夜も登場するが、なぜか体型が''130キロの巨漢に激太り''しており、前作そのままの尊大な口調も相まってプレイヤー達に笑いと様々な想像を抱かせた。 --前作で主人公・苗木誠を演じて主題歌を歌った緒方恵美氏は、今作では主要人物の一人である狛枝凪斗を演じるとともに、引き続き今作の主題歌も歌っている。 ---また狛枝も苗木と同じ「超高校級の『幸運』」という肩書きを持っている。「真っ直ぐな少年」といった印象であった前作の苗木に対し、どこか謎を秘めた今作の狛枝との演じ分けにも注目されたい。 --他にも前作の登場人物に深く関わる人物も登場し、未来へ繋がる希望を感じさせる。 ---キャラクター造形のパロディ要素も健在。「超高校級の飼育委員」田中眼蛇夢(''ガンダム''((CV:杉田智和氏が熱心なファンにも関わらず起用されない「ガンダム」への憧れを表したネーミングなのだろう。)))、「超高校級の軽音部」''澪田唯吹''((ミオダイブキ。誕生日11月27日、ガールズバンド出身、代表曲「放課後ボヨヨンアワー」、方向性の違いで脱退、と徹底している。CVは普通に小清水亜美氏。))という関係各所に怒られそうなものまである。 -今回も前作同様に豪華なCVキャストが起用されている。 --勿論モノクマは先代『ドラえもん』の大山のぶ代氏が引き続き担当。今回もドラえもんネタは豊富。 --そしてモノクマの妹(?)である、モノミのCVを担当しているのは国民的アニメ『サザエさん』のタラちゃん(フグ田タラオ)で有名な貴家堂子氏((インターネット配信の公式ラジオにゲスト出演した際は、貴重な地声でのトークを披露した。))。 ---貴家氏がゲームで声を当てたのは本作が初であり、スタッフは断られたらキャラごと変えるつもりだったとコメントしている。 ---ちなみにのぶ代氏は以前にサザエさんの磯野カツオの声を当てて貴家氏と共演していた縁があり、この点もスタッフは狙ったと思われる。 --また、主人公・日向創の声は『名探偵コナン』でおなじみの高山みなみ氏。そちらではまずお目にかかれない、人前で率先して推理に参加するコナン君を見ることができる((コナンは正体を隠すため、警察や不特定多数などの前では他人になりすますか子供っぽく演技をしている))。 ---結果、外道ドラえもん、いじめられ役のタラちゃん、積極的なコナンというなかなか豪華且つカオスな有様が展開される。 ***シナリオ この手のアドベンチャーとしては「続編」としての性質がやや強く、前作プレイヤーを意識した展開が繰り広げられていく。~ 場所については記さないが、前作で起きた事件内容や物語の結末といった、''前作の核心部分に関わるネタバレ''も出てくることを特記しておきたい。~ このゲーム自身前作で未回収だった伏線、「超高校級の『御曹司』」十神白夜の存在、モノクマのセリフなど、「1をプレイした前提」でのネタがあったりもするので、''前作『ダンガンロンパ』を先にプレイしておくことが推奨される。''~ 前作なしでは意味不明だということはなく一応単体でも理解できるように作られてはいるが、やはり前作をやるやらないで相当な差がある。 -シナリオ自身の評価も、前作に負けず劣らず高い。 --公式からネタバレが許可されているチャプター1は、前作をはるかに凌ぐ超展開でプレイヤーを驚愕させるだろう。その他にも、舞台設定を活かした数々の印象的なエピソードが待ち受けている。 --特に推理要素については前作と比べればかなり強化されていて、事件段階で容易に犯人や犯行の手口がわかってしまうというほどでは無くなっている。 ---詳細は伏せるが、「ダンガンロンパ以外でやったら怒られる」レベルの特徴的なトリックも存在する。 --パロディや引用系の小ネタも、おまけモード追加も相まって前作以上に増えている。また、かなり元ネタの対象世代も広がっている。 #region(※中程度のネタバレを含むので注意) -前作では、せっかくの「超高校級の才能」が事件内容に無関係であったり、逆に「超高校級の才能」を使ったトリックであるために犯人をすぐに特定できてしまうといったケースがあり、その点が不満点として挙げられることがあった。