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*真・三國無双7 【しん・さんごくむそうせぶん】 |ジャンル|タクティカルアクション|&amazon(B00AHOI8BM)| |対応機種|プレイステーション3|~| |メディア|BD-ROM 1枚|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|コーエーテクモゲームス(オメガフォース)|~| |発売日|2013年2月28日|~| |定価|通常版:7,560円&br()ダウンロード版:6,600円&br()TREASURE BOX(限定版):13,440円|~| |プレイ人数|1~2人|~| |通信機能|Playstation Network対応&br()※ダウンロードコンテンツ配信、オンライン協力プレイ|~| |セーブデータ|HDD必要空き容量:770KB以上(トロフィーは60MB以上)|~| |インストール|HDD必要空き容量:11GB以上&br()ダウンロード版:HDD必要空き容量:38GB以上&br()※実際のデータ量は18.5GB&br()PlayStationStoreの仕様上この容量が必要|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力・セクシャル|~| |備考|ボイスチャット対応&br()海外版は360とのマルチプラットフォームで展開|~| |>|>|CENTER:''[[無双シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/635.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 真・三國無双シリーズ7作目。~ 「無双のすべてを超える」というキャッチコピーの元、三国志の「正史」をたどるストーリーモードに加え、「あの武将が生きていたら…」と言うファンの願いを叶え、味方勢力武将全てのハッピーエンドを目指すIFモードを搭載。~ また、やめどきの見つからないほどやりこみ要素満載との触れ込みの新モードが発表され、発表当時から話題となっていた。~ また、イメージソングを布袋寅泰が担当。 ---- **評価点 ***システム・アクション -前作6において、シリーズ伝統のチャージ攻撃主体のアクションに戻った本作だが、今作ではさらにジャンプチャージも復活。シリーズの旧ファンにとっては変わらず楽しく、新規ファンには馴染みやすい操作感が実現している。 -前作で大きく問題視された武器の切り替えシステム導入に伴う一部モーションの共用化の問題は、登場武将77名全員に個別の武器系統が与えられ、差別化されたことでほぼ解消している。 --もちろん好みの問題やプレイしやすさで好きなモーションの武器を好きな武将に持たせることが可能と言う前作の評価点は継承されており、武器系統が増えた分よりバリエーションに富んだ戦いを行えるようになった。 --そして、新たに導入された「相性」システムによって、敵武将との有利不利が装備武器の相性により変わるため、武器を切り替えることをより積極的に促すようになったことも進化と言える。これに伴いシナリオ開始後の武器装備変更は不可能となったが、戦場のど真ん中で幾つもの武器を自在に持ち換えるのもあまりに不自然と言う意見もあったためか、特に不満の声は聞かれない。 -モーションに関しては、すでに時代考証など無視のトンデモなコンセプトのものが散見されたが、今作も「城壁を崩すための槌にロケットをつけた」ようなものを筆頭に「舟を振り回し、どこからともなく現れた波に乗ってサーフィンする」、「大量の矢を発射するもはや見たまんまガトリングガン」など、エスカレートの一途である。 --しかし、ファンからはむしろ好評であり、ネタ的楽しみも含めて受け入れられているようだ。 -乱舞システムは、4にあった「覚醒」システムをより進化させ、覚醒ゲージを溜めて覚醒すれば超人的戦闘力を武将が発揮するようになり、さらにはその状態で乱舞を発動して覚醒乱舞をおこし、数多くの敵兵・武将を巻き込んで大ダメージを狙える。そして、一定の条件でそれは「真・覚醒乱舞」となり、移動しながらさらに数多くの敵を巻き込んでの大技に発展する。 --その画面中に敵兵が打ち上げられたままプレイヤー武将が突進する様は壮観としか形容しようがなく、かつての無双乱舞と同じくゲージが続く限り乱舞が継続し数百、場合によれば数千の敵を一度に屠れる爽快感はまさに「全ての無双を超えた」と言える。 -移動に関しても、今作からはL2ボタンを長押しすることで呼び寄せた支援獣にそのまま自動で騎乗できるようになった。 --これは地味ながら素晴らしい改良と言えるもので、従来ありがちだった「馬に乗ろうとして失敗、垂直ジャンプしてしまう」という、傍目にもいささか格好悪い光景は過去のものとなり、敵の群衆に囲まれたときも慌てず馬に飛び乗って華麗に脱出することが容易になった。 ***ストーリーモード -前作でストーリーモードは武将ごとではなく勢力ごとになり、一本道の固定になった。それは演出面も含めおおむね好評ではあったものの、一部武将の末路もリアルに演出されたり全く出番のない武将がいたりと様々な批判点も多かった。 --今作では前作に近い正史に基づくストーリーをたどる通常ルートのほかに、一定の条件を満たして分岐すれば味方勢力のすべての武将が身の上に起こる不幸をことごとく回避し、全員生存のハッピーエンドを迎えることのできるIFルートが搭載された。 ---これはかつてのシリーズでの無双モードのコンセプトの復活と言えるもので、エンディングに過去作からのファンなら思わずニヤリとする仕掛けがされている面からも開発側の意識がうかがえる。 --通常もIFも含め、各シナリオでは複数(3~4人)の武将から選ぶことができるようになり、武将の出番もなるべく平準化が図られた。 --前作で好評であった、ナレーション付きのシナリオ間の解説は今作も健在であり、唐突感なくシナリオに至る状況を理解することができる。 --これも前作からある一部のシナリオでの陣中会話だが、無双武将のみならずモブ武将、兵卒らによる会話はシナリオにおける人物の細かい状況を理解するのに役立つ。 ---ダジャレをやたらという「ダジャレ兵卒」、やけに無双武将のゴシップ的話題ばかりしてくる兵卒が必ずいるなど、戦闘の間の箸休めとして楽しめるものがある。 ---また、これも地味な改良ながら今作からは会話可能キャラの上に表示されるカーソルが、会話終了後は黒く変化するようになり、会話し終えたキャラが一目瞭然となった。結構広い陣中を歩き回りながらの会話拾いをする必要があるので、これはうれしい改良である。 --前作で全くストーリーのなかった他勢力も、単一シナリオ扱いとは言えストーリーに関連してシナリオが出現し、それぞれの主人公たる武将の物語を楽しむことができるようになった。基本的には本来のストーリーでは敗れる役回りの彼らが、敵である三国+晋の勢力を打ち破るIF的なものになっている。 -前作ほどの濃厚なドラマチックさはないものの、IFルートでの強引なまでのハッピー展開が戻ってきたことは待ち焦がれていた多くの無双ファンに歓迎された。その上で前作のいい面はしっかり受け継いだとして、このモードは高い評価を得ている。 ***将星モード -今作から設定された新規モード。ある荒れ果てた町を基地として発展させ、、“銅雀台(どうじゃくだい)”を築き、帝を招き入れることを目指す。 --6猛将伝にて設定された「レジェンドモード」を下敷きにしており、さまざまな戦闘に挑み、「名声」や「仲間」、施設を発展させる「素材」を手に入れて基地を発展させていく。 --基地を発展させる過程で、武器・支援獣を敵が落したものを拾う、特定の場所で買うなどの方法で得ることができ、さらには武器屋の鍛錬システムによって武器に「属性」を付加して店での購入や戦場で拾ったものより強力な武器を入手することができる。 --基地内にはさまざまな施設が存在し、それぞれに武将を配置して働かせることで、いつもと違う一面をのぞかせるセリフを聞くこともできる。 --基地に帰還せずに戦闘を連続して行う「連戦」を行うことで無双武将を仲間にしたり、強力な支援獣を得ることができる。また、仲間にした無双武将とは絆を深めることができ、その進行によって特別なセリフを聞くことができる。これらは、やめどきのみつからない「やりこみ」要素としては十分価値がある。 ***フリーモード -シリーズ恒例だった、各シナリオを好きな武将で好きな勢力側でプレイできる「フリーモード」は前作では完全に割愛され、プレイアブル武将が限定のストーリーモードのシナリオセレクトでは到底満足できるものではなかった。 --今作ではそのフリーモードが復活。もちろん好きな武将を選び、ストーリーでは選べない「敵側」の立場のプレイも「裏シナリオ」としてプレイ可能。たとえば「呂布で五丈原の戦いを蜀の味方をして大暴れ」という展開が再び戻ってきた。 -今作の大きな原点回帰の評価点と言える。 ***その他 -近作においては、新キャラの追加で若く非常に美貌ないわゆる「イケメン」武将やコギャル・現代女子高生のような軽い言動の女性武将の参戦が目立ち、本来の歴史ゲームとしての重厚さが損なわれるとの批判が多く見られた。 --今作では、魯粛・韓当という大人の円熟の魅力を湛えた新武将が追加され、従来のあまりに現代的・漫画的であると批判された一部の武将も演出や設定から極端な面が取り除かれた。 -シリーズコンセプトである「一騎当千の爽快感」の肝となる雑兵の湧き具合は、各進入路から常に補充の兵が現れるほか、シナリオによっては地上のある場所から次々と湧き出してくるようになっており、ワラワラ感は非常に高い。 --特定のシナリオでは制限時間いっぱい使えば万を超える撃破数を出すことも可能である。上述の「真・覚醒乱舞」と相まって過去最高の爽快感を実現している。 --今作は前作の可変フレームレートを廃し、フレームレートを維持しつつ描画数を可変することで対処している。これで前作ではしばしば見られたカクカク感はほとんどなくなった。 -DLCは前作に続き充実しており、BGM・過去作衣装・オリジナル衣装・追加武器(モーション)・壁紙・テーマなど多数にわたる。 --値段も単価は決して高くなく、選んで買えば大きな出費にはならない。もちろん、ダウンロードしなくても本作のボリュームは十分であり、あくまで好みでユーザーが楽しむために買うというDLCの本分をわきまえたものと言える。 ---- **問題点 ***システム面 -今作の武器は77種類にも達するため、それに対応してセーブデータには1000個分のデータ量が確保されているというが、1000を77で割ると13にも満たない。つまり、平均的に武器を取得していった場合、全種類が12個を超えた段階でもう限界が近いことになる。 -しかし、今作では戦闘で敵武将が落す・武器屋で買う・将星モードの施設で得る、といった豊富な獲得手段があり、普通にプレイしているだけでもどんどん溜まっていく。 -放っておくとすぐに限界に達して新たに拾うことができなくなるため、戦闘の後はこまめに不要な武器を売却や放棄で減らす必要がある。 -だが、そんな仕様にもかかわらず武器・アイテム周りのインターフェイスは良いものとは言えない。 --発売当初の仕様では、ソートが一切できず取得と売却を繰り返すと順番がぐちゃぐちゃになってしまい目的のものを探すのが大変だった。 --Ver1.02のアップデートでソートは一応行われるようになったものの、今度はいちいちカーソルが武器リストの一番上(つまり朴刀のところ)に戻るようになり、延々とスクロールを繰り返すことになった。 --Ver1.03のアップデートによって、今度はカーソル位置が記憶されるようになり、ようやく快適に売却の作業ができるようになった。 ---以上のように現在ではこの問題はかなり解消したが、他にもデフォルトで武将が装備している武器をうっかり売り払うと自動持ち替えの処理の関係で不具合が起こる可能性があるなど、依然欠陥だらけのインターフェイスであることには変わりがない。 ---明らかにテストプレイによる検討が不足していたとしか思えない状態であり、後述のバグ・フリーズ問題と併せて開発側の姿勢が問われかねない問題である。 ***イベント進行 -戦闘そのものは爽快でも、シナリオの各イベントがテンポを悪くし、ともすればストレス源にすらなりうるものもある。 --今作ではシナリオ中にたびたび投石機などの兵器で門や特定の地形・建造物を破壊するイベントが存在する。 --だが、これが極めて当てにくくどこを狙っていいのかわかりづらい。そのくせ、敵の投石器などは正確にプレイヤー武将を狙って当ててくるため、敗北はせずともかなりうっとうしい思いをすることになる。 --また、川や堀のあるシナリオでは泳いでいるキャラクターは互いに攻撃できないため、水の近くで戦うとたびたび敵武将が泳ぎだしてしまい上がってくるまで延々と待つことになる(一応馬上攻撃を当てることはできるので馬に乗って水に入り攻撃する方法はある)。 --そして、無双シリーズ共通のログ蓄積によるイベント進行遅延の問題は今作も例外ではない。おまけに今作は門の開閉によるマップの区域封鎖が多く、これをさらに助長している。 --また、敵兵のワラワラ感の実現に伴う弊害として味方総大将近くの進入口からも敵兵が常にわき続け、場合によっては総大将が襲われてしまう。もちろん味方の士気が高ければ総大将が撃破されることはまずないが、それにも関わらず「総大将敗北の危機!」がアナウンスされてしまうことが多い。これで本当の総大将のピンチか否かが判別しづらくなり、プレイヤーが状況判断を誤りかねない。 ***IFルート条件の煩雑さ -IFルートに入るには、特定のシナリオで条件を満たし、フラグを立てる必要がある。これによって外伝的な新たなシナリオが開き、これらを交えてストーリーが進む。最終的に完全にIFフラグが成立していればIFルートに突入する仕掛けである。 --しかし、このIFフラグを立てる難易度が問題となる。 --たとえば、ある条件は「特定の武将を素早く倒す」というものであるが、普通に走って追いかけては到底間に合わず、馬に騎乗したうえで「馬上無双」を使い(普通に馬で走るよりも高速移動できる)、途中で地形や敵兵に引っかからないように巧みに操縦する必要がある。 --また、「特定の撤退する部隊を撤退前にすべて倒す」というものの場合、対象の武将を事前に把握したうえで撤退開始のメッセージを聞いた後で倒していく必要がある。しかし対象の武将がそらで覚えるには多すぎて、攻略のメモ書きを手元に置いてチェックしながらのプレイという、まるでかつての古典的ゲームのごとき対策を取らねばならない。 --そして、これらの条件はゲーム画面上ではきわめて大雑把な一文でしか表示されず、そのくせ結構細かな条件が設定されていることも多い。一回プレイしただけではコツがつかみづらく、何度も試行錯誤を重ねるかいきおい本やネットなどの攻略情報に頼らざるを得ないことになる。 --これは、やりこみ派のテクニックを身に着けたプレイヤーはともかく、このゲームの多数を占めると思われるライトユーザーにとっては理不尽と取られかねないほどの煩雑さである。難易度設定を「天国」に設定すれば幾分楽になるものの、上記のような条件達成の煩わしさは変わらない。 ---秘蔵武器獲得のような一定のレベル以上のプレイヤーへのご褒美的要素ならともかく、このIFルートは本来全てのユーザーに楽しんでもらうもののはずである。このようなストレスを伴う条件を達成させねば到達できないのでは途中で投げてしまうプレイヤーも少なくなかろう。 ---開発側としては何も知らない初見のプレイヤーがいきなり条件達成してストーリーの変化に戸惑うことがないように、との配慮をしたとも取れるが、それならそれで1週目は正史ルートに完全固定し、2週目以降にもっと簡単な条件でIFに入れるようにする方法もあったはずである。