「STEINS;GATE」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

STEINS;GATE」(2013/12/20 (金) 09:13:59) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*STEINS;GATE 【しゅたいんず・げーと】 |ジャンル|想定科学ADV|&amazon(B002CZOW1O)| |対応機種|Xbox360&br()Windows PC&br()PSP&br()PS3&br()PSVita|~| //iOS版は当wikiの取り扱い対象外につき、基本情報欄には表記せず。 |発売元|5pb.|~| |開発元|5pb.&br()ニトロプラス|~| |発売日|2009年10月15日(Xbox360版)|~| |定価|通常版:7,140円&br()限定版:9,240円(Xbox360版)|~| |廉価版|プラチナコレクション&br()2011年6月15日/2,960円(Xbox360版)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #center{&size(18){'''神をも冒涜する12番目の理論'''&br()'''それは、 俺たちが手にした偶然の産物'''}} ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -5pb.とニトロプラスのコラボレーション企画「科学シリーズ」の第2弾。 -数多の偶然によって出来上がってしまった「タイムマシン」を巡る、人類の未来を委ねられてしまった中二病青年の物語が秋葉原を舞台に繰り広げられる。 --前作『[[CHAOS;HEAD>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2068.html]]』と同じ世界観だが、前作のネタはシナリオの本筋にほとんど関係ない。 -基本的にはオーソドックスなアドベンチャーゲームだが、選択肢ではなく携帯電話の操作によってストーリーの展開が変わる。 -驚異的な口コミの広がり。 --最終的にADVゲームでは大ヒットとも言える出荷数5万本を突破した。 -『[[Ever17 -the out of Infinity-]]』同様、''未プレイの者に対してネタバレ回避が広く推奨される''作品である。以下の文にも多数のネタバレが含まれているため、目を通す際は充分に注意されたい。 --コミカライズ等のメディアミックスを見る事はおろか、ネットで情報を検索する事すらあまり推奨されていない。特筆すべきは、''公式サイトがネタバレ満載''で未プレイ者の閲覧が推奨されていない珍しい作品でもある。 -複数の魅力的な女性キャラクターが登場し、その中のひとりに焦点を当てたルート(サブシナリオ)も用意されているため、広義の「ギャルゲー」に該当すると言える。しかし恋愛的な要素以上に、そのストーリーとSFギミックが高く評価されている作品である。 **ストーリー 大学生の岡部倫太郎は仲間たちと共に、過去に携帯メールを送ることができる装置を作り上げた。実証実験として仲間たちの過去に干渉する岡部。しかしその行為は大きな悲劇を招いてしまう。世界を元に戻すために、岡部は果てしない苦闘を続ける……。 **特徴 -99%の科学と1%のファンタジー。 --本作のテーマである「タイムトラベル理論」に説得力をつける為、出来る限りリアリティを出している。 ---現実にあるタイムトラベル理論はもちろん、その周辺の用語に至るまで現実のものを用いている。また、かつて話題になった「[[ジョン・タイター>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC]]」事件や[[実在する欧米の研究機関>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E5%8E%9F%E5%AD%90%E6%A0%B8%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A9%9F%E6%A7%8B]](流石に名前は少し変えてあるが)が話の中核になっている。 ---特に店舗名まで含めてすさまじく現実に忠実な秋葉原の町並みは圧巻。 ---充実したTIPS。作中用語からネットスラングまで幅広く取り揃えております。 -絶賛される声優陣・BGM --特に主人公を演じた宮野真守のギャグ・シリアスあらゆるシーンにおける熱の入れ様は、スタッフから「''宮野さんあっての『シュタインズ・ゲート』''」とのお墨付きを貰うほど。 --主題歌は本作の企画・原案者である5pb.