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「ファンタジーゾーン」(2013/09/09 (月) 00:05:25) の最新版変更点
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*ファンタジーゾーン
【ふぁんたじーぞーん】
|ジャンル|横スクロールシューティング|&amazon(B001BATFGI)|
|対応機種|アーケード(システム16A)|~|
|販売・開発元|セガ・エンタープライゼス|~|
|稼働開始日|1986年3月|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
**ストーリー
遠い昔、宇宙のどこかに「ファンタジーゾーン」と呼ばれる場所があり、そこには勇敢なヒーロー「オパオパ」がいた。&br()
あるとき、ファンタジーゾーンの惑星間に通用している公式通貨のバランスが乱れ、惑星の1つを未曾有の大恐慌が襲った。それは何者かが周辺の宙域から金を大量に掻き集め、ファンタジーゾーンに巨大な要塞を建造していたためであった。&br()
その計画を阻止するため、オパオパはファンタジーゾーンを巡る冒険に出るのだった。
**概要
業務用の横スクロールシューティング。強制スクロールではなく振り向きの要素があり、自機の向いている方向に画面がスクロールする方式を取っている。操作系統は、8方向レバー+ショット&対地ボムのボタンとなっている。&br()
基本ルールは、各ステージに10ずつある敵の基地を破壊し、その後出現するボスキャラを倒していく、というもの。ステージは無限ループになっているため、基地を撃ち漏らしたのでステージやり直しということにはならない。&br()
ミスしても基地の破壊状況は保存されるためその場復活に少し近いが、破壊できていない基地のダメージはリセットされ、ボス戦の場合は仕切りなおしとなる。
**特徴
-パステル調の背景を舞台に、曲線を多用して描かれた愛らしくもどこかシュールなキャラが飛び交う、暖かみのある世界観。
--主人公のオパオパは機械と生命のあいの子で、ツインビーがさらに丸っこくなったようなデザイン。
-敵の基地を壊すか特定の敵編隊を全滅させるとお金を落とすのだが、それを使って買い物をすることが出来る。
--買い物が出来る店は「SHOP」と書かれた風船として、ステージ開始直後やいくつか基地を破壊した後などに飛んでくる。
--商品のラインナップはスピードアップ用のエンジン、時限式の特殊ショット、使い捨ての特殊ボム、或いは残機など。どれもここでしか手に入らないが、エンジン以外のアイテムは買うごとに値段がつり上がっていく(残機は特に上がり幅が大きい)。またミスすると買ったアイテムが全て失われる。
--この買い物+シューティングの組み合わせは当時としては非常に斬新であった。類似要素を搭載した作品では、古くは『[[エリア88]]』(カプコン)や『オーダイン』(ナムコ)、最近では『トラブル☆ウィッチーズAC』(スタジオシエスタ)など。
-ステージ1つが惑星1つに該当しているため、面ごとに基地の外見も地形及び背景もガラリと変わり見た目でも飽きさせない。
-ポップな外観と非常にマッチした、サンバなどが中心のノリの良いBGM。
-最終ステージでは今まで倒したボスたちがパワーアップして逆襲しに来る。いわゆる「ボスラッシュ」。
--「ボスラッシュ」を搭載したのは本作が初ではなく、『B-WINGS((データイースト製作の縦シューティング。1984年))』がおそらく初。
-スクロールの方向や速度を制御できるため、ステージ攻略にわりと自由がきく。
--ただし、あまり同じステージでのんびりしているとランクが上がり敵の攻撃性が増す上、基地が落とす金がどんどん安くなっていくので旨味は少ない。
--後半ステージでは「攻撃的なザコに押されて基地の攻略がおろそかに→ますます敵が煩く」の悪循環もありうる。
--しばらく同じ方向を向いていると、進行方向に対して広い視界を確保するように自機の(画面上での)位置を修正するようになっている。これが祟り、急な方向転換をすると「前方にほとんど視界がない」状態となり、画面外から飛び込んできた敵と出会い頭に衝突するミスが発生しやすい。なお、敵弾には射程が設定されてるほか、画面外には存在できないようになっている。