今作ではその反省を踏まえてか、「犯人の持つ超高校級の才能が何らかの形で犯行に関係しており、なおかつ核心に迫るまでは犯人が誰であるか分かりにくい」というバランスが配慮されている。 #endregion -演出についても目立つ場所・目立たぬ場所それぞれに工夫が凝らされており、前作以上の洗練がみられる。 --裁判前の各キャラカットインは単純に恰好いいと高評価。裁判中のカメラワークも、地味ながらパターンがかなり増えている。 --新しく追加された曲も、高い質でまとまっている。特に終盤流れるBGMは、プレイヤーの驚愕を更に盛りたててくれること間違いない。 ---- **賛否両論点 -断じて欠点ではないが、シリーズを通して世界観や描写からやはり人を選ぶ要素はある。アニメ、漫画的な世界に疎いプレイヤーにはあまり合わないだろう。奇抜極まりないトリックを許容できない人にも向かないと思われる。 --登場人物の一人である超高校級の飼育委員・田中眼蛇夢は、常に一緒に居る四匹のハムスターにそれぞれ大層な異名を付けているなど痛々しすぎる中二病発言を連発するキャラクターであり、プロローグから異様なまでの存在感を放っている。その上、どんな非常事態だろうがお構いなしに中二病的言動を貫き通すため、目障りと感じるのもおかしくない。 ---しかし、コロシアイの中でも中二病を貫けるのは相当に心が強く芯が図太いということでもある。また、彼が飼育委員として動物達を守るべく真摯に命と向き合っていることも後々分かってくるため、好意的な評価もまた少なくない。 --全体的に下ネタを使うキャラが増えている。前作ではメタキャラでもあるモノクマがギャグを言う際に下ネタを使ったり、あるいは明確に「変態」として扱われてるキャラが行っていたが、本作は男女問わず性欲を向ける超高校級の料理人・花村輝々、ネガティブになるあまりおびえながら服を脱ごうとするなどネガティブエロ発言を連呼する超高校級の保健委員・罪木蜜柑、裁判中でも男性器を「男の尻尾」と連呼する超高校級の体操部・終里赤音などの下ネタは人によっては引くかもしれない。 --モノクマは相変わらずなのだが、本作から登場した彼の妹(?)のモノミとのやり取りがギャグ展開に見えるせいで「茶番」として見られる事もある。 ---閉鎖状況という点では前作と同じだが、後述の「狂人」の存在や本作の生徒達が持つ「過去」もあって人間関係の荒れ方は前作とまた違った空気となっている。 -そして主人公・日向に対して特に深く関わり、ストーリー的に重要な役回りを果たす故に賛否両論となっている人物が2名居る。 #region(※中程度のネタバレを含むので注意) --その内の一人が「己の狂気じみた信念に従い学級裁判を引っ掻き回す『狂人』」。1章の学級裁判で本性を表し、日向やプレイヤーの不快感・嫌悪感を煽るキャラクターとなる。 ---その人物の思想が前作のとあるキャラのアンチテーゼに見えなくもない事や、その人物の振る舞いが徹底的に「ウザい」こと、終盤の展開からその人物を嫌う人もいる。 ---その反面、前作にはいなかった一貫してブレずに物語を引っ掻き回す役、主人公の日向に茶々入れながら学級裁判を進行させるライバルキャラの役回りという面では評価されており、いい意味で賛否両論なキャラクターとなっている。 ---ちなみに、そのキャラクターが狂気じみた信念の持ち主になったのにはそれなりに訳がある。 //#region(その人物について ※第1話の事件等ネタバレ注意) //-その人物とは先述した狛枝凪斗。当初こそは人あたりのいい、記憶が混乱している主人公とも親しくしてくれる親友ポジションに見えるのだが… //--その本性は''本作でも最悪レベルの狂人''。