代表取締役・[[志倉千代丸>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%97%E5%80%89%E5%8D%83%E4%BB%A3%E4%B8%B8]]によって作詞作曲されているため、ネタバレ満載となっている。ちなみにやり込めばOPの演出も実はネタバレがかなり入ってることがわかる。初見ではまず気付かない(わからない)ので安心して欲しい。 --一方、BGMは「Infinity」シリーズでおなじみの元KID社員・[[阿保剛>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E4%BF%9D%E5%89%9B]]によるもの。特にタイトルBGMである「GATE OF STEINER」が高く評価されている。ちなみに、サウンドテストモードが有るにも拘らず本作のサントラ発売時は各地で即日売り切れになった。 -止め時が見つからない構成力 --海外ドラマを参考にして作られているため、絶妙な「山場」で章区切りされる。伏線の貼り方・回収も巧妙。 --特に本作のメインとも言える6章以降は徹夜プレイ者が続出したとか。 --基本的にメインルートは一本道で、ギャルゲーというよりは一昔前のアドベンチャーゲームに意図的に似せてある。 -強烈な感情移入度 --上記の声優の演技や構成力はもちろん、本作独自のシステム「''フォーントリガー''」もそれに拍車をかけている。 ---本作では本編中に選択肢が存在しない。代わりに携帯電話に出る・出ない、メールの返事を選択する・返事しないなどという選択で物語が分岐していく。 ---ただ選択肢を選ばされるのではなく''どうしても携帯をいじる必要がある''というところがポイントであり、たった1通のメールで過去が改変されそれまでの思い出が「なかった事」になる重大な選択肢では「自分で選んでいる」という感情が湧く。 --バッドエンドは「自分が選択したせいでこうなった」という後悔の念も残る。特に「地下鉄」「ゲル」「手紙」は、プレイヤーのトラウマになっている。詳細は実際にその目で見て欲しい。 **口コミの変遷 -発売前後はさほど大きな期待はなく、静かな流れだった。 --この背景には大作『[[アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団]]』の発売と被った事、前作の時点で人を選ぶ内容だった事、6月に[[5pb.が起こした怒首領蜂大往生のコード盗用騒ぎ>http://koty.sakura.ne.jp/index.php?2009%C7%AF%20%C1%AA%B3%B0%B0%EC%CD%F7#x23b461e]]等様々な要因がある。 -発売から数週間するとネット上での口コミが広がっていった。 --[[Amazon>http://www.amazon.co.jp/dp/B002CZOW28]]や[[エロゲ批評>http://erogamescape.ddo.jp/~ap2/ero/toukei_kaiseki/game.php?game=12797]]等のレビュー項目では多くのユーザーが高評価を付ける。 --この現象の最たるものは[[某ニュースサイトで取り上げられた事>http://blog.livedoor.jp/insidears/archives/52055133.html]]だろうか。この出来事もまた評価が広がるきっかけの1つになった。 --[[ゲーム雑誌のHPで、超ロングインタビューを試みるところも。>http://news.dengeki.com/elem/000/000/212/212275/]] --しかし、ニッチジャンル故に''ファミ通本誌でレビューすらしてくれなかった''(一応、ファミ通Xboxでは高評価)。この辺りの不遇っぷりは同じく口コミで広まった同年発売の傑作『[[Demon's Souls]]』に似ている。 --その後、ユーザー投票でその年の良作を決めるファミ通アワード2009で優秀賞に選ばれる。この辺の経緯もそっくりである。 -初週1万本で2010年1月には出荷数5万を超えたと言う脅威のジワ売れ。 --一見少なく思えるが、360ソフトは初週に総売上の9割以上を売り上げるのが普通である。まして360のADVゲームは「2万売れれば大ヒット」と言われているので、いかに口コミ評価が凄かったかがわかる。 --結果として発売1ヶ月で売り切れ続出、中古にも出回りにくいという事態に。 **問題点 -ゲーム前半より、以下に列挙する様々な要因から来るハードルの高さから、人を選ぶ傾向がある(そのため、「合う」人であれば下記の大部分は気にならないと思われる)。 --&color(red){''主人公・岡部倫太郎の中二病言動がとにかく痛々しくウザ過ぎる。''} ---自らを「''狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真''」と名乗り、携帯電話を片手に「''―それが運命石の扉(シュタインズゲート)の選択か。