--マップ上に存在する敵と画面上に存在する敵がおり、前者はスクロールで振り切れるが後者はスクロールにキッチリ追従してくる。後者の出現タイミングで左右に方向転換をするとはさみ討ちに遭う危険が高い。
-慣れや装備の有効活用によってけっこう先まで進めるバランスになっており、鬼畜というほどの難易度ではない。
--ただ、前後の横シュー有名作品([[グラディウス]]、R-TYPE、ダライアスなど)と違いバリアが搭載されておらず自機の当たり判定もほぼ見た目どおりなため、油断するとあっさりミスる。
--ちなみに、社内では「かなりの高難度」という認識だったためかは不明だが、アーケードゲームとしては珍しく最低難易度が標準設定となっている。ちなみに、難易度設定で変わるのはランク上昇速度のみ。最高難易度設定では、1面ごとに最低難易度設定での1周分ランクが上がるため、あっという間に鬼畜と呼べる程度の難易度に変貌する。
--難易度ランクが視認できるのが大きな特徴。ランク上昇すると敵弾の外見が変わり、3段階目からは撃ち返し弾が発生するようになる。
どちらにしろ、20年以上経った今でも実用に耐える作品であることは確かなのであるが…。(以下ネタバレ注意)
#region
**衝撃の結末
ゲーム全体が可愛く明るいノリで進行していたが、最終面のボスラッシュの後にはどんでん返しが待っている。&br()
ラスボス戦突入直後に出て来るのは巨大だがオパオパにそっくりのシルエットで、それを確認する間もなくその影から伸びてきた虫のような敵との戦いが始まる。&br()
全部で6匹いる虫を倒すとラスボスの本体が右からフェードインしてくるが、その影がカラーリングもオパオパそっくりとなり、目に涙を光らせつつ消えていってしまう。&br()
そしてエピローグでは、ラスボスが長いこと行方不明となっていたオパオパの父だったことが判明し、そのラストは「彼の勝利にはそれまで払ってきただけの価値が本当にあったのか、オパオパは生涯悩み続けるのだろう」というような文で締めくくられており、これまでの演出からは想像も出来ない物悲しいものとなっている。そしてそのオパオパの悩みは続編にも繋がっていくことになる。
なお、エピローグのBGMがそのままネームエントリーのBGMとリンクしているのは心憎い演出であるのだが、ネームエントリーの後残機没収の上で何事もなく2周目が始まる。
#endregion
//続編やそれらのリメイク版については情報を寄せてください。
**家庭用移植
-セガ・マークIII版
--AC版と同時開発であるため厳密には移植ではない。ハード性能を考えればがんばっている作品ではあるが、4面ボス・クラブンガーと6面ボス・ウィンクロンの再現は不可能で、それぞれウルトラスーパービッグマキシムグレートストロングトット、DZ・デノ・ローマという別のボスに差し替えられている。
--マークIIIソフトの新仕様・新レーベルであった「ゴールドカートリッジ」の一作目にして初のメガROM。
-FC版
--サン電子(サンソフト)発売。上下スクロールする、前線基地がアニメーションする、クラブンガーとウィンクロンも再現(ただしウィンクロンの腕の数はAC版の半分の3本)、良質のBGMと、かなりの良移植。当時どちらかと言えば、『[[いっき>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2096.html]]』でクソゲーメーカーで知られた、サン電子の評価が一気に高まった。セガ信者がこのFC版を見て、初めてFCに敗北を感じたという噂も存在する。
-NES版
--上記FC版とは別に、海外でのみテンゲンより販売された移植版。グラフィック面ではよりAC版に近くなっているが、基地の数が6つ(FC版は8つ)、7WAYショットが5WAYになっているなど微妙に劣化している。
-PCエンジン版
--NECアベニュー発売。グラフィックは非常に美しく、ボス戦で背景が切り替わらないなどAC版に遜色ないレベルで再現されているが、ファンタジーゾーンの大きな要素であるBGMがあまりに酷すぎるため、評価はかなり低いものとなっている。
#region(参考:AC・MkIII・FC・PCEのBGM比較)
#nicovideo2(sm11138797)
#endregion
-X68000版