超高校級の才能という「希望」をより輝かせるために行動しているのだが、''「希望」は大きな障害を乗り越えてこそ輝くものであり、コロシアイという大きな障害を乗り越えることで「希望」が更に輝く(コロシアイで死んだ人が生き残った人の希望の踏み台になる)と本気で信じている。ついでに、ゴミみたいな才能の持ち主である自分をとっとと殺してぜひ希望の踏み台にして欲しいと思っている''。そのため、序盤のコロシアイ開始から裏では殺人事件を助長させるように工作を行っていた。 //--第1話の学級裁判中にそれを問い詰められ、本性を表すも、狛枝自身は犯人を唆しただけで手を下していないことが後に明らかに。つまり実行犯ではないのでオシオキ(処刑)されることもなく、''2話以降もこの狂人を抱えつつ、コロシアイに怯える日々が続く''のだ。何よりタチが悪いのは、狛枝自身が「''これからも希望の踏み台になるために引っ掻き回すよ''(意訳)」と宣言していることである。ちなみに、上記の通り犯人ではないにもかかわらず、''「学級裁判という障害に打ち勝つ人間が本当の『希望』だから」''と、わざと自分を犯人だとミスリードし、自分を含めた犯人以外の全員を殺しかけた生粋の狂人(学級裁判で犯人の指名を間違うと、犯人以外全員処刑される)。 //-狛枝についての情報が明らかになった際は、声優が前作主人公の苗木と同じ・若干似ている外見・名前が「コマエダナギト」→「ナエギマコトダ」とアナグラムになってることから、「正体は苗木ではないか」と話題になっていたが、発売後は一転として「狛枝怖すぎる」「気持ち悪い」「こんなやつが苗木なわけがない」と評判はひっくり返ることに。苗木だと思っていた人は、本性を表したシーンでさぞ驚いたことだろう。 //--しまいには現在もgoogleの検索予測で「''狛枝死ね''」と出てくるほどである。 //#endregion //「発売から1年半経過していないゲームのネタバレをしてはならない」に違反しているためCO --「狂人」に並ぶ本作のキーパーソンであり、日向に深く関わるヒロインキャラがもう1人居る。 ---前作にも、終盤まで生き残り主人公である苗木と強い繋がりが描かれるヒロインキャラが居たが、VITA版のイラストではそのヒロインと一緒に描かれる事もあるので『2』のメインヒロインのような扱いを受けている事が伺える。 ---そのヒロインキャラの終盤での扱いの大きさやその「正体」もあって、彼女の評価自体も賛否両論になっている。 ---しかしそのヒロインキャラ自体は問題行動をあまり取っておらず、日向と共に成長していくなど関係性も十分描かれているため支持意見もある。 ---また本作は条件を満たすことで他のヒロインキャラと絆を結べるモードもあり、そのヒロインキャラはあくまで「本編のヒロイン」として位置づけられてる。 #endregion -上述の2名はファンもアンチも多いという非常に尖ったキャラ。ストーリーの扱いも大きい事から「優遇」されてるという意見もそれなりにある。事実、主人公の日向を含めた3名がメインキャラで、他のキャラがサブキャラに見える所も否めない。 --しかしこれは本シリーズの「メインシナリオは事件のクロ・被害者が決まっている一本道シナリオ」という特徴によるものも大きい。 -裁判結果の表示方法が「最後に一括」方式に変更されたことで、パーフェクトを狙う際の手間が増えている。 --前作では「議論・ミニゲームの開始直前にセーブ→終了後に結果を確認してミスがあれば即やり直し」という手順で比較的簡単にパーフェクトが取れた。しかし、今作では学級裁判終了後に一括で結果が表示されるため、ライフにダメージを受けない小さなミス((特に、閃きアナグラムでは「何もない場所を選択してしまった」というミスの場合はライフにダメージがなく、文字をぶつけてしまったときのような派手なエフェクトもない。空撃ちのようなSEが鳴るため注意していれば気付くことができるものの、若干分かりにくくなっている。))に気付かなかった場合はそのまま最後まで裁判を進めてしまうこととなり、やり直しが面倒になっている。 ---今作の裁判結果の表示方法は、前作で「いちいち結果画面を挟んでいるため議論のテンポが崩れている」という指摘があったための変更であり、裁判結果の表示が一括になったことでテンポが良くなっているのも確かである。この点は意見が分かれるところであろう。 -前作では学校の校舎から出ることができず窓すら塞がれているため、極めて閉鎖的な空間であることが終始描写されていた。舞台が変わり、それが無くなったことを残念に思う声はある。 --今作も島が舞台なので一種の閉鎖空間は成立している((『そして誰もいなくなった』を代表として、「島」はクローズド・サークル系作品の定番である。))が、島は広く施設も充実しており、何より太陽も出た明るすぎるほどの空間である。 --ストーリー上の意味や前作との対比・住み分け的な要素もあるので非難される訳ではないが、「前作のほうが雰囲気はよかった」という意見もしばしば出る。 -前作に比べ、「おしおき」=処刑がヌルいという批判がある。 --全部が全部というわけではないが、ネタを重視したせいかややあっさり目に感じられるものが混じっているのが主因だろう。 --しかし終盤のおしおきには理不尽さや意外性も含めて「ショックでその日はPSPに触れなかった」という意見が出るものもある。 ---- **欠点 -ノンストップ議論中に早送りをした場合、前作では基本的に音声も含めて滑らかに早送りされていたのだが(早送りをした際に長い台詞は途中でスキップされるが、スキップ時も次の台詞にスムーズにつながるよう調整されていた)、今作ではボリュームが大きく増えたために読み込みが追い付かないのか、長台詞がスキップされた際に音声がぶつぶつと切れたり、画面がほんの一瞬だが止まったりすることがあるなど、若干テンポが悪くなっている。 --ノンストップ議論では早送りを使う頻度が高いため((矛盾点を撃ち損ねた場合は基本的に早送りで議論をループさせることとなる。更に後半では「他の人物の発言をキャプチャーする」という要素が追加されるため、矛盾を撃ち抜くために議論を2周しなければいけない場面も多い))、テンポが悪くなっているのは少々気になるところである。 -前作に比べてバグがやや増えている。表示バグ、移動バグ、裁判結果のスコアバグなどなど…。 --少ない例ではあるがフリーズバグや強制リセットが発生してしまう場合もあるので、セーブはマメに行った方が良い。 --前作ではほとんどなかった、誤字脱字の類も散見される。2ヶ所程度だが音声ミスもある。 ---非常にテキスト量の多いゲームとは言え、30ヶ所以上の誤植が指摘されているのは少々いただけない。 ---あろうことかOPムービーにまでキャラ名の誤植があり、PVを見たファンからの指摘で気付いたものの修正が間に合わず製品版でもそのままというとんでもないミスまで発生している。 -前作同様、終盤、本作の世界観の核心部分についての説明が極端に少なく、やや駆け足気味の展開。 --前作でもそうだったが、若干シナリオを力技で締めている感はある。 --なお、思わぬところに真相に関わるヒントがちりばめられていたりする。最後まで気づかない可能性すらあるくらいこっそりとしたヒントだが。 -これも前作同様、ミニゲーム関連はいずれも賛否両論。 --「ロジカルダイブ」を筆頭に一定のゲーム性を出したミニゲームが追加され、ミニゲーム1回あたりにかかる時間も増えているので、前作以上に評価が割れやすくなっている。 ---特に否定的な意見が多いのは、「ロジカルダイブ」中にミスした場合もすぐにはリトライができず一旦クリアするしかない(ロジカルダイブ中はメニューに戻れない)ことと、終盤における「閃きアナグラム(改)」の理不尽さ(異なる種類の文字2つが半分重なった状態で流れてきてしまうことがあり、その場合は1ミスが確定してしまう)。どちらもパーフェクト狙いのプレイヤーにとってはかなりきつい仕様である。 -豪華な声優陣も本作のウリのひとつであるが、音割れしている音源が存在する。 #region(※中程度のネタバレを含むので注意) -「一見不自然に見える描写の積み重ねが実は伏線の一つであった」ということが終盤で明らかとなるのだが、それゆえに「終盤の種明かしで評価が一変したものの、序盤を初プレイした際は不自然な描写の連続についていけず楽しめなかった」という意見もある。 -スタッフのコメントとして「前作を未プレイでも楽しめる」という旨の発言があったが、実際に今作は前作を未プレイでも話についていけなくなることはない。しかし、その理由が「今作の終盤で、前作で起こった重要な出来事について事細かに説明されるから」というものであったため、前述のようにこの作品が前作も含めて公式でネタバレを禁止していることもあり、ファンからは疑問の声が上がった。 --当然、前作でじっくり説明していた内容を終盤の限られた時間で説明するのだから、かなり駆け足で詰込み気味である。しかも「前作で誰が生き残ったのか」「黒幕の正体とその目的」など本当に重要な部分もしっかりネタバレされてしまう。シリーズに興味があって楽しみたいなら少なくとも前作はやっておくことが推奨される。 --なお、小説版の『ゼロ』に関してはほとんど触れられない。詳細は伏せるが本作の核心部分の設定は『ゼロ』が初出のものが多いので、前作をプレイしただけだといきなり新たな設定がいくつも出てきたように感じられてしまう。 ---設定上重要な部分だけは一応補完してくれるし、『ゼロ』の内容について詳細に触れることはないので、本作の後に『ゼロ』を読んでも楽しむことはできるし、『ゼロ』の後に本作をプレイしてもよいのは救いと言えるか。 -一部、モノクマの与える動機のきっかけに「モノクマは、ルール違反を犯した生徒以外には危害を加えるような行動はしない」という原則に抵触するものがある(モノクマはルールを順守することをモットーとしている)。まぁ、前作からしてモノクマは俺ルールを振りかざしたり屁理屈でルールをすり抜けようとしたりするキャラだったので違和感はないが。 --また、別の話だがその章の背景がやや目に悪い((白とピンクor黄緑の柄の背景がゆっくりと延々と上昇している。気になる人は目を休めよう。))。 #endregion ---- **総評 前作において、15人の登場人物が殺し合いをするという壮絶な物語に一応のオチを付けて終わっただけに、「果たしてこの物語に続編を作れるのか」と不安視する声も少なからずあった。~ 設定を引き継ぐ以上、ともすれば既視感が生まれ目新しさが薄れかねないところだが、実際は前作と遜色のないストーリーが出来上がっており、一部には前作以上の驚きをもたらしうる部分もあった。~ トリックがちゃちであるという批判があった前作と比べ、推理ゲームとして十分楽しめる出来になったことも大きい。~ システム面でも前作で指摘されていた主な問題点を比較的解消しつつ、ボリュームアップを中心にクリア後も十分楽しめるようになっている(ある意味、クリア後が本番である)。~ 「スーパー」を冠するにふさわしい進化を遂げ、ダンガンロンパシリーズにおける一つの到達点ともいうべき作品になったと言える。 ---- **以後の展開 -2013年10月10日に『[[ダンガンロンパ1・2Reload>ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生]]』としてPSVitaへ『1』と共に移植されている。 --タッチ操作の追加によるプレイの快適化やロードの改善、画質の向上、バグや誤植の修正などが行われている。 ---他にも、多くのプレイヤーが躓いたとある章の反論ショーダウンの難易度が下げられたり(発展後のウィークポイントを見逃し再発展させる必要があったが、該当する発言がウィークポイントではなくなり、普通に斬ればクリアできるように変更されている)、細かな調整もされている。ただし、前述した閃きアナグラムの「理不尽な1ミス」は修正されなかった。
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