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*ワルキューレの伝説
【わるきゅーれのでんせつ】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B00005OIAJ)|
|対応機種|アーケード(SYSTEM II)|~|
|開発・販売元|ナムコ|~|
|稼働開始日|1989年4月|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
#contents(fromhere)
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**概要
-FCで販売された『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』の続編。ワルキューレやサンドラをはじめ、ズール、コアクマンなど前作登場のキャラが多数出演しているがストーリー上に明確なつながりは無い。というよりは、前作にストーリー描写が殆ど無かった。
--なお、前作は謎解きのヒントが皆無で常に手探りでのプレイを強要される上、謎解きの難易度自体も攻略本がなければほぼ解読不可能なレベルだったため、どちらかといえばクソゲーに分類される。
-見下ろし型アクションゲーム。自機は1P「ワルキューレ」2P「サンドラ」を操作する。性能面に差は無い。
-操作ボタンは攻撃とジャンプ。攻撃はアイテムを入手する事で一定回数強化されたショットを単発放つ事ができる。
--攻撃ボタンを長押しする事で魔法を選択し使用できる。魔法はMPを消費する。MPは専用のアイテムを拾うか買う事で回復できる。
---また、魔法選択中は無敵(転落を除く)。本作における最重要事項なので、真っ先にマスターすべし。(ナムコミュージアム版の取扱説明書や、ゲーム中のコーナー「TIPS」にも大きく記載されている)
-敵は倒す事で金かMP回復アイテムを落す。
--金は行商からアイテムを購入する場合に必要。行商は一定のポイントに出現し、一回の買物で一つしかアイテムを買う事は出来ない。
**長所
-まるで童話のような世界観。元々がファンタジー的世界観を持つRPGとして制作された作品の続編ということもあり、ファンタジー要素が色濃く出てる。そして、キャラ達のデザインや背景も絵本から出てきたような、愛嬌と温かみ溢れるものとなっている。これらの要素により、取っ付き易く親しみやすい世界観が形成されている。
-人に会って会話して、次の目的地へ。まさにRPGのよう。もちろんACTなので、あちこちに移動するような事はないのだが、この会話が本作を一風変わったACTへと特徴付けている。
-グラフィックレベルは比較的高く、また緻密なドット絵がキャラクター達のコミカルな動きを作り出す。キャラは非常に丁寧に書かれていて、表情まで変わる。それは単に動かす楽しさすら感じさせる。
--キャラクターだけではなく、その背景も緻密。トップビューの2Dゲームで高さを描写できているのは見事。
--前作ではパッケージイラストと似ても似つかなかったワルキューレだが(これは、パッケージのほうが後付けであるため)、今作は忠実な外見で、さまざまな表情を見せる。
--ワルキューレ・サンドラともにボイスが可愛らしく愛着が湧く。
-アイテムを買うという要素があるため、モンスター達の落とすお金を集める事への満足感が、他のゲームで見られる得点を得るようなアイテムとは、また違ったものがある。同時にアイテムを買うという点も、本作の楽しみの一つ。
-ステージは変化に富み、それぞれの特徴が出てる。もちろん見た目だけではなく、攻略のアプローチもそのテーマ性がよく分かるものになってる。
-繰り返しプレイする事で展開を覚える展開覚えゲータイプ。難易度は極端に高すぎずプレイしやすい。
-隠し魔法や隠しアイテム、完全なエンディング等やりこみ要素も豊富。
-画面は拡大と縮小を繰り返し、演出面でコレが有効に生かされる一方で、ゲームプレイに支障が出ないようにしている。
-第三回ゲーメストVGM大賞を獲得し、現在もなお好きなゲーム音楽ランキングに名を連ねる事の多いBGM。
--第三回ゲーメスト大賞では第二位となっているが、第一位がかのテトリスであり、さすがに相手が悪すぎた。
**短所
-ジャンプの挙動にやや癖がある。落下するとダメージを受けてその直前の地面からやり直しになるため、最初のうちは先に進みにくい。
-後半戦の敵の攻撃の激しさは明らかに前述の「魔法選択無敵」の駆使が前提なのだが、インストにもプレイ中にも「魔法選択無敵」の存在と有用性に関する言及が一切無い点は不親切であった。
--ただしPSの「ナムコミュージアムVol.5」においては前述の通り、取扱説明書にもTIPSコーナーにも説明がある。
-BGMに尺をあわせたため、EDのスタッフロールが異常に早い(冗長でないともいえる)。
-「アイテムを6つ持っていると、魔力回復アイテムとお金以外どのアイテムを拾っても消滅する」という仕様があるが、永続パワーアップアイテムで6つ埋めてしまうとそのプレイ中はアイテムが入手できなくなる。
