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*夢幻の心臓II
【むげんのしんぞう つー】
|ジャンル|RPG|
|対応機種|PC-8801、PC-9801、X1、FM-7、MZ-2500|
|発売・開発元|クリスタルソフト|
|発売日|1985年11月|
|定価|7,800円|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|
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**概要
-『[[ウルティマ>ウルティマI 第1暗黒期]]』の見下ろし型マップと『[[ウィザードリィ>Wizardry]]』のコマンド選択式戦闘の正統派RPG。このスタイルのRPGでは最初期の頃の作品。
-前作の問題点、描画速度の遅さ、システムや難易度のバランスの悪さなどを解消し、遊びやすく仕上がっている。
-当時のRPGとしては親切で比較的プレイしやすかった。
**ストーリー
夢幻の心臓を手に入れ、死後の世界、夢幻界からの脱出に成功した戦士。気づくとそこは森の中だった。しかし、目に見える光景は自分の覚えのないもの。夢幻の心臓を手に入れた時、元の世界に戻れると希望は、今落胆へと変わった。だが、ここは死後の世界ではない。少なくとも彼は生きていた。自らの生をかみ締めると彼は歩みを進めた。
**特徴
-見下ろし型マップと、コマンド選択式戦闘を基本システムとしたRPG。またパーティ制の戦闘で、種族や職業の概念もある。最初期のゲームとして、現在のRPG正統派スタイルの基盤をすべて揃えたものだ。
--当時のRPGは試行錯誤で自力で解く要素が多かったが、それに比べればかなり親切設計。ヒントも比較的多く、あまり迷う事がなかった。序盤からして救済措置がいろいろとあった。
-キャラクターには種族と能力の二種類の属性がある。
--種族は「人間」、「エルフ」、「ドワーフ」、「シー」の四つ。それぞれ得意不得意がある。
--能力は、「戦闘」、「幸運」、「魔法」、「神聖」、「操舵」、「言霊」、「英雄」の7種類がある。これらは元々各キャラクターが持っている属性で変える事はできない。ただし、能力のいくつかは後から身につける事ができる。そして職業はこの生まれつきある能力と後から身につけた能力で決まる。例えば、「戦闘」があるキャラクターが、「魔法」を身につけると、妖術師となるのだ。
---この後から習得する能力は、種族によっては身につける事ができない。種族の得手不得手はこの辺に出る。
--能力があると特殊技能ができるようになる。「幸運」では宝箱のトラップが解けるように、「魔法」では魔法使いの呪文が使えるように、「神聖」では僧侶の呪文が使えるように、「操舵」では船が操縦できるように。「戦闘」は近接戦闘向けだが目だった変化は見られない。「英雄」は主人公の資格とでもいうべき能力。「言霊」はストーリー攻略用能力で技能自体はない。
-パーティは基本的に自由に組める。
--パーティに加えるメンバーは町やダンジョンの中などあちこちにいる。声をかけると仲間に入れてくれと言ってくるのだ。ただし、日当を要求するものが多く、その点は注意しないといけない。パーティの入れ替えも自由。ただし一旦別れると会えないキャラクターもいる。メンバーと別れる時は、町など安全な所で分かれる必要がある。そうでないと信頼というパラメーターが落ちていき、メンバーが勝手にパーティを離れてしまう…という事態が発生する。
-必須の食料。
--本作には食料のシステムがあり、何をしても消費されていく。そしてこの食料パーティのメンバーが増えれば消費量が増加するのだ。当たり前だが。そして食料が切れるとHPとMPが減っていき、どちらかがなくなるとゲームオーバー。もっともこの食料の確保、序盤は救済措置があり、後半は資金が豊富になるため、そう困らない。
-モンスターはシンボルエンカウト。
--フィールドでもダンジョンでもモンスターはシンボルとして展開している。そしてフィールドのモンスターは序盤からほぼ最強のモンスターと出会う可能性もある。地域によって強さが分かれている訳でもないのだ。もっともその強さはダンジョンのものに比べると弱い。
---このためか、本作の逃げるの成功率はかなり高い。レベルが上がり戦えるようになるまで、逃げ回ればいいのだ。
-戦闘はまさに正統派、コマンド選択式。
--RPGではおなじみの方法である。パーティ戦闘なので、目標を定め打撃や様々な魔法で攻撃するスタイル。パーティには順番があり、先頭ほど攻撃を受けやすくなっている。また本作の防御は無敵。防御するといっさい攻撃を受けない。だから弱い新たなメンバーは、レベルが上るまでずっと防御をさせておけばいいのだ。
-視界。
--本作には視界のシステムがある。森や山、町の中では壁や扉など、視界を遮られるものの向こうが見えないのだ。画面的には黒で表示される。動いて視界が変われば表示されていくというシステム。このためマップの全体像がやや把握しにくい。一応、この全体像をつかむためのアイテムがある。
-ボリュームたっぷりの世界。
--世界は三つに分かれており、それを攻略していく事になる。ストーリーも王道的な英雄物語だ。
-BGMがない。
--対象機種の関係でBGMがなく、この点だけは寂しい限り。
**総評
当時としては突出した親切設計でとにかくプレイしやすい。多彩な戦闘、パーティの自由な編成や、職業の選択、王道だがボリュームたっぷりな内容と、RPGを楽しむ要素は十分ある。最初期の正統派スタイルRPGの代表作だ。
**余談
-これだけ出来のいい本作だが、当時の売り上げは思ったほどではなかった。まず前作にいろいろと問題があり微妙な出来だった。さらに本作発売と同じ月((実はザナドゥPC-8801mkII版(SR版ではない)が先行して前の月に発売されている。だがPC-8801mkIIは普及台数が少なく大勢に大きな影響を与えなかった。))、今だPCゲームの販売記録を破られてないザナドゥが発売されていた。発売タイミングとしては最悪だったのだ。
-夢幻の心臓とドラゴンクエスト。
--ドラゴンクエストは本作から根強く影響を受けた作品と言われる。人によってはパ○リ呼ばわりされる有様。確かに、双方とも『ウルティマ』の見下ろしマップと『ウィザードリィ』のコマンド選択式戦闘を採用している。だが類似点はそれだけではなく、双方のマップ、町や城の外周を回ると重要な攻略キーが得られる、荒廃した城にいるお姫様とやがてパーティを組むなども上がっている。&br;だがそれでは夢幻の心臓が正統派RPGの原点か、というとそうではない。そもそも見下ろし型マップとコマンド選択式戦闘を採用したのは、本シリーズが最初ではない。また本作も先達であるウルティマからの影響が大きい。視界システムはウルティマIIIのシステムで、尚且つシンボルエンカウントでもある。マップ上のモンスターに地域差がないのも、冒頭何もない所に放り出されているのもウルティマIと同じ。本作がコマンド選択式戦闘でなかったら、単にウルティマ系統のRPGと思われていただろう。&br;本作が注目されたのは、ウルティマの日本発売が本シリーズよりもずっと後だったので、こちらの方が印象が強かったせいかもしれない。もっともそのため本作が以降のRPGに与えた影響も大きかった。
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