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*アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 【あるとねりこ せかいのおわりでうたいつづけるしょうじょ】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム(自称・ムスメ調合RPG)|&amazon(B000BV92SO)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンプレスト|~| |開発元|バンプレスト、ガスト|~| |発売日|2006年1月26日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |廉価版|PlayStation2 the Best:2006年12月7日/2,940円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- #contents ---- //未完成です! //ゲーム部分の記述等を追加してみました。 **概要 『アトリエ』シリーズで名を馳せたガストがバンプレストとの共同開発で世に出したRPG。~ イリス三部作などと同様に世界を救うことがストーリーの中心となっている。 ---- **特徴 ''世界観・設定'' -本作の特徴の一つとして挙げられるのが、SFとファンタジーを融合させたような雰囲気を持つ、壮大で緻密な世界観・設定である。 --ガストのサウンドクリエイター兼本シリーズの製作総指揮である土屋暁氏が、在野時代に行っていたTRPGの設定を出発点としている。 -作中の舞台は空中大陸であり、中心には''「アルトネリコ」''と呼ばれる巨大な塔が建っている。合わせて3本が建造され、それぞれが少しずつ異なる世界観を持っている。 --それぞれの塔の物語は『1』~『3』で1つずつ描かれていく。初代となる本作では「ソル・シエール」の世界が描かれる。 -キャラクターの設定も非常に凝っており、特にヒロインの設定は斬新で非常に練られたものになっている。 --ヒロインはいわゆる魔法使いキャラであり、本作では詩を力に換える能力を持つ''「レーヴァテイル」''(以下、RT)という人工生命体(およびそれと人類の子孫)となっている。階層構造の精神世界''「コスモスフィア」''を持つなど多数の固有の設定がある((厳密には、レーヴァテイル・オリジンという種類のRTはコスモスフィアを持たない。))。 ''詩・音楽'' -''本作の最大の特徴ともいえるのが「音楽」に関する部分である。''「詩」が主題のRPGということで、''「ヒュムノス」''と呼ばれる詩が存在している。 -ヒュムノスは、エスニック風の曲調に乗せて''ヒュムノス語''((既存の言語をもじったような人工語))の歌詞が流れるという、かなり独特な中毒性を備えている。ゲーム本編で大掛かりなこと((ラスボスの封印、停止した塔の機能を回復など))をやるためにヒュムノスが謳われ、物語を盛り上げるようになっている。 -音楽とゲームの世界観を結びつけるということは他のRPGでもやられているが、ストーリー上の演出と音響効果とをリンクさせる本作の手法はかなり手が込んでいるといえる。 -ヒュムノスを謳うのは作中のキャラを担当する声優ではなく、本職の歌手。志方あきこ氏、霜月はるか氏、みとせのりこ氏、石橋優子氏の4人が担当している。 ''コスモスフィア'' -ヒロインの精神世界となる''コスモスフィア''(以下、CS)に潜り込み、ヒロインの悩みを解決することで新しい''詩魔法''(魔法)を生み出すことが出来る。 -精神世界ではテキストが中心となって進行し、重要な部分では一枚絵が表示される。階層によって展開は様々で、ギャルゲーのような展開をする層があったり、ヒロインの葛藤が重苦しく描かれたりする。 --深い階層にいくほど「ヒロインの深層心理」になっているため、CSを進めていくとヒロインの汚い面や過激な面が現れてくるのが特徴的である。時には、主人公に対して過激なアプローチをかけてくることも。 -CSをクリアすることで、ヒロインの衣装が入手出来る。