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*迷宮組曲 ミロンの大冒険
【めいきゅうくみきょく みろんのだいぼうけん】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068I0Y)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ハドソン|~|
|発売日|1986年11月13日|~|
|定価|4,900円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
エプシロン星の住人は、ふれあうだけで相手の事を理解するため言葉を持たず、離れた場所への伝達には音楽が使われていた。~
しかし、主人公のミロンにはこの能力が備わっていなかった。彼は、自分と同じ仲間を捜す旅に出ようとする。~
そんなとき、村に危機が訪れる。助けを呼ぶために村長は音楽で伝令を送るが、誰一人答える者がいなかった。ミロンは旅の始めにその理由を調べるため、王女エルシラのいるロクタスの街や向かった。~
街についてミロンが見たものは、楽器を奪われ途方に暮れた住人達だった。~
北に住む魔人が国中の楽器を奪い、王女を捕らえ彼女の住むガーランド城を占拠していたのだ。~
それを見たミロンは、魔人退治をかってでた。そんな彼に、ロクタスの司祭が魔法のシャボンを渡し、楽器の奪還と王女の救出を託す。~
ミロンは、ガーランド城の謎を解き、奪われた楽器を取り戻し、閉じこめられた王女を助け出すことができるだろうか……
//バーチャルコンソールのプロローグからストーリーをまとめました。
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**ゲームシステム
-目的
--ガーランド城を探索し、最上階の4Fでラスボスを倒せばクリア。
--ラスボスの居る部屋に入るためには、水晶・冠・杖というキーアイテムを全て集める必要がある。水晶は全部で7つ存在し、各所のボスを倒すと入手できる。
-主人公の攻撃方法は、シャボン玉。
--玉は斜め上にまっすぐ飛んでいく。↓+攻撃ボタンで、斜め下に飛ばすこともできる。
--真横の敵には攻撃しにくいが、空中や下方の敵は攻撃しやすいという特徴がある。本作では、バウンドしながら移動する敵など、主人公よりやや上方の敵を攻撃する場面が多い。
//--真横の敵への当たり判定は、1ブロック半ほどある。
//--斜めに飛んで来たり、バウンドしたりしてくる敵がいるので、玉が斜めに飛ぶのはその対策ではないだろうか?
-ガーランド城には様々な部屋(ステージ)が存在する。
--一部屋が一ステージに相当し、城の外観を移動する場面にて任意の部屋に入れる。ステージの入り口は扉や窓だけでなく、特定のアイテムで開ける格子や特定のアイテムで壊す壁といったものもある。
---井戸や塔の中といったステージも存在する。
---部屋の中からまた別の部屋に行けるという、ちょっとした入れ子状態のステージもある。
--部屋から外に出るには、ステージ内で鍵と扉を見つけなくてはいけない。
---鍵は一度取ってしまえば、後は出入り自由になる。
-店とアイテムとお金
--城の各所には店があり、お金を払ってアイテムを購入したりできる。
--アイテムを購入するとミロンに特殊能力が追加されるなど、ゲームを有利に進められるようになる。一度購入したアイテムは無くならない。
--お金は特定のブロックを壊すと出現する他、後述のボーナスステージで入手できる。
--基本的にお金は入手できる個数が限られており、一度お金を取ったブロックからは二度とお金は出ない。ボーナスステージを遊べる回数も限られている。また、同じアイテムでも店によっては価格が違ったりする。
--そのためステージ内を探索してお金やボーナスステージを発見することが重要。中盤以降は購入できるアイテムの幅が広がるので、どのアイテムを優先的に買うか、どこの店で買うかといった点で頭を使わされる。
---ただし、無限にお金が取れる部屋が一室だけあるのでそれほどシビアなバランスではない。
-ボーナスステージ
--楽器箱という隠しアイテムを取るとボーナスステージがプレイできる。
--ボーナスステージでは、次々に出現する♯と♪のアイテムを取ってポイントを貯めていく。♭を取ると減点されてしまう。集めたポイントによって所持金がプラスされる。
--ちなみにステージの足場は五線譜。背景には楽器隊が立っており、ボーナスステージのBGMを演奏している。
--楽器箱は通常のステージに1つずつ隠されている。ボーナスステージのBGMは、最初は太鼓が鳴るだけの寂しいものだが、楽器箱を取る度に背景の楽器隊およびBGMの楽器が追加されていき、だんだん豪華なものになっていく。
---楽器は「太鼓・シンバル・チューバ・オカリナ・ハープ・トランペット・バイオリン」の順に増えていき、全て揃うと、七つの楽器によるアンサンブルが聞ける。
