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*世界樹の迷宮IV 伝承の巨神
【せかいじゅのめいきゅうふぉー でんしょうのきょしん】
|ジャンル|RPG|&amazon(B007CEKT12)|
|対応機種|ニンテンドー3DS|~|
|発売元|アトラス(インデックス)|~|
|開発元|ランカース、アトラス|~|
|発売日|2012年7月5日|~|
|定価|6,279円|~|
|>|>|CENTER:''[[世界樹の迷宮シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3885.html]]''|
**概要
DSで3作発売された世界樹の迷宮シリーズの4作目。3DSからは初となるシリーズタイトル。~
任天堂の岩田聡社長によると「3Dダンジョンゲームは裸眼で3Dを楽しめるハードと相性がいいのではないか」というユーザーの声に応えて開発が始められた。~
今作では気球艇に乗って大空を進み、地上に点在する迷宮を冒険しながら世界樹を目指すという形式をとっている。
**特徴
シリーズで共通している特徴については本稿では特に記述しない。
-気球艇による大地の探索
--IIIの大航海の流れをくんだものだろうが、食糧の調達や徘徊するFOE、大地でのクエストや秘宝探索など、前作の大航海はどちらかと言えばやらなくてもクリアできるおまけのようなものだったが、今作では迷宮と並ぶもう一つの冒険として昇華している。従来のRPGで例えるならばフィールドマップに近い。
-カジュアルモードの追加により、初心者もプレイしやすくなった。
-小迷宮の追加、文字通り小さな迷宮だが、それぞれ独特のギミックが存在していたり、そこでしか手に入らない素材があったりと冒険のアクセントになっている。
--小迷宮自体も分かりにくい場所にあったり、FOEが周囲を徘徊していたりと、一種の探索要素になっている面もある。
-大地で手に入れた食材で料理を作ることができ、HPなどステータスの増加や状態異常への耐性アップなど様々な恩恵がある。
--大地で手に入れた食材は「降ろす」や「射出」でフィールドにばら撒くこともでき、ばら撒いた食材がFOEの好物だった場合はそれに気を取られるので、その隙にFOEをやり過ごすこともできる。
-一部のクエストや大地でのイベントで他のギルドのキャラクターと共闘したり、一部ダンジョンでストーリーに関わるキャラが一時的に仲間になる。
--一時的に仲間になるキャラは6つ目の枠に入ることになる。
-IIIのリミットスキルに代わり、バーストスキルが登場。パーティ内で共通するバーストスキルを消費して発動する特殊なスキル。
--ほぼ確実に逃走できる「全力逃走」、ほぼ確定で敵をスタン(1ターンだけ行動不能)させる「ジオインパクト」など強力なスキルも多いが、強いスキルほど多くのバーストゲージを必要とする。
-装備関連の仕様変更
--装備品・防具の区分に応じて速度補正が顕著に入るようになり、PT内での速度調整が行いやすくなった。また、前シリーズまで複数装備が可能だったアクセサリの装備が1つまでとなった。
-属性耐性のバランス変更
--アクセサリ装備が1つのみになった関係で特定属性の被ダメージを大幅に抑えるといったことが難しくなり、かつ前作までの属性攻撃を完全に無効化するといったスキルも今作では存在しない為、料理や軽減スキルなどで被ダメージを抑えることが重要になっている。
**評価点
-機種がDSから3DSに移行したため、グラフィック面が全体的に進化している。文字も読みやすく、戦闘中のキャラクター絵の表示が非常に大きくなり、ドット処理された部分のジャギーも目立たなくなった。またダンジョン内でもかなり奥まで描写出来るようになり、スティックで周囲を見回せるようにもなった(DSの頃はだいたい3歩先までしか見えなかった)。
--戦闘中の敵はフル3D表示になり、多彩なモーションやエフェクトも追加された。それでいてテンポは損なわれていない。
-職業としてソードマンとメディックが復活した。
--鞄や小盾所持などのアイテムの類似点はあるものの、キャラクターデザインや性能は一新されている。~
