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*幻想水滸伝 【げんそうすいこでん】 |ジャンル|RPG|#amazon(B000067OWX)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|1995年12月15日|~| |定価|6,090円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[幻想水滸伝シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1136.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -コナミを代表するRPGシリーズの一作目。 -システムは目玉となる本拠地システムと戦争パートを除いて目新しさはなく、はっきりいって凡庸そのもの。 -しかしこの作品はその目玉システムとシナリオだけで名作と謳われ、10年以上にわたってシリーズ化されていくのである。 -海外版では、「Suikoden」(『水滸伝』)というタイトルになっている。なお、この作品の元になった古典『水滸伝』の英題は、「Water Margin(水のほとり)」である。 **ストーリー かつて栄華をきわめていた赤月帝国はいまや役人の腐敗や軍部の圧政によって陰りを見せていた。~ 名君として知られていた皇帝バルバロッサも今では宮廷魔術師のウィンディにたぶらかされてすっかり豹変し、暴君となっていた。~ そんな時代において、赤月帝国五将軍テオの息子である主人公は近衛兵として親友のテッドや世話役のグレミオとともに任務に就く。~ しかしいくつかの任務をこなすうちに帝国の腐った実態を目にすることになる。~ そんな中、テッドが瀕死の姿になって帰ってきた。彼はウィンディに命を狙われていたのだ。~ その理由は彼が持つ27の真の紋章のひとつ『ソウルイーター』であった。~ 27の真の紋章とはこの世界において持つものに絶大な力と代償を与える印。悪用されれば取り返しのつかないことになる。~ 主人公はテッドの願いで彼の持つソウルイーターを受け継ぎ、逃げることにした。~ そこから彼の帝国との戦いと、悲しみの運命ははじまった。~ **108人の仲間を集めよう! ***本拠地システムと108星 -なんといっても幻想水滸伝といえばこれに尽きる。元ネタである古典『水滸伝』になぞらえた108人の仲間を集めて本拠地に呼び、施設や軍勢を強化していくというもの。 -期待を感じさせてくれる冒頭だが、序盤はゲームとしては凡作と評するほかない。しかし中盤に入って主人公が本拠地を手に入れた後こそがこの作品(というより、シリーズ全般に言えるが)の醍醐味である。 -各地の町やダンジョンにいるNPCに語りかけ、話を聞き自らの軍勢にスカウトする。話しかけるだけで仲間になってくれるキャラもいるが大半は加入条件がある。 --条件はその人物が欲しがっているものを集める、特定の人数以上仲間を増やす、別の仲間を連れて話しかける、サブイベントをクリアする、一騎打ちをして勝つ、など様々。 --ダンジョンの死角から入れる小部屋にいる、などそもそも発見するだけでも苦労する仲間もいてやり込み心に火をつける。 --単に仲間集めの作業か? 面倒くさい、と思われるかもしれないがこれが非常にバラエティに富んでいる。これだけの人数いるにも関わらず似通った条件で仲間になるといった被りがほとんどない。 --さらに仲間集めの過程のイベントがそのキャラの個性を存分に発揮していたり、世界観を押し広げるのに一役買っていたりと見て楽しい。 --とはいえ戦闘メンバーだけでも数十人いるためレベル上げが大変…ではなく、このゲームでは戦闘に入っていたメンバーのレベルが低いほど経験値を高く得られるので、レベルが低いキャラでも現時点で一番強い敵と数回戦えば適正レベルまで上昇するようになっている。そのため余計なレベル上げをする必要はなく快適に進む。 ***108星の役割 -RPGの仲間の役割といえば主人公とともに戦うことである。だが、この作品は『戦記』である。