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*魔界戦記ディスガイア
【まかいせんきでぃすがいあ】
|ジャンル|やり込みシミュレーションRPG|&amazon(B00007F1IT)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|日本一ソフトウェア|~|
|発売日|2003年1月30日|~|
|価格|通常版:7,140円&br()限定版:9,240円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[魔界戦記ディスガイアシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1027.html]]''|
※ 最初に発売されたオリジナル版のデータを基に説明する。
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#contents(fromhere);
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**概要
-''史上最凶のやり込みSRPG''という謳い文句で登場したPS2用ゲームソフト。PS2の作品ではあるが媒体はCD-ROMである。
-キャラクターデザインは原田たけひと、楽曲は佐藤天平が担当している。
-ストーリー重視の『[[マール王国シリーズ>マール王国の人形姫]]』よりも、ゲームシステム重視の『[[ラ・ピュセル 光の聖女伝説]]』の方が好評だったことから、そのゲームシステムを更に強めた作品としてリリースされた。
--発売当初はあまり話題にならなかったが、電撃プレイステーションの記事や口コミからまたたくまに認知度が広まり10万本以上の売上を記録。日本一ソフトウェアのヒット作となった。
-Lvは9999、能力値は2000万(HPSPは4000万以上)まで育成可能。 キャラメイク・転生・各種スキル・武器育成などタクティカルRPGの基本的な要素も一通り備えている。
-本編のボリュームは20~30時間程度で、難易度もSPRGとしては低め。レベル上げもほとんど必要とされない。
--しかしアイテム界・練武の洞窟といった本編とは無関係の育成専用のシステムが充実しており、本編そっちのけでキャラクター強化に励むプレイヤーが続出した。中にはプレイ時間が1000時間を超えた者も。
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**ゲームシステム
''ウェポンマスタリー(WM)''
-武器の熟練度。その武器を装備して攻撃する度に、対応したWMが少しずつ上昇していく。
-特殊技の習得条件になっている他、現在のWMに応じて装備している武器に大きな補正がかかる。
''アイテム界''
-アイテムの内部にあるランダムダンジョンを攻略することでアイテムLvを上げ、そのパラメータを上昇させることができる。
-ダンジョンの大きさはアイテムのレアリティによって異なり、最大で100階構成。1階クリアするごとにアイテムLvが1上昇する。
-アイテムの基礎パラメータが高ければ高いほど、アイテム界に出現する敵も強くなる。プレイヤーには不必要な戦闘を避け、効率的に進むための工夫が求められる。
-キャラクター育成における最も重要な要素である。強化したアイテムにはウェポンマスタリーの補正がかかり、装備者は莫大なステータスを得ることができる。
''イノセント''
-アイテムに付与されている追加効果。ATK+50、獲得EXP+20%などの効果を装備者に与える。
-アイテム界に潜ると、このイノセントが敵対キャラとして登場することがあり、彼らを服従(=撃破)させると追加効果の数値が2倍になる(ATK+50 → ATK+100)。
-更に、服従させたイノセントは他のアイテムへ移したり、同じ効果のイノセント同士で合体させることができる。
--これを利用すると、ATK+19998や、獲得EXP+300%といった極めて強力な追加効果を得ることができる。
-通常、レベル上げ・ウェポンマスタリー上げにはかなりの時間がかかるのだが、このイノセントを活用することでその時間を大幅に短縮させることができる。
''転生''
-レベルの上限は9999でそれより上げることはできないが、「転生」を行うことで特殊技や武器熟練度を引き継いでLv1に戻ることができる。
-このとき、転生前のステータスに応じて素質能力値と呼ばれるレベルアップ時のステータス上昇量を決める値が変化する(通常は増える)。この状態でLv9999にすると転生前よりも高いステータスを得られる。
-レベル上げと転生を交互に繰り返していくことで、ステータスが少しずつ伸びていく。
''ジオエフェクト''
-特定のマスに「防御力-50%」「無敵化」といった特殊効果を付与するシステム。
-マップ上には必ずジオエフェクトの発生源があり、それを破壊するか移動させることでジオエフェクトを打ち消すことができる。
-大抵の場合は敵にとって有利な効果が発生する。プレイヤーは頭を使って、発生源の破壊・移動方法を考えなければならない。
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**評価点
''豊富な隠し要素''
-上述の通り本編のボリュームは20~30時間と昨今のRPGと比較して短い。
-しかし、クリア後(厳密にはクリア前でも可能)の隠し要素を含めると、そのボリュームはゆうに100時間を超える。
-イノセントを集め、アイテムを強化し、レベルとウェポンマスタリーを鍛え、凶悪なステータスを持つ隠しボスに挑む。とにかくやることが尽きない。
''ストーリー''
-どちらかというと一貫性はあまり無いストーリーだが、各話のところどころでコミカルな展開や話の良さがキラリと光る。日本一特有の陰惨な展開も所々に垣間見える。
--特定の条件で発生する特殊なエンディング(所謂バッドエンド)も多数用意されている。
--最終話の展開はかなり衝撃的。それまでのコミカルなテイストを全て吹き飛ばす。
-ストーリーとは関係ない、たとえば各話の終わりに挟みこまれるデモ(次回予告)が面白い。
-佐藤天平による音楽は秀逸。マール王国シリーズから引き続く名曲の数々がストーリーを盛り上げてくれる。
--本作の主題歌ともいうべき「ラハールさまの賛美歌」は色々な意味で必聴の名曲だが、正規ルートではなくて脇道ルートでしか聴けなかったりする。
--挿入歌は「戦友(とも)よ」と「赤い月」の2つとマール王国シリーズに比べると少ないがそれぞれシーンに合わせた絶妙のタイミングでかかり、プレイヤーの脳汁と涙腺を崩壊させてくれる。
''キャラクター''
-キャラクターは主人公ラハール、魔王の家来エトナを始めとする個性派揃い。
--特にラハールは声優の水橋かおりの当たり役の一つとなった。
--また、魔界の召使いのプリニーはその後の日本一作品に多数出演する、マスコット的存在となった。
-ラ・ピュセルから“魔王”プリエなど、他作品からのゲスト出演も多い。
-主要人物以外のいわゆるモブに該当する汎用キャラクターも、その可愛らしい外見から人気が高い。
''ロード時間の短さ''
-日本一ソフトウェアのゲームは起動時にROMのデータをハードに読み込ませることでロード時間を大幅に短縮させている。このおかげで快適なプレイを楽しめる。
''ドット絵のクオリティ''
-ゲームグラフィックに対する評価はプレイヤーによって異なるが、ドット絵そのもののクオリティは非常に高い。
-高笑いするラハール、ポーズを決める地球勇者ゴードン一行など、画面上で動き回るキャラクター達は見ているプレイヤーを飽きさせない。
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**賛否両論点
''「やり込み要素が豊富」という点''
-「やり込み」のベクトルが(何よりも時間を要し、知識や技術の比重が小さい)収集・育成方面に向きすぎているため、そのような要素を好まないプレイヤーからは「やり込まされゲー」「超作業ゲー」などと揶揄されている。
''ゲームグラフィック''
-PS2というハードの性能に見合わない稚拙なグラフィックで、よくSFCレベルと揶揄される。
-一方で「暖かみがある」「むしろドット絵だからこそ評価できる」と、時代遅れという点を逆に評価するプレイヤーも居る。
''画面上の情報量の多さ''
-キャラクターのステータス、敵・味方の位置および向き、ジオエフェクト、高度など画面上の情報が非常に多く混乱し易い。
-とは言えこれはまともに攻略する場合の話で、レベル上げ後にゴリ押しするスタイルのプレイヤーにとっては問題にならない。
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**問題点
''バグ''
-育成しすぎるとオーバーフローを起こして能力が0に戻るという不具合がある。
-PSP版では修正されている。
''ゲームテンポの悪さ''
-周回プレイを前提としたつくりでありながら、イベントのスキップが一切出来ないのでテンポが悪い。
-カーソルやキャラクターの移動速度を変更できないため、1ターンあたりにかかる時間が長い。
-『2』以降の作品では改善されている。
''武器のバランス''
-8種類(人間用が7種、魔物用が1種)ある武器のうち、剣が突出して強すぎる。
-剣は「万能型の初心者向け」という扱いだが、その割には優遇されている点が多すぎて、他の武器を用いる意義がなくなってしまっている。
--敵を強制移動させられる拳と、魔法の範囲・射程を広げられる杖のみある程度利用価値がある。それでも剣が強すぎて存在が霞んでいる。
-具体的には、稼ぎに必要な3x3マスと、高低差に強い射程5マスの特殊技を備えており、依存ステータス(与ダメージに影響する)がATKのみでブレイブハート(ATK上昇の補助魔法)で威力を大幅に上昇させられる。
--なにより、武器のパラメータが他の武器よりも圧倒的に高い。最強剣の「魔剣良綱」はATK6000(槍は2250)。
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**総評
日本人が好むとされるレベル上げ・アイテム収集といった「作業」に特化した内容で、多くの中毒者を生み出した良作。取っ付き易い難易度でSPRG初心者にも受け入れられた。&br;
原田たけひとによる可愛らしいキャラクターデザインも概ね好評で、キャラゲーとしても一定の人気を得ている。&br;
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ただ、『2』以降の作品と比べるとシステムの不備が多く、ゲームテンポも良いとは言い難い。無論プレイの障害となるほどではないが、『1』以外の作品からディスガイアを知った人にとっては遊び辛さが目立つかもしれない。
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**余談
-10万本を売り上げたヒット作であるという点から、良くも悪くも以降の日本一ソフトウェア作品の判断基準と化してしまった。
--その後に発売された別タイトルの売上があまり芳しくなかったことや、諸事情で開発力が低下したことからディスガイアシリーズは日本一の主力とならざるを得なくなり、結果として多くの続編・移植作品・派生作品がリリースされることになった。
-PS2以外でも多数バージョンが発売されている。
--PSP版:「エトナ編」の追加。エトナ編は本作の既プレイ者、上級者向きの内容に仕上がっている。
---後に通信対戦、戦闘演出の簡略化などの機能を追加した廉価版が発売している。
--DS版:ナレーションが若本規夫に変更。容量の問題から、ヴォーカル曲のヴォーカルが無い、ユニット作成可能数が少ない、デモのボイスがカットされている。
---PSP版の廉価版をベースにキャラを追加、上画面にマップを表示するなど、進化している部分もある。
-小説、漫画、アニメが存在する。
--小説版は3種類存在するが、そのうちの1つはゲーム本編にあたる部分の刊行後も続編が書かれており、小説版オリジナルキャラが登場したり、同社の『ファントム・キングダム』のキャラが介入するなど、原作とはまた違った面白さがある。
--アニメ版はストーリー変更、作画崩壊などの特徴がある。
-コンパイルハート(アイディアファクトリー)発売の『クロスエッジ』『トリニティ・ユニバース』にディスガイアのキャラクターがゲスト出演している。
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