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*熱闘ワールドヒーローズ2JET
【ねっとうわーるどひーろーずつー じぇっと】
|ジャンル|対戦型格闘ゲーム|&amazon(B000069S3K)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|ビィトップ(BETOP)|~|
|発売日|1995年2月24日|~|
|定価|4,660円(税抜)|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|周辺機器|通信ケーブル(通信対戦)&br()スーパーゲームボーイ/同2対応|~|
|備考|スーパーゲームボーイを使用した場合のみカートリッジ1本で対戦プレイ可能&br()通信ケーブルでの対戦プレイ時はカートリッジ2本必要|~|
|>|>|CENTER:[[''熱闘シリーズリンク''>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1331.html]]|
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#contents(fromhere)
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**概要
タカラ(現:タカラトミー)よりゲームボーイ向けに発売された『''ワールドヒーローズ2JET''』(以下一部除いて「原作」と表記)の移植作品。~
タカラのGB用対戦型格闘ゲームの「''熱闘シリーズ''」第3作目。
それまでの熱闘シリーズ同様、キャラクターがデフォルメ((ただし、頭身は熱闘シリーズ前作の『熱闘餓狼伝説2』の2頭身から3頭身となっている。))されたり、操作もゲームボーイに合わせた仕様に変更されている。
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**評価点
''原作再現度の高さ''
-さすがに原作のように体力ゲージの下に台詞を表示する((『ワールドヒーローズ2JET』以降の作品ではキャラクターの動きや状況に合わせて台詞が表示されるようになった。例えば、攻撃を繰り出した時に「くらえっ!」、逆に攻撃を喰らった時に「ぐわあっ!」といった案配。))というのはカットされたが、それ以外の騙し気絶や飛び道具反射などといったシステムはおおむね再現されている。
--元々ワールドヒーローズシリーズは『ワールドヒーローズパーフェクト』(以下『パーフェクト』と表記)まではボタンを押した長さで攻撃の強弱を使い分ける仕様であったため、それまでの題材とした作品(『[[サムライスピリッツ>サムライスピリッツ]]』・『[[餓狼伝説2>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/357.html]]』)に比べれば落とし込みやすかったのもあるかも知れない。
-キャラクターもちゃんと原作登場の全キャラクターが登場している。
-メインモードである超武会モードにおける、幕間デモもさすがに完全再現は出来ないにしても、原作の雰囲気を著しく損ねるようなことはない程度にアレンジをして再現している。
''豊富なおまけ要素''
-全てのキャラクターに超必殺技が追加された。
--アーケード・ネオジオ版では超必殺技に当たるシステムが導入されたのは『パーフェクト』の「''究極奥義''」なので、こちらで追加された技は全て完全にオリジナルのものとなる。
---一部のキャラクターの超必殺技コマンドはやや個性的すぎて入力しづらいものになってしまっているが、技の性能という意味では使い物にならない死に技やネタに走りすぎの技というのはそれ程ない。
--超必殺技が追加されたことで、原作と異なり、体力が一定以下になるとゲージが点滅するようになった。
---後述のボス・ゼウスを使えるようにするコマンドを入れた場合を除いて、超必殺技はゲージが点滅している時のみ繰り出せる。
-また、原作では「JET」とどこかスピーディーになった印象を与える単語を付けておきながら、むしろゲームスピードは『ワールドヒーローズ2』よりも遅くなっていたが、本作ではスーパーゲームボーイ使用時限定で隠しコマンドを入れることでゲームスピードを上昇させることが出来る。
-熱闘シリーズ恒例のボスキャラクターが使える隠しコマンドもあり、コマンドを入れることでゼウスが選択可能となり、こちらも勿論超必殺技が追加されている。
--また、ゼウスを使えるようにすると「熱闘モード」と呼ばれる状態に移行し、ゼウスが使用可能になる他に「プレイヤー・コンピューター共に超必殺技が常時使用可能になる」・「空中で連続技が出来るようになる」・「キャラクター選択後にパラメータタイプを選択出来る」という要素が解禁される。
---空中で連続技と言っても、最近の格闘ゲームの「エリアルレイヴ」などの空中コンボのようにずっと空中で滞空してコンボが叩き込めるという訳ではなく、あくまで数発攻撃が出来るといった程度である。
---また、パラメータセレクトは通常の能力バランスの他、攻撃力・防御力・素早さのいずれかを強化したバランスを選ぶことも可能だが、いずれかを特化させると他の能力が目に見えて解るほどに下がる。
-なお、今作の隠しコマンドはそれまでの作品に比べて難しくなっている。
--もっとも、それまでのはセレクトボタンを連続で複数回押しするというだけのものだったので、比較にならないとも言えるが。