しかし、IIIにて旧作の職業一新に衝撃を受けたファンも多かった事もあり旧作の職業復活には古参のシリーズファンを喜ばせた。
--ちなみにソードマン、メディックの男の2つ目のグラフィックは女性キャラ並みに可愛いと評判であり、一部のファンも喜ばせた。
-敵にも前衛--後衛の概念が追加された。
--前衛と後衛で大きく行動パターンが異なる敵も存在するのでより戦略性が増したと言える。
--同時に前一列や後ろ一列、前後に貫通する攻撃など敵味方とも攻撃のバリエーションが増えた。
-フィールドを徘徊するFOEもそれぞれ独自のグラフィックで表示されるようになった。
-上でも少々述べたが、「カジュアルモード」という難易度が追加された。
--「カジュアルモード」は初心者に向けて作られたもので「戦闘が少し楽になる」「戦闘で全滅しても拠点の街から再スタートできる」「一部のアイテムが使ってもなくならなくなる」など、初心者への救済措置となっている。
--「ノーマルモード」は今までのシリーズと同じ感覚でプレイできる内容となっている。
--難易度はプレイ開始時に選択するが、オプションから変更することもできる。
-クリア後にある場所に行くと旧シリーズでは一度しか戦えなかったストーリーラスボスとの再戦ができ、当然ドロップアイテムも手に入る。ただし方法が・・・(後述)
-裏ボスについて
--前作までは「極悪パズルボス」と例えられるほどの存在だったが(あまりに強力で多彩な技の数々を使うが、ある程度行動パターンが決まっていたので綿密にパターンを練る必要があった)、今回はある条件を満たすことで弱体化させる事ができ((一応前作のⅢでも弱体化させることはできるが、弱くなるのは第1形態だけで肝心の第2形態に変化はなく。 まともに戦って正攻法で勝つのはほぼ不可能と思われる))、正攻法でも勝てるようになった(但し、弱らせて尚裏ボスに相応しい強さはある)。
--また弱らせなければ前作までと同様「極悪パズルボス」となるので、今までの方が好きな人も安心?
-戦闘中に魔物図鑑を見れるようになった。これより相手の弱点、使ってくるスキル、落とすアイテムがいつでも確認できるようになり、戦略も立てやすくなった。
--但し図鑑にデータを登録するには一度対象を倒すかバーストスキル「アナライズ」を使う必要がある。
-ゲームの雰囲気にマッチした古代祐三氏による秀逸なBGMも健在。
--一部で過去作品のアレンジBGMを使う等のファンサービスも。
-スキルツリーの新システム
--今までのシリーズでは、強力なスキルには前提スキルを用意して簡単に取れないようにしていたが、本作ではそれだけではなく、ノーマル(Lv1~)、ノービス(Lv20~)、マスター(Lv40~)とキャラクターレベルに応じて取れるスキルに制限がかかるようになった。代わりに過剰な前提スキルを持つスキルは減り、各クラス毎のスキル数も若干増加した。
//スキル数自体も大きく増加した。
//↑前作までの共通スキルを専用としてバラし、メイン限定スキルを三分割したので表面上そう見えるだけ。実際は大して増えてはいない。
//事でキャラ育成の自由度が増した。
//これは間違い。実際は20、40のLv制限に加えて、ツリーが縦に(画面では横だが)深化したため、むしろ育成の自由度は下がっている。
--またスキルをリスト状に並べるのではなく、ツリー状に配置したことで前提スキルの確認が容易になったことも地味ながら前作からの改善点と言えるだろう。
-サブスキルはメインクラスのスキルの半分が最大レベルになるなど、サブクラスのバランス調整が行われた。
--過去作経験者はそれだとサブクラスが全く使えないと懸念するだろうが((過去作はスキルレベルが低いうちは命中や行動順にマイナス補正が掛かったり、効果の伸びが悪かったりした。))、今作はスキルレベルの前半が最も伸びが良いので最大半分でも十分実用に耐える調整が施されている。
---また、これによりメイン・サブに関わらず「低レベルスキルを沢山とる」か「高レベルスキルを1本伸ばしするか」の選択が重要となり、前述のスキルツリー新要素と合わせてキャラ育成の楽しさに一役買っている。
