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*ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 【ふぁいあーえむぶれむ せいせんのけいふ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B000065V6S)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=234&file=fireemblem4.jpg]]&br[[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=234&file=564404_4608_back.jpg]]|&image(Fire_Emblem_-_Seisen_no_Keifu.jpg,http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=234&file=Fire_Emblem_-_Seisen_no_Keifu.jpg,width=160)| |対応機種|スーパーファミコン|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~|~| |発売日|1996年5月14日|~|~| |定価|7,500円(税抜)|~|~| |配信|Wiiバーチャルコンソール:2007年1月30日/900Wiiポイント&br()Wii Uバーチャルコンソール:2013年4月27日/900円|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/333.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー かつてユグドラル大陸を力と恐怖で支配したロプト帝国。~ 暗黒神ロプトウスの加護を受けた闇の帝国を打ち倒したのは、ほかならぬ皇帝の弟マイラと、神より十二の神器を与えられた十二人の聖戦士たちだった。~ 聖戦士の一人聖者ヘイムはグランベル王国を建国。他の聖戦士たちは、ある者はグランベル王国を支える諸侯に、ある者は他の土地で国を興す。~ かくしてユグドラル大陸に平和が訪れた。~ 時は流れ、グラン歴757年。~ グランベルの交易都市ダーナを東の王国イザークが急襲したとの報が入る。~ この暴挙に対し、グランベル王国は国を挙げてイザーク王国を討伐すべく兵を送る。~ だが、手薄になったグランベルを狙い、南の王国ヴェルダンが突如侵攻を開始する。~ これこそがユグドラル全土を揺るがす長い闘いの幕開けであった…… **概要 FEシリーズ4作目にして、その後の作風を決定付けた作品。なお、''肝心のファイアーエムブレムはストーリーにあまり関係ない''。後の作品でもあったパターンで、ストーリーが破綻しているわけでもないためここは何ら問題はない。~ ディレクターの加賀昭三氏は、このゲームを元々ファイアーエムブレムとして作ろうと思っていなかったらしく、上層部の意向でFEのタイトルを冠せられたという。そのため、シリーズの中ではストーリー的にもシステム的にもかなりの異色作となっている。 //↑プロデューサーは横井軍平氏なので修正。 シリーズの中でもとりわけ人気の高い作品であり、現在でも本作のキャラを元にしたフィギュアが発売されたり2次創作が盛んに行われたりしている。 **特徴 ***構成・システム -最も重要なのが、ストーリーが前半と後半とで「親世代」と「子世代」に分かれており、子世代になると親世代の自軍ユニットの殆ど全員がゲームから離脱し、代わってその子供達が自軍ユニットになることである。親子2世代に渡るストーリーはまさに壮大。 --結婚システムにより、親世代の女性ユニットがどの男性ユニットと結ばれたかで登場する子供の能力等が左右される。詳しくは後述。 -戦場マップが広大で、次章までが非常に長い。他のシリーズでは普通はマップごとに1つしかない制圧拠点が3つも4つもある。その代わり章の数自体は少なめ。 --そのため、ターンごとにセーブが可能になっている。 --出現する敵の数が多く、自軍も出撃制限がないため全員戦場に出すことができる。他の作品では一切出撃をしない、所謂「2軍ユニット」が出てきてしまう一方で、本作ではすべての味方を1軍として起用することができる。 -「剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強い」という「3すくみ」システムが登場。使用武器による味方ユニット同士の差別化や戦略の増加等に繋がった。本作以降のシリーズすべてに導入されており、今ではすっかりシリーズを象徴するシステムとなっている。 -戦闘時に特殊な効果を発揮する「スキル」システムが登場。ユニット・兵種毎に取得スキルは異なっており、こちらも味方ユニット同士の差別化に貢献した。 -他にも、シリーズの他の作品と比べてシステム的に次のような特徴がある。 #region(一覧) -他の作品で言う「進撃準備画面」や「拠点画面」は存在しない。その代わり、マップの開始地点となっている自軍の城にて、アイテムの売買などの戦闘準備を行う。 -「交換」コマンドが存在せず、アイテムの交換は城にある中古屋での売買を通して行わなければならない。 -所持金はユニット毎に設定されており、アイテムと同様に味方同士で自由に金銭の受け渡しをすることができない。恋人同士、もしくは兵種がシーフの者なら相手に「あげる」ことが出来る。 -闘技場のシステムが他の作品と異なっている。 --闘技場は城に設置されている。戦う相手は章毎に固定されており、勝つ度により強い相手と戦うことになる(8回勝利すると闘技場制覇となり、戦う相手がいなくなる)。敗北しても死亡せず、負け数がカウントされない上にHP1になって追い返されるだけで済む。 -武器が使い捨てではなく、城の修理屋で直しながら使い続けるシステムになっている。 --武器ごとに倒した敵の数がカウントされてゆき、50を超えると以降は1体につき1%ずつ必殺率が上昇していく(カウントは最大で100まで)。 -ユニット毎の最大レベルは20ではなく30。レベル20に達すると自軍の城でクラスチェンジを無償で行える。その際、レベルはリセットされない。 -戦闘時に、攻撃速度が相手より上回っていても「追撃」のスキルが無ければ再攻撃はできない。 -必殺も、「必殺」のスキルを持つか、前述のように50体以上敵を倒した、或いはキラーボウのように元から必殺が発動するようになっている武器を使わなければ発生しない。 --その効果も、ダメージ3倍ではなく攻撃力2倍になっている。 -武器レベルはキャラクター毎に固定されており、クラスチェンジ以外で上昇することはない。 -本作の乱数には疑似乱数が用いられているため、ROMに関わらず、同じ操作をすれば必ず同じ結果になる。 --それを利用した"詰めエムブレム"なるものも登場。オープニングからエンディングまでの操作方法を記載した攻略本まで発売された(但しその本には誤植があるらしく、途中で崩れてしまう)。 #endregion ***シナリオ -元々見た目は軟派ながら戦場としてリアルなイベントの多いシリーズだが、本作はその中でもストーリーがかなり重め。シリーズ中一番重いと言われている。 --親世代の序盤は、隣国にさらわれたお姫様を救いに行くというような比較的明るい展開なのだが、中盤以降からどんどん暗い展開になってゆき、クライマックスではRPG史上屈指の鬱展開であろう「バーハラの悲劇」が起きる。 #region(バーハラの悲劇) -ストーリー中盤、主人公シグルドの妻であるディアドラが息子と夫を残して誘拐されてしまう。のちにディアドラは記憶を消去されて王国近衛司令官アルヴィスに引き合わされ、シグルドの目の前で妻として紹介されるという、驚愕の''寝取られ''展開となる。 --さらに弁明の機会も降伏の権利も与えられず、シグルド一行は反逆者としてアルヴィスらグランベル王国軍により抹殺される。国のため、正義のためと信じて戦ってきた見返りがこの仕打ち。しかも愛する妻は自分のことを覚えておらず、よりにもよってその妻とくっついた男の手で殺される…と、あまりにも無情で惨めな最期を迎える。