''1つのゲームとしてのとしての出来''
-それまでの熱闘シリーズ作品に比べると格段に完成度が上がっている。
--『[[熱闘サムライスピリッツ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1333.html]]』のように何もかもあやふやでまともな対戦が望めないということもなければ、『[[熱闘餓狼伝説2>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/896.html]]』のお手軽永久コンボや真空当て身投げなどのようなゲームバランスを完全に崩壊させるバグ(プログラムミスか?)も見受けられない。
---さすがに細かい所を突き詰めると粗は無い訳ではないが、少なくとも気軽に対戦をしようというのであれば、何ら問題なく楽しめるものとなっている。
-基本的な操作性に問題は無く、入力に対するレスポンスも問題は無い。
--それまでの作品ではまず無理だった必殺技も絡めたコンボも容易に繰り出せる。
---ただし、超必殺技に関しては一部のキャラクターは元々のコマンドが珍妙になっているというのもあるが、そうでないコマンドでも入力が必殺技などに比べて受付がシビアになってしまっているため、慣れないと出しにくい。
-コンピューターの強さも程良いものとなっており、慣れていない内は強く感じるかも知れないが、多少勝手が解ってくると十分に楽しめる難易度になっている。
--熱闘モードにすると若干ルーチンが強化されるのか、通常よりも的確に反応するようになり、更にモードの仕様上、超必殺技もここ一番のタイミングで使ってくるようになったりと手強くなる。
-BGMも音源に合わせてアレンジをされているが、耳障りということもなく、BGMの役割をしっかり果たしている。
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**問題点
''ある程度の割り切りは必要''
-ゲームボーイの、それもキャラクターがデフォルメかかっているようなゲームで本格的な格闘ゲームを期待する者もいないだろうが。
--あくまでカジュアルに対戦を楽しむ分には問題が無いというものであり、最近の格闘ゲームにありがちなダイヤグラムやキャラランクがどうだの、コンボルートがなんだのというようなレベルでのやり込み((コンボ云々に関してはそもそも原作の時点で所謂「コンボゲー」に属する作品ではないので、ある意味当然だが。))に耐えられる作品ではない。
-ある意味正しいとも言えるのだが、超必殺技の破壊力がかなり高くなっているため、熱闘モードでは一瞬のうちに体力が溶かされてしまうこともあり得る。
--超必殺技が際立っているが、それ以外にも全体的な攻撃力が高めなので、例として、フウマの「ジャンプ強キック→近距離立ち強パンチ→炎龍破」というシンプルなコンボ((『ストリートファイター2』で言うなら、「炎龍破」の部分をそのままリュウやケンの「昇龍拳」に当てはめてもらえばイメージしやすいか。つまりジャンプ強キックからアッパー昇龍拳である。))1つで体力の5~6割は平気で持っていかれてしまう。
---そのため、ゲームバランスとしては大雑把と言わざるを得ない部分も併せ持っている。
''原作から削除された要素''
-容量、画面スペースなど様々な要因でむしろ入れられる訳がない、削除されて当然と言える部分でもあるが、原作において体力ゲージ下の台詞はキャラクターの個性が良く出ていた個所でもあるため、削除を惜しむ声もある。
--また、超武会のステージの合間に挟まれていたボーナスステージも削除されているが、こちらは原作にあったスコアの要素が削除されているため、ボーナスステージを入れる理由が無い。
---オープニングのデモもアレンジして入れていたそれまでの作品を考えると、デモを削除されたのはややガッカリともと言えるし、それ以外にも細かい所まで見てみると削除された個所は割と見受けられる。
-だが、これらを削除したことがこの作品のゲーム性に著しくマイナスに作用しているかと言えば間違いなく「ノー」であり、逆にゲームプレイに関わらないような細かい部分の再現に拘りすぎて肝心のゲームプレイに関わる部分がお粗末になっても本末転倒である。
--あくまで拘り出すと残念に思える部分という程度であり、ゲームの問題点というには些かこじつけに過ぎる部分もあるが、そういう部分もあるというものとして見て欲しい。
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**総評
とことんまで突き詰めるなら間違いなくお薦め出来ないが、気軽にプレイ出来る携帯機の格闘ゲームという意味では十分な完成度を誇る作品である。~
特に、熱闘シリーズのそれまでの作品では原作再現という意味では頑張っているものの、肝心のゲーム部分は相当の割り切りを強いられる出来であったが、本作では原作再現も頑張りが認められるものであり、かつ、ゲーム部分も十分に楽しめる作品となっている。
そもそも、ゲームボーイ自体が格闘ゲームには向かないハードであるが、それでもなお十分に遊べる作品に仕上げてきたことそのものが褒められて然るべきものと言え、そういう意味ではそれまでの作品での積み重ねは無駄ではなかったと言えるであろう。
もっとも、敢えて今からハードなどを調達してプレイする価値があるかと言われるとさすがに首を捻らざるを得ないのは致し方ない所か。
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