--「ライフポット」(体力最大値+1マス)、「魔法の本」(魔力最大値+1マス)、「永遠の剣」(初期ショットが「光の剣」と同じものに強化される)が該当。また、4面でのお使いアイテムである「鍵」を使い忘れてもアイテムスロットを圧迫する。
-スコアを全力で稼ぎ切るとプレイ時間が3時間近くにまでなり、その点においてはスコアラー・オペレーターからの評判が悪かった作品でもある。
--3面以降での逆走稼ぎ、得点源であるザコを無限に吐く2面ボス戦・6面ボス戦での残機潰し稼ぎ、7面でタイムオーバー死直前まで軽く1時間以上繰り返されるZAP稼ぎなど、見ていてもプレイしていても苦痛になりかねない作業の塊。
---さらに、一部の面での魔力のもとの出現量・回復アイテムの効力がランダムであるなど、「稼ぎ」には全く適していない内容であったといえるだろう。
-2人同時プレイが楽しいゲームなのだが、スクロールが1Pプレイと違う形式で進んでいく都合上、ある程度スクロールを進めた状態で片方がひっかかってしまうとタイムアップ死を待つしかない「ハマリ箇所」がいくつか存在する。
--スタート直後にいきなり該当する地形が存在するため、プレイ時には注意。
-バグが多い。しかもリセットしてしまう、画面が進まない等のシャレにならないものが多い。
**移殖
-PCEとWindws、PSナムコミュージアムVOL.5とWiiバーチャルコンソール(PCE・AC共に)に移殖されている。
--PCE版はインカム優先のアーケード版とは違う方向で様々な仕様変更がなされたアレンジ移植となっている。
---人気キャラ「ブラックワルキューレ」の初出作品でもある。
--PSナムコミュージアムVOL.5には資料やハイスコア等が登録できる。こちらは比較的原作に忠実な移植ではあるが、完全ではない(最も分かりやすいのはラスボスで、アーケードでは「サイクロン」の魔法4~5回で死んでしまうほど弱いのだが、PS版では「サイクロン」に耐性があるらしく、20発浴びせても死なない)。
---それ以外の仕様は、ニューバージョン準拠となっている(あまり知られていないが、ワルキューレには新旧二つのVerがあり、細かい点が違う)。
**総評
1991年ゲーメスト増刊『ザ・ベストゲーム』において「読者が選ぶベストゲーム」第一位を獲得。80年代後半を代表する名アクションゲームとしてその人気は今なお高い。また、同じく増刊『ギャルズアイランド』では、二位を大きく離してワルキューレが人気一位に輝いた(ちなみに、ほんのわずかしか出番のなかったコアクマンも10位に入っている)。このゲームを皮切りにキャラクターをウリとしたゲーム業界のヲタク化が進むと非難する者もいるにはいるが、取り留めて欠点の無い本作を前にすれば些細な事である。
**その他
-基板の設定を最も辛い仕様(初期ライフ2、ベリーハード、タイムカウントfast)にすると、もはやデフォルト設定時とは別のゲームと化してしまう。知らずにこの設定になっているゲームセンターでプレイしてしまい、あっという間にやられて仰天したプレイヤーもいるのではないだろうか。
--敵からのダメージは受けないようガンガン進んでいき、武器の調達に必要なお金を回収しながらタイムオーバー死しないよう爆走し続けることを強制される、「メトロクロス」もかくやというパターン化前提かつ食うや食わずのギリギリのゲーム性へ変貌を遂げる。
---パターンを把握し、永続パワーアップアイテム(主にライフポット)を4~5個ほど集めるようにすればノーコンティニュークリアは安定していく。
-本作主人公「ワルキューレ」はナムコを代表する人気キャラクターで、テイルズオブシリーズやコンパチ物に頻繁に登場する。
-だがアーケードではこれ以降のシリーズは展開せず、続編はサウンドノベルの手法を取り入れた『ワルキューレの伝説外伝 ローザの冒険』(ナムコ初のWindows95対応ソフト)となった。
-『ナムコアンソロジー2』では前作および同リメイクが収録されているが、リメイク版が本作に近い内容になっている。しかし、ワルキューレのデザインが変更されており、バランスも大味であるなどあまり出来はよろしくない。
--ただし『アンソロジー2』での設定やデザインは下記コミック作品でも採用されている。
-キャラクターデザイナーである冨士宏氏の手によるコミカライズは、実に16年後。人気の絶頂期に実現していれば、と思わざるを得ない。
--なお、冨士宏氏の設定はあくまでも公式ではなく、いち個人の解釈であると本人が言及している(ただし、立場と影響力から、準公式といっても差し支えない)。
-作品(伝説、ローザ、ナムカプ、コミックなど)ごとにワルキューレの性格が安定しない。
-本作以降、国内ではワルキューレ(ヴァルキリー)といえば羽兜という図式が完成した。日本作品のヴァルキリーが武器に剣を持っていることが多いのも今作の影響が大きい(ヴァルキリーの武器といえば本来は槍が有名)。
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