本当に開発側がユーザーの視点に立って仕様を詰める努力をしたのか疑われる。 ***バグとフリーズ多発 -今作の最大の問題点として挙げずにいられないのが、プログラム不良によるゲーム上の障害(いわゆるバグ)やフリーズなどの処理遅延によるゲーム進行不良多発の問題である。 //--まず、発売日当初にいきなり最初のオンラインアップデートVer1.01が行われた。これは、発売日前から開発側が掴んでいながら対処できていないバグが存在していた証拠であり、テストプレイによる十分なバグの洗い出しが行われないまま見切り発車的にソフトが発売されたのではないかとの疑いをユーザーに抱かせたほどである。 //無知は罪だぞ。発売日当日のアップデートはオンラインマルチプレイの解禁が目的。これはモッドネーションなど他の作品でもよくある事例。 --幾度かオンラインアップデートが行われてかなり改善されたものの、依然ユーザーからのバグ報告は発売から3ヶ月経った現在(2013年5月)の時点でも引きも切らない。さらに、あろうことかVer1.03のアップデートの時には、一部のイベントの再生が行われない、その絡みで一部のシナリオの進行が止まりクリアできない、騎乗時に一部のSEが異常な音量になるといった新たなバグまで発生してしまった。単なる開発のバグ対処力の問題のみならず、企業としての姿勢を問われることにすら波及しかねない異常事態と言える。 --そして、爽快感の追及のために派手なエフェクトを追求したあまりなのか、特定の真・覚醒乱舞などで高確率でフリーズが起こったり、長時間プレイをしているとキャラクターが突然空中で停止する・セリフの音声がブツブツ途切れたり全く再生されないと言った現象がしばしば起こっている。これらも度重なるアップデートによって改善されてはいるが、根絶には程遠い状態である。 ---一説には、PS3本体の処理能力をいっぱい使いきっているため、少しでも熱による処理の遅延が発生するだけでもダメなほど余裕がないためだとも言われており、PS3本体を熱のこもらない開放された環境に置く・部屋を冷房したり風を当てるなどの積極的な冷却を行うなどである程度改善したとの報告もある。 ***将星モードが作業化する -将星モードにおける戦闘では、撃破した武将は自動的に仲間になる。しかし、モブ武将を含めてすべての武将を仲間にした段階で、通常の戦闘には名前付きの武将が現れなくなり、代理の存在である「旅団長」しか出てこなくなる。これは一応モブ武将相当の能力を持っているものの、名無しのキャラクターである。 --これでは、仲間を集めきった後の戦闘はセリフもなく黙々とやってくる旅団長ら敵兵をひたすら倒すだけの味気ないものとなってしまう。ゲームの進め方によっては意外と早くこの状況になってしまうため、依然残っている施設の発展や武器の鍛錬、仲間との絆を高めるために延々とこの味気ない戦闘を続けることになる。 --そして、連戦をすると難易度が上がっていく仕組みとは言うが、実際には敵は体力と防御力のみ上がり攻撃力やその頻度は連戦開始時の難易度設定に依存する。つまり例えば「天国」で連戦をすると、やがて敵は修羅難易度なみに硬くなってゆくが戦闘そのものの緊張感は上がらずただただ敵の体力を削ることを強いられる。これではまともな難易度調整とは言い難いのではなかろうか。 --一応、仲間武将との戦いを楽しむための「模擬戦」も用意されているが、こちらでは素材を集めることができないため、文字通りの模擬戦にしかならない。ストーリーやフリーモードでも素材は集められないので結局「旅団長無双」を続けるしかないのである。 --そのため、確かに途中までは面白いのだが、進めれば進めるほどつまらなくなるモードになってしまっている。ストーリーも何もない純粋なやり込みモードとしてはもっと工夫がほしかったところ。 ***武器の強化鍛錬(オンラインアップデートで改良済) -今作において武器につく属性は6種類にまで増加され、さまざまな属性の組み合わせによって変化する武器の特性を楽しむことができるが、発売当初はこの属性の付与条件が完全にランダムであった。 --将星モードの武器屋による強化鍛錬で効果のレベルはある程度固定できるが、種類に関しては望むものがそろうまでは何度も鍛錬を行っては駄目ならリセットとロードを繰り返しすしかなく、運任せの要素となっていた。 --その確率たるや、数千回行っても理想のものがそろうかどうかというレベルであり、ゲームを一日中連続でやれる条件のプレイヤー以外は理想の属性付き武器をあきらめざるを得ないものだった。後述の属性の問題にあるように、思い通りに強力な武器が作れてはゲームバランスを崩すという可能性はあるにせよ、ある程度の工夫が通用する自由度が欲しいという要望がユーザーからは非常に多かった。 --それに応えるように2013年5月に行われたVer1.03へのアップデートでは、鍛錬のベースとなる対象武器の属性を残しつつ新たな属性を媒体武器から付加する方式に改められた。これでやり方によっては理想の属性を厳選することが可能になり、ユーザーからは歓迎されることになった。 ---- **賛否両論点 ***属性 -前作6において猛威を振るった複数回属性攻撃の判定が乗るチャージ攻撃とキャラステータスに関係なく敵キャラの体力を割合で削る割合ダメージの属性の組み合わせ。その点は続く猛将伝とEmpiresである程度是正が図られたのだが、再びナンバリングタイトルとなった本作では逆戻りするように再び特定の属性が突出する強さを見せることになった。 --具体的には前作の「風」にあたる「旋風」属性であり、ガード無視・割合ダメージ100%発動・レベルが高いと敵武将の体力を一回で大半削ってしまうというすさまじいものである。 ---またこの「旋風」という属性、武器の天稟にも「旋風」という同じ名前の特殊アクションがあり、非常に紛らわしい。実際にプレイ上の障害になることはほとんど無いとは言え、せめて違う名前を付けて欲しかったものである。 --そして、回復系の「凱歌」属性である。これは6猛将伝において追加された将軍位の互換であるが、もう一つの互換属性の「治癒」が額面通りの攻撃ヒットごとの微量な回復に調整されたのに対し、こちらは敵キャラをKOしたときの与ダメージ量に比例して回復する。したがって、上の「旋風」と組み合わせると将軍位の相当能力以上の回復量を誇るようになり、普通以下の難易度ならほとんど無敵状態となってしまう。 --とにかく高いレベルの「旋風」「凱歌」を組み合わせて複数回属性付加のチャージ攻撃が存在する武器につけただけで、修羅難易度すら「ボタンを押す作業」と化すほどのゲームバランスブレイカーとなってしまう。 ---前作以来の賛否両論点ではあるが、修羅難度におけるレベルがカンストした武将でも死の危険が高い状況ではプレイヤーの技術によってはクリアに不可欠な要素ともいえる。特にVer1.03になった後はあえてこれらの属性を避けてよりテクニカルでスリリングなプレイを選ぶことは十分可能であり、「不必要ならば使わないまで」とユーザーも現在の仕様を大方受け入れている。 ---また、上記の将星モードが終盤ではひたすら体力と防御力だけ高い敵を倒す作業になりがちの中、同属性によって大幅な時間短縮をすることができるため、「特定の状況においては必要」としているユーザーも多い。 --一方で、数多くの属性が用意されながら役に立つものが意外と少ない。それどころか逆効果になってしまうものもある。 --たとえば「病毒」という属性は敵が青色のエフェクトに包まれた状態異常となり、いかにも効果がありそうに見えるが、ほとんどダメージはなく、敵が病気になって思うように動けなくなるということもない。 --さらに、「鉄壁」という属性は防御力が大幅に上がる代わりに攻撃力が下がってしまう。これは、本シリーズのコンセプトである「一騎当千の爽快感」の実現のために「攻撃こそ最大の防御」という調整がされている以上、邪魔な要素でしかない。 ---結局、多くのプレイヤーにこれらの属性は捨て要素扱いされ、避けられてしまっている。 ---せっかく多くの属性を用意したのだから、それぞれの持ち味を感じられる調整にすればもっとそれらの組み合わせでプレイの幅が広がったのに何とも惜しく、もったいない話である。 ***フリーモードでの武将の分身 -せっかく復活したフリーモードなのだが、プレーヤーが選んだ武将が該当するストーリーモードでの選択武将以外であり、しかもシナリオ上で設定されたNPC武将が同一の場合、二人が同時に現れる「分身」が起こってしまう。 --たとえば赤壁の戦い・呉軍で周瑜を選んでプレイすると、もう一人の周瑜が現れてしまう。しかも、イベントを進めるのはNPC側の周瑜であり、プレイヤー武将の周瑜はまるで「敵にも味方にも認識されずに勝手に敵を倒している」だけの存在となってしまう。 --これを回避するには、ストーリーモードでの選択武将の中で選ぶか、シナリオと全く関係ない武将を選ぶかするしかない。 --また、敵側にNPCとして同一の武将が設定されていても、やはり分身が起こる。 --過去作ではNPCとして設定されているならその場所からスタートし、プレイヤー自らイベント進行に寄与できていた。敵側にいる場合も代理の武将に置き替えられていた。そのため、これは退化した仕様ではないかとの批判が起こっている。 --ただ、過去作に比べてイベント進行ははるかに複雑化し、特定の武将に依存する部分も多い。かつてのように汎用性を重視したイベントを作ろうとするとその手間とバグ取りは膨大なものとなってしまう。 --問題点で挙げたバグの発生が引きも切らぬ中、そのような仕様を満たそうとすればさらなるバグの多数発生は必至だったという見方もあり、現在の仕様が悪いことと一概には言えない状況ではある。 ***新キャラ関係 -まず、今回の新規参戦武将のキャラ立ちにいささか既視感があるものが多い。 --たとえば、呉の韓当は「目立たない」ことをネタにされ、周瑜ら味方武将のみならず一般兵にまで存在を忘れられ、ついには出撃時に「忘れないでくれよな」と自虐的セリフまで口にする。((公式ページの無双武将紹介ページでは自己紹介(名乗りと言うべきか)ボイスがあるが、そこでも「俺が韓義公(かんぎこう)だ。忘れないでくれな」というボイスになっている。ちなみに、「義公(ぎこう)」と言うのは韓当の字(あざな)である。))((正史、演義では赤壁で黄蓋を助けるという見せ場があるのだが無双ではそれが無い。他にも将兵たちを励まし、一致団結させるなど目立った行動をしているのだが…それも無い。が、出陣する戦いでは勝利のカギを握るキーマンとなることが多い。)) ---そもそも、呉の宿将である程普などを差し置いて、何故韓当が出れたのかと人選自体を疑問視する声まである。 //「着火役」という独自のキャラ付けで人気を得ている朱然 //韓当も普通に参戦候補なのでは? //古参つながりの程普はともかく、朱然と比べる意味はちょっと分からんな。着火役の人気って言っても他を圧倒的に凌ぐほどではないし。 --そして、蜀の新キャラの1人関羽の娘、関銀屏は華奢な体つきにもかかわらず馬鹿力で巨大な武器を振り回すが、本人に自覚はなく「もっと鍛えなければ」とたびたび漏らす。 -次に、蜀の人選が偏っている。4から始まっていたのだが、蜀は誰かの血縁キャラが多く、7だと関興、張苞、関銀屏と更に三人も追加された為、関・張の血縁キャラで蜀の半分近くを占めるという事態が起きてしまった。 ---これについては呉の魯粛・韓当のように例え地味でも蜀を支えた中堅武将を追加して欲しかったという声も目立った。 --更にこの事が、身内同士で出番を食い合う結果にまで発展している。 ---特に被害を受けたのが4から出ている関平で、樊城の戦いで操作出来ない上、開始数分で死亡、IFシナリオでも一回しか使えない((しかも、他の選択武将が、ピュアさがウケているイケメン関索・前作の不評を受けた演出変更で可愛くなったと人気を盛り返している鮑三娘・今作新武将の中で最高どころか、全体の人気でも1・2を争いそうな勢いの関銀屏である。