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*ロマンシング サガ -ミンストレルソング- 【ろまんしんぐさが みんすとれるそんぐ】 |ジャンル|RPG|&amazon(B0007P51VQ)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2005年4月21日|~| |定価|6,800円(税抜)|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br()2006年5月11日/2,940円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[サガシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/281.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -『[[RS1>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/215.html]]』のリメイク作品。通称「ミンサガ」。フルボイス・3D化に加え、ゲームシステムは歴代サガシリーズの集大成と呼べるものになっており、「ストーリーや設定が同じなだけで他は全く別物の新作」と言える程のアレンジぶりである。 -ロマサガ1は一部で熱烈なファンを獲得したものの、数多いバグ・未完成なイベントなど、荒削りで完成度が高いとは言えない作品であった。本作も従来のサガシリーズと同様に比較的人を選ぶ内容で、慣れると面白くなるというスルメゲーの良い例である。どうしてもシステムに慣れない人がクソゲー扱いするのも今までのサガシリーズと同じ。 -しかし前作『[[アンリミテッド:サガ>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/257.html]]』よりは遥かにシステムのハードルが低く、ゲームバランス的も良好で完成度も高いため、大勢のコアなファンを獲得している。本作をスクエニの最優良リメイクと呼ぶ人も多い。 -リメイク作品の宿命として、「旧作のファン(特に[[懐古厨>http://koty.sakura.ne.jp/index.php?%CD%D1%B8%EC%BD%B8%2F%B0%EC%C8%CC%CD%D1%B8%EC%A1%CA%A4%A2%A1%C1%A4%B5%B9%D4%A1%CB#ra6b0d52]])からの不評」というのが多い。しかしオリジナルとしてもリメイクとしても、本作は新規から懐古厨まで、総じて名作という評価が定まっている。 -ちなみにディレクターの河津秋敏氏は、[[サガフロンティア2]](99年)のアルティマニアのインタビューで「ロマンシングサガ」のリメイクをやりたいと話していた。 ---- **発売前の不評 -しかし、本作は制作発表から発売直前までの評判が最悪で、プレイせずにクソゲー認定する人が多かった。それには次の理由が挙げられる。 ***前作『アンリミテッド:サガ』の影響 -詳細はアンサガの項目にあるが、このゲームがとにかく不親切・不条理・難解なシステムだったため、「ミンサガもひょっとしてそうでは」という先入観を多くの人に持たせた。 -また、サガシリーズのプロデューサー河津秋敏の直近の作品『ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル』も評判が芳しくなく、アンサガ・FFCCに続き本作もクソゲーでは、という不安感が持たれていた。 ***キャラクター -オリジナルのSFC版は小林智美氏がキャラデザを担当しており、ゲーム中はそれを基にしてドット絵が作られていた(なお、小林智美氏は本作でもイメージイラストは担当している)。が、3Dリメイクにあたってキャラデザは一新された。 --オリジナルとはまるで違う新規のキャラデザインがオリジナルのロマサガファンだけでなく、多くのゲームユーザーの非難を浴びた。 ---特に議論を巻き起こしたのは「アルベルトに羽根が生えている」「ホークがジャック・スパロウにしか見えない」「シフに角が生えている」「ガラハドがハゲている」「アイシャの服が裸エプロンみたいだ」等。 ---シフとガラハドは特に酷いという筆頭に上げられ、それぞれ「ツフ」「ガラハゲ」という別名を与えられた始末である((もっともガラハゲという名称は以前からあった))。 ---キャラクターは皆、三頭身にデフォルメされており、気持ち悪いという声があった。 -発表当初はキャラクターデザインは直良有祐となっていたが、最終的にはキャラクターデザインは鈴木康士((元トレジャーのデザイナー。代表作は[[罪と罰 ~地球の継承者~]]や[[斑鳩]]))、アートディレクターは直良有祐と記載されている。 --アルティマニアでの鈴木の発言によれば、開発チーム全員を対象にコンペ形式でデザインを集め、そのアイディアを整理して使っているとの事。つまり、仕上げが直良氏ということであろう。 --結果として、当初の表記に引きずられる形で直良氏は「オナラ」という不名誉な呼び名を冠せられた時期もあった。現在もキャラクターデザイナー表記に関する認知は低い。 --このようなデザインになった大きな要因は、「昔の洋ゲーにあった、どこかいびつな世界観を狙って作った」ことによる。たとえばリガウ島が「江戸+ウエスタンの融合」といったテーマになっているなど。そして世界観にあわせたキャラクターデザインにした結果、こうなったのである。 -また、新キャラ「ダーク」などの存在もオリジナルを汚すのでは、と不評だった。 -遂には「たのみこむ」で「[[キャラデザをSFC版のものに戻せ>http://www.tanomi.com/metoo/naiyou.html?kid=45684&start=150]]」といった活動さえも起こってしまっている。 ---- **発売後の好評 -しかしいざ発売されると、往年のサガシリーズを思わせる設定やセリフ、戦闘の爽快感などの要素が健在で、アンサガの反省もありシステムの説明をゲーム内で随時行うようになった事から、これまでの不評はことごとく覆された。 ***キャラクター -キャラデザの違和感を完全には拭いきれてはいないものの、発売前と比べてキャラデザを批判する声は少なくなった。 --上記にあるように、スタッフが構築した世界観のデザインと、キャラクターデザインが上手く合わさっている事もある。 --一部のキャラは相変わらず不評だが、クローディアやグレイのキャラデザなどは好評である(アイシャは別の意味で好評だが)。 -各キャラクターには非常にマッチした声優が採用されている。新キャラであるダーク・マリーン・海賊シルバー・母ちゃん等はどれも名演技。 --その他、既存のキャラにも、皆口裕子氏・雪野五月氏・小林由美子氏・阪口大助氏・保志総一朗氏といった有名声優が勢揃いしている。 --ナイトハルトだけは棒読みが目立つ配役である(「その他」で後述)。 -追加キャラクター --ダークは既存の設定に矛盾させずに上手くマッチさせており、発売前の不満は全て覆された。特定条件を満たした際の「アルドラエンド」は感涙もの。 ---ダークの声を担当する藤原啓治氏(通称ひろし)の演技も光っており、設定の関係上二つの声色で喋る複雑な役を見事に演じ分けている。 --海賊シルバーはオリジナル版では設定だけの存在だったが、リメイクに伴いプレイアブルキャラクターとなった。 ---ダークと違って事前情報が全くなかったため驚いた人は相当多いだろう。設定や圧倒的な能力値と見た目のギャップが激しく、本作一番の人気を誇る事となった。惜しむらくは何らかの反応を見せて然るべきホークすらリアクションが薄い事と、モーションが汎用味方キャラとのコンパチである事。 --また、ディアナやパトリック等、旧作で仲間にならなかったり期間限定だったキャラが正式に仲間になるのも、多くのファンを喜ばせている。 -イベントムービーのキャラクターのモーションは、キャプチャーを行っているため3頭身とは思えない動きをする(特にバーバラ編で顕著)。 --OPで現れ、酒場にいる吟遊詩人は旧作では「ハオラーン」という名前だったが今作では「吟遊詩人」という名前であり、話しかけると曲と語りを聴くことができ、仲間にもなるようになった。また旧作ではPUBのマスターがやっていた「仲間を主人公のパーティーから抜けるように説得する」ことも彼が行うようになった。 ***ゲームシステム -ゲームシステムはこれまでのサガシリーズ同様、慣れるまでは難しく、慣れると易しくなるという特徴を持つ。 --しかし従来作(特に前作)の不親切さを反省してか、ヘルプメッセージやチュートリアルが従来作は勿論他のRPGと比較しても非常に多く、「システムが理解できない」「ハードルが高い」という事は少なくなった。 --武器や防具の解説、各能力値の効果、現在地の地名や方角、武器の改造方法等、サガシリーズとは思えないほどに徹底されている。 -それまでのシリーズにとって最早恒例と化していたバグや設定ミスなどは、普通にプレイする程度ならまず遭遇しない。バグがない訳ではないが、プレイヤーが意図的に狙わないと遭遇しない等、発生条件が厳しいものが多い。 --ただしバグやボツ要素はいくつかある(その他で後述)。 -マップアビリティの導入。 --前作のスキルシステムが形を変えて継承。これを使う事が前提の仕様になっており、ゲームプレイに深みを与えている。 --本作はシリーズ恒例のシンボルエンカウント。オリジナルを意識したのか敵シンボルの回避が妙に難しいのだが、そこにこのマップアビリティを上手く取り入れる事でそれを打破している。「忍び足」「ステルス」のアビリティを使う事で一定時間こちらを見失わせる事ができ、容易に避けられるし、容易に背後を取って先制攻撃を仕掛けられる。 --ダンジョン攻略にもこのシステムは活かされている。障害物を乗り越えるための「クライミング」「ジャンプ」、敵と交渉してアイテムを入手するための「アイテム交渉」、宝箱の鍵や罠を解除するための「カギ開け」「ワナ解除」、レアアイテムを入手するための「財宝サーチ」等、単に最深部を目指すだけだったダンジョン攻略に彩りが与えられている。 --また、「マップアビリティを使うたびに1ジュエルを入手できる」というメリットもあり、プレイヤーに一方的な制限を掛けるだけのシステムではなくなっている。「使うと便利」「使わないと不便」「使うメリットがある」「有限((ただし回数0でも全員のLPを1消費して(残りLP1になったらもう消費されない)使用は可能。行動系が使えなくなると詰む箇所が存在するためという配慮と思われる。実はジャンプ必須の場所でジャンプを仲間しか習得せずにその仲間が外れてしまうと配慮もむなしく詰みになるのだが))」という事で、実にバランスの取れたシステムになっている。 -やり込みを前提とした作りになっている。この点は評価が分かれるが、多くのユーザーには好評。 --2周目以降にしか出ないキャラ((最速でも3周目にならないと出現しないキャラもいる))やアイテムがあるが、分かっていれば条件はさほど難しくない。分からないと困難ともいうが。 --ちなみに、本作には『イベントをクリアすればするほどジュエル獲得量が上昇する』というシステムがある。イベントをクリアした回数は次周に引き継がれるので、周回を重ねるほどジュエル獲得数が増加し、スキル修得幅が広まるメリットがある。 --その一方で『1周クリアする毎に敵(一部除く)のHPが3%上昇する(上限あり)』というシステムもある。始めは大した事ないと思うかもしれないが、何周も重ねると敵はどんどんタフになっていく。プレイヤーは周を重ねてゲームに慣れていくが、ヌルくはならないわけである。 --ラスボスのサルーインはそのままだと程々の強さだが、2周目以降はディステニィストーンを捧げることで劇的に強くなる。全てのディステニィストーンを捧げた時の強さは、サガ史上最強であることはもちろん、日本RPG史上最強のラスボスとの呼び声も。 ---周回が前提である以上、クリアを難しくては駄目だからであろう。周回を重ねている時には強すぎず、腕試ししたい時には十分過ぎる強さという位置付けのラスボスになっている。実際、クリアするだけなら15~20時間程度と時間があまりかからない。 ---強化前は適度に弱いということで、高速撃破(タイムアタック)やリアルタイムアタック(リセットした時間も記録に含める)を狙う人もいる。強化後を単独で倒す制限プレイをする人もいる。 -セーブシステムの仕様が変化し、ハマりが起こりにくい。 --通常のセーブとクイックセーブ(どこでも行える一時セーブ)という2つのセーブ形式がある。これらは以前のシリーズと同様だが、本作では通常セーブを宿屋でしか行えないようにしている。この仕様変化のおかげで「強敵のまっただ中でセーブしてハマり状態になる」という事態がなくなった(クイックセーブでハマっても宿屋セーブがあればやり直せるため)。 -ゲーム進行度と自由度の高いイベントのシステム。 --イベントをクリアする事でスキル修練に必要なジュエルを多く獲得できる。 ---逆説的に言えば"イベントをクリアしないとジュエルが貯まらない(特に低周回時)"ので旧作に比べてイベント参加を強制させられている、との意見もある。 --このゲームは大量のサブイベントの集合という構成であり、その内でどのイベントをクリアするかほぼ自由。スキル修練が十分ならば、もう他のイベントを進めずにクリアまで一直線に行く事もできる。 --戦闘する事でゲーム進行度が上がり、別のイベントが発生する。しかし、進行度が上がると終了するイベントもあるため、多くのイベントをクリアしたいならばプレイヤーは戦闘回数を抑える必要がある。 ---ただしチュートリアルのギユウ軍でも推奨されているが、マップアビリティが便利なので敵シンボルを回避しやすい。進行スピードは早めだが慣れれば丁度いいと言われる(その慣れが重要なのだが)。 ---また、終了制限があるイベントは中盤で終わり、以降は好きなタイミングでイベントをクリアできる。 ***バトルシステム -新旧様々なシステムを融合させたサガシリーズ集大成と呼ばれるものになっており、プレイヤーからは好評。評判の良い閃きシステム・連携システムも健在である。またそれらの要素の初発動時には「使いなれた武器で強力な敵と戦っていると無意識のうちに体が動いて新しい技をくり出すことがある。これを閃きと呼ぶ!」などと各要素に説明のナレーションが入るようになった。不思議な吟遊詩人の声なので違和感はない。 -技や術を使用するためのポイントとして、「BP」と「EP/LP」の二つのシステムを採用している。 --BP(バトルポイント)は、一般的なRPGのMPや従来のWP/JPのように「最大値までポイントが溜まっていて減ったらアイテムや宿屋で回復する」のではなく、戦闘開始時は一定の割合分しか溜まっていないが、ターン毎に設定された値だけ回復していく。また、最大BPが一定まで成長すると、回復BP値も上がるほか、戦闘開始時の初期BPも連動して増える。 ---大技や有用な術はBP消費が高く、キャラの最大BP値が低い序盤から中盤に使用するには、数ターン待ってBPを溜める必要が生まれる。また、術法も技も一括してBPを消費するため、大技を繰り出したはいいがBPが切れて回復術が使えない、なんて状況もよく起こる。 ---このため、従来のような「ポイントの許す限り大技連発」ではなく、時にはBP消費の低い技でBPを温存するというバランスを取った戦い方が必要となる。 --EPはサガフロ2・アンサガに登場した「武器の耐久度」をアレンジしたシステム。一部の技を使うことで武器のEPが消費され、0になると武器が使用不可能になる。クラスやスキルレベルによってはEPを消費しない状況になる技も多数出てくる。 ---武器を使わない体術・術法については、EPの代わりにキャラのLP(戦闘不能になるごとに減少、0になるとキャラクターが離脱)を消費する必要がある。 ---武器のEPを使いきっても使用不能になるだけで壊れて消滅することはなく、改造武器でなければ宿屋に泊まると回復する。が、基本的にはダンジョン内では回復できないので、BPとは別の意味で使い所を考える必要のあるポイントとなっている。 ---「耐久度制は、攻撃のたびに耐久度を消費したり、武器が壊れるのが嫌だ」という声にもある程度応えたシステムになっている。 -連携システムに大きな変更はないが、前々作から登場した行動順の指定モードが、本作では戦闘中に毎ターン任意で使えるようになったため((サガフロ2ではバトル前に決めた行動順のみ))、連携をより狙いやすくなった。 -武器の改造システムの導入。アンサガとは完全に別のシステムになった。 --改造によって劇的に強力になったり使いやすくなる武器も多々ある。この改造システムの採用により、今までのシリーズだと到底使われないような武器にも日の目が当てられるようになった。 ---例えば、細剣カテゴリの「炎のロッド」は攻撃性能僅か15の貧弱武器。((ただし術具として使えばこれは強力な値))しかし適切な改造を施す事で最強クラスの武器と化す。 --武器の強化は先のEPとも関係があり、装備品改造で武器の「強度」を上げれば、EP消費の高い大技でもEPを全く消費せずに使用することも可能である。 ---ただし、改造した武器は宿屋に泊まってもEPが回復しなくなる。EPの消費を完全に無くすことは難しいため、改造した武器と未改造の武器を使い分ける必要もある。 -ロマサガ2以来とも言える「クラス」の概念を採用。習得したスキルに応じてクラスの認定を受けられ、有利な効果を得ることができる。 -新システムの「無足」「加撃」「奥義」がとても好評。 --「無足」「加撃」は、技が一定確率で別の技に変化するというものであり、命中率や攻撃力の上昇・状態異常の付与・連携しやすくなるといった様々な特典が付く。技によっては攻撃範囲や効果対象まで変化するものもある。これといったデメリットもない。といいたいが「錬気」が「錬気掌」に変化した場合参照能力値が異なることから効果が減るケースが多いらしくその点は不評。 --「奥義」は、上記の「無足」「加撃」が同時に発動した場合に起こるものであり、発生確率はかなり低いものの非常に強力。特に刀技「月影の太刀」の奥義「乱れ雪月花」は美しいグラフィックと圧倒的な破壊力を兼ね揃えた、シリーズお馴染みの技であると同時に(術や敵の技も含めて)本作最強の技である。 -幻日・オーヴァドライヴ・下り飛竜・シヴァトライアングルなど、旧作に登場した技や術も再登場しており、旧作ファンを歓喜させた。 -キャラクターのモーションは手付けで三頭身でありながら、気持ち悪いくらいにリアルに動く。 -バトルの難度は高め。 --シリーズ恒例、モンスターはゲームの進行具合によって徐々に強力なものが出現するようになる。序盤は比較的簡単だが、後半になるとタフな上に一撃でHPの半分を削る(悪けりゃ即死する)ような敵が4、5体出現するようになる。 --また、敵シンボルが密着していると連戦状態になるチェーンバトルというシステムもある。「退却不能」「連戦中はHPが回復しない」「最後に一段強い敵が出現する」という仕様。慣れたプレイヤーでも全滅する危険があるため、緊張感がある。 --敵が多数出ることもあり、全体攻撃が重要である。使いやすいからと全体攻撃に乏しい長剣や体術ばかりをキャラに使用させていると苦労する。 --しかし、敵に対してプレイヤーの対処法は十分用意されており、理不尽な難しさではない。HPも一回の戦闘が終われば全回復し、BPもターンごとに回復しゼロになる心配はないので、上記のように全力で戦うことができる。 ***BGM -オリジナルと同じく伊藤賢治氏が担当したBGMは大好評。「捨てる曲がないゲーム」とまで言われた名曲の数々は、ファンのみならず多くのゲーマーに絶賛された。 --オリジナルに忠実な曲もあれば、大幅にアレンジされた曲もある。もはや原曲とは別物だけどこれはこれでアリ、という評価を受けている(「絶対自由 -Gray-」や「下水道」等)。 --「正義の希望 -Albert-」や「風を感じて -Aisha-」はイントロ部のみ原曲の面影を残しているが、以降は新規。一方、「絶対自由 -Gray-」は全くの新規曲のようでありながら、原曲の旋律が顔を見せるという凝った構成である。 --ゲーム未プレイ者にも知れ渡るほどの人気を得た「熱情の律動」(ミニオン戦BGM)、守護者戦で流れる「邪聖の旋律」やプロモーション曲&対デス戦BGMの「死への招待状」など、名曲を挙げるとキリがない。 ---またフルオーケストラ化された「オープニングタイトル」を筆頭に、リメイクされたBGMも例外なく超絶クオリティを放っていた。特に怒涛の3段ソロが特徴的な最終ボス戦の「決戦!サルーイン」は、ファンのみならず懐古厨からも絶賛の声が上がるほどの凄まじいクオリティを誇っており、プレイヤーを震え上がらせた。 --各市町村で流れる曲は、前々作のように「一つの旋律を複数の曲に渡って多用することで統一感を生み出す」という手法をとっており、これも概ね好評。 --また、オープニングムービーで流れる山崎まさよし氏の「メヌエット」も、世界観に合っているとして大好評だった。当時のスクエニは倖田來未・中島美嘉・宇多田ヒカル等の女性アーティストを多用する傾向にあったのだが、その中での山崎まさよし起用という渋すぎるチョイスは、多くのユーザーを(良い意味で)驚かせた。 -[[「メヌエット」→「オープニングタイトル」の名曲二部構成となっているOP>http://www.nicovideo.jp/watch/sm2256499]]は、演出も相まってPS2RPG屈指の神OPとして評価が高い。 --タイトルロゴの吟遊詩人のマントが世界地図になっているのは意外と知られていない事実。 --反面、旧作のロマサガ3部作のように「オーバーチュア」→「オープニングタイトル」ではないので、それを残念がる声もある。 -これだけのクオリティを放っているにもかかわらず、伊藤賢治氏は本作のサントラにて''「バトルBGMは苦手です」''と謙遜している。 --もちろん、下手なのではなく作曲に時間がかかったり苦労するという意味だろう。反対に悲しい曲は得意らしい。 ---逆に考えれば、苦手だからこそ曲に割く時間をあてているとも考えられるため、必然的に完成度やクオリティが徹底されるのだろう。 ---- **難点 -イベントシーンのスキップはできない。 --フルボイスでイベントが行われるのだが、スキップはできない(一部は可能)。数分かかる長めのイベントはちょっとうっとうしい。 --厳密に言えば、本作には「イベントムービー」と「会話イベント」の2つがあり、前者の方はスキップ可能。会話イベントも大して長くはないが、周回プレイが前提なだけに気になるところ。 -お宝の地図について。 --モンスターが低確率で落とす「お宝の地図」というアイテムがあると財宝を発掘できる。強力な武具やお金を入手できるチャンスでありこの要素自体は好評。お宝の地図でしか入手できない武具もあるが、一部以外は比較的容易に入手できるのでそこまで問題でもない。 --問題なのはその一部。『青の剣』『紅孔雀』という武器はレベル5の地図でしか入手できないのだが、そのレベル5地図をモンスターが落とす条件が大変厳しく、おまけに入手したレベル5地図が青の剣などを発掘できないハズレ地図である場合もある。更にはその二つの武器を発掘できる確率自体が超低確率。紅孔雀(曲刀)はそれ以上に強い武器があるのでまだマシだが、青の剣(大型剣)は同等の攻撃性能を持つ武器が存在しない。大型剣で使える技は高性能なものが多いので誰もが悔しがった。 --現在は地図を落としやすいモンスターや、ピンポイント発掘などの方法が発見されており、青の剣を入手できたプレイヤーは多い。 -バグの存在 --アルベルトとグレイが主人公の場合、とあるイベントをクリアするとグラフィックが変化するのだが、その後戦闘中に一切喋らなくなる((正確には聞き取れないレベルまで音声出力が低下する模様。))。アルベルトに至っては術合成の効果が発揮されなくなる。 --術合成によって付加できる「種族特効」。ゲーム中で表記される種族と実際に特効効果がある種族が全然違う。 --盾を装備している状態でセルフバーニングを使った場合、盾の回避性能がセルフバーニングの回避性能(100%)になり、それでいてセルフバーニングの効果は切れない。これは発生優先度が盾>魔法盾となっている為のバグで、幻日やアンチマジック等他の魔法盾でも同等の現象が起きる。問題点というよりは有益でありがたいバグ。 -武器や防具を補強すると重量が増えるのだが、バグにより内部では重量が減って扱われている。有益である。 --とはいえ、これらの欠点はプレイしていてそれほど気にならない些細なものが多く、おそらくゲームバランス面ではシリーズ一の完成度を誇っていると言えるだろう。 -カメラ回転が手動ではできない。 --ただしこれは、3D酔いするかどうかで欠点か利点かが異なる。次回作[[サガ2秘宝伝説 GODDESS OF DESTINY]]からは手動で動かせる。 -フィールドやダンジョンだけでなく、街でも移動速度が少し遅い。街にモンスターが出るイベントがあるためあまり速くすることはできなかったと思われるが… ---- **その他 -過去のシリーズネタが随所で仕込まれている。 --特にそのネタが帝国首都の図書館に集中しており、その図書館の本の内容はそのシリーズネタから実際の戦闘で役立つ内容、更には物語の裏設定まで書かれているため、ついつい全部読んでしまうくらいとても興味深く面白い。 -リメイク前では全部入手するのは不可能だったディスティニィストーンが、ついに全部集める事ができるようになった(周回と条件が必要だが)。 --オリジナルでは未完成であり、『シェリルのゆびわ』等の名残しかなかった三邪神シェラハ関連のイベントもしっかりと完成されている。 -ガラハドについて。 --SFC版での''「ねんがんの アイスソードを てにいれたぞ!」→「殺してでも うばいとる」''で非常に有名なガラハドだったが、本作ではアイスソードを奪おうとすると戦闘になり、''開幕直後に高威力の「吹雪」でプレイヤーを瞬殺する''恐ろしいキャラと化した。 --また、仲間に引き入れてアイスソードを入手し、そのままガラハドが仲間にいる状態でフレイムタイラントにアイスソードを渡した場合、ガラハドが悲しむ演出が見られる。開発スタッフが頼んで頼んで頼みこんで追加してもらったシーンらしい。 -ナイトハルトというキャラクターの声優・加藤雅也氏の演技が、声質自体は悪くないのだが、どの場面でも抑揚のない喋り方だったため、棒読みという評判が立った。 --ちなみに、加藤雅也という人物は複数いる。1人は『龍が如く』などで声優経験のあるバーニングプロダクション所属の俳優。もう1人は大沢事務所所属の俳優。また、現在は「飛鳥幸一」という芸名で活動している俳優・声優の旧芸名も「加藤雅也」だった。このうち誰が声を担当したか詳細は不明だが、ボイスサンプルを聞いたファンの間では大沢事務所の加藤氏であるという説が有力視されている。 --滑舌もちょっと悪い。「ローザリアいち」が「ローザリアいし」、「来い!」が「ほい!」と聞こえてしまうなど。 --当初こそ批判もあったが、やがて「聞いているうちに病み付きになった」「今となってはあの声以外考えられない」と好意的に受け止めるファンが増え始め、今ではサガらしいとして祭り上げられている。''わざと棒読みを演じている説まであるほど。'' --ナイトハルト自体、「これがわからない」「いくぞー」「シミタゲ」((これはタラール語だが))「今は忘れよう」など、妙に印象的なセリフが多いこともネタとして人気であることの一因。 ---普通のゲームだったらクソゲー要素にあげられるところであるが(例:[[ローグギャラクシー>http://koty.sakura.ne.jp/index.php?2005%C7%AF%20%C2%E7%BE%DE]]、[[グランディアIII>http://koty.sakura.ne.jp/index.php?%A5%B0%A5%E9%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A5%A2III]]など)、このような扱いを受けるのはサガシリーズ所以かもしれない。上記に上げた2作品は全体的に声優が低レベルなのに対し、こちらは全体的に高レベルな中で殿下だけ浮いているゆえとも言われる。 ---なお劇中ではデスとの取引で、仲間キャラクターの死((デスに主人公の最大LPを捧げて生き返りを頼めば復活できるが、頼まないとそのまま))と引き換えに強力な装備を入手できるイベントがある。ここでナイトハルトの生命を捧げることもできるのだが、その後クリスタルパレスに戻ってみると''何事もなく復活していて、また仲間にもできる''。このことから劇中のナイトハルトは''全部影武者じゃないのか?'' とファンの間で噂されている。 //---- //**総評 ---- **余談 -攻略本(アルティマニア)はアンサガのように別売の説明書とは言われていないが、ミンサガのシステムを理解するためには読んでおいて損はない。 --巻末に載っている小説『吟遊詩人は歌う』は作者の作風だがゲームの要素を反映していて面白い。本作のストーリーをなぞったものだが、オリジナルを知っていると小ネタが笑える((例:親友に倒され復活させられ、その後も新しい剣の自慢をしているガラハド等))。 --この本自体にも誤記があり、金のトロイメライにファイナルレターへの閃き派生があるというウソ記述は被害者が多いようだ。 --またアルティマニアのバトルチームのインタビューにて、アンサガの明らかな説明不足を反省点として挙げていたりする。 -オリジナル版経験者は気付く事だが、一部の地名がオリジナルと微妙に違う。ウロがウソに、アロン島がワロン島に、オービルがヨービルになっていたりする。 --実は本作で変更された地名こそ、そもそも考えていた正しい地名。SFC版では容量の制約で一部のカタカナフォントが用意できず、似た語で代用していたらしい。 -月下美人・ギユウ軍のバッヂ・クロスクレイモア等の没アイテムや没会話など、ロマサガシリーズ恒例の没データが今作にも登場する。クロスクレイモアについては攻略本に明記してあるが、その攻略本中には「何度やっても入手できなかった」と書かれている。開発スタッフの設定ミスのために入手できないのでは、と言われているが真相は不明。 ----
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