エル・プサイ・コングルゥ''」とノリノリで独り言。こんな言動を延々と続けるわけで、ウザさを覚えないわけが無い。 ---しかし、設定面でもテーマ性でも「岡部が中二病である必然性」はしっかり存在する。話が大きく動き出す中盤からは中二病状態で無くなり、最終盤でまた元に戻ってしまうのだが、そこまで彼の物語を追ってきたプレイヤーであればウザさを感じるどころかむしろ「鳳凰院凶真」が格好よくすら見えてしまうだろう。 ---岡部は「物語の最初と最後とでは、振舞いは同じでも印象が変化していく人物」として描かれており、エンディングまで進めればその意味がよく判る。 ---ちなみにシナリオ担当の林直孝氏によると、岡部が中二病なのは本作のテーマの一つが「中二病ってイイじゃん」であり、中二病で世界が救えるという物語を表現したかった為らしい。前述のように終盤はその傾向が顕著に表れている。また、前作『CHAOS;HEAD』には「中二病を捨てて現実を見ようよ」というテーマもあったので、それに対するアンチテーゼも込めているという。 ---岡部以外のキャラもやたらと濃く、「立ち絵のあるモブキャラ」は皆無。いかにもギャルゲ的な女子(''男の娘含む'')が多いのに恋愛沙汰はほとんど無し、と色々な意味でギャルゲーっぽくない。 --過剰とも言えるネットスラング。 ---登場キャラの多くがオタクもしくは匿名掲示板ユーザーであり、人によっては平気でネットの流行語をべらべらしゃべる。その手の言葉に慣れていない人にとっては苦痛。 ---特に橋田至(通称ダル)という岡部の親友は日常的にネットスラングを使い「~だお」とやる夫のような口調で喋るのがデフォ。容姿も典型的な「ピザオタ」である。 --難解な科学知識。 ---文系、下手したら理系の専門外の人間にすら非常にわかりにくい。一応、TIPSでフォローされているがそれでも厳しい。 ---原案の志倉氏、脚本の林氏共に相当勉強したらしく、これでもかと言うほど詰め込まれている。 ---一方で、科学的に考慮不足・説明不足と思われる箇所も存在する。(データの圧縮方法など) --ギャルゲっぽいADVなのにギャルゲっぽくないキャラデザ。 ---本作のキャラデザインを担当したのはMGSシリーズのサブキャラクターデザイン、『ブラック★ロックシューター』などで知られるhuke。独特な目の描き方とテクスチャが特徴。 ---この絵師を選んだのは「もっとユーザーの層を広げたい。いい意味でギャルゲーっぽくしたくない」という意図的なものだったらしい。 -シナリオ面における問題点 --一部回収されていない伏線がある。 ---「90%回収してネット上の議論のためにいくつか回収しなかった」とコメントされているが…。 --設定面で細かい矛盾がちらほらある。例:血縁関係であるはずの人物同士の血液型が合わない((と言っても該当キャラのパーソナルデータは割と適当で、後に修正されていたりする。))、とある方法で過去改変出来るかどうか良く考えると微妙など。 --テキストに若干量の誤字がある。伏線の張り方が秀逸な作品故、シナリオの考察を楽しむプレイヤーからは残念がられた。有料ダウンロードコンテンツを適用する事で(演出強化のついでに)大部分が修正される。 --メインヒロイン2名に比べて、その他サブヒロインたちの描写量が少ない。 ---上記の通り大筋は一本道のシナリオであり、サブヒロインのEDはメインルートから分岐する形になるため、仕方ないと言えば仕方ないのだが。 --トゥルールートに行くのが難しい。 ---メールで分岐するというシステムによる判断の難しさに加え、分岐量も結構多いのでノーヒントではかなりきつい。 ---その一方で、選択次第では1周目からいきなりトゥルールートに行けてしまう。そんな事になってしまったら、諦めてそれが運命石の扉(シュタインズゲート)の選択だったとでも思うしかない。 #region(ストーリー全体に関する軽度のネタバレ) --ややご都合主義の傾向がある上に、やり尽くされている感のあるタイムトラベル・ループジャンルなので、このジャンルに親しんだプレイヤーにとっては、途中でストーリーの展開がある程度まで予想できてしまう。 ---個々の小エピソード内では予想外の展開も多いのだが、メインストーリーに斬新などんでん返しを期待していると、肩透かしを食らうかもしれない。 ---全体的な雰囲気から、洋画の名作「[[バタフライ・エフェクト>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88]]」を思い出す人も多いとか。 //---トゥルーエンドでは、二者択一の究極の選択の状況下に、第三の選択肢をもたらした感がある。 //↑重大なネタバレなのでCO #endregion -システム面の問題点 --オートセーブ、任意セーブ共に個別に削除が不可能なため、特に前者は周回プレイを繰り返すとトゥルーエンドへ向かうフラグを立てた状態なのか、そうでないのかが非常に解りにくい。