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ゼビウス」(2013/09/06 (金) 09:13:07) の最新版変更点

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*XEVIOUS 【ぜびうす】 |ジャンル|シューティング|&amazon(B0001D0A1A)| |対応機種|アーケード|~| |販売・開発元|ナムコ|~| |稼働開始日|1983年2月|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 言わずと知れた縦スクロールSTGの金字塔。~ 数々の斬新な試みが行われ、アーケードゲーム業界だけではなく他業界をも巻き込んだムーブメントを起こした。~ メイン開発者は当時ナムコに入社したばかりだった遠藤雅伸氏。~ **ストーリー 古代地球人が作り上げた生体コンピューター「ガンプ」。ガンプは「人類の恒久的な繁栄のために力を尽くす」という目的で作られたのだが、いつの頃からかガンプには自我が芽生え、「自らが人類を管理下に置くことによってのみ、人類の恒久的な繁栄はもたらされる」と考えるようになり、そのための計画を実行に移した。 ガンプは観測された気象データから地球に氷河期が到来することを知り、それを利用して地球から離れた6つの惑星へ人類とガンプのレプリカを移住させる計画を立てた。これには「構造的に成長できなくなったガンプが、後にESP(作中では「ドークト」と呼ばれる)を利用して再統合および能力の拡大をはかること」、「人類を自らに従う者とそうでない者とでふるいにかけ、地球に残った「不適合者」は氷河期を利用して排除する」という2つの目的があった。もっとも不適合者は愚かにも地球のガンプを破壊したものの、レプリカ達のESP攻撃により氷河期を迎えることなく全滅した(と思われていた)。 ガンプ誕生から約1万6千年後。~ 計画は最終段階に達し、あとは地球上で再び再生を果たすことのみ、と思われていたのだが…ここに大きな誤算が生じた。地球に不適合者が生き残っていたのである。ガンプはレプリカの一体が移住を果たした「惑星ゼビウス」から軍隊を差し向けるが、抵抗は激しかった。しかも彼らはガンプに対する知識やゼビウス軍の技術をどこからか入手しており、それを利用して作られたと思われる最新鋭戦闘機「ソルバルウ」はもっとも手を焼く難敵であった。 2012年、南米ペルー。~ かつてガンプが生まれた都市「ビューアム」が存在したこの地域にて、地球軍とゼビウス軍は一進一退の激戦を繰り広げていた…。 **特徴 -全16エリアの縦スクロールシューティング。エンディングはなく、16エリアクリア後は以後7~16エリアを延々と繰り返すループゲー。 -自機「ソルバルウ」は2つの武装を有しており、対空ショット「ザッパー」と対地ショット「ブラスター」を使い分けて敵を狙い撃つ。 --ザッパーは自機前方に真っ直ぐ発射される。本作に耐久のある敵は存在せず、全種一撃で倒すことができる。 --ブラスターは自機前方にロックオンサイトに向けて射出されるが、着弾までに若干のタイムラグがあるため、移動する地上砲台などは先読みして投下する必要がある。また、ブラスターに狙われたことを察知して回避を試みる敵も存在する。 --地上物にロックオンサイトを合わせると赤く光る。''一見何もなさそうに見える場所でも''、というのがポイント。詳しくは後述。 **革新性 本作はSTGのみならず、ゲーム全体に様々な革新的技術を導入した一作である。以下にその革新的な部分をまとめる。 -ストーリー性をSTGに持ち込んだ。 --当時のシューティングゲームはストーリーなどほぼあって無きが如しであった。しかし遠藤氏は「敵はどんな奴で、何の目的があって戦うのか。この2つを含めて、あらゆるゲーム設定に何らかの説明ができるよう根拠を作っておく必要がある」と考え、「ファードラウト・サーガ」と呼ばれる世界観を用意した。 --ファードラウト・サーガは後に遠藤氏によって小説化され、一般書籍としても販売された。「ゼビ語」と呼ばれる特殊言語や自機ショット名に至るまで綿密に用意された設定、それに伴う複雑怪奇なまでの裏設定が満載となっている。 ---継承例:多数 -難易度調整AIを搭載。いわゆるランクゲー。 --一部場面を除いて空中物の出現テーブルがあり、特定の地上物の破壊具合によってパターンが変わる。地上物はスコアに直結するので、無視することはできない。 --理不尽なミスを減らすため、「自機の正面(X軸)からは空中敵は出現しない」「こちらから当たりにいかない限りは、ゲーム開始直後から数十秒はミスにならない様にする」などの配慮もある。 ---継承例:スターフォース(テクモ)、[[バトルガレッガ]](エイティング) -自機の動きに応じて軌道を変える敵 --ちなみに、軌道を変える敵は「有人」、変えない敵には「無人」という設定が用意されており、有人機は体当たり攻撃を行わない。 ---継承例:スターフォース、[[忍者くん 魔城の冒険]](UPL) -ミスした場合そのエリアの始めに戻るが、70%以上突破していた場合は次のエリアからの続行となる。 ---継承例:Varth(カプコン) -ショットの明確な撃ち分け。 --敵を地上物、空中物とで明確に分け『全く違う次元にいる敵と同時に戦闘を繰り広げる』作品といえる。地上にいる敵にザッパーは当たらず、逆に空中の敵をブラスターで落とすことは出来ない。 --『対地・対空二種類の射撃を使い分ける』の初出は横STG「スクランブル」(コナミ・1981年)。ただし「グラディウス」方式なので、対空攻撃で地上物を破壊(あるいはその逆)することができる。 --『全く違う次元にいる敵との戦闘』も「ミッションX」(データイースト・1982年)が初。ただし対地対空の撃ち分けが自動であり、両方向への同時攻撃は出来ない。 ---継承例:[[レイフォース]](タイトー) -「隠しキャラクター」のハシリ。 --「ソル」「スペシャルフラッグ」がそれ。通常見えないが、ソルはロックオンサイトを合わせると赤く光るため索敵が可能。 --遠藤氏は「シューティングゲームで見えないターゲットを出すのはどうなのか?」と先輩たちに詰め寄られ、一旦は「わかりました、じゃあ見えないターゲットはやめます」と答えたのだが、そのまま入れてしまった。スペシャルフラッグがデバッグ時に「バグ」として報告されてしまったためバレてしまったが、製品版でもそのまま登場し、プレイヤー達にも好評であった。 --またキャラクターデータのみ収納されていた「ファントム」「ギャラクシアン」が存在し、こちらは基本的に出現しないのだが各地で目撃情報が寄せられ様々な出し方の噂が流れた。後に「ファントム」は「ガンプの謎」のアイテムキャリアとして登場した。 ---継承例:[[スーパーマリオブラザーズ]](任天堂)ほか多数 -膨大な種類のフィーチャー。及び「カンスト」の意義。 --999万9990点貯まるとスコアが打ち止めとなるカウンターストップ(カンスト)が発生する。ループゲームだったが、カンストが一つの終着点となり、これを達成することが当時のゲーマーのひとつの指標となった。 --正攻法で行った場合約8時間ほどかかる。当時のゲームセンターは風営法による規制がかけられてなかったため24時間営業も可能だった。しかし昼から始めても夜になってしまうため、必然的に早い時間からのプレイ開始を求められた。これは特定の面でループを使って稼ぐことにより短縮可能で、PS版『ナムコミュージアムVOL.2』では最短到達時間を記録できるようになった。 -ただし、プログラムミスのせいで、996万点(標準設定)以降は得点が入るたびに残機が1機増えて(エクステンド)しまう。残機は255機までストックされ、これを超えると0に戻りまた増え続ける((カンストを目指すプレイヤーには、このときのエクステンド音の連続がファンファーレに聞こえるらしい))。この症状はノーエブリ設定に変更することで回避可能。 ---継承例:ライデンファイターズ(セイブ開発)、バトルガレッガ(ライジング)、[[BLAZINGSTAR]](夢工房) -上記に挙げたほかにも、 --デッドコピーをすると素直にDEAD COPYと表示される海賊版対策 ---この対策は海賊版「ゼビオス」を製作したメーカーを相手にした訴訟においての決定打となった。 --色層を犠牲とする代わりに、立体感を表現することに成功したグラフィック --グラデーションや自然色を多用した単色ではない背景 --など、様々な影響を各分野に与えた。 **その他 -なお、本作を語る上で欠かすことのできないだろう「バキュラに256発ザッパーを当てると倒せる」は不可能であることが判明している。 --プログラムを解析すると、敵はソルバルウの弾が当たった瞬間に「Q:今ソルバルウの弾を喰らったのは破壊可能敵か? YES→破壊され、スコアが入る NO→効かない」という判断のみをしているというレポートがある。つまり、「耐久力」という概念は初めから入っていなかったことになる。 --後にバンダイナムコの運営する会員制サイト「バンダイナムコアスクユー」のミニゲームコーナーで、その逸話をネタにしたバキュラを破壊するミニゲームが登場した((『極上パロディウス』(コナミ)では、バキュラそっくりの板「カラー板夫Jr.」が出現し、ご丁寧にも耐久力が256発分になっている。当てると×255などと表示が変わっていくが、バキュラが画面左に消えるまでに256発も当てることは不可能だろう。一部の耐久力16発のやつは破壊可能))。 -「ゲーム音楽のみを扱ったサウンドトラック」が初めて発売された作品である。 --当時の人気テクノバンドYMOがこのゲームのBGMに強い感銘を受けた結果出したものであり、世界的にも初めてのものである。そのためゲームミュージックを語る上では外せない作品となっている。 -ゼビウスの攻略を取り扱った同人誌「ゼビウス1000万点への解法(通称「ゼビ本」)」が有名となった。攻略本などほとんど存在していなかった時代にである。 --↑の執筆者の一人としてもっとも著名な人が、後に『[[ポケットモンスター>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/205.html]]』を生み出す田尻智である。田尻氏はゲームサークル『ゲームフリーク』の設立メンバーの一人で、機関紙「ゲームフリーク」でアーケードゲームの攻略を行っていた。後に「ゲームセンターCX」のインタビューにおいて、この冊子を求め全国から現金書留の封筒が殺到したため、印刷や製本、発送を家族も手伝わせて行ったと語っていた。 ---それほどまでにやりこんでいた田尻氏だが、「実は真のエンディングがある」という偽情報を信じ込みそれを大真面目に広めてしまい、皆から非難轟々を喰らった時期もある。今からすれば笑い話なのだが、当時の「ゼビウス」がいかに人の心を掴んだか、真理に近づこうとあらゆることを試し思いを寄せていた人が多かったか、を物語る出来事と言えよう。 -創元推理文庫から本作のゲームブックが発売されている。遠藤氏含むゼビウスの開発スタッフが直々に関わっており、ソル・バルゥこそ登場しないが世界観は『ファードラウド・サーガ』に基づいて作られている。こちらは「超能力兵士がテレポートで単身ゼビウス星に乗り込み、ガンプのレプリカのひとつを倒しに行く」という内容。 **移植 多岐にわたる機種に移植されており、80年代中期を代表するキラータイトルであった。 -『TINYゼビウス』(電波新聞社:1983年12月発売) --最初に移植を果たしたのは、なんと低価格(低性能)パソコンとして知られたPC-6001版への移植。グラフィックの美しさも売りの一つだったゼビウスに対し、「PC-6001にのみ存在する低解像モードを使用することにより速度を保ち容量も確保」という逆転の発想((MSXにも低解像モードが存在する。TINYゼビウスよりあとだが、『イリーガス エピソードIV』という高速3D迷路ゲームに使用された。))で移植を可能とした。なお、タイトルに「TINY(小さい、劣化)」が付いているのは、その荒い画像からナムコがゼビウスの名前をそのまま使うことを許可しなかったため。 --なんと大本が「当時中学生だったプログラマーの卵が電波新聞社へ持込んだもの」だということも話題になった。なお、本人は実際にゼビウスをプレイしていないという噂もあり、そのせいかマップ構成がかなり違う。 --1年後には、PC-6001mkII専用となる代わりにマップがオリジナルに近づき画像も美しくなった『TINYゼビウスmkII』も発売される。