-メーカーのシンボルであるハチ助とハニカム(蜂の巣)が隠しアイテムとして登場する。
--全てのステージにそれぞれ1つずつ隠されており、特定箇所にシャボン玉を当てたり特定のブロックを壊すと出現する。
--ハチ助を取ると、敵の攻撃にある程度耐えるバリアが備わる。ハニカムを取るとパワー(=ライフ)の最大値が1増え、パワーが全快する。
--ハチ助は、出現したときのミロンが向いている方向に飛んでいく。そのため通常はミロンから逃げる形になり、追いかけて捕まえるのに苦労しやすい。
--しかし、ミロンの向いている方向に飛んでいく仕様を逆手にとって、シャボン玉を飛ばした直後に後方を向いて、ハチ助をミロンの居る方に飛ばすというテクニックも存在する。
-時間制限はないが、城外に一定時間にいると背景が暗くなり、稲妻の形をしたスパークが襲ってくる。
--スパークは序盤では撃破不可能。二匹目のボスを倒すと手に入る水晶がないと倒せない。
-本作にセーブシステムはなく、当時のアクションゲームの定番だった「コンティニューコマンド入力で続行」方式を採用。
--ゲームオーバーになるとすぐにスタート画面に戻る。ゲーム開始当初はコンティニューはできず、1匹目のボスを倒して水晶を入手すると(水晶の効果で)コンティニューが可能になる。
-周回要素
--ゲームクリア後は、よりハイレベルな次の周回がスタートする。
--実はやり込みゲーマー向けに、真のエンディングが8周目に存在する。この場合、1周クリアするたびに敵の強さがワンランク上がっていくという鬼仕様なので、8周目は敵から受けるダメージが半端じゃない、まさにやり込み垂涎のゲームバランスとなる。
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**長所
-遊び応えのあるアクション。城内を探索してお金など様々なものを発見する楽しさ。
-そのメルヘンチックな童話的世界観に、女性ゲーマーからの人気も得た。
--世界観に合わせたドット絵も秀逸。おもちゃのような敵キャラも多い。
-世界観に合わせた秀逸なBGM。
--本作のBGMが完全収録された2003年発売のファミコン20周年記念サウンドトラックVOL.3のブックレットに掲載された
--高橋名人の特別インタビューに依れば、本作のBGMは音大出身のプログラマーが担当しており、容量の多くをBGMに裂いて、かなりのこだわりを持って作曲していたという。
--このBGM担当者の名は国本剛章。FC黎明期のハドソンBGMを支えていた第一人者で、スターソルジャー、へクター'87、チャレンジャー、忍者ハットリくん、bugってハニー、加トちゃんケンちゃんなど彼が作ったBGMは軒並み高評価である。
-ボーナスステージ
--最初は歯抜けだった曲が、だんだん完成されていく様、楽器が全て揃ったときのボーナス面の曲の聞き応えは一見の価値はあると思う。
#region(ボーナスステージ参考動画)
&youtube(http://www.youtube.com/watch?v=gALG3VPv2nE)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm527642)
#endregion
//-難易度は階ごとに上がっていくので、取っつきやすい。
//-必要なアイテムが揃わないと、次の階へ進むための部屋にボスが出ないようになっている。
//--ちなみに店で売っているアイテムを全て手に入れると、ボスのいる階へのショートカットができてしまう「抜け穴」が存在する。
//---ただ本作はクリアーするために中ボスの落とす水晶全てと王錫+王冠が必須。ゆえに上記の抜け技で大ボスを倒しても、キーアイテム不足で始めからやり直しになってしまう。この辺はしっかりと抜け穴対策がなされている。
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**短所
-とにかくアクションゲームとして難しい。
--ミロンの攻撃は斜め上か斜め下にしか出せない。横にいる敵を倒すには接近しなければいけない。
//--なんとジャンプ下降中はバブル発射不可能。ホバリングを獲得しても移動面でしか恩恵はない。
//↑読み違いでなければ誤った情報?コメントアウトしておきます
--各ボスは攻撃力の高いランダム攻撃を放ってくるためパターン化が難しく、上級者でも完全に安定させるのは難しい。
---最上階を守る3Fのボス「カーマ」の凶悪さは語り草。当時のゲーム雑誌にあった「手ごわいボス」ランキングでも見事にランクインした。
---コンティニュー直後の体力が少ないため、万全の状態で再戦するまでの準備が必要になり、ボス攻略にかかる時間の割合は高い。
--現在のアクションゲームではほぼ常識である「ダメージを受けた時の無敵時間」というのがほとんどない。しかも、ダメージを受けるとなぜかミロンが飛び上がり動きが鈍るという謎動作のため、「被ダメージ時の無敵時間はないが操作不可能時間はある」というわりと過酷な仕様になっている。