さらにはアルヴィスとディアドラの間には双子の子供が… --このためシグルドは今でも「RPGでもっとも可哀想な主人公」と言われて名前が出てくるほど。 --ただし世代交代後のイベントでは、夫婦揃って霊として登場し息子セリスを励ますというイベント(任意で発生)があるため、最終的には報われている。むしろ、黒幕によっていいように使われただけだったアルヴィスこそ哀れかもしれない。 -またここを区切りに世代交代が為されるため、大半のプレイヤーキャラクターが''死亡''する。これが「バーハラの悲劇」である([[参考動画>http://www.nicozon.net/watch/sm580894]])。 -このイベントがあるからこそ後半のシナリオが光る。そのため否定意見は少なく、シナリオ全体の評価も決して低いものではない。しかし本当に容赦ないので、後半のやる気をそがれてしまった人もいる。そのくらい人を選ぶイベントだと言える。 -死亡するのは数人を除いた男性の大半と一部の女性キャラ。ただし生き残った女性キャラの大半は後半のシナリオに入る前の十数年の間に病死や行方不明になっておりプレイヤーキャラクターから離脱している。生きているとされるキャラも何人かいるが直接登場する者は少ない。前後編ともに使えるユニットは''たった一人''である。 #endregion -子世代では暗黒神を崇拝するロプト教が台頭、親世代以上に陰惨な内容になっている。 -また、宿命と情が絡み合う人間関係もかなり複雑でシリアス。 --''異父兄妹同士が子を成すという倫理的に真っ黒な展開がある。''今の家庭用ゲームのシナリオではまずあり得ないことだろう。 --実の兄弟・親子・親友で戦う例がFEシリーズの中でも特に多い。 --親世代・子世代ともに序盤の敵は同情の余地が無い悪人ばかりだが、中盤以降に登場する重要な敵はいずれも彼らなりの正義を掲げた上で主人公達と敵対しており、シナリオが単純な勧善懲悪モノで無くなっている。本作の黒幕であり、世界を阿鼻叫喚の渦に巻き込んだ「ロプト教団」でさえ、言われなき迫害を受けてきた彼らにとって暗黒神ロプトウスは唯一の「希望」であり、多少は同情の余地がある。特に子世代では「主人公達にしても戦いたくないのに敵対せざるを得ない」という場面・キャラクターが多い。人気のある敵役が多いのも本作の特徴である。 ---余談だが、3DSの『FE覚醒』には結婚したユニットの子供が未来からやってくるというシステムがあるが、&br()その際に近親相姦は基本的に不可能になっている。一応抜け道はあるが伯母-甥/叔父-姪の関係が関の山で、&br()それなりに計画しないと成立せず、また(FE覚醒の)スキル的な意味でもったいない組み合わせになるので、一部の好事家以外は使わないとおもわれる。 -前作では人と竜が敵対していたのに対し、今作の敵は基本的に全て人間である。特にかつて世界を救った聖戦士たちの末裔が愛憎を交えつつ神器を使って殺し合う様はかなり皮肉なものがある。 ***結婚システム -ゲームを進めると男女のユニットが結ばれることがあり、前半で結ばれたカップルは結婚して子供を産む、と言うかなり大胆なシステムを用いている。固定カップル以外はどんな組み合わせでも良く、カップルになったキャラ同士には支援効果がつく。 --前半のカップリングによって後半の仲間の成長率や習得するスキル、所持品、家系、サブイベントの有無などが決まる。 --前半で女性ユニットが誰とも結ばれなかったり途中で死亡したりした場合、本来仲間になるはずだった子供たちの代わりのキャラが仲間になり、プレイヤー間からは「平民ユニット」と呼ばれている。しかし、そのほとんどが前半キャラの子供達に比べると弱い。 --後半のキャラもカップリングができるが、子供は生まれない。ただし支援効果は発生し、エンディングの内容にも関わってくる。 -敢えて不利なカップリング(もしくはそもそもカップルを作らない)を行うこともでき、シリーズ中でも特にやり込みがさかんな作品の一つである。 --しかしキャラが多く自由度の高い代償で、弱いキャラやいわゆる外れのカップリングは本当に不遇である。 --逆に強力なキャラ・強いカップリングでできた子供はほとんどバランスブレイカーの有様である。 -前作の路線を継承し全体的にキャラに美形揃いである上このシステムが加わり、子世代も含めた攻略の範疇を外れたカップリング論などが交わされるなど、本作のキャラ人気はファイアーエムブレムの中でも一際高まっている。 --『トラキア776』で一部のカップルが公式化されたことで批判が集中したほど。 //--トラキアで固定となったカップルは2組あるのだが、片方はこの作品でカップルが自動的に成立する専用イベントがあったのだが(こちらは比較的受け入れられた)、もう片方のカップルに関しては特にそんなに大きなイベントがあったわけでもなかったため、ファンから「不自然だ」「勝手に固定しないでくれ」という声は未だにある。後日、このカップルに関する記述は削除された。 //---これに伴い、「このカップルのアンチが電話でISに抗議した」という噂が出、今もこの話が本当だと信じてる人がいるが、実際は根も葉もない噂レベルである。 //--更に、任天堂公式HP・ファイアーエムブレムワールドの「マスター級Q7解答」の解説で若干揉めた。 -ちなみにシグルドのカップルはディアドラで固定なのだが、当初はシグルドも結婚相手を自由に選べるようにする構想だったらしい。彼の息子のセリスという名前にその名残が残っており、「男でも女でも使える名前だから」という理由で付けられた物なんだとか。 ***その他の評価点 -音楽の評価は非常に高い。 --他作品とは異なり章ごとに専用曲が用意されていて、自軍フェイズでは自軍ユニット達の心情を表した曲、敵軍フェイズでは敵国のイメージを表した曲になっており、展開にマッチしている。 --更に1章をプレイしている時間が長い本作に合わせ、前作『紋章の謎』と比べて軽めでポップな感じの曲にされており、プレイヤーは飽きることなくゲームを続けられる。 --本作の曲には「唱歌のように」というテーマの元で作曲されており、どの曲も解りやすく、長く親しめる物になっている。 --作曲者はイメージ出しとして沢山の音楽と映画を鑑賞し、研究したという。その成果はまさに素晴らしいものであったと言えよう。 ---本作の曲はこれだけ素晴らしい物であったのにも関わらず、1曲足りとも「スマブラX」で登場していない((スマブラXには、別に好評という訳でもないのに蒼炎の軌跡から原曲のまま収録された曲があり、本作の曲が収録される余地はあったはずである。にも関わらず収録されなかったのにはFE・ティアリングサーガ裁判とディレクターの加賀昭三氏が関係していると言われるが、真相は不明。))。 --第10章「光と闇と」の自軍フェイズの曲は人気の高い曲の一つで、蒼炎の軌跡でアレンジされている。 -グラフィックもさらに強化され、非常によく動く。 --戦闘デモは『紋章』にあった「○○の攻撃!」などのダイアログはオミットされているが、以降の作品でも準じられていく。 --アニメーションOFFの場合はMAP上のユニットアイコンが簡易的なアニメーションで戦闘を行うが、これでさえもよく動く。 --インターフェースまわりも良好で、多少変わっていくがこれも後に踏襲されている。 **賛否両論点 -発売延期が多い。 --『暗黒竜と光の剣』から、何かしら大作ソフトやクリスマス商戦の影響で最短『トラキア776』まで発売日((『封印の剣』『新・暗黒竜』でも発売延期している。))が一定する事は無かった。 **問題点 -「交換」コマンドが存在しないため、キャラ同士のアイテムの受け渡しが面倒である。 --アイテムを他のキャラに渡すには一度売り、渡したい相手が買い戻さなければならない。同じ場所にいる仲間同士なのになぜ他人行儀で間接的な方法で行わなくてはならないのか。 --所持金は全体でなく個人に設定され、一定の条件を満たしていないと受け渡し出来ない。そのため渡したい相手に十分な所持金がないといけない(売った人が売ったお金を渡せないケースがほとんど)。 --これは開発者がプレイヤーに考える余地を与えたかったからとの事らしい。 -ターンごとにセーブが可能になったことは、マゾゲーとして慣れ親しんでいた常連からはある種評価が割れた。