衣装を変えることでヒロインの能力を変化させられる。バスローブや着ぐるみなど、ネタ枠もある。 ''フィールド'' -2Dで描かれたフィールドマップで「緑魔法」という魔法を使い、物を凍らせたり、風を起こしたりしながら仕掛けを解いていくのが、探索の中心となる。 -エンカウントはランダム方式だが、画面に表示される「エンカウントバー」が空になると敵が出現しなくなるため、バーを空にしてからじっくりと探索を行うことも可能である((バーを空にするアイテムも存在する。))。 ''戦闘'' -戦闘はコマンド選択式で、前衛3人とRT1人の隊列で行われる。詩魔法の力を溜めるRTを前衛で守りながら戦っていくことになる。 --詩魔法は溜めれば溜めるほど力を増していく。最大レベルまで溜めると演出が派手になり、威力も桁違いなものになる。桁違いすぎて、前衛の攻撃はほぼおまけである。 ''カスタマイズ'' -「グラスノ」と呼ばれる特殊な結晶を使い、様々なカスタマイズが可能。 -「パワード」 --キャラクターの装備にグラスノを取り付けることで、装備の能力を底上げしたり、装備者に属性攻撃などの様々な特殊効果を付与することが出来る。 -「インストール」 --RTにグラスノを取り込ませることで、詩魔法の威力を上昇させたり、状態異常などの効果を付与することが出来る。 ''調合'' -本作では「グラスメルク」という名称がついているが、基本的には『アトリエ』シリーズの錬金術と似たシステムであり、様々なアイテムとグラスノを混ぜることで装備や道具が作成出来る。 --調合に参加したヒロインが作成されたアイテムについてコメントし、独自の名称を提案してくる。 ''その他'' -クリア後に、イベントCGやヒュムノスを鑑賞出来るおまけモードが出現する。 --製作側のコメントもついているので、設定に関する新たな発見も多い。 ''バカゲー要素'' -ストーリーの本線はそれなりに真面目なのだが、設定面の一部やCSなどの寄り道部分にやたらとツッコミどころが用意されている。 --RTという種族固有の設定に、性的な何かをうかがわせるものが散見される。 ---CSへは「ダイブ」という技術を用いて入ることになる。しかし、最初に出るダイブ屋の施設には、連れ込み宿のような怪しい看板がかかっている。 ---RT(女の子)の側から「ダイブして」と頼むのは、慎んだ方が良い行為とされている。 ---音声だけ聞くといかがわしく感じるセリフが多数ある。ヒロインに延命薬を投与する場面にいたっては、一種のプレイにしか見えないことから「問題のシーン」として一部で話題になった。 -上記のCSの過激なイベント、手に入る衣装のコスプレくささ(チャイナドレス、巫女さんなど)もあり、「これなんてエロゲ?」といわれることに。 ---- **評価点 -世界観は非常に作りこまれており、独自の設定に魅入られた人が多い。本編で語られない設定などもある。 --重要な用語は取扱説明書やゲーム中でしっかりと説明されるため、「用語が多くて話が分からない」という事態になりにくい。 --細かい設定についてはメニューの「用語集」でフォローされるため、「もっと細かい部分まで知りたい」というプレイヤーへの配慮もされている。 -エロゲだ何だと言われることが多いが、RTの設定やCSの内容もプレイした人からは好評である。 --人間とRTの間で支配・被支配の関係が出来ている描写、CSで描かれるヒロインの葛藤や汚い一面を主人公と共に乗り越えていく描写は高く評価されている。 -キャラクターが魅力的。CSで内面を徹底的に描かれるヒロインは3人とも多数のファンがついている。 --サブキャラクターも個性的であり、人気が高い。 -本作最大の特徴であるヒュムノスに対する評価は非常に高い。また、作中のBGMも良曲ぞろいである。 --本作独自の言語であるヒュムノス語は文法などもしっかりと作られており、公式側で読み解く手引きがされている。 --「ゲームはプレイしていないが''ヒュムノスコンサート''((ヒュムノスを収録したボーカル曲集のこと))は買い揃えている」という人がいるほどである。 -カスタマイズ要素が豊富なため、自分好みの性能を持ったキャラクターを作り出せる。 --RTの衣装はバリエーションが豊富。