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//現在、鬱判定廃止による記事の統合決定に伴い推敲中 *ライブ・ア・ライブ 【らいぶ あ らいぶ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B000068HDH)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|スクウェア|~| |発売日|1994年9月2日|~| |定価|9900円(税抜)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 スクウェアと小学館のコラボレーション企画として制作されたゲーム。~ キャラクターデザインを手がけた漫画家は、パッケージ(表)の左から順に、石渡治・島本和彦・皆川亮二・田村由美・藤原芳秀・小林よしのり・青山剛昌の7氏。~ その各漫画家がキャラクターデザインをした、場所も時代もバラバラな7つの世界(パッケージ左から、西部編・近未来編・現代編・SF編・功夫編・原始編・幕末編)を全てクリアすると、~ スクウェアオリジナルの8つ目の世界『中世編』を始めることが出来る。それをクリアした後、全ての世界の主人公が一堂に会する『最終編』が始まる。 ---- *各シナリオ解説 本作は各編ごとに異なる世界観とシステムを持つ異色のRPGである。以下に全9編の概要を述べる。 #region(シナリオ紹介 少し長いので閉じます) :原始編『接触』| 主人公は原始人の少年「ポゴ」。言葉が存在しない世界のため、会話はジェスチャーや表情・絵文字のみ、技名も擬音語で統一というRPG史上でもトップクラスに珍しいシチュエーション。~ 匂いを嗅ぐ(Yボタン)ことが、このシナリオを進める上での最大のポイントとなる。また狩りなどで集めた材料を組み合わせ合成することで有用なアイテムを得ることもできる。 :幕末編『密命』|主人公は高い潜在能力を認められ、要人救出の密命を受けた新米忍者「おぼろ丸」。カラクリが多く仕掛けられた迷路のような城を進んでいく。~ 城内の人間をひたすら斬るも、隠れ蓑(Yボタン)で姿を消してやり過ごすも自由。アクションゲームのようなシビアなタイミングの操作がある、数少ないシナリオ。 :功夫編『伝承』|主人公は高齢と門下生不在により後継者探しを決意する拳法家「心山拳老師」。個性豊かな3名の若者を弟子入りさせ、稽古を付ける。~ 素人だが勇気ある少年「ユン・ジョウ」、野盗をしていた気性の激しい少女「レイ・クウゴ」、身のこなしが光る食い逃げ常習犯の巨漢「サモ・ハッカ」。~ 心山拳の伝承者となるのは、果たして誰になるのか。 :西部編『放浪』|主人公は凄腕ガンマンとして荒野に名が知れた賞金首「サンダウン・キッド」。成り行きで明朝に攻めてくる無法者集団クレイジーバンチに備えることになり、~ ライバル賞金稼ぎ「マッド・ドッグ」や町の人達と協力して罠を仕掛けることになる…という西部劇そのものの物語。罠を上手く仕掛けると、ボス戦が有利になる。 :現代編『最強』|主人公は最強を目指す格闘家「高原 日勝」(たかはら まさる)。~ 相手の特定の必殺技を受けるとそれを習得(ラーニング)できる主人公が、世界中の達人と拳を交わし、直接技を集めることで最強を目指す。~ ボス戦闘パートしか存在せず、任意の相手を選択して1対1で戦い抜く、RPG離れした格闘ゲーム調のノリ。~ :近未来編『流動』|主人公は孤児院で暮らす、超能力を持った不良少年「アキラ」(本名:田所 晃)。~ 話し相手の心をテレパシーで探りつつシナリオを進める他、巨大ロボット「ブリキ大王」が物語のカギを握る。~ ノリが全体的にイラスト担当の島本和彦を意識した調で、作家に作風が引っ張られている人気シナリオ。 :SF編『機心』|主人公は宇宙船でメカニックのカトゥーに作られたばかりの、高い自己学習能力を持つ小型作業用ロボット「キューブ」。~ 無機質で閉鎖的な船内やほぼ環境音のみのBGM、脱走した凶暴生物ベヒーモスなど、パニックホラー調の雰囲気。~ また戦闘がほぼなく、アドベンチャーゲームのように会話中心でストーリーが進む。~ 以上、最初から選択できる7編全てのストーリーにボスや黒幕が存在するのだが、その名前には、ある共通点が存在する。 そしてこれらをすべてクリアすると… :中世編『魔王』|主人公は若き剣士「オルステッド」。ルクレチア王国を舞台に仲間を集め、仲間たちとともに魔王に攫われた姫を助けに行く。