---せまい場所で敵と重なったりすると、こちらの攻撃が当たらないので瞬時に死ぬことができる。
//--ボスに有効なバリアアイテム「ハチスケ」は全体で入手できる数が限られ、しかも特殊な捕獲技術が必要。
-アクションに加えて、謎解きもあるため難易度が高い。
--また「迷路の部屋(3F左の塔)」に登場する無限回廊は、抜け方が判りづらい上にノーヒントという酷仕様。
---一応ショップの親父からヒントは聞けるが攻略の助けになる程度で、「迷路の部屋の抜け方」のような肝心な情報は教えてくれない。
//但し、今のゲームと違い、かなりシンプルであるので、最近の凝ったエンディングになれている人が目指すと、多分コントローラーを投げたくなること請け合い。
//もっとも、このころは、アクションであれ、シューティングであれ、延々とステージクリアするループゲームも多いことを考えると、エンディングがあるだけマシだとも言える。
-ラスボスの居るステージでは、ラスボスと全く同じ外見・ほぼ同じ性能の偽者が3匹混じっており、本物のラスボスがどこかにいる。どこに本物がいるかはランダムで、しらみつぶしに倒して回るしかない。
--通り抜ける通路を間違えるとステージの外へ出てしまい、仕切り直しになる。
--本物と偽者の違いは耐久力が異なる点のみ。
-コンティニュー必須の難易度なのに、コンティニューが半ば裏技。入力ミスすると最初からやりなおし。
--ただし、コンティニューの方法は日本版の説明書にはきちんと載っている。
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**その他
-タイトル画面にて、10秒間の連射測定ができる。
--連射測定を行ってからゲームをスタートすると、1回目のボーナスステージの得点に連射測定の連射数が加算される。
--丁度、高橋名人の16連打の話題が真っ盛りの時期でもあった。
--これも高橋名人のアイデアである。プログラマから「若干容量が余ったけど何か入れる?」と提案されてこの機能を入れたそうだ。ハドソンらしい一面は垣間見えるものの存在意義のわかりにくい機能だが、ここでいい点を出すほど金が多く得られるボーナスステージが有利になる。
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**その後の展開・余談
-現在はWiiと3DSのバーチャルコンソールでダウンロードができる。
-ゲームボーイ版『ミロンの迷宮組曲』
--全体的にFC版よりも難易度は易しくなっている。
---FC版同様のコンティニュー機能に加え、パスワードによるゲーム再開機能も追加。ゲームオーバーになると再開用のパスワードが表示されるようになっている。
--新規BGMがいくつか追加されている。
--アイテム確認画面を開いて、現在の所持アイテムを確認できるようになった。
--エンディングの内容が大幅に追加されている。
--周回プレイによる難易度増加は無くなったが、2周クリアするとEDの内容が追加される。
-スーパーファミコンで『ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険』というシリーズ作品が出ているが、ゲーム内容は普通のアクション。
--こちらも秘かにVCで配信している。
-北米版迷宮組曲([[Milon's Secret Castle>http://en.wikipedia.org/wiki/Milon%27s_Secret_Castle]])が発売されたが、そちらは不評だった。
--海外での発売日は日本に遅れること2年。その頃にはゲームの技術進化・ROMの容量充実・バッテリーバックアップの普及などで、相対的に同作品が「陳腐化した作品」として見られてしまった。
--かのAVGNでもロルフ氏に酷評されている。ロルフ曰く、「攻略情報やコンティニューコマンドが説明書に書いておらず、ゲーム雑誌を読みながらのプレイを余儀なくされる」。
---実際、北米版の説明書にはコンティニューコマンドの記載がない(日本版の説明書には書かれている)。また日本では攻略法などの情報が知れ渡る下地があったが、当時のアメリカには子供の定番と言えるゲーム情報源が存在しなかったため、不親切さが際立ったのだろう。上述のロルフ氏のレビューでも、攻略法を知らないと謎解きが総当たりになってしまう点が指摘されていた。
//「説明書に記載されているコマンド」を転記する必要はないものと。
--また、アクションゲームにとっては要らない機能なのか、タイトルの連射測定器機能も削除されている。
//---かのAVGNでも、「ゲーム雑誌がないと攻略困難」と本作を酷評していた(なお迷宮組曲の北米版は日本版よりも劣化した移植作となっている)。
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