このおかげで難易度は低くなってしまった。 --しかし他のシリーズに比べるとマップが広大であるため、従来通り章の間にしかセーブできないとなるとプレイが困難になる。 --一方で変な状況でセーブしてしまい、「どうユニットを動かしても誰かが死んでしまう」などの(プレイヤーにとって)実質的な詰み状況になる事態に陥ることもあった。 -武器・キャラともにバランスブレイカーが多く、これも難易度が下がった大きな要因になっている。 --強力なスキルを数多く所持することから死神姉弟と称されるラクチェとスカサハや、比較的高性能でありながら序章で獲得できる銀の剣、鬼のような回避ボーナスを持っていてラスボス等を除く相手全てに対して無双ができる神器フォルセティや神剣バルムンクなどがその代表格。 ---特に神器と呼ばれる準専用・専用武器のフォルセティ・バルムンクの性能は凄まじく、装備可能なキャラを極限まで育てれば、ラスボスさえも含めたほぼ全ての敵の攻撃の命中率が0%になってしまう。''フォルセティとバルムンクさえあれば本作の舞台であるユグドラル大陸を征服できる''というジョークまで存在する。 --とはいえ、能力・スキルに長けた強キャラと言えど一人で無双をするのは困難であり、神器で無双しようにも修理代が莫大なのでそれは不可能である。こうしたインフレ要素を持たないキャラでも十分活躍の場はあり、この点では評価に値する。 --フォルセティについて継承者によって使い勝手が大幅に変わる上、カップリング次第では使用できないことも十分にありうる。また、バルムンクの使い手であるキャラクターはHPや速さを伸びにくく設定することでバランスが取られている。 --このため「キャラクター本人ではなく武器が戦っている」と揶揄されることも。本作の世界観を的確に表現しているとも言えるが。 ---Wiiの『暁の女神』は、本作にも負けない位強武器・強スキル・強キャラによるゲームバランスのインフレが激しいのだが、こちらは苦労して育てた弱・中堅キャラを蔑ろにする物である。 -「3すくみ」には大きな偏りがある。本作においては味方側では剣と風の魔道書が大きく優遇されている一方、斧と炎の魔道書が冷遇されている。 --剣は他の武器と比べ攻撃力が低いが、命中率が高く、また武器の重量が軽い。剣を扱えるキャラは味方の中で7~8割と多い上に高いステータスを持った兵種も多く、特に剣を専門とする「ソードマスター」は''5回連続攻撃を行う流星剣''などの非常に強力なスキルを有している。 --斧はその真逆。攻撃力は高いが、命中率が低い上に重量も重く、使いづらい。そもそも斧を使える兵種自体が少なく親世代・子世代ともに1人ずつしかおらず((さらに言えばこの二人は親子関係にはなれないため、直接武器やスキルを引き継ぐことはできない。))、その性能も先の剣使いを上回っていない。 ---槍は剣と斧の中間の性能。剣に3すくみで優位に立てるが、(斧ほどではないが)重量があるため回避率の低下を招いてしまう。 --「剣優遇・斧冷遇」は第1作目からずっと続いていることではあるが、あくまで斧は「序盤の蛮兵の得物」というポジションの武器なので大した問題ではなかった。しかし、今作では前述の「3すくみ」システムによって剣・槍と同じ土俵に上げられ、それなのに剣・槍より弱いため非常に大きな問題となった。 ---以降のシリーズでは、『3すくみ上剣に強く斧に弱い槍を扱う敵を多くする』『優れた性能の斧を登場させる』『強力な斧使いのユニットを登場させ、ソードマスターを弱体化させる』『攻撃速度の計算式を変更して、斧の重すぎるという欠点を克服できるようにする』と言った剣と斧の格差是正が積極的に行われた。しかし、最近ではこれが行き過ぎてしまって逆に「斧優遇・剣冷遇」であることが多い。 --魔道書に関しては、同じランクの魔道書同士を比較すると、威力や命中は同じにも関わらず、重さだけが風>雷>炎の順に軽くなっているという差別化のみ。槍・斧と違って武器の性能を見るだけで冷遇されているのが分かる。 --この偏りを象徴するように、本作には12個の伝説の武器が存在するが、そのうち斧・炎の魔道書・雷の魔道書は敵専用のものであり、味方が使うことはできない。 -マップが広大な上に入り組んだ地形が少ないため、移動力に優れた騎馬系ユニット(ロードナイト、パラディンなど)優遇とも言われている。 --戦闘力では騎馬系と歩兵系はそこまで差はない(むしろ歩兵系の方が強いユニットが多い)のだが、歩兵系の足の遅さにイラついて騎馬系だけでプレイするという人もいるほど。 --特に冷遇されているのが、防御力が高い代わりに移動力が歩兵以下のアーマー系。味方の進軍に追いつくことができず、前線に出る頃には敵が殲滅されていることがほとんど。 ---親世代で仲間になるアーマーの「アーダン」が登場時に「お前の役目は本拠地の防衛」と会話で言われているように(''そもそも本拠地の防衛が必要であること自体滅多にない'')、この冷遇は恐らく意図的なもの。アーダンは他にも美形キャラ揃いの中で唯一のブサイク顔だったり、能力もスキルも優れていないなど明らかに冷遇されている。攻略本でも「''誰ともくっつけないほうがいい''」と書かれてしまうほど。~ しかし、有用なレアアイテムの獲得や隠しイベントが存在することもあり、逆にファンから愛されているキャラでもある。また、火の玉ゲームコミックの4コマなどでは、他のどのキャラよりもネタにされまくっていた。 -ラスボス戦がいまいち盛り上がらない。 --ラスボスの正統的・王道的な倒し方は主人公の妹に特別な武器を持たせてひたすら殴らせるという物であり、''ラスボス戦において本来主人公であるはずのセリスの出番が無い''。これはゲームとしては前代未聞であり、ファンブックでもネタにされてしまった((一応、セリスで止めを刺すと、ラスボスの台詞が専用の物に変化するようにはなっている。))((また、隠しOPではセリスが止めを刺している。))。 --その上ラスボスの見た目はごく普通の魔導士。戦闘曲も、展開に合っていない訳ではないが地味。しかもラスボスでありながら、ラスボスとして君臨する前の章で普通の敵将として登場してしまっている。 --むしろ、''その章の総大将の方がラスボスとしての威厳がある''というのはいかがなものか((元々はその章で子世代が終了となり、孫世代が始まるという構想であった。即ち、その総大将は元々子世代のラスボスであった訳である。攻略本に掲載されたスタッフインタビューによると、シナリオ上の本来のラストバトルは10章であり、最終章はおまけという位置付けらしい。))。 --ちなみにこのラスボス、バグのせい((スリープの剣などの状態異常付与武器の場合『31-魔法防御』が状態異常付与率になるのだが、魔法防御が32以上のキャラはオーバーフローで状態異常付与率が100%になる))でスリープの剣で攻撃すると100%スリープ状態になったりする他、特定条件を満たせば、主人公でも主人公の妹でもないあるキャラ1人で一度の戦闘で倒すことも可能だったりする。 //ジャムカが父親で、育てきった+パワーリングなどをもたせたファバルの事ね。 --その為、寧ろラスボス戦より前に戦う事になるファルコン3姉妹(圧倒的な回避率を持つ)やイシュタル戦(雷の伝説魔法の使い手)のほうが山場と言われる事も。 -平民キャラは概して本来産まれるべき子供達より弱く設定されており、プレイヤーに親世代で積極的にユニット同士の結婚を進めていくことを推奨する調整になっている。しかし、親世代のキャラ「シルヴィア」に限っては彼女の子供達の代替となる平民キャラが普通に強く、結婚の意義が無くなってしまっている。 //親世代では結婚こそがストーリー的にも攻略的にも重要であり、そのために平民キャラを弱く設定しているのに、シルヴィアに限ってそうでもないのが問題。それに、レイリアとシャルローがリーンとコープルの上位互換とまでは言ってない。カリスマ・エリートという強みがあるからこそリーン・コープルに引けを取らないと言うだけ(むしろ下手な男性キャラとくっついたリーン・コープルより強い)。あなたの場合は毎回シルヴィアが誰かとくっついてしまうようだが、攻略を重視して敢えて誰ともくっつけないプレイヤーは沢山居る。 //了解。結婚に苦労するような女性キャラは特にいないと思うので、そこだけ取った。 -重い展開が多いにも関わらずテキストフォントが老若男女ナレーション関係なく、小学生女子が書いたような''可愛い丸字''であるため、雰囲気に合わないとするプレイヤーもいる。 -シグルドとセリスの最強武器である聖剣ティルフィングが、両者共に手に入るのが遅過ぎる為、活躍の機会があまり無い((シグルドは5章序盤、セリスは10章終盤。しかも両者共に特別なイベントを起こさないと入手出来ない。))。またキュアンの最強武器である地槍ゲイボルクも、手に入れてからすぐにキュアンが離脱してしまうので、キュアンが使う分にはほとんど活躍の場が無い((3章の終盤で入手出来るが、肝心のキュアンが3章で離脱してしまう。))。ゲイボルク自体は9章序盤に仲間になるアルテナが最初から所持しているので、アルテナが使う分には活躍の場は多いのだが。 --これは前作「紋章の謎」でも問題になった事であり、マルスの最強武器である神剣ファルシオンがラスボス戦の直前でしか入手出来ないので、事実上ラスボス戦限定装備と化してしまっていた。 -バグが非常に目立っており、現在でも新たなバグ報告が絶えない。 --特定の条件下でレベルアップすると成長率が下がるなど、攻略を妨げるものが多い。中にはゲームが進行不能になるものも。 -周回を重ねる毎にOPが変化し、全部で16パターン用意されているのだが、どんなに効率よくプレイしても1周するのに最低50時間はかかるので、全てのパターンを見ようと思ったら物凄く手間と時間が掛かってしまう。 --しかも、いわゆる「強くてニューゲーム」のような要素も無いため、また最初からプレイし直さなければならない。既にクリアしたデータでもう一度クリアして回数を稼ぐといった方法も通用しない。 --一応単なるおまけ要素なのだが、その中にはストーリー中の伏線が明らかになるという超重要パターンが含まれている。 ---- **総評 「人」が主軸のFEにおいてその人間関係の部分を更に深く作り込んだ結果、シリーズ作品としても一SRPG作品としても異色の出来となった意欲作。~ 思い入れて育てた親世代キャラクターたちが結婚、やがてたくましく成長した子世代ユニットが登場して親世代の才能と意思を引き継ぎ、強大な敵に立ち向かう。こうした心躍る壮大な物語とそれを演出する数々のシステムとの相互作用、またレベルの高いグラフィック・BGMなどから、本作は異色作でありながらシリーズ屈指の人気タイトルとなった。~ 数ある特徴の中でもとりわけ結婚システムは、カップリングの自由度の高さによる豊富な成長戦略や、好みのカップルを育てる楽しみなどが好評を得ている。~ 批判が集まりやすいのはバランス面の問題。「上手く活用すれば多大な恩恵を受けられる反面、逆もまた然り」のシステムがその偏りを助長するため、強いキャラクターは隆盛を極め不遇キャラクターはとことん不遇となるが、そこは本作を象徴する概念「愛」でカバーしたいところである。~ 本作を愛する心があれば、本来戦争の駒に過ぎなかったユニットたちも、戦闘能力としての数値やスキルのみに留まらない魅力をより輝かせるだろう。 ---- **余談 -親世代の主人公であるシグルドのカップルはディアドラで固定なのだが、当初はシグルドも自由にカップリングが出来る予定だったらしく、子世代の主人公の「セリス」という名前も、男でも女でもどちらでも使える名前だからという理由で付けられた物らしい。ちなみにセリスはシグルドと違い自由にカップリングが可能。 -本作のストーリーの一部に焦点を当てた次回作『[[トラキア776>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/400.html]]』も、本作の背景を引き継ぐと共に、「滅びの美学」というテーマの元でかなり重いストーリーになっている。 --それ以降のGBA3作(『封印の剣』、『烈火の剣』、『聖魔の光石』)では、ライトユーザーを意識してか、本作よりも大分軽いストーリーになっている。その後の『蒼炎の軌跡』では、人体実験など本作にも負けないような暗い展開があるものの、その分明るい展開も多め。 #co{ -隠しエンディングの出現条件が非常に厳しい。 --条件は『クリア時の総合評価をAにすること』。評価の内容は『生存』『戦略』『経験』『戦闘』の4つ。当然速攻攻略が求められるが、それのみならず、『経験』という項目をAにするにはアーダンといった使えない(使わない)ユニットのレベルも相当あげないといけないほどである。 --また『戦闘』をAにするには「全ユニットの負け数の総和が3敗以下」というものだが、これはマップの途中でユニットが負けてしまってリセットしても加算されてしまう。またバグで負け数が増えてしまうこともある。 --そこまで無理してみるほどのものでもないが(エンディングで少しムービーが入る程度)。またどれかの評価が1つだけBでも、他がAなら総合評価はAになる。 #region(見れない人の為の評価Aエンディング) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm403518) #endregion -この作品が発売された当時、中古問題が表面化していた時期であり(後に中古屋の主張が認められる)任天堂も後に中古販売を禁止するマークを表示していたものの実際は中古販売を黙認した上に中古販売を肯定していた。([[参考>http://web.archive.org/web/20100125164247/http://hokotate.cocolog-nifty.com/blog/2004/06/post_4.html]]) --この作品のシステムも中古屋をバンバン使ってくださいといってるようなものである。 -『ファイアーエムブレム 暁の女神』発売から4ヶ月前の2006年11月に『[[ファイアーエムブレム~聖戦の系譜~EXCEED A GENERATION Vol.1>http://ps-angels.com/product/fire01.html]]』と言うゲーム単体のフィギュアが発売されている。 --しかし、Vol.2の発売は未だに出ず、このフィギュアを最後に、『聖戦の系譜』のメディアミックスは止まっている。 -2010年6月30日に小学館から発売の「20th Anniversary ファイアーエムブレム大全」のキャラクター紹介のページでは、初期のイラストで公開されたキャラクターのみ掲載されている。[[アカネイア>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/72.html]][[大陸>ファイアーエムブレム 紋章の謎]][[シリーズ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/447.html]]ではトレーティングカードものまで使用しているが、この作品では使用されていない(別ページにトレーティングカードの掲載があるが…)。『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 TREASURE』のイラストはセリス、ユリア、コープル((大全では、(トラキア776の)公式サイトと記述があるが、初出はこの書籍から。))のみ使用、初期イラストが無いキャラクターは顔グラフィックを使用している。 -この作品までは、世界観重視色の強いのCMだったが((『暗黒竜と光の剣』『外伝』『紋章の謎』のCMは項目先を参照。『トラキア776』のCMはローソンのCMだったので除く。))、オマージュ作の『封印の剣』以降は芸能人色が濃い((芸能人を起用している『紋章の謎』と違う点は、イメージソングも有名アーティスト既成曲を起用。))、ゲームグラフィックメイン、チェスで代用などのCMになっていった。 #region(聖戦の系譜のCM) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm418848) #endregion }
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3657.html]]に移転しました。''

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