--電波新聞社発売。当時のACとほぼ互角の性能を持ったPCへの移植。AC版をほぼ完璧に再現している上、5面BGMを後期ROMverに変更できたり、アレンジBGMの追加、各面特定の前線基地を破壊すると入手できるハリアーコインを集めることで7面クリア後、同社『[[スペースハリアー]]』を模した隠しステージを追加していたり様々な独自要素が存在している。しかし当時40万位する高価なPCだったため、家庭で気軽に楽しむためには後のSS移植版を待つことになる。
#region(スぺハリ面)
#nicovideo2(sm353442)
#endregion
-セガサターン版
--AC版をほぼ完璧に再現した家庭用移植。オプションによる細かい設定が可能でファンも大満足の内容。
-PS2『[[セガエイジス2500シリーズVol.3 ファンタジーゾーン>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1243.html]]』版
--上記リンク参照。
-PS2『セガエイジス2500シリーズVol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション』版
--AC版のみならず、MkIII版や、FC版リメイクともいえるネオクラシック版、さらには続編である『II』やMDの『スーパーファンタジーゾーン』、ゲームギアの『ファンタジーゾーンGear』、派生作であるドットイートアクション『オパオパ』まで収録した、まさにコンプリートコレクションといえる内容。下記続編についても参照。
---ただし本作のAC版には、ラスボスが涙を流さないというバグが存在している。
**余談
-本作に存在する後期型のROMでは、海外輸出版と同じく5面のBGMに修正が加わっているほかステージ開始時にBGMの曲名が表示されるようになっている。
**続編について
-「ファンタジーゾーンⅡオパオパの涙」が1987年にマーク3で発売されファミコン、MSXにも移植。AC版ファンタジーゾーンと比較してハードスペックが大幅に劣るため、ほぼ全くといっていいほど異なるゲームになっている。アーケード版については後述。
-「スーパーファンタジーゾーン」がメガドライブ用ソフトとして1991年に発売。セガハードながら、発売はファミコン版を移植したサンソフトで、完全オリジナル作品ながら評価は高く、初代BGMも収録(裏技でゲーム内でも使用できる)された。BEEPメガドライブの読者評点企画のドッグレースでは、当時発売以来連続1位の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」を抜いて初登場1位となっており、セガの新世代キャラのソフトを旧世代のキャラを使ったソフトが追い抜くという結果となった。
-PCエンジン用ソフトとして「スペースファンタジーゾーン」が予定されていたが、これはスペースハリアーのゲームシステムでファンタジーゾーンのストーリーを入れたもので、かなりの完成度まで作られていたが、長年発売未定のまま結局発売中止に。
-同シリーズ最終作の『Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション』(2008年9月11日発売)((本項で表示しているSEGA AGESのパッケージ画像はVol.33のもの。))は、本作のAC版を始め、シリーズ関連作品やアレンジ版などを同時収録した豪華版となっている。
--このバージョンの特徴として、1987年以来本家のセガですら20年以上リリースしなかった「SYSTEM 16C版 ファンタジーゾーン2」((ちなみにSYSTEM 16とは、AC版ファンタジーゾーンが稼働していた16bit基板ではあるが、FZCC版ファンタジーゾーン2はSYSTEM 16基板にメモリを(ハードウェアに詳しいプログラマがコテ先のテクニックで)追加したカスタム基板(SYSTEM 16C)で動作するため、AC版ファンタジーゾーンと基板上の互換性はない。この作品が動作するハードは、SYSTEM 16C基板(セガ本社にのみ存在する半ばハンドメイドの基板)もしくはPS2上でのエミュレーションのみとなっている。))の移植作が収録されており、実質20年以上経過した後のファンタジーゾーンの正統続編のリリースとなる。FC版やマーク3版と異なり、AC版ファンタジーゾーンのテイストを忠実に継いだ作品である。道中のプレイ内容によりエンディングが変化する仕掛けがあり、FC・マーク3版をプレイしたプレイヤーでも新しい展開を迎えられるように工夫してある。
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