ただし、美しくなったと言っても前作から比べてという意味であり、ナムコはTINYを外すことを許可しなかった。 -X1版(電波新聞社:1984年5月25日発売) --こちらは社内開発で、XE-1(ゼビウススティック)が同梱された。これは後に単独でも発売されるほどの人気となり、後に電波新聞社がFM-7やPC-8001mkIISRにもゼビウスを移植したこともあり、当時のパソコンゲーマー必携のアイテムとなっていた。 ---余談だが、スティックが右側にある独特な仕様なので、慣れないと非常に操作しにくかった。もっとも上下を逆にして左側にスティックを持ってくることも出来た。またいわゆるATARI規格なのだが、FM-7等はATARI端子を持っていなかったため、変換ボードを使ってプリンター端子に繋いでいた。 -FC版(1984年11月8日発売) --移植の関係上、地上絵のカット、アンドアジェネシスが地上に張り付いているが、同時期のパソコン版と違いスクロールは滑らかで非常に遊びやすく、初めて隠しコマンドも実装した。FC初期を代表する大ヒット作となっている。 -『ナムコクラシックコレクションVOL2』 --リバイバル作品としてアーケードで稼働。AC版をほぼ完璧に移植しているほか、大幅アレンジを加えた「ゼビウスアレンジメント」が存在している。 -ニンテンドー3DS版 --『3Dクラシックス』シリーズ第1弾として発売。開発はPS2版『[[怒首領蜂大往生>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/392.html]]』などを手がけたアリカ。アーケード版をほぼ完全に移植(スタート直後の隠しメッセージのみ削除、スコアはちゃんと入る)。3DSの立体視との相性は相当なもの。また、9,999,990点到達のタイムを記録できるようになっているなどやり込みプレイヤーを狙った要素も含まれている。 **続編 -『スーパーゼビウス』(1984年) --後述のFC版とは別物。難易度を上げ、ソルやスペシャルフラッグの配置を一新したマイナーチェンジ版である。破壊するとスコアが0点になってしまう戦車、ファントムが登場した。 -『スーパーゼビウス ガンプの謎』(1986年9月19日発売) --FCで発売された続編。パワーアップの要素を取り入れたり、ステージクリアに条件(ほぼノーヒント)があるなどの新要素が加えられている。十分遊べる出来ではあるのだが、あまり高い評価は受けていない。 -『ゼビウス ファードラウト伝説』(1988年12月23日/1990年6月29日発売) --MSX2版及びPCE版が存在する。両機種版共にオリジナルモードも同時収録している。 --開発はシューティング製作に定評のあったコンパイルが担当。マイナータイトルながら高い評価を得ている。 -『ソルバルウ』 --ポリゴン基板を利用した一人称視点の3Dシューティング。最終的に宇宙に飛んでいき、大気圏外で戦う展開となる。 -『[[ゼビウス3D/G>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1038.html]]』 --こちらについては上記リンク先にて単独記事が存在するので、そちらを参照。 -また、スピンオフ作品として『[[グロブダー>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2478.html]]』(1984年)なるシュ-ティングも存在する。しかし、非常にシビアなゲームバランスのため、「全世界の全てのアーケードゲームでもトップクラスに難しすぎるゲーム」という、ゼビウス関連作品としては不名誉な評価が一般的。 -他にTBS系のバラエティ特番『DOORS2009春』にて本作を移植したアトラクションが1回のみながら登場した。ルールはラストに待ち受けるアンドア・ジェネシスを撃破すればクリアとなる。ただし、操作はチャレンジャーの足で自機を操作するシステムに変更され、そのためかオートショット方式が採用されている。ちなみに、このアトラクションをクリアしたチャレンジャーはお笑いコンビの「響」である。
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