能力を重視するも、外見を重視するもプレイヤーの自由である。 -前衛・後衛の一体感を重視し、独自の要素を多数取り入れたバトルは斬新といえる。 --最大レベルまで溜めた詩魔法が、派手な演出と共に敵を一掃する様子は爽快である。 -収集要素や寄り道要素が豊富。 -マップが表示されるため、探索がしやすい。 ---- **批判点(および賛否両論点) -設定は凝っているものの、ストーリー自体は王道なものである。 --「王道だからこそ面白い」という意見と「展開が読めすぎてつまらない」という意見がある。 ---主人公が冒険の末に出した「答え」に関しては、好意的な意見が多い。 -主人公であるライナーへの批判が多い。 --よく批判されるのが、ヒロインの1人であるミシャに対する行い。「幼馴染なのに存在を忘れ去っている」「他のヒロインを救うために見捨てる」など、ひどい仕打ちやデリカシーのない行為が多い。ハーレム物の主人公では割とあることだが。 ---事情がややこしいので「謳ってくれないか」で検索すると分かりやすい。少なくともミシャファンの神経を逆撫でしたのは確かである。 -また、「棒読み気味」「滑舌が気になる」という意見も多い。「『FF12』のオイヨイヨ並」という人もいる。 --「慣れると別に気にならない」「ライナーのキャラをよく表現出来ているので、これで良い」という好意的な意見も多い。 --なお、ライナー役の布施雅英氏は、今では、演技力が向上して、他のアルトネリコ声優陣に引けを取らないレベルに達している。 ---実際、ライナーが外部出演した際には棒読みではなくなっていた。 -全体的にお使いの要素が強く、RPGとしての面白さは並程度。 --頻発する強制移動、パーティメンバーの集合離散など、悪い意味で和製RPGらしい。 -強力な詩魔法やパワードの存在により、戦闘もヌルゲー化しやすい。 -全てのエンディングを見るには周回プレイが必須であるが、引継ぎなどの周回用の要素がない。 --ルート分岐直前のセーブデータを残しておけば多少周回の手間は減るものの、分岐はストーリー序盤で起こるため、再びエンディングを見るまでに時間がかかる。 --ルートが違っても最終的には共通のストーリーとなるため、分岐の面白みが少ない((ルートによってストーリーの違いは多少あるものの、違いは全体の約1/4程度しかない))。 ---ルート分岐の内容を端的に表すと「二手に分かれる仲間達のうち、どちらに付いて行くか」だが、どちらを選んでも両方の過程・結末とも大筋で全く違いが無く、選ばなかった仲間の動きに関しても、説明・描写が不足している。 -全てのヒロインのCSが最深部まで攻略出来る。 --「CSは心の全てをさらけ出す作りになっているため、深い階層に入れるのはRTが心を許した人(恋人)だけ」という設定がある。しかしルートに入ったヒロイン以外も最深部が攻略出来るため、「恋人でもない人の心の全てを見るなんて、ひどくないか」という意見がある。「ライナーは浮気者」という印象を抱いて彼を嫌悪する人も出た。 --「RTの強化につながるんだから、全員出来た方が良い」という意見もある。また、一部のハーレム好きには好評。 -バグやフリーズといった不具合が多い。 --フリーズの頻度には個人差があるものの、「メニュー画面を開いて装備を変えていたらフリーズした」「マップを切り替えたらフリーズした」といった報告が多数あり、こまめなセーブが推奨されている。 --バグは細かいものからゲームの進行に影響を及ぼす危険なものまである。 ---- **総評 ゲームとしてはあまり歯応えのある方ではなく、シナリオも王道的である。~ しかし、特殊で印象的な世界観およびヒュムノスや豊富な寄り道・収集要素、あちこちに漂うネタ要素に魅入られたプレイヤーは多く、本作を高く評価する声も多い。~ ---- **余談 -おまけのCSに『アトリエ』シリーズのキャラが多数登場し、「マルローネ」「エルフィール」の衣装が入手出来るなど、『アトリエ』シリーズファンへのファンサービスが多い。 -ガストが公式で運営しているファンサイト「トウコウスフィア」などを介し、本作世界の裏設定が詳細に語られている。一方で本編ではまともだったラスボスが、クロスメディア展開やトウコウスフィアを通じてどんどん萌えキャラ化していくという、謎の現象が起こった。 -2007年10月に続編である『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』が発売された。 -2008年に発売された『クロスエッジ』に、本作のキャラが登場した。 -上記の布施氏を含むメインキャストの大半が、当時アイドル声優事務所として一時代を築いた「ラムズ」の所属声優である。同社の戦略である「一つの作品を自社声優で固める」というやり方を語る上で、本作が槍玉にあがることも多い。 --その後ラムズがどうなったかは、しかるべきところを参考にしてほしい。 ---- ---- *アルトネリコII 世界に響く少女たちの創造詩 【あるとねりこつー せかいにひびくしょうじょたちのめたふぁりか】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム(自称・ムスメ調合RPG)|&amazon(B000RP5QDO)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ガスト、バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2007年10月25日|~| |定価|7,140円(税込)|~| |備考|PlayStation2 the Best:2008年8月7日/2,940円(税込)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要 『アルトネリコ』三部作の二作目。~ 第二の塔がある「メタ・ファルス」が舞台となり、''「御子」''と呼ばれる特殊な力を持つレーヴァテイル(以下、RT)と共に、~ 新たな大地''「メタファリカ」''の創造を目指す。~ また、本作はRTとの恋愛関係以外にも親子や仲間同士のつながりも描かれ、全体的に「絆」を重視した内容となっている。~ 前作のキャラも多数登場する。 ---- **前作からの変更点 調合やコスモスフィア(以下、CS)といったシステムは継承されており、基本的なスタンスは変わっていない。 ''戦闘'' -今作のバトルは攻撃フェイズと防御フェイズを交互に行う形になった。また、バトルのメンバーも前衛2人にRT2人という配置になり、互いにパートナーのRTを守りながら戦うスタイルになった。 --攻撃フェイズは、方向キーの上下左右に対応した攻撃を繰り出す形になった。上下左右の攻撃にはそれぞれ異なる効果があるため、戦況に応じて使い分けなくてはならない。 ---画面上にはRTの要求を示すグラフがあり、グラフに対応した攻撃を出すことでRTの要求に応えることが出来る。要求を満たすと詩魔法の進化、前衛の攻撃の変化など様々な恩恵を得られる。 --防御フェイズは、表示されるバーが重なり合った瞬間にボタンを押すことで敵の攻撃を防ぐことが出来る。タイミングが正確であるほどダメージを軽減でき、詩魔法の威力も増加する。 -詩魔法も細かい仕様が変化し、青魔法(補助魔法)で溜めた力を赤魔法(攻撃魔法)に還元できるようになった。これにより、防御から攻撃への切り替えがスムーズに行えるようになった。 -前衛にはカットインつきの必殺技が追加された。 -ある条件を満たすことで''「合体詩魔法」''が発動できるようになった。 -''「レプレキア」''という詩魔法が追加され、協力関係にあるに''I.P.D.''((I.P.D.はRTの1種である))を従えて大人数での詠唱が可能になった(ヒロインの一人のみが使える)。最大100人のI.P.D.を従えることが可能であり、詠唱速度が凄まじいレベルで高速化する。 ''I.P.D.保護'' -暴走状態になったI.P.D.を保護し、心を癒すことで冒険に協力してくれるようになった。 -全部で100人のI.P.D.がおり、全員外見や性格などが細かく設定されている。 --「ダイバーズセラピ」 ---保護したI.P.D.にダイブし、会話を繰り返し心を癒す作業。選択肢を選び、規定のポイントまで目盛りを増減させなくてはならない。 --「ムスメパワード」 ---心を癒したI.P.D.の力を借りる(装備する)ことにより、能力の上昇や防御補正などの特殊効果が得られる。