彼らを押しのけて関平が選ばれるには厳しいものがある。))、性能もお世辞にも良いとは言えないと((現在は修正されたがEx攻撃の性能もかなり弱体化されていた))散々な扱いを受けた((さらに、以前から星彩への片思いを匂わす描写があるのだが、モデルの人物の史実からしても星彩は劉禅と結ばれるのが確定事項であり、星彩自身も劉禅しか眼中にない感がある。恋愛面でも不遇なのかとファンからは同情されている。))。 -前者は「どこかで見たような」感が強く、使い古されたパターンである上に捻りも足りない。後者は、家族の絆をドラマとして強調したいのかもしれないが、それはすでに呉の孫家が負っていることであり、二番煎じの水増し感を禁じ得ない。 --おまけに、今作では晋の司馬一族までが司馬懿の妻、張春華の追加で家族ドラマを展開するありさまであり、三つの勢力にわたって同じようなことをやられては食傷気味と言わざるを得ない。 ---前作でコギャル系や現代的若者の感覚を反映したキャラ立てが批判された反動かもしれないが、さすがにこれだけ無双武将が増えるとネタの煮詰まり感が否定できなくなってきているのではないだろうか。 ---もちろん、個人的好みも大いにあるので、絶対的な問題点というわけでは無い。 ---現に、上記の韓当も出番は普通にあり、親しみのもてるおっちゃんキャラとしてファンの多くには好感をもって迎えられている。目立たない事を気にする姿も好印象で得意武器である改良された短戟も使いやすいと好評だ。 ---そして、関銀屏もなんだかんだで女性キャラ中1、2を争う程の人気となっている。 ***DLC -前作6以来、「ネタDLC」が恒例となっている。 --これらは時代考証など一顧だにしない完全な「ネタ」の衣装・武器グラフィック・基地テーマなどである。 --「世界観を破壊する」と嫌う意見もあるが、多くのユーザーは笑い取りの遊びとして受け止めており、DLCゆえに「買わない」選択肢もあるので大きな議論にはなっていない。 --むしろ「キャラのイメージが広がる」と歓迎しているユーザーも多い。 --特に今回のオリジナル衣装は「アルティメットお仕事無双」と言われるほど突き抜けたチョイスとなっている。その中でも蜀軍はTwitterでも話題に上がった某有名悪の組織戦闘員風の劉禅や五虎将軍が扮する昇竜戦隊タイガーファイブ等、とことん突きぬけている衣装が多い ---余談だが、呂布のお仕事衣装は「実業家」そして、ネタ武器の一つ「呪符」の「名刺」に書かれているURLに飛ぶと…。 ---- **総評 「無双のすべてを超える」「アルティメット一騎当千」というキャッチコピーが示す通り、過去作のいずれも超えた無双シリーズ本来の爽快感を本作は紛れもなく実現している。~ 前作で批判の対象となったボリュームの不足やモーションのコンパチ化という問題も解消し、PS3というハードにおける「やれることはやりきった」感はシリーズの集大成にふさわしい作品となったと言える。~ 前作でマンネリ感を打破すべく導入された「正史」を重んじたストーリー描写に、従来の正史をあえて覆すIFルートを併用することで、両方のファンを満足させた仕様は素晴らしい。~ バグやフリーズの多発問題は、今後の対処しだいでこの点の評価は定まっていくことだろうが、よき形で収束することを願ってやまない。~ これからもDLCなどの新要素や派生作が作られるだろうが、それによってユーザーの満足度を高める方向に進んで欲しいものである。 ---- **備考 今作の発売から約10日後の2013年3月10日に真・三國無双から13年に渡り司馬懿役を演じてきた滝下毅氏が不慮の事故で他界し、~ 滝下氏が司馬懿役を演じた最後の作品となった。 ----
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