-すれ違い通信によりギルドカードを送り合ったり、大地に眠る秘宝の情報を送信する事ができる。また、自分の育てた冒険者を一人添付する事が出来、他のギルドのキャラクターと共に冒険する事も可能。
--冒険者の添付により難敵を切り抜ける為に共闘したり、他の人のスキル構成を参考にしたりと世界樹シリーズをより楽める追加要素であるとして非常に好評。
--キャラメイクゲームであるためどのギルドカードも個性あふれるものになり、収集して眺めつつ、相手がどんなプレイをしているか想像するだけでも楽しめるだろう。
--このギルドカードのデータはQRコードとして出力可能なため、ネット上で公開しているプレイヤーのギルドカードを受け取る事も出来る。制作に関わったスタッフにはインターネット上でQRコードを公開している人も。
-鍛冶システムの改善
--前作で追加された、店売り武器を強化出来る鍛冶システムだが、前作では素材・資金の双方が必要なため、些細な強化よりも次の武器が登場するまで待った方が圧倒的に資金効率がよく、終盤に最強武器を手に入れるまではあまり役に立たないシステムだった。
--本作では素材のみで鍛冶を行う事ができるようになり、気軽に鍛冶を行えるようになった。
-インターフェースの向上
--3つまでパーティの登録が可能になった。ギルドに登録された冒険者の中からパーティメンバーを選んで冒険に行くのだが、パーティに加えられるのは1度に5人が限度。それ以上の人数をギルドに登録しているとメンバーの入れ替えを行わなければならないが何度もやっていると以外と面倒になってくる。しかし、今回から予めパーティのメンバーを登録してそれを呼び出すことで、編成の手間を省くことが出来るようになっている。
--他にもショップでの纏め売りがやりやすくなっている。
**賛否両論点・問題点
-新しく追加された各種要素・戦闘バランスの調整について旧シリーズ体験者からは賛否両論な面も多い
--旧シリーズは高い難易度・やりこみ、またレトロゲームライクなゲームの雰囲気を売りにしてファンを獲得していた部分もあり、今作のカジュアルモード等の追加や基本難易度の引き下げ、あまりに冒険者にやさしい迷宮の隠し通路の主張、迷宮のフロア数の減少などライトユーザ層の取り入れを全面に押し出した部分については不満の声もある((その反面クリア後の隠しダンジョンの難易度は非常に高い。))。
-3DSになっても、相変わらずセーブデータは一つだけ。
--データのオールクリアは可能なのだが、すれ違いやQRコードで集めたギルドカードを犠牲にしなければならない。
#region(戦闘・難易度バランス・ボリューム関連)
-死んで覚える所謂「死にゲー」としてその全滅すら楽しいと多くのユーザーに評価されていた旧シリーズに比べて初見殺しの罠(旧作の「!!ああっと!!」など)が大幅に削られている。その上一部のトラップイベントでは「調べてもよろしいですか?」「本当に調べてもよろしいですか?」と何度も聞いて危険な罠とアピールしてくる為非常に興が削がれる。
--ただし、前述の裏ボス弱体可能仕様の件もあり、本作がシリーズで初めてクリアできた作品…というユーザが存在するのもまた事実である。また、減ったとはいえトラップイベントや危険モンスターはきっちり存在する。
-迷宮一つあたりのフロア数が基本3つとさらに減っている。
--足りない分はある程度小迷宮で補われているが、やはり第5迷宮の件((第五迷宮のつくりは 第五迷宮入り口→第四迷宮3層目の空欄→第三迷宮3層の空欄・・・と今までの迷宮のマップの空白部分を逆走して行き、その後改めて第五迷宮を探索する事になるのだが、第五迷宮そのものは1階分しかない。))もあり古参ユーザーから見ればやや物足りない感じは否めない。
--また、大地についても第四大地までしか存在しない。フィールドFOEも単なる色違い亜種が多く、新たな大地で見慣れた顔ぶれというのにもやや拍子抜けするプレイヤーも多かった事だろう。&br()
-迷宮の抜け道(基本はただの壁だが調べるとショートカットが作成される)を探す事も旧シリーズにおいては探索の楽しみの一つとなっていたが、今作では第4迷宮まで壁にヒントオブジェクトがあるため一見で分かってしまう。