前作の「パワード」のようなシステム。 ---同じI.P.D.を装備し続けると、経験値が溜まり付加効果が追加される。 --「クローシェ親衛隊」 ---心を癒したI.P.D.が出す条件を満たすことで、親衛隊に参加してくれるようになる。親衛隊に加わったI.P.D.はレプレキア使用時に詠唱に参加する。 ''デュアルストール'' -「デュアリスノ結晶」という特殊な結晶を浮かべた湯にRTを入れることで、レベルアップや特殊効果の付与が出来る。 -入浴剤や小物を使用することもできる。投入したアイテムとキャラの組み合わせで、イベントが発生することも。媚薬っぽい入浴剤など、明らかに狙ったものもある。 ''コスモスフィアの仕様変更'' -ルートに入ったヒロイン以外のCSは、浅い階層にしかダイブ出来なくなった。 --また、ストーリーの進行に合わせてCSの攻略に制限がかかるようになった((ある程度ストーリーを進めないと深い階層に入れなくなった))。 -バックログや音声再生など、テキストゲームによくある機能も追加された。 -「ママキタボタン」の搭載。CSプレイ中にセレクトボタンを押すことで、画面をダミーのものに切り替えることが出来る。が、''音声はカットできない''。 ''調合'' -調合は主に店で行う形になり、店によって調合出来る物が違うようになった。 --同じレシピでも調合を手伝うヒロインによって完成形が変化するようになった。 ---- **評価点 -前作同様練られた世界観。 --第一の塔とのつながりや三本の塔を含めた世界全体の現状が語られ、前作以上の広がりを見せた世界観に感心したファンは多い。 -前作はストーリーが王道であることに賛否があったが、今作ではその反省を活かし二転三転するストーリーとなった。 --「様々な人物の思惑が交差する中、いがみあっていた人々が最後は大陸創造のために心を一つにしていく」というストーリーは高評価である。 -キャラクターも魅力的なキャラが多く、評価が高い。一部の女性キャラが攻略対象でないことを惜しむ声も多い。 --声優は遊佐浩二氏、沢城みゆき氏、小清水亜美氏など有名どころが担当しており、豪華になった。 --ヒロイン同士の会話も描かれるようになり、ヒロインの描写に関してはさらなる掘り下げに成功している。 --CSもよく出来ており、ヒロインのトラウマ・悩み、主人公に対する愛情や独占欲が印象的に描かれている。 -本作のラスボスは、ルートによってはキャラクターが詳細に描かれること、自分なりの正義感を持っていることから「倒したくないラスボス」と評価するプレイヤーもいる。 -音楽は今作でも非常に評価が高い。ヒュムノス、BGM共に良曲ぞろいである。 --ヒュムノスは前作同様、志方あきこ氏、霜月はるか氏、みとせのりこ氏、石橋優子氏が担当している。また、Dahna氏による男性声のヒュムノスも一部のルートで登場し、「ヒュムノス = 女性声」と思っていたファンを驚かせた。 --ヒュムノスによる演出面も進化しており、場面とヒュムノスの印象づけに成功している。 --ED曲は「2つの歌が合わさり、1つの曲になる」という凝った作りになっており、高い評価を得ている。 -戦闘が前作以上に斬新なものになった。 --「斬新で面白い」「音ゲーっぽさ(音ではなく視認に頼る形なので正確には違う)が作品に合っている」という感想もある。 --前衛に派手な必殺技が追加されたことも好評である。 --レプレキアも「大勢のI.P.D.による大合唱」という規模の大きさで多くのプレイヤーを魅了した。溜めた詩魔法を放ち敵を一掃する爽快感は、今作でも健在である。 --イージーモードに難易度を変更出来るので、苦手なプレイヤーへの配慮もきちんとされている。 -デュアルストールによるRTの育成も斬新である。小物や入浴剤もバリエーションが豊富で凝っている。 --タオルに空気を溜めて遊んだり、ウトウトして溺れかけるなど、ヒロインたちのリアクションもかわいらしいものが多い。 -親衛隊のメンバー集めなど収集・寄り道要素は今作も多い。 -クリア後のおまけでCSや調合などのイベントを再プレイできるようになった。 -今作でも健在のバカゲー要素。 --前作以上に悪ノリしている部分があり、その突き抜けっぷりは高く評価されている。 ---デュアルストールも要するに「お風呂」であり、色々理由だの設定だのを語ってまで(しかも、ゲーム中の重要要素として)ゲームに導入したスタッフの情熱に驚いたプレイヤーが多かった。 ---音声だけ聞くといかがわしいセリフも健在である。 ---ママキタボタンの搭載により、前作以上に「これなんてエロゲ?」と言われることに。 --最強武器が「色々ゴチャ混ぜにしたら出来たやつ」というネタ装備だったことも、多くのプレイヤーを驚かせ笑わせた。''どう見てもガラクタです。''しかも、前作のラスボス考案。 --EDで、ヒロインの「どうして私のことを好きになったの?」という質問に対する回答を選択肢の中から選ばなくてはならないのだが、3つのうち2つがネタ性の高い選択肢だったことも話題となった。 ---- **賛否両論点 -主人公のクロアがやや空気気味。 --今作のストーリーで最も重要なのは「二人の御子の絆」であるため、クロアは後半蚊帳の外気味である。 ---「このくらいが丁度良い」という意見もある。また、一部の百合好きには女性キャラの絆がピックアップされたのが好評だった。 -ヒロインの1人であるルカ。 --序盤では「かわいい幼馴染」として描かれているが、ストーリーの途中で「ネコを被ってクロアを利用していた」ことが発覚する。そのため、「裏切られた」「騙された」と感じるプレイヤーが続出した。 --CS内での描写もきついものが多く、殊に、Lv.7におけるルカの言動は「危険な情事」や「運命の女」といった映画を思い出させるほどの狂気をはらんでいる。しかも、職業上の特技を利用してCSに細工までしていた、 ---ルカのCSを最後まで攻略すると、心の奥底に眠る彼女の本心が語られ上記の件もフォローされるため、ルカを好きなプレイヤーも多い。 ---しかし、最後の最後で自演でとんでもない行動に走ってしまったため、少々興ざめである。 ---こうした内面と外面のギャップ、そして、カウンセリング能力の高さからニコニコ動画では「女流ハンニバルレクター」というタグがついていることが多い。 -調合の仕様の変化。 --店ごとの個性の演出、店主のキャラクターづけには成功しているため肯定的な意見もあるが、移動の面倒さやテンポの悪さを指摘する意見もある。 -前作ネタが多い。特に、ジャクリとスピカによる会話で顕著。 --前作ファンからは「前作を大切にしていて嬉しい」、新規層からは「前作に興味が持てた」と肯定的な感想が出ているが、「疎外感がある」「内輪ネタで盛り上がってて寒い」という否定的な意見も少なくない。 -本作の世界での物語はきちんと完結するものの、EDに次回作をにおわせる描写がある。 --次回作への期待が高まったプレイヤーと、露骨な次回作のにおわせ方に萎えたプレイヤーとで賛否が分かれた。もっとも、メタ・ファルスの物語は完結しており、関わるキャラはせいぜい2名である。 ---- **批判点 -世界観は広がったものの、用語が大量に増えたため、物語や設定の全貌を理解するのが難しくなった。 --用語の説明も、ゲーム内の「用語集」や設定資料集といった関連書籍に任せている節があるため、ゲームをプレイしているだけでは少々分かりにくい。 -ルートに入ったヒロインは中盤に長期にわたってメンバーを離脱するため、「選ばれなかったヒロインの方が一緒にいる時間が長いのはおかしい」という批判が多かった。 --やっと出てきてもわがままに振り回され、ミニゲームに付き合わされるので「せっかく選んだのに嫌いになった」という声も少なくない。 ---ミニゲームもあまり必要性が感じられず、無理矢理ねじ込んだ感が強い。 -前作と同様、全てのエンディングを見るには周回プレイが必須であるが、引継ぎなどの要素はない。 --序盤にルートの分岐があり、最終的には共通のストーリーとなる構成も、前作と同様である。分岐による違いも少ない。 -見ていてキツい描写が多い。 --ヒロイン同士でケンカをする場面があるのだが、その様子が「ぶりっ子してんじゃないわよ!」→「うるさい白豚!」といった口汚い罵り合いであり「女の醜い争い」そのものであったため、「ゲームでこんなもん見たくない」と嫌悪感を示すプレイヤーが続出した。一応、建前を捨てた本音のぶつかり合いだと思えば、真の友好のための儀式とも言える。 ---仲直りのさせ方については、「身分や育った環境が原因で起こったケンカの解決策になっていない」と指摘する声がある。 --ヒロインが町の住人に「死ね」だの何だとの罵倒される場面もある。直後に「御子様頑張れ」と手の平を返すこともあって、「こんな奴ら救いたくない」と住人に悪い印象を抱くプレイヤーも少なくなかった。 -ヒュムノスの演出はよく出来ているが、それ以外の演出部分に詰めの甘さが見られる。 --「幼馴染の母親が敵に攻撃される」「ヒロインが住人に非難される」という場面で、クロアが棒立ちで何もしていないように見えることがよく指摘される。 --回想シーンがまめに入り、ストーリーのテンポを悪くしている。 -グラフィックの出来があまり良くない。部分的には良くなっている所もあるが全体としては前作より劣化している。外注に頼りすぎた結果か出来にムラが目立つ。特にI.P.Dのグラフィックは酷い。 --フィールドはどこが歩けるのか分かりにくい部分がある。特に奥へと続く通路に気付きにくい。 --フィールドグラフィックは劣化ペーパーマリオのごとく一枚の板で出来たオブジェクトで擬似2Dとして構成されている。手抜きにしか見えない。その為設定上は色々なロケーションがあるのに、どこも似た様な場所を走らされている感覚に陥る。 --主人公の走りモーションの出来が悪く、移動も遅いことから「競歩」と言われている。 -戦闘は斬新ではあるものの、細かい部分での不満点が目立つ。 --ムスメパワードや強力な仲間キャラの存在からやはり後半はヌルゲー化しやすい。 --前衛の攻撃性能が低下し、時間をかけて魔法を溜め放つバランスになった。コンセプト上は正しいものの、雑魚戦が毎回長引く結果に。 --その対策が、上記のムスメパワードによる確率で即死効果を付加するというもの。大味。 --後半は必殺技と合体魔法を連発する戦い方が多くなるため、飽きやすい。 --「RTが二人で謳う」というシステムにも関わらず、パーティの出入りが激しくRTが1人しか参加出来ない状況が多い。 --また、RTの性能差を不満に思う声も多い。クローシェにはレプレキア、ジャクリには強力な詩魔法があるのに対し、ルカは何の特殊能力もない。 --一部の敵の攻撃は画面全体がグラフ後と揺れ視認し辛いため、防御の入力がほぼカン頼み。 --処理落ちの発生で、正確に防御したつもりでもタイミングがずれてしまうことがある。 -前作同様、バグやフリーズが多い。 ---- **総評 前作の不満点を多数改善し、さらなる進化を見せた本作。新しく出てきた不満点や詰めの甘い部分も見られるものの、感動的なストーリーや良質な曲による演出から本作を「シリーズで1番好き」と評価する声も多い。前作で多くのプレイヤーを魅了した世界観もさらなる広がりを見せ、完結編への期待を高まらせた。~ 斬新な戦闘システムも本作の設定や雰囲気を活かしたものになっており、評価が高い。~ バカゲー要素はユーザーの予想の斜め上を行くものが多かったため、前作同様好意的に受け取られている。~ 続編の3ではバカゲー要素はさらに悪化し、もういっそ年齢制限版でも作ったほうがしっくりくるかもしれない。 ---- **余談 -今作も「トウコウスフィア」で裏設定が語られている。 -北米ではAr tonelico II: Melody of Metafalicaというタイトルで2009年1月20日に発売された。 -IGNという海外ゲームサイトで2009年の[[Best PlayStation 2 Game>http://bestof.ign.com/2009/ps3/best-playstation-2-game.html]]に選ばれた。 -2010年1月に続編でシリーズ完結作となる『[[アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1890.html]]』が発売された。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/4115.html]]に移転しました。''

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