~ オーソドックスな王道RPGを意識したシナリオで、システムもフィールドランダムエンカウントになるなど、一番従来のRPGに近い内容になる。 :最終編|黒幕により一堂に会する各シナリオの主人公達。全てが1つに繋がる、本作の最終シナリオ。主人公はこれまでの編の主人公8名から1名を選択する。~ この物語の真意を読み解き、真のエンディングを目指せ。 #endregion ---- *評価点 **シナリオ -重いストーリーも多い(詳細は後述)が、とてもよく練られている。 --各シナリオごとにテーマとなるサブタイトルが存在している。例えばSF編『機心』、現代編『最強』、中世編『魔王』というように。 --特に近未来編はその熱いストーリー、明確なテーマ性、優れた演出から非常に人気が高く、感動したというプレイヤーも多い。 --中世編中盤より始まる衝撃の大どんでん返しの連続は、多くのプレイヤーを戦慄させた。 ---ネタバレになるため本記事での詳細な記述は避けるが、''一般的なRPGに対するアンチテーゼと呼べるもの''になっている。 --最終編は全シナリオの主人公・アイテム・敵キャラが勢揃いするシナリオで、まさに本作の集大成ともいえるシーンである。 --最終編へ到達した初のプレイ・初のエンカウントで、本作タイトルと同名の曲名を持つ上非常に熱いタイトル曲でありこれまた本作を体現する「LIVE・A・LIVE」が流れたことに感動したプレイヤーは数知れない。 ---そして真のエンディング直前のあるイベントとそこで流れる「LIVE・A・LIVE」で、本作は本当のクライマックスを迎えることになる。 -『幕末編』の0人斬り/100人斬り、『現代編』の技のラーニング、『原始編』のレアアイテムを落とすモンスターなど、意外にやり込み要素が充実している。 --西部編での最後の行動や幕末編での最後の選択肢など、細かい行動で変化するエンディングもある。 --色々と無茶なことができるゲームなので、タイムアタックも熱い。 -名シーン、名台詞((近未来編の「なあ‥‥そうだろ 松ッ!!」、中世編の「あの世で俺にわび続けろ ××××ーーーーッ!!!!」など))やネタ、迷ゼリフ((近未来編の「ミトひきわりシャンプー」や功夫編の「も‥‥ももまんじゃな‥‥」など。))も多く、当時のスクウェアらしい作風であったといえる。 --お色気イベントもいくつかあり、西部編、近未来編では女性キャラクターの着替えや入浴を覗けたり、下着を盗めて装備する事も出来る。原始編のエンディングや、幕末編の姫やコマまわしなど、想像をしたくなるものも。 --小ネタも充実しており、分かる人にはニヤリとできたりする。 --各シナリオは当時流行していた映画やアニメ、ゲームなどをモチーフとしている。近未来編は『AKIRA』や『ゲッターロボ』、現代編は『[[ストリートファイターII]]』、SF編は『2001年宇宙の旅』といった感じ。 ---作曲者の下村氏は『ストII』の作曲者でもあった(当時カプコンからスクウェアへ移籍してきた)ため、現代編はセルフパロディとも言える。 -どこでもセーブができる、会話も移動もテンポが良く快適、逃走可能な敵に対しては必ず逃げられる、全てのアイテムや全ての技に簡潔な説明文が表示されるなど、全体的にプレイヤーに対して親切設計。 -本編と直接は無関係だが、タイトル画面を放置して流れるオープニングデモの完成度が極めて高い。映画の予告編のような構成となっていて、本作の雰囲気・7編の雰囲気・熱い戦闘シーンの内容が一気に伝わってくる、RPG界屈指の名デモである。 **音楽 -下村陽子氏による音楽は秀逸。思わず胸が躍ってくるメインテーマ「LIVE・A・LIVE」や、各編のボス戦前のイベントと相乗効果で雰囲気を盛り上げてくれる戦闘曲「MEGALOMANIA」、近未来編のロボのテーマ曲であり、いわゆる王道アニソン(しかも''歌詞字幕付き'')のノリの「GO!GO!ブリキ大王!!」などは人気が高い。 --音楽は秀逸なだけでなく、曲目数も非常に多い。特に「各章ごとに固有の通常戦闘曲」が存在するため通常戦闘曲が豊富である点はRPGとして最大限に特筆すべき点であり、通常戦闘曲だけで8曲((通常戦闘の無いSF編で遊べるおまけバトルゲーム「キャプテン・スクウェア」を含めれば9曲))もあるのは発売当時ではこの作品くらいではないかと思われる。 //RPG全てを含むとMOTHER3とかがあるので発売当時に限定した表記にしておく。 -クリアしたシナリオの曲は、メニュー画面にあるサウンドテストの項目でいつでも聴くことができる。曲名も同時に表示される。 --さらに一度最終編を真のエンディングでクリアすれば、最終ボス戦を含む全曲が聴けるサウンドテストがすべてのセーブデータで無条件解放される。 --ただし、ごく一部の曲((原始編の「生贄の宴」など。))や通常曲のアレンジ違い((SF編で多く流れる「UNSEEN SYNDROME」のメロディ無しバージョン、近未来編のマタンゴ屋で流れる「PSYCHOで夜露四苦!!」のスローバージョンなど。))はサウンドテストでも聞くことができない。 **戦闘システム -「チェッカーバトル」と称する、7×7のマスを使ったフィールドバトル。キャラを操作してマス目を移動し、「技」や「パス」などの行動を選択する。いわば簡易的な戦略シミュレーション型の戦闘。 --各キャラクターの「技」にはMP等の制約はなく、何度でも使用できる。しかし強力な技には「発動まで時間が掛かる技」や「自身のステータスレベル低下などの反動が伴う技」もあり、使用するタイミングを見極める必要がある。 ---「敵のステータスを下げる」「敵を状態異常にする」「ダメージ床を作れる」「敵を弾き飛ばす」「特定の属性を持つ攻撃を喰らった際に反撃技として自動発動する」「体力を吸い取る」など追加効果がある技が多い。 ---ほぼ全ての技に細やかな「属性」が存在し、多くのキャラや装備品にはそれに対する何かしらの「耐性」がある。例えば鈍器・斬り・手技・足技・飛び道具・炎・電気・麻痺・石化など。 -現在HPや状態異常・戦闘不能状態は戦闘終了後に自動で完全回復する。また、逃走可能な戦闘からは100%逃げることが可能。 --このシステムを理解すれば戦略的にも楽しめるが、初心者は斬新過ぎてどうすればいいのか分からずにやられやすい。 ---- *賛否両論点 **鬱要素 -ストーリーの半分が重い話になっている。ちなみにほとんどのシナリオで死亡者が出る。 --SF編は故障した宇宙船の中で乗組員が次々と殺され、やがて閉鎖した環境の中で疑心暗鬼にとらわれていくというSFホラー的展開。 ---鬱とは少々違うが、SF編のベヒーモスがトラウマになった人もいる。 --そして、主人公の一人はRPG史上稀に見るほど救われない展開を迎えるため、あまりにもいたたまれない気持ちになる。しかもこの救いのない展開が''本作のラスボスが使う必殺技にも関係しており''、あまりのエフェクトから「トラウマ必殺技」としてRPG界に名を轟かせている。 //---しかしその展開があるからこそ作中のテーマが浮き上がり、最終編が、ひいては全てのシナリオが活きる。 //-上記2つが有名だが、シナリオの展開上、近未来編の液体人間や、功夫編の後継者選び、現代編の対戦相手の末路など、重い話は基本的に殆どのシナリオに存在する。 //--もっとも、どのシナリオも決して単なる鬱話としては終わらず、SF編は最後の結末と後日談や隠し要素で、短いながらも上手く話がまとめられてあり、例に挙げた各編も、熱い展開でそうした暗い部分をカバーしている。 //---その中でも、西部編のサンダウン・キッドの、凄腕であるが故の悲哀を背負い続けるヒロイックな生き様や、全シナリオ中(キャラデザに引っ張られる形で)最も熱い展開になった近未来編に心を熱くさせられたプレイヤーも多かった。 -最終編は移動画面の色が寒色系でBGMも陰鬱、更にどこに行っても敵ばかり出てくる(中世編と同様のランダムエンカウント)為に気の安らぐ場所が無く、長時間プレイしていると気が滅入ってくる。 --その割りにザコ敵は''おイヌさま''・''メカサタケ''など、ふざけた名前や意味不明な連中ばかりで、世界観の重さに合っていない。単に全ての主人公が共演するだけの「オールスターのお祭りシナリオ」ならお遊びで通っただろうが、そんな呑気なシナリオではないので…。 --ただしこれらの敵の姿は各編の敵の色違いである事が多く、また主人公達が召喚された際に各世界が異次元空間で混ざっているような演出も見られるため、彼らも召喚された(または各世界を元に作り出された)敵と考えることもできる。 //-どことなくやりきれない、哀愁漂う雰囲気になってはいるものの、物語のテーマがテーマであるだけに仕方がないと言える。暗い展開から鬱ゲーという一言で片付けてしまわれがちだが、各編の繋がりなど、それぞれがちゃんと意味を持った物語であり、主人公達はそれぞれの力で乗り越えていく。本来の「救いようのない鬱ゲー」とは全く主旨が異なった作品と言える。 ---- *問題点 **グラフィック -ハードの制約上、グラフィックにキャラクターデザインがあまり活かされていない。 --パッケージや説明書で見られる漫画家デザインのイラストは、実際のゲーム中では、現代編の対戦相手セレクト画面や最終編の真のエンディングでの顔グラフィックなど、ごく一部の場面でしか登場しない。 --特にフィールドを歩くキャラクターのグラフィックが「1マスサイズ」というSFCの『[[FF5>ファイナルファンタジーV]]』と同レベルであり、ドットキャラがあまり変わりばえしない。 ---ただし小さなドット絵ではあるものの、FFシリーズなどと同様に、状況に応じて細かく動きや表情が変化するため作りは非常に丁寧ではある。 --戦闘中のグラフィックでも、ごく一部のキャラしか作家のキャラクターデザインが再現できていない。 ---低頭身かつ個性的な絵柄のポゴとゴリ、元絵が島本節全開で独特なシルエットを持つアキラとタロイモ、元絵の段階でかなりシンプルなデザインのキューブなど。本当に一部。 --なお、特に功夫編は元のイメージイラストとゲーム中のドット絵の差異が激しいため、最終編を功夫編の主人公(特にレイ)でクリアするとエンディングイラストに違和感を覚えたプレイヤーも多い。 **オムニバス故の難点 -各シナリオの難易度の差が大きい --「各編ごとに異なるシステムを持つ」という特色上、最初にプレイした章が肌に合わないと、他の章の楽しさを経験する前に投げてしまう可能性がある。 ---特に、ゲーム開始時にデフォルトカーソルとなっている幕末編は自由度と難易度がかなり高く、とっつき難い。 ---クリアするだけなら非常に簡単な西部編、プレイ時間が短く戦闘の練習になる現代編、通常の戦闘がなくゲームマシンがチュートリアルになるSF編あたりを最初に選べばスムーズにプレイしやすい。 -アイテムコンプリートができない。 --各編で非常にバラエティに富んだアイテムがあるのだが、最終編に持っていけるアイテムはクリア時に主人公(功夫編は継承者)が装備していたもののみ。 ---相当数、最終編の敵からアイテムドロップで入手できる((中にはボスが何百分の一で落とすなんてものも存在する。))が、最終編で登場アイテムのすべてを入手することはできない。 ---ただし、大半は非実用的なアイテムのため、やりこみ派でなければ気にするようなものではない。 -キャラクターの強さにややばらつきがある。 --最終編で合流して感じることだが、それなりにキャラクター間で強さに差がある。 --知力以外のパラメーターが低めでバランス型というより器用貧乏気味なアキラ((技も攻撃範囲は広いがタメ時間の割に威力が低くやや使いづらいものばかりで、ダメージ効率だけ見ると最強技は事実上初期技のローキックである。また、彼がパーティーにいると逃げるコマンドが「テレポート」に変化するため演出時間が長くなり、別の場所に転送されてしまう可能性もある))、パラメータも固有技も他の候補者より使い勝手の悪いサモ((ただし心山拳の共通技自体は他2人と同じく非常に高性能であるため単体で見れば見劣りする訳ではなく、またサモは回避、防御、反撃無効の技「ほいこーろー」を持つため、ピスタチオ等の強敵を簡単に倒せるという利点がある。))、HPが高くパラメータも標準以上だが技にクセがあるポゴ((最強技「ドデゲスデン」は威力が高い代わりに技を出した後一時的に能力が大幅にダウンするという極端な技))等と比べ、少々打たれ弱いものの超火力を誇るサンダウンや、技のバランスがよく主人公にするとダッシュの速度が通常の2倍になるおぼろ丸など、それぞれの強さの格差には疑問を感じる。 //高原は知力25だがそれ以外は能力値も技も高性能。知力を補う装備をつければ良いだけなので、強主人公側。 --そもそも各主人公の技もバラエティに富んではいるのだが、下位互換の死に技や高威力だが発動時間が長すぎる浪漫技が多く、最終的には実用的に使える技がキャラによっては2,3個しかない。 ---新しい技を覚えたら古い技は出番なし、というのはRPGにおいてよくある話でもあるが、古い技を使い続けて新しい技は役に立たない、と言うのは成長の楽しみが薄く寂しい所。 **バグ、仕様上の問題 -フィールド効果について --戦闘中、技の使用によってフィールドが「状態変化」することがある。例えば水に濡れたり、毒の沼地になったり、溶岩になったりする。一定ターン経過時にこの床に乗った状態だと、回復したりダメージを受けたりする。味方も敵も同じである。 --ところが大きい敵が回復する床に乗って回復すると、1マス分の回復量しか表示されないが、''実際には敵が重なっている全ての回復床の回復量が合算されている''(俗に「超回復」と呼ばれる)。 ---例として、炎フィールドは24ダメージだが、炎床吸収の特性を持った敵が9マス分に跨って乗っていた場合、24×9=''216も一気に回復''してしまうことになる。ただし実際に画面に表示される''回復表示は24のまま''。 ---今作では味方1発の打撃では敵に100もダメージを与えることは難しいが、前述の条件では下手をすると敵は100も200も回復してしまう。 --原始編・幕末編の隠しボスの体は大きく、フィールド全体の状態を変える技を多用し、そのフィールド床で回復する仕様となっている。前述の仕様と表示バグの事を知らずに見た目の回復量が少ないと甘く見ていると永久に勝てない。勝とうと思ったら必然的に「敵の行動を封じてハメる」というチキン戦法を取らざるを得ない。 --逆に「床でダメージを受ける」場合は、''敵の場合に限り''前述のバグに近い仕様は採用されておらず、敵の受けるダメージは表示通りに''1マス分のダメージのみである''。 ---しかし、逆に味方が巨大キャラの場合は、回復だけでなくダメージにも床の枚数倍が適用され大ダメージを受けてしまう、という味方側が不利な仕様になっている。 -功夫編の弟子の技と伝承者について --功夫編では師匠が弟子に技を伝授する。弟子との修行(という名の戦闘)中に師匠が使った技を弟子は覚える。 --しかし修行での技の習得に不具合があり、修行であまり技を覚えさせずに弟子のレベルアップを繰り返すと、''本来レベルアップで習得するはずの弟子固有の技が覚えられない''という状況に陥ることがある。 --''修行でレベルアップ時に技を覚えなかった場合は習得漏れが確定してしまう''。このため、修行では「弟子がまだ習得していない技を出す」ことを心がける必要がある(ただし、技の属性の関係でレイ以外は反撃技を覚えさせられない)。もしくは修行での戦闘でレベルが上がらない程度にレベル上げを行えば(虎を狩って最低レベル8まで上げる必要がある)、前述のバグは回避できる。 ---この修行でレベルが上がった場合、本来レベルアップ時に起こるはずのステータスアップはないため、育成を考えると後者が無難か。 --3人の候補者の中で最も多く修行をつけた弟子が伝承者になるのだが、それはゲーム中に表示されたりはしない(こちらは問題というほどでもないが)。 ---これを知らないと元が弱いユンの修行を多めにして彼が伝承者になりがち。 ---また、平等に稽古をつけると最も人気のなさそうなサモが伝承者になる(修行回数が同数だとサモ>レイ>ユンの順に優先される)。攻略本のインタビューによればサモを使ってほしかったからこうなったらしい。 ---ちなみに、レイを伝承者にしないと最終編のパーティに女っ気が全く無くなる(男キャラとロボだけになる)。 -''最終編開始時の注意点'' --最終編開始時には、各編の主人公たちから任意のキャラを「最終編の主人公」に選ぶことができる。だがこのうち一人だけ、いわゆるラスボスを倒す正規のシナリオでなく、「各編のボスを使用し主人公達を倒す」という真逆のシナリオが展開される。 --しかし、そのシナリオ自体は主人公達を倒す以外できることがなく、勝ったところで結局BADENDのような終わり方となる。そしてこの最終編、''最初に主人公を選択した時点でやり直すことが出来なくなる''ので…。 --ボス側のシナリオで開始→セーブし、他にセーブデータを取っていない場合、正規のシナリオをプレイするには最初からやり直すしか道がなくなってしまう。 ---もちろん、逆に正規シナリオ側を選んでセーブした場合は、ボス側のシナリオは遊べなくなる。 --''最終編は中世編をクリアした直後に出現する''ので、この罠に陥ってしまうプレイヤーは少なくない。 ---こと中世編はそれまでの章と違い、最終編へ続く前提のすっきりしない終わり方をするため……。 ---''最終編のみ、クリアしたら本当に終わってしまう''のが更なる罠。「最終編の主人公」選択はもちろん、それ以前の章選択にも戻れないのだ。 ---このため、''「中世編クリア直前」''のセーブデータを残しておくことが推奨される。こうしておけば、他の編をやり直したくなった場合もやり直すことが可能((ただし、当然だが中世編以外をやり直すとその編をクリアするまで中世編は再び消えてしまう))。 --それ以外の主人公を選んだ場合、ラスボスとの最後の会話がキャラごとに変化する。この会話は主人公毎に個別のものが用意されており、ラスボスの問いかけに対し、それぞれの編をなぞった各々の言葉で返し、ラスボスがそれに納得して消えていくというものである。 ---だが、原始編かSF編のキャラを選ぶと主人公自身の台詞が無いため、''ラスボスが勝手に自己完結して終わる''ように見えてしまう。あれだけ酷い目に逢ったというのに「''私の考えすぎだった''」で片付けられた日には…。また、現代編主人公のように説得が勢いだけでややギャグ調なものもある。 ---ただしこれらは全て、元の編でのラストの展開をなぞったものとなっている。上記三編にフォローを入れると、キューブの場合は、SF編ラストで同じくキューブへ一方的に語り掛けながら重要なことに気づくという''ある人物との会話の流れをそのままなぞった物''。ポゴも原始編を通してテーマになっていたと思われる''「愛」というキーワード''を絡めてあり、台詞は無くともきちんと各編のテーマには沿っている。また様々な事柄に翻弄され続けたラスボスとは対照的に、日勝はどんな状況でもブレず、まっすぐに最強を目指して突っ走っている。 -前述の通り、1度でも真のエンディングを見ると他のセーブデータでもサウンドテストに全ての編のBGMが登録されるのだが、これはニューゲームで始め直してもそのままでありリセットすることが出来ない。つまりクリア済みのソフトを他人に貸すと、サウンドテストから中世編の存在のネタばらしが起こってしまう。 -「どこでもセーブできる」という仕様が罠で、魔王オディオを倒した後にセーブすると''ラストバトル以外何もできなくなる''。 -その他の仕様について --近未来編の壽商会で、「ピンクの像を調べる→本を読む→木琴を叩く→青いマスクを調べる→地下のブリキ大王を拝む→手を洗う→用を足す→ブリキ大王のコクピットに入る」と言う長いイベントがあるが、実はこの手順を無視して先に進める。しかしこのイベントをクリアするまでアイテム改造が出来なくなる欠点がある。 --シンボルエンカウントの編では戦闘から逃走しても敵シンボルが消滅や移動をせず、プレイヤー側も一時無敵状態にはならないため、逃走したらすぐに動かないと同じ敵シンボルに接触してしまう。 ---近未来編もシンボルエンカウントだが、逃げるコマンドがアキラの超能力によるテレポートとなっている。逃げられる戦闘からは絶対逃げられる事に変わりないが、実行後にトイレなどの水のある場所に飛んでしまい、中々進めないことも。ちなみに最終編では心のダンジョンに飛ぶ。 -最終編では各主人公用の最強武器が隠されたダンジョンが存在するのだが、同編に町の住人が登場しないので、自力で発見しなければならない。 --一応ヒントをくれる人物は存在するが、よりによって''その人物は1番見付けにくいダンジョンに住んでいる''。 ---- *余談 **中世編について #region(終盤のネタバレ注意) -中世編そのものがディレクターの時田貴司氏が以前担当した『[[ファイナルファンタジーIV]]』をモチーフにしており、テーマは”セシルとカインの立場が逆になったら”というものらしい。 --中世編ヒロイン・アリシア姫は中世編(+最終編)での所業が原因で、ネット上ではスクウェア三大悪女(もしくは悪女四天王)に名前を連ねている。 ---ただし、このアリシア姫も過酷な状況に立たされていたことなどを理由に一応の好意的解釈はでき、スタッフのフォロー失敗も原因としてはある。 ---擁護できる余地がある分、同じスクウェア三大悪女でも[[この作品>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1895.html]]の姫様よりは若干マシであろう。リスト入り鉄板は間違いないが… --また、オルステッドは同時期に発売されたスクウェア製ゲームの2名とセットで「RPG三大不幸主人公」というありがたくない肩書を背負う羽目に。 ---このとき中世編ラスボスが言い放ったセリフ「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」は、ネット上で非常に有名で「あの世で俺にわび続けろ」そして「あの世で俺にわび続ける○○○」などとよく用いられる。 --最終章のラスボスは中世編の展開と密接に関係しており、そのバックグラウンドから『[[ドラゴンクエストIV>ドラゴンクエストIV 導かれし者たち]]』のピサロ、『[[テイルズ オブ ファンタジア]]』のダオスとセットで「RPG三大不幸ラスボス」と評されている。 --さらに、素直に同情するにはいろいろと非があり過ぎたピサロやダオスとは違い、本人にはこれといった非は見当たらないため、本当に同情するしかなかったりする。 #endregion **ワタナベ親子 -何故か全編共通してワタナベ(もしくはそれを変形した名前)親子というキャラクターが登場する。最終編以外では父が死に、子が泣くのが基本パターン。 --なぜワタナベなのか、その理由は明かされていない((スタッフにもワタナベという名の人物がいるとは述べられている。))が、みんなに好かれている全ワールド1の人気者らしい。 --シナリオによって必ず見られるものと狙わなければまず見られないものが存在し、中でも功夫編での登場条件はサモが後継者になることであり、サモを選択する数少ない利点となっている。 ---現代編の見る条件は最難関で、また発生してもそれがワタナベかと分かり難いイベント。 ***けっこんおめでとり~ -幕末編において、非常に発生条件が限定的な激レアイベントが存在する。 --イベントの存在自体は過去にも囁かれていたが、このイベントが発生条件の解明と共に大きく知れ渡ったのは、''発売から約10年後''のことであった。 --当時の経緯は2chLALスレまとめの[[「けっこんおめでとり~」を追え>http://lal.s172.xrea.com/index.php?%A1%D6%A4%B1%A4%C3%A4%B3%A4%F3%A4%AA%A4%E1%A4%C7%A4%C8%A4%EA%A1%C1%A1%D7%A4%F2%C4%C9%A4%A8]]を参照。 --ちなみに「おめでとり」とはディレクターの時田貴司氏が同じく担当した『[[半熟英雄シリーズ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1086.html]]』に登場するモンスターが元ネタ。また、近未来編のアキラのレベルアップ音「カカッカッカッ カカッ」も半熟英雄の幕間の効果音が元になっている。 **発売当初の評価 -本作は発売当初何かとクソゲー扱いされやすかった。 --原因としては前述の戦闘システムやオムニバス形式であったことも挙げられるが、何よりタイミングが悪いことに当作と前後してスクウェア自身が同じく独自の世界観のシナリオである『[[ファイナルファンタジーVI]]』や『[[クロノ・トリガー]]』等のビッグタイトルを出しており、また他社作品では任天堂の『[[MOTHER2 ギーグの逆襲]]』なども同時期に出た上、さらに当時発売を控えていたネオジオCD((1994年9月9日発売。))・SS((1994年11月22日発売。))・PS((1994年12月3日発売。))・PC-FX((1994年12月23日発売。))の次世代機の陰に隠れてしまった感が強くある。 --参考までに、売上本数:FF6(1994年4月2日発売)255万本、''LAL(1994年9月2日発売)27万本''、クロノ(1995年3月11日発売)203万本。実におよそ9分の1である。 --当時のSFCソフトの価格が1本あたり約1万円と高騰していた事情も考慮に入れると、皮肉にも同時期の同社の他のソフトに食われる形になってしまったとも考えられる。 **攻略本 -説明書に「各漫画家へのインタビューを収録した攻略本を発売予定」とあるが、''そんなものは発売されなかった''。 --『FF』や『サガ』でお馴染みのNTT出版から攻略本「完全攻略ガイドブック」は出たが、漫画家に付いては一切触れられなかったどころか、イラストも他の絵師によるデフォルメ絵しか使われていなかった((GBサガなどでお馴染み藤岡勝利氏によるもの。中世編の公式イラストはこちらのバージョンの絵しかない。ただし、漫画家がバラバラだった原画とは異なり全編でイメージが統一されており、ゲーム上のドットとの違和感が少ないためこちらのデフォルメ絵も人気がある。))。恐らく小学館との契約の問題だろう。 ---その代わりなのか、こちらには開発スタッフ達のインタビューが載っている。開発裏話などもあるため読み物として結構面白い。 ---そして『ロマサガ』などと同様、攻略情報は間違いが結構多い。ただしマップや隠しイベントなどは充実しており、役立つ情報も多く載っている。 ---これにはアレンジBGMを2曲収録したシングルCDを同梱した限定版も存在し、作曲者のライナーノートも追加されている。 --そして小学館からも別の攻略本「公式冒険ガイドブック」が発売されたのだが、こちらにもやはりインタビューは皆無だった。 ---攻略情報はこちらの方がやや正確であるが、やはり間違いがある。内容もNTT出版の方と比べるとやや薄くあっさり気味。 ---但しこちらは小学館発売だけあって漫画家のイラストがふんだんに使われており、この本にしか載っていないイラストもあるので、資料的価値は有る。 ---- *総評 -キャラクター版権の一部は小学館にあるため、リメイクやVC化は困難かと思われる。 --ただしスクエニをはじめとする多方面にわたって、この作品は思い入れが深いようでそれは下記のことからも分かる。 +本作の楽曲は現在でも簡単にiTunesなどでダウンロードできる。 --ファンの間で再版は不可能だと思われていた。 --さらに、2012年5月2日にはサントラCDの方も復刻販売。残念ながらパッケージやブックレットから漫画家のイラストは無くなったが、代わりに入手困難になった限定攻略本のアレンジ2曲をボーナストラックで収録。 ---また、初回限定予約特典で「GO!GO!ブリキ大王!!」のヴォーカルバージョンのCDが付属していた。公式でカッコよくアレンジし直され、歌唱は本作ディレクターの時田貴司氏が担当。 ---ラスボスの音楽も収録されているが、実は曲の終末部分には上記にある''トラウマ必殺技の効果音が鳴るというオマケ''がありフェードアウトで終わるのかと思いきや突然薄気味悪い音が鳴るという仕掛け。ドッキリ要素を含んでいるのだろうが、ちょっと心臓に悪い。 +ディレクターを務めた時田貴司氏が後に担当した『[[半熟英雄 対 3D>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/737.html]]』にも本作のネタが出てくる。 +この作品の中世編の設定を元ネタとした芝居が、劇団R:MIXによっていくつか製作されている。 --特に『[[魔王降臨 LiveSIDE & EvilSIDE>http://www.rmix.net/pastworks/past10.html]]』は本作の中世編ストーリーの演劇リメイクとも呼べる作品になっている。後に[[DVD化>http://rmix.cart.fc2.com/ca2/1/p1-r-s/]]もされた。 --もちろん脚本は原作者の時田氏も関わっており、音楽は本家の下村氏を初め、スクウェア関連を中心にゲーム音楽界の有名どころを集めたこともあった本格的なものである。~ 出演者も後のスクウェアリメイク作品に出演している方が見えたりする。 ---元々のベースとして、当初同人サークル的な立場だった劇団によるLALの二次創作の単発芝居『魔王降臨』等があり、それを元に原作者の時田氏が正式に脚本として新生R:MIXのメンバーに加わり、新たに商業プロジェクトとしてリメイクしたものになっている。 ---その後も時田氏はR:MIXのメインメンバーとして、続編の「魔のシリーズ」(『ストラルドブラグ ~魔神邂逅~』『魔王転生 MAOUTENSYOU』)等に脚本や監修として関わっている。 --のちにモバゲー用RPG『エルアーク』にて、この芝居版の続編『ストラルドブラグ』をさらに元ネタとした追加シナリオ『''ルクレチア物語''』が配信されていた(2012年にゲームそのものが配信終了)。 +上記のスタッフとは関係ないが、2008年には突如ライトノベル雑誌である電撃文庫MAGAZINEで『電波女と青春男』シリーズで有名な小説家・入間人間氏によってSF編が''ベヒーモス視点で小説化''された。 --なお、このSF編は本作発売当時のゲーム雑誌『ゲームオン!』でも、イラスト担当の田村由美氏によってゲーム本編以前の話が''読み切り漫画化''されていた。 -隠れた名作として根強いファンが居るからか、スタッフに大切にされているのか、版権の事情などで扱い難い作品ながらも、発売から10年以上経った未だになんらかの活動がある、非常に珍しい作品である。 -本作は「面白いマイナーゲーは?」と言われればよく名前が挙げられる筆頭であり、言葉としては矛盾しているが「有名なマイナーゲー」といえる。 ---- //ライブアライブ、LIVEALIVE //↑検索用に暫定的にあります。(「・」がないと検索に引っ掛からないため)消さないでください。
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