目の前で襲い掛かってくる敵は勿論赤月帝国という大国と戦うのだ。 -そのために必要なのは一騎当千の豪傑が108人ではなく、作戦を考える軍師、戦いに身を投じる武人、知識を集める学者、資金やアイテムを準備する商人などは勿論のこと、兵器を作る発明家、武器を作る鍛冶屋など大勢の人が持ち前の技術を駆使して一丸となることなのだ。 -他にも船乗り、僧侶、医者、盗賊、宿屋の主人…などはまあいいとして、拠点でギャンブルを催す遊び人(実はある意味非常に重要(後述))や入り口で『ここは○○城です!』という町人Aだって仲間にできる。 -拠点は最初はぼろぼろの廃城だが、仲間を集めれば集めるほどどんどん改築されていき、最終的には多くの施設を備えた立派な城砦になる。 -そのごった煮感満載の仲間たちのおかげで、108人という膨大な数の個性を見事に表現しきっている。全員が戦闘メンバーというわけではないため役目が重なりいるだけ扱いになるということも最小限で済む。 -原点となった「水滸伝」の108星の好漢を知っていると、意外に彼らの個性に当てはまっているキャラが多いことも特徴。 ***戦争パートでの108星の役割 -戦争パートは簡単にいえば敵軍とのじゃんけん勝負の駆け引きである。ターンごとにじゃんけんをし、勝った方の被害は少なく、負けたほうの被害が大きいという感じである。敵の兵力をゼロにすれば勝ち。 -攻撃手段は「突撃>弓矢」「弓矢>魔法」「魔法>突撃」という三すくみになっており、敵の行動を読んで行動を実行する必要がある。 -ただ、突撃とか弓矢と一口にいっても、それを担当するチームというものが存在し、チームを選んでその行動を行う必要がある。その戦闘中に行動したチームは次回以降行動できない。 -チームにはそれぞれ構成するキャラが固定で最大3人決まっており、人数が多く揃っているチームほど攻撃力が高くなるため自軍に有利に働く。 -チームの駆け引きとは別に、自軍の耐久力となる兵力も、108星を集めることで高くなる。攻撃手段として活用されなかった味方も、ちゃんと戦力には貢献しているということ。 -通常時に戦闘キャラとして連れ歩くと弱いが、戦争パートでは一転して優秀な戦力となる、いわば指揮官タイプのキャラクターもいる。 -また攻撃専門のチームだけでなく、商人は敵を買収して寝返らせられるし、忍者は敵の行動を読むことができる。軍師は味方の攻撃力を上げられる。と、使い方次第で切り札と化す。 -単純ながらキャラの役割がしっかりとできており、単純ゆえにシミュレーション特有のルールの煩雑さもない。逆にいえば本格的でないといえるが、本作はシミュレーションではなくあくまでRPGである。 **戦いの果てに #region(重大なネタバレあり) かくして主人公は赤月帝国と戦うために反乱軍を組織し、逃亡の果てに流れ着いた廃城を仲間とともに盛り立てる。~ その勢いは日を増すごとに強くなっていった。~ しかし、彼がテッドから受け継いだソウルイーターには力と引き換えに代償があった。~ それは自らの大切な人物の命を吸い取り、そのたびに力を増すことである。~ 彼が戦いに勝ち抜く一方で世話役のグレミオが命を落とし、やがて帝国の将軍である父テオと対峙すると自らの手で命を奪うことになった。~ そしてもう二度と会うことはないと思われていたテッドが、ウィンディに操られて主人公の前に立ちはだかり、今度こそ命を落とした。~ ~ -と、中盤以降は以前にましてますます重い内容になっていく。これだけならまさに鬱ゲーである。 --しかし命を落としたそれぞれの人物は死ぬ寸前に主人公に自らの遺志を託したり、勇気付けたりしてくれる。それはただ悲しいだけでなく、主人公への励みになっていく。 --そして彼らは108星の仲間に入らなくても、ソウルイーターに魂を吸われることで主人公の力となりともに戦っていくのだ。 --実際に彼らが命を落とす度、主人公の使うソウルイーターの魔法が増えていき、ボス戦などで強力な切り札となる。 --そして最終的に主人公を取り巻く人々の協力で強大な帝国を打ち倒し、新たな時代が幕を開けるのである。 --また仲間を全て集めきり特定の条件を満たせば、死んだグレミオが生き返り最後は主人公とともに旅に出る、という真エンディングになる。 ---グレミオを人質に百八星を集めることを強制してるともいえるが、次回作にも受け継がれている。 ---なおグレミオを救えなかった結末も、それはそれで味がある。やや物悲しい終わり方だが、テーマ的にはこちらを正エンドと考えてもいいくらい。 #endregion -このように重いだけでなく救いのある展開、しっかりとしたシナリオ構成がこのゲームを鬱ゲーではなく名作評価に押し上げており、その要素は次回作にも受け継がれている。 -その他、戦闘時の一斉攻撃、低めのエンカウント率とよく上がるレベル、レベル差によって確実に逃げられる等のサクサク進むゲーム性、美しい戦闘エフェクト等が評価されている。 **問題点 -前述の通り、キャラの個性を最大限発揮しようと努力しているシステムではあるがこの数では流石に空気キャラが何人か出る。 -当時としてもグラフィックが粗め。 -仲間の一人で拠点でギャンブルを催すガスパーというキャラは、勝負を挑むと高確率で自滅してしまうため簡単にお金を稼げてしまう。 --ただ、仲間が多く装備をはじめ何かとお金が物入りなこのゲームにおいて、彼のお世話になったプレイヤーは多数。『ガスパー銀行』という通称で呼ばれファンから愛されている。 --公式ガイドブックのスタッフのコメントで「ガスパーをカモにしないでください」と書かれる始末。 -仲間の一人、クライブの加入条件が運。 --それは「ある場所を訪れた際に''1/8の確率で現れる''」というもので、行ってみていなかったら一旦街を出なければならず、運が悪いと何度も出入りすることになる。果たしてこの仕様で攻略情報なしで仲間にできたプレイヤーがいるだろうか?一発で出会えたなら話は別だが。 -ストーリー上、戦闘メンバーに数人が強制加入することが多く、自由にパーティーを組める機会が少なくなっている。 --おかげでキャラの個性の一部でもある「連携攻撃」を活用しにくい問題も発生している。 --更に、ラストダンジョンでは前衛枠のキャラクターが2名戦闘メンバーに強制加入するため、自由にパーティーを組める前衛枠が1名になってしまう。 ---ゲーム後半に特定のキャラを4人連れて行くことで仲間になる人物が存在するのだが、上述の2名が強制加入する時期になると仲間に加えることが不可能になってしまう。 --続編以降は多少改善される。 -設定の仕様上仕方ない事なのだが、序盤初めて自由行動が可能になった時にワールドマップに踏み出すとランダムバトルで“蟻”と戦闘になる。この蟻が恐ろしく強く(本来なら終盤に訪れるため)一発ゲームオーバーになる。 --ようは寄り道せずにストーリーを進めればいいだけなのだが、この時期にある場所を訪れることで有用な隠しアイテムを入手することができる。 -本作には続編以降でお馴染みとなる紋章屋が存在せず、魔法を使うのに必要な封印球は道具屋で購入するのだが、道具屋の封印球の品揃えが悪く、どこに何の封印球が売っているのか把握しづらい。 -本作では封印球は1人1つまでしか装備できないため、固定の紋章を持っているキャラクターはカスタマイズが不可能になってしまう。 --また、ダッシュ移動をするためには神行法の紋章が必要なため、ダッシュしたければ1つしか無い紋章枠を割かなければいけない。 -戦記物と言えば、軍師の奇策によって不利な状況を大逆転させるのが醍醐味の一つだが、本作のシナリオは軍師の策によって勝利する展開が少なく、力押しな展開が多い。 --一応終盤には軍師が知略を発揮するシーンもある。しかし、その時点では解放軍はかなり優勢な状況であり、不利な状況を大逆転というより、もともと有利な状況をさらに有利にしたものであり盛り上がりに欠ける。 **総評 -本拠地システム以外はとりとめて斬新さはないものの、その本拠地システムとしっかりしたシナリオが評価されこの作品はその後長く続くシリーズとなっていく。 -2006年には続編の『[[幻想水滸伝II]]』と同時収録という形でPSPに移植され、発売から10年以上たった現在でも依然そのシナリオは好評を得ている。 ----
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