--しらみつぶしに探す必要が無い為ライトユーザーにとっては嬉しい配慮であるが、上記のフロア数減少と共にボリューム低下の一因を担うことになっている。
-ミスティックの技が便利すぎる。
--発動時と毎ターン終了時に敵全体に確率で異常や封じを付与するスキルがあるので、スキルレベルやLUCを上げて行けばかなりの確率で複数の敵の行動を封じる事ができる。
--また、今作の武器に追加できる付加効果スロットに状態異常+範囲攻撃を詰め込むとスキルを使用するでもなくあらゆる状態異常をばら撒く事も可能に。また、その鍛冶可能な状態異常の中には即死や石化(即死とほぼ同意義)も付加できるため…。
--さらに相手の耐性((同じ相手に対して、封じや状態異常を何回も使用していると耐性がついてしまい、成功率が激減する。))をリセットするスキルまで修得できる(消費コストが重いが)。
---ただしミスティックは打たれ弱い上に攻撃力も低く、また素早いわけでもないため、ツボにはまれば非常に強いが行動する前に全体攻撃で戦闘不能というのもよくある光景。特にクリア後で顕著。
//--その他自前でも2ターンに1度しか使えないものの出の早い全体回復スキル、歩くだけで微回復する便利なスキルなどもあり、回復特化職(メディック)の立場を苦しいものにしている。
//メディックが苦しいのはミスティックとはあんまり関係ないような。
-ボス条件ドロップによる装備品の入手次期がクリア後にまで遅れる
--シリーズ恒例の要素として、ボスクラスの敵からの条件ドロップ素材((状態異常で倒す、1ターンで倒す、一人で倒す等特殊な条件で撃破したときのみドロップする素材のこと。))によって、その時点では破格の性能の装備品を入手する事が可能(ただし非常に高額なので序盤での購入にはかなりの努力を要する)といった独特な要素があり、それがクリア前にも達成可能という事で装備の揃っていない冒険者達の良い目標にもなっていた。~
しかし今作からは終盤以外のボスの条件ドロップには組になるもう一つの素材が設けられ、解禁時期を遅らせる措置が施された。そのためほとんどの条件ドロップ装備品の入手がクリア後に限られてしまった。~
並のRPGなら最強装備品は物語後半に入手できるようになるのが一般的であるためこれを良しとするユーザーもいるが、努力次第で強い装備品が入手可能になるというバランスの調整が巧みであった旧シリーズ体験者からは物足りなくなったと残念がる声も多い。
-消費アイテムの使い勝手の悪化
--収集スキルの大幅な簡略化、一個あたりの必要素材数の増加、帰還系以外の購入数無制限の撤廃、また一部消費アイテム素材のドロップ率が低い等の理由から消費アイテムの安定した供給が難しくなり、結果使い勝手が悪化した。~
今作を含めたシリーズの消費アイテムは攻撃、回復、支援と一通り揃った万能の存在となっており、一人旅などの制限プレイや、継戦能力を度外視したロマンだけの育成、編成などの幅広い遊び方を支えてくれる存在である。~
消費アイテムの継続的な使用をするプレイスタイルの場合では今まで以上に手間がかかることが多い為、結果パーティ育成、編成に安定を求めがちになってしまい、窮屈になった感は否めない。~
上記のような遊び方をする余裕が出てくるだろう周回プレイ時に消費アイテムが引き継がれないこともこの問題に拍車をかけている。
--その一方で、前作までは潤沢かつ万能な消費アイテムの存在から一部のスキル・ステータスが個性を失っていた点も否めない(TP回復を大量に買い込む事で、燃費の悪いスキル、TPの少ないクラスも簡単に補えてしまう、など)。本作では、消費アイテムの代わりに問題打破のためのスキル(TP回復スキル等)を多くの職に用意しており、アイテムによる個性喪失を最小限に抑えてバランスをとっているとも言える。
//アイテムの性能は全てスキルより一段下で、所持にも個数制限があるため(さらに素材と枠を共有している)、スキルの個性を失わせると言うことはまずない。
-ゲストの実用性
--「ギルドが到達した事のある最高Lv以下のみ可、装備及びスキルの追加変更不可、経験値分配無し」というパーティ編入の際の大きな制限から、ゲストとの"本格的な"難敵との共闘は実際かなりハードルが高い。~
経験値分配無しを逆手にとったキャラ育成という実用的な使い道もあるのだが、ここで問題になるのが「自分のギルドのキャラもQRコードでゲスト化できる」という仕様の穴。~
性質上編入の制限からほぼ解放される自前ゲストの使い勝手の良さは本来のそれを圧倒する。~
これらの仕様によって余興としてはともかく、実用性という面での本来のゲストの価値はかなり限定されてしまったと言わざるを得ない。((一応Lv制限だけは本編クリア後解放されるので、隠しダンジョンでは多少活躍の機会もあるかもしれない))
#endregion
-当シリーズでは階層毎などにも表示される美麗な背景画が特徴でもあるが、今作ではジブリ作品などで有名な山本二三氏が招かれ、迷宮突入時の一枚画などはアナログタッチの残る非常にクオリティの高いものとなっているのだが…
--肝心の迷宮の3DクオリティはDS時代とあまり変化が見られない。それどころかマシン性能が向上し遠くまで見渡せるようになったためパターンの目立つ壁が非常に見苦しく、3DSの売りである立体視で感動できるグラフィックとは言いがたい。樹木のテクスチャが貼り付けられた板の様に見えるからかカキワリと称される事も。
--ただし後半の建物内部を探索する迷宮ではパターン続きが気にならない為雰囲気は出ている。
--一応、アナログスティックで視点をグリグリ動かした際の光景や、障害物の隙間から向こう側を覗き込める序盤の仕掛けなど、立体視を生かした仕掛けが無い訳ではない。ただし、あくまで「無いわけではない」程度。
-またもやシリーズ恒例のスキル絡みのバグが存在する
--ソードマンの属性リンク攻撃が武器の属性に変化してしまうバグとダンサーの速度ブーストと扇の舞を併用すると正常に機能しないバグなど。
--前者のほうは逆に利用することもできるが、後者のほうは単なるデメリットにしかならない。
--未だに修正パッチの配信はされていない。
-BGM
--作曲は古代祐三が続投、これまではFM音源を使ったどこか懐かしさを感じさせるBGMだったが今作からは生演奏を取り入れた手法に変更。曲としてのクオリティは高いが以前の音源が良かったとの声もある。
--また、一部のボス戦のBGMがループせず、ブツ切りになってしまっている。仕様か設定ミスかは不明。
**総評
シリーズ4作目にしてDSから3DSにハードを移し順当に進化を遂げた快作。&br()
サウンドとグラフィック面など実際にユーザーが触れる部分で大幅な進歩を遂げた他、サブクラスの調整不足など前作までで多かった不満点の多くを解消しただけでなく、カジュアルモードの搭載などによって初心者への間口も開いた。&br()
その代償としてシリーズの売りの1つであった「シビアな難易度」がまた少し低下したのではないかという古参ユーザーの声も少なく無かったが、初心者には手の出しづらい雰囲気のあるシリーズ中でも勧めやすい一作となった。トータルで見れば良作と呼ぶに十分な出来と言えるだろう。
**余談
-街の施設の一つ「カーゴ交易場」という場所に「追加データ出力」というコマンドがある。&br()
--曰く「将来的な活用を見据えたプレイデータをSDカードに出力します」とのことだが、次回作で使うことになるのだろうか?
-従来の「世界樹の迷宮」では、メインストーリーの最終ボス戦は一度きりというのが通例であった((周回制が初めて導入された前作『Ⅲ』では実質再戦可能になったとはいえ、ルート分岐で異なる最終ボスや一からストーリーを進め直す手間が生じるため、改善とは言い難い。))。しかし本作では先に述べたように、とある場所で「ある方法」を行うことにより再戦が可能となった。
--…だが、その「ある方法」が問題で、選択肢による再三の注意喚起があるとはいえ''「最終ボスとの再戦」に繋がるとは想像しがたいシチュエーション''であった事からむしろ初見殺しの意味合いも多分に含まれており、ある意味で世界樹らしい。これ以上は実際にゲームをプレイして確かめていただきたい。
-本作はビックタイトルが名を連ねる「ニンテンドー3DS 社長が訊く」でインタビュー記事が公開され、シリーズファンから驚きと喜びの声が上がった。
-
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