どうしても消したい場合はXbox360本体の管理画面から一括で削除するしかないが、システムデータとセーブデータは分別されていない為、プレイ時間やクリアフラグ等も全て消える。セーブデータ(記憶)も無かった事にしてはいけないという事なのだろうか。 --メールを返信する際、送信前にキャンセルすることが出来ない。選択肢が複数あるような場合、自分が送る文面を見比べて決めようと思ったら一度送信してからデータをロードしてやり直すしかない。バックログから任意の場所に戻れるようになっているのでそれほどの手間は掛からないが、それでも手間は手間である。 **総評 人によっては「神ゲー」になりえる秀作。 本作は、Ever17のADVゲーム史に残るどんでん返しのような強烈な要素があるわけではなく、全体的に既視感を覚える人も少なくない。~ むしろ、欠点が霞む位の強烈な利点を持っているような作品と違い、致命的な隙の見当たらない完成度の高さが最大の特徴である。~ 総じて''ありきたりな部分を徹底的に突き詰め、完成度を出来る限り上げた''作品と言えるだろう。~ 様々なメディアミックス化が進む中、今後の評価はどう上下するのか。その動向に注目したい。~ **余談 -2010年7月30日にTCG『Lycee』において[[5pb.が参戦>http://www.lycee-tcg.com/release_2010summer_5pb100.html]]。本作も収録作品の中に含まれた。 -2011年4月より本作のTVアニメ版が放送された(BD/DVDも全巻発売済み)。アニメでも岡部倫太郎のあのウザさは健在である。~ さらにTVアニメの後日談となるオリジナルストーリーの劇場版が、2013年4月に公開された。 **移植版 -Windows PC版(発売:ニトロプラス)2010年8月28日 --シナリオは360版とまったく同じだが「グラフィックが無かった脇役キャラに立ち絵CGが用意される」「イベントCGの追加」「新曲を用いたPVを収録」などの演出強化が行われている。 ---これらの演出強化は、以後の移植版すべてに反映されている。 --ただし発売当初は深刻なバグが多数存在していた。その後修正パッチが配布されたが、それでもまだ若干残っている状態である(特にエンディングでヒロインが振り向くシーンでエラー落ちが発生しやすいため、「振り向き落ち」などと呼ばれている)。 --ちなみに360版ユーザーに対しては、360版をWin版と同等にパワーアップさせるDLC「演出強化パック」を有料配信(400MSP)することでフォローがなされた。廉価版「プラチナコレクション」では、最初からこれが適用されている。 -PSP版(発売:角川書店)2011年6月23日 --最初から演出強化がなされている上に、新規OP・ED曲を収録。目立ったバグもない良移植。 -iOS版(発売:5pb)2011年8月25日 --フォーントリガーの操作法がスマートフォン端末向けに変更されており、リアルな操作感覚を味わえる。 --iPad対応版は、タイトルに「HD」がつく別アプリ扱い。 -PS3版(発売:5pb)2012年5月24日 --後述の『比翼恋理のだーりん』PS3版と同時発売。二本組の『STEINS;GATE ダブルパック』も発売された。 -PSVita版(発売:5pb)2013年3月14日 --『比翼恋理のだーりん』PSVita版と同時発売。ダブルパックも発売。 **スピンオフ作品 ***STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん -本編とは別の可能性の世界を舞台とした外伝作品。登場人物の立場が本編と異なっており、コミカルなギャルゲー的ストーリーが展開される。本編の「ファンディスク」という位置づけ。~ 2011年6月16日、Xbox360版発売。その後、PSP、PS3、PSVitaに移植される。 ***STEINS;GATE 変移空間のオクテット -「もし本作が8bitパソコンの時代に作られていたら?」をコンセプトとした外伝作品。グラフィックや音楽は8bitパソコンを思わせるレトロなものであり、当時のADVのようにキーボードからの英単語入力でプレイする。シナリオ内容は本編の後日談。~ 2011年10月28日、Windows PC版発売。 ***STEINS;GATE 線形拘束のフェノグラム -各キャラクターをメインにしたショートシナリオで構成されたオムニバスADV。本編を別角度から補完する描写も多い。~ 2013年4月25日、Xbox360、PS3版発売。 ----
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/4224.html]]に移転しました。''

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: