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*ファイナルファンタジータクティクスA2 封穴のグリモア 【ふぁいなるふぁんたじーたくてぃくすえーつー ふうけつのぐりもあ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B000N5BIXU)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2007年10月25日|~| |定価|5040円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/267.html]]''| #contents(fromhere) **概要 -[[ファイナルファンタジータクティクス]]シリーズの3作目。 -FFTやFF12の舞台であるイヴァリースを舞台にしており、ヴァン、パンネロ、アルシドといったキャラが登場する・音楽の一部が使用されているなどFF12・FF12RWとの関連性が強い。 -タイトルに「A2」とあるのは『[[ファイナルファンタジータクティクスアドバンス>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/466.html]]』の続編であるため。 -ちなみにタイトルの読みは「ふうけつ」。その意味はストーリーを進めることで明らかになる。 **特徴・評価点 本作のシステムは前作FFTAを大幅に改善したものである。 -前作で最大の賛否点であった「ロウシステム」が緩和され、守らなければならない存在から、守る事でボーナスが得られるなどプレイヤーが積極的に守る意欲を促す物になった。 --今回のロウは味方だけが対象となる代わりに、ロウを守っている間は「クランアビリティ」という味方全体に付加されるボーナスが付き、ロウを守ってクエストをクリアすれば「ジャッジロウボーナス」で有用なアイテムやおたからを入手できる。 --ロウを破った際のペナルティも戦闘不能からの復活不可やクランアビリティの解除程度のもので、前作からすれば緩い。 --戦闘開始時のMPが0で、ターン進行ごとに回復していく、『[[タクティクスオウガ]]』のような形が取られている。 ---本作で採用された行動順のアイコン表示や戦闘終了後の経験値分配は『[[タクティクスオウガ 運命の輪]]』でも導入された。 --戦闘中、まれに「スペシャル」が発動し、ユニットが強力な能力を使用できるようになる。 --戦闘を単純にクリアする他にもアイテム発見や護衛など様々なクエストが登場するようになった。 --新たにオークションが存在する。エリアを買い取っていくものとアイテムを買い取っていくものの2種類があり、後者は1つのオークションで全てのエリアを勝ち取ると登場する。 --「シーク族」と「グリア族」という新種族の追加。グリア族はオウガに登場した翼人に近い。 --装備品は「ほりだしもの」という、おたからの合成で買えるようになる。 --前作にあったロウ・アンチロウカードやエリア防衛、ワールドクリエイション、一部ジョブは削除されている。 -連続するクエストが多くあり、ストーリー性を持っている。 --デュアルホーン関連のクエストやフリメルダ関連のクエストはサブクエストとは思えないほどかなりドラマチックな展開になる。 -ロウシステムの緩和で遊びやすくなった。 -バランス調整を施し、より幅広いユニット運用ができるようになった。 --前作で強すぎた忍者やアサシンはステータス上昇率が低下。よって他のジョブにも日の目が出てきた。 --前作ではサポートアビリティ「精神統一」が無いと攻撃を安定して命中させられず、精神統一が覚えられないバンガ族とン・モゥ族は苦しい立場にあったが、今作は命中率の上昇や精神統一の弱体化で、他種族と変わらないような運用ができる。 ---バンガ族は、高いステータスと状態異常耐性に加えて2回攻撃「連続拳」を持つ「マスターモンク」を筆頭に新規ジョブが強力である。また魔法攻撃が伸びる新規ジョブ「トリックスター」を下積みにすることで魔法系として育てる事もできるようになった。 ---MP0スタート、ターン毎に10回復という仕様のせいでン・モゥ族は弱体化しているように見えるが、序盤では低MPかつ威力の高い黒魔法が光る上、中盤以降はノーコストでMPを回復する手段も揃うので運用次第では十分能力を発揮できる。~ 「消費MP半減」と合わせる事で1ターン目から使えるヘイスガ、魔法攻撃力依存になった事で一撃必殺の威力を誇るようになった「アルテマブロウ」は強力。 -FF12からヴァン、パンネロ、アルシドが、FFTAからエゼル、モンブラン、ノノ、ミュートがゲスト出演する。 --カミュジャ、エナビア記、ゴーグ、赤チョコボなどFFTをやっている人にはニヤリとできる単語も。 --余談だが、当初はバルフレアの登場案もあったがスタッフに反対されて没にされた経歴もある。そういや[[ディシディア>ディシディア ファイナルファンタジー]]でも…。 -また、技名・武器名にFF11由来のものが多く、ゲーム中にもFF11の存在を匂わせるような内容がある。 -隠しユニットに新しくグラフィックが用意されている。 -FFTのブレイブストーリーのようなものとしてクランメモが登場している。 -音楽がよい。DS音源とは思えない重厚さを持っている。 -ハードモードの追加で難易度を高く出来る。 --前作の難易度が低すぎるという批判に応えた形である。 -経験値が戦闘終了後に配分されるため、弱いユニットを育てやすくなった。 --これまでは何かしら行動をしなければ経験値が貰えないようになっていたが、本作では戦闘終了後に一定の経験値が全ユニットに配分されるようになっている。そのため、レベルの低いユニットを戦闘に出しやすくなった。 --また、エンカウントバトルではレベルに関係なく最低60の経験値がもらえる。 -タッチペンを使った操作が一切存在しない。 --元々GBA用に作られたらしく、タイトルの「A2」はその名残だという。 --ハードの特性を活かせてないとも言えるが、無理なタッチペン操作を押し付けるゲームの存在を考えると評価点だろう。 ---ちなみにタッチペン操作が存在しないため「上下画面の入れ替え」というかなり珍しいオプションがある。文字通り上下画面を入れ替える''だけ''。自分の好みに合わせて選ぶといいだろう。 **問題点 //MP0から始まり、どんなに成長しても回復量は毎ターン10で固定という仕様上、MP消費技や魔法が主力のジョブは使いづらい。特に拘らなければ必然的にMPを使わないジョブが主力になってしまう。 //おかげで、魔法に頼るジョブの多いン・モゥ族は種族レベルで不遇な状況になってしまった。 //↑魔法が主力のジョブは消費MP半減が覚えられるし、このゲームにはMP回復手段も揃っているので運用次第でどうにでもなる。ン・モゥが弱いわけではないのは上述の通り。ヒュムやヴィエラが強すぎるだけ。 -バランス調整をしてもなお、相変わらず一部のアビリティが強すぎる。 #region(バランスブレイカ―級のアビリティ) --「二刀流」、「マジックバースト」(ヒュム族) ---二刀流は前作でも登場した、武器を2つ装備でき、2回攻撃が可能になるアビリティ。マジックバーストは自分が覚えている魔法を1つ選んで使用した後、その魔法の対象となったユニット全員に「たたかう」で攻撃する新規アビリティである。 ---どちらも共に攻撃回数を増加させるというシンプルかつ強力な効果で 多大な必要APも気にならない。''併用すると一度に3回攻撃することができる''(使う魔法次第では複数の敵を対象に取る事も可)という脅威の性能を見せ付ける。 --「HP消費魔法」、「連続魔法」(ヴィエラ族) ---「HP消費魔法」はMP消費をHP消費(消費量は元の2倍)に変えられる。MP0スタートという仕様でこの効果が反則なのは想像に難くないが、''武器攻撃力と魔法攻撃力が20%増加する''という効果まで付く。 ---要するに''強力な魔法がさらに強力になり、1ターン目から使えるようになる''のである。これで「アルテマシアー((ヴィエラ族ジョブの最上級攻撃スキル))」でも出せば1ターン目で敵1人がほぼ確実に消し飛ぶ。 ---「連続魔法」は前作にも存在した1度に2回魔法が使えるアビリティ。相変わらず強力だが、上記のHP消費魔法と組み合わせれば「開幕から召喚魔法2連発」という事もでき、敵の群れをあっという間に壊滅させられる。 --カムダン(ヴィエラ族) ---今作の新ジョブ「緑魔道士」が使うサポート魔法で、ユニット1体の命中率を上昇させる。一見効果は地味だが、''一部のアビリティを除いて+30%''と上昇率が凄まじく、石化などの状態異常がほぼ確実に成功するようになる。 ---敵全員を石化orカエルにすれば勝利扱いとなるため、これで命中率を底上げしたうえで敵を片っ端から石化にでもさせれば、「敵にダメージを与えて倒す」というRPGでは当たり前の行動すらバカバカしくなる。 ---そして石化など相手の動きを止める状態異常が成功しやすくなると言う事は、相手の強力な防具やアクセサリを確実に盗める機会が増えると言う事であり…… --スマイル(モーグリ族) ---前作から据え置かれた、指定したキャラを行動順無視で即行動可能にする反則サポートアビリティ。クイックと違ってMP消費は0で、魔法では無いのでサイレスで使えなくなる事もない。 --こうかぎゃくてん(シーク族) ---アイテムの効果を逆にする(回復⇔ダメージなど)アビリティ。これに「薬の知識(アイテムの回復量2倍)」をつけて「エクスポーション(HP200回復)」を使うと毎ターン400ダメージを叩き出せる。大半の敵はこれ一撃で死ぬ。 ---相手に隣接しなければならないのが欠点だが、次にアクションを実行するまで透明状態になる「みをかくす」と併用すれば敵がいくら強くても簡単に懐に潜り込める。これらを覚えたシーク達で味方を固めれば、低レベルクリアも難しくない。 --ただし、上記の強力なアクションもロウ毎にしっかり制限を受ける。また「自警団デビュー」など、これらを使ってもなお苦戦必須のクエストも存在する。 #endregion -専用ジョブを持つ固定キャラの大半は微妙な性能。固定キャラはクエスト派遣ができず、育て直しも効かない点で汎用キャラに劣る。なので能力が微妙だと扱いに困るのだが…… --固有ジョブ「エージェント」を持つアルシド。 ---エージェントはヒュム族では唯一銃を使った遠距離攻撃が可能で、「味方の女性ユニットの数に応じて強くなる」など個性的ではあるが、ステータスの上昇率はパッとしない。 ---ついでにアルシドの加入はクリア後で、レベルが高い状態での加入になるため、彼自身の能力値もエージェントの平凡な上昇率に合わせた微妙なものになってしまう。 ---極めつけは''ジョブチェンジ不可''(専用ジョブである「エージェント」で固定)であるという点。よって、「二刀流」などヒュム族の有用なアビリティは一切覚えられない。~ 恐らくはキャラクター付けの一環なのだろうが…と言うかまあ確かにインパクトとしては成功しているのだが、その結果キャラクター愛が芽生えても正直非常に使いづらい。 --前作のメインキャラ、モーグリの「モンブラン」の悲惨な扱い。 ---クリア後にしか仲間にならないのはともかくとして、初期ジョブが基本ジョブの「黒魔導師」((一応前作におけるモンブランの初期ジョブであり、リスペクトしていると言える。))でレベルが高い状態で加入するので育てる余地があまりない。 ---ついでに本作は素早さ(SP)が重要なのだが、低レベルのうちからステータス厳選を行ってSPを伸ばせる他のユニットと違い、SPの伸びにくい上記ジョブで高レベル固定で加入してしまうモンブランはSPの伸びしろがあまり無いため、2軍落ちしやすい。~ と言うか無理を押して一軍入りさせても、素早さの低さのせいで順番の回りが遅く、やっぱり大した活躍が出来ない。 ---しかも「チョコボに乗らない」というポリシーを持ち、「チョコボ士」になれないため通常のモーグリより就けるジョブが1つ少ない。哀れ。 ---ちなみに本作では彼の弟、「ハーディ」が比較的早い段階で加入する。彼も兄と同じポリシーを持つが、強力な専用ジョブ「吟遊詩人」に就いており、なにより早い段階で加入するのでパラメーターの調整も容易い。~ ぶっちゃけ''兄が勝っている点が一つもない''。モンブランが何をしたというのか…。 --ついでに言うと主人公の扱いも(モブのヒュム族ユニットとほぼ同じなため)「微妙」と言われることがある。 ---欠点が無いだけ上記二人に比べればはるかにマシな部類で、むしろ育て方如何では強力な前線ユニットにはなれるのだが、ヒロインのアデルが強力な専用ジョブを持つのでやはり扱いの差が出る。まあごく普通の一般人という設定なので間違ってはいないのだが…。 ---前作の主人公も同じだったが、前作の場合味方専用ジョブが存在しなかったので特に主人公のみが不遇なわけではなかった。しかし今作では専用ジョブ持ちが大幅に追加されたので余計に主人公の微妙さが目立つ。 -メインクエストのシナリオが薄い。演出や話もシンプルで、あまり盛り上がりも無く、ただ単純にクエストをクリアしていっている感が強い。 --何か設定のありそうな悪役の経歴などについても特に語られることはなく、シナリオの大筋自体も「悪い奴が出てきたので倒した」程度しか読み取れない。人によっては「TAのシナリオの方がキャラクターの心情の描写が細かく秀逸だった」という声も。 ---他方サブクエストは個性的なサブキャラ達によるバラエティ豊かなシナリオが勢揃い。本作最大の連続サブクエストである「デュアルホーン」やユトランドの闇を描いた「カームカンパニー」は特に評価が高い。寧ろメインクエスト進行はサブクエスト解禁のためと割り切り、豊富なサブクエストで寄り道を堪能するのが本作の賢い楽しみ方と言えるだろうか。 ---前作との比較の面でも、TAは「かつての友人や肉親と戦う」という陰鬱な側面もあったため本作では対照的に明るい内容にしようという方針が企画当初からあり、敢えてシナリオを軽めにしたという見方もできる((なお、本作も最初期のシナリオプロットは「オープニングでルッソの故郷が壊滅する」という内容だったらしい))。 -戦闘がもっさりしている。 --カメラワークが悪く、全体攻撃時に全てのユニットの被ダメージが分からない。 -仲間にできるキャラクターの最大人数が少ない。種族の追加と仲間にできるイベントキャラが増えたことを考慮すれば最低でも後6人は最大数を増やすべきだったのではないだろうか。 -オークションで手軽に最強クラスの装備が手に入ってしまいゲームバランスを悪くさせてしまっている。ただしオークションは参加が必須では無いので、半ば救済措置と考えていいかもしれない。 **総評 -システムに賛否両論点があり遊びづらい部分もあった前作と違い、本作はかなり遊びやすくなり、万人向けになったといったところか。 -一方、シナリオ面は可もなく不可もなく…といった具合で、メインクエストに前作までのようなシナリオを期待していると肩透かしを食らう。 --その辺りは一長一短だが、ゲーム性については良好でかなり長く遊べるので、育成や戦闘を楽しみたい・やり込みたいユーザーには是非おすすめ。 ----
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