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*ウィザードリィ外伝I ~女王の受難~ 【うぃざーどりぃがいでん1 じょおうのじゅなん】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|~| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|アスキー|~| |開発元|ゲームスタジオ|~| |発売日|1991年10月1日|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[Wizardryシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1088.html]]''| *概要  初めて携帯機で発売された[[ウィザードリィ>Wizardry]]。また、日本オリジナル作品(通称「和製ウィズ」)の先駆けとなる作品でもある。~  開発元のゲームスタジオはすでに[[FCへの移植>Wizardry(ゲームスタジオ監修版)]]で高評価を得ていたが、それでも「FCより性能が劣るGBでまともなウィズがプレイできるのか!?」と不安の声が上がっていた。~  しかし出来上がりは上々で、それら不安の声を吹き飛ばすことに成功した。 *ストーリー > 精霊神ニルダの加護のもと、古くから繁栄を続けてきた、リルガミン王国。~ リルガミンにはこれまで数々の災いが降りかかってきたが、その度に英雄が現れ、危機を乗り越えてきた。~ しかし、女王アイラスの代において、リルガミンに再び危機が迫ろうとしていた…。~ ~ 女王アイラスの即位から3日後、姉のソークスが突然失踪。~ それ以降リルガミンには災いが降りかかり、王国を守護する神器「ニルダの杖」の加護も失われつつあった。~ さらに追い打ちをかけるように、アイラスの側近である魔法使いタイロッサムがリルガミンに対し造反。~ かつてリルガミンを窮地に追い込んだ魔人ダバルプスの生み出した地下迷宮に身を隠し、魔物を召喚し始めたのだ。~ ~ タイロッサムはアイラスの師ともいえる存在であり、年若い彼女を献身的に支えてきた。その彼による造反は~ アイラスを打ちひしがせるに十分な出来事であったが、女王となった今、泣き言を言うのは許されない。~ アイラスは町にお触れを出し、タイロッサムを倒す勇者を募ることにした。~ ~ かくしてリルガミンには冒険者達が集まり始めた。その中には、かつてリルガミンを襲った災厄に立ち向かった~ 英雄達の子孫もいたのである…。 *特徴 -ウィザードリィは6作目の『Bane of the Cosmic Forge(邦訳「禁断の魔筆」。以下BCFと約す)』において大幅なシステムの刷新が行われたが、その変化は賛否両論あるものであった。本作ではBCF以降ではなく、I~Vのシステムを踏襲し、日本オリジナルのストーリーを展開。これによりBCF以降のシステムになじめないウィズフリークを取り込むことに成功した。 --この作品以降、日本のメーカーが作ったWiz(移植の際にアレンジを加えた作品も含む)は以後「和製ウィズ」と呼ばれるようになった。和製ウィズはアスキー以外のメーカー製のものも含めると、最終的に本家であるナンバリングタイトル(全8作)を上回る作品数となった。 -ハードの性能ゆえか、マップは16×16にサイズが縮小され、画面も白黒。しかし、ウィズの持つ面白さは少しも減じてはいない。 *評価点 -本家Wizに勝るとも劣らないゲームバランスのよさ。武器の攻撃力に関する致命的バグ(後述)はあるが、そのバグがあってもなお絶妙な戦闘バランスが成り立っている。 -ストーリーもWizシリーズの伝統に基づき、最小限のテキストだけでプレイヤーの想像力に任せるスタイルを踏襲。 --NPCキャラクタ―は少数だがキャラが立っており、本家の旧シリーズに比べ若干ではあるがストーリー性が増した。 --後の外伝2では意外なストーリー展開を盛り込み、外伝3はTRPGにおけるキャンペーンシナリオのような方向性がとられた。こういった面に関しても、この作品は国産Wizにおける先駆者といえるだろう。 -「転生の書」が誕生。Wizシリーズ伝統の遊び方である、アイテムコンプリートプレイに実利的側面を設け、同時に他外伝シリーズとのつながりを持たせた。 --「転生の書」でパスワードを取ったキャラクターは、次回作以降で「転生」させることができる。転生すると能力は大幅に下がってしまうが(それでも新規に作ったキャラよりは高い)、名前とクリア時に得られる称号を引き継ぐことができる。 //特に称号は外伝最終作の「ウィザードリィ ディンギル」に至るまで全て引き継げるため、転生を繰り返したキャラには愛着も沸いてくる。 //↑外伝IV以降は外伝I・IIの称号が引き継がれなくなった。 -Wizの特徴である難易度の高さや、一歩一歩進むときの緊張感はちゃんと保持されている。 -「いつでもどこでも遊べる」携帯機と「自動的に逐次セーブされる」Wizの相性が良く、空いた時間に少し遊ぶなど、気軽に遊ぶことができる。そのため据え置き作品よりも中毒性は上がっている。 *問題点・賛否両論点 **高難易度 -戦闘バランスがややきつめ。AC(「アーマークラス」の略。物理攻撃の回避率に影響)にかなりの比重があり、レベルを十分に上げないとなかなか攻撃が当たらない。さらに後述のバグの存在で物理一辺倒では行き詰まる。 --表2Fの麻痺攻撃地獄や表6Fの即死攻撃地獄、裏B1&B6には強敵が目白押し、と敵自体もナンバリングタイトルより強めに設定されている。 -「知恵の泉」イベント攻略まで深層階移動が困難と、エキストラ階層以外の難易度は外伝シリーズで最も高い。 **バグが多い -開発がゲームスタジオということもあり、((ゲームの出来は総じて悪くは無いが、バグが多い作品が多いため。中でもそれが顕著なのがFC版ウィズ3部作である。))大小さまざまなバグが存在する。 --中でも一番大きいのが、「武器のダメージ修正値が機能しない」というバグ。TRPGを下敷きとする本作では、1Hitあたりのダメージが「aDb+c」(b個の目を持ったサイコロをa回振り、その合計にcを足す)という形式で計算される。ところがこのゲームでは、そのcの値が実際の計算時に常に0として計算されてしまう。そのせいで一部の武器の性能の逆転現象が起こり、ゲームバランスに多大な影響を与えている。 ---例えばウィズシリーズで準最強武器として扱われることの多い「カシナートの剣(本作でのダメージは「2D6+10」、つまり1hitあたり12~22Pのダメージ)」は、バグのせいで実際は2~12Pしか与えられない。中級武器で店売りの「ファイアーソード」(ダメージは「2D8+6」プラス動物倍打)の方が敵に与えるダメージが大きくなってしまっている(こちらはバグ込みで2~16P)。 ---ただし、このような一見致命的なバグが存在してもなお、本作では絶妙な戦闘バランスが成立していたことを付記しておく。というのも、開発中はスタッフもバグを認識していなかったため、このバグを前提とした敵能力設定が行われていたのである。また副産物として、このバグのおかげで後半戦における武器攻撃と攻撃魔法の格差が縮まっており、従来作では武器攻撃偏重であったが、本作では魔法が物を言うことも多い。 //(後に有志により修正パッチが発布されており、こちらでは更に高次元な戦闘バランスが成り立っている)。 //↑のパッチはエミュレータ用のもので実機用ではないため、記載すべき事項ではないと思われます。よってCO。 **「バカゲー」要素の消滅 -この作品に限らずアスキー製国産Wiz全般に言えることではあるが、本家シリーズに含まれていたギャグやパロディ的な要素は徹底的に排除されている。 --これは日本でのローカライズ、および雑誌展開で「中世風の硬派なファンタジー」というイメージを押し出していたことが大きい。一連の外伝作品群もその印象を再生産するのに一役買っている。 **システム周りの不備、その他 -今作はオートマッピングが採用され、呪文「デュマピック」でマップを見ることができるようになった。ただし、オートマップ機能を切ることができないため、自力でマッピングする人からは不評の声が。「野外で遊ぶ時に方眼紙にマッピングなんてできるか」という開発からの気遣い、とも取れるのだが…。 --これはコアなプレイヤーの間では賛否両論であったらしく、次回作への希望で一番多かったのは「オートマップのONOFF機能」と「迷宮の線画への切り替え」だった。 *総評  細かいバグは多いが致命的なものはなく(武器のバグも災い転じて福となる結果となった)、「外伝」と謳ってはいるもののウィザードリィの雰囲気を損なうことなく丁寧に作られた作品。~  また、ハック&スラッシュと携帯機との相性が良い点を認識させてくれたゲームでもある。携帯機なので持ち運びが可能&ゲーム機本体を引っ張り出さずともすぐに起動でき、通勤時や寝る前などの空いた時間でサクっと遊べる。そのため元々高い中毒性がさらに増し、据え置きハードで出た作品と同等かそれ以上にのめり込むプレイヤーも現れた。~  本作の出現により、アスキーには「ナンバリングタイトルの良移植」の他に、「既存シリーズのシステムを使った和製ウィズ」という新たな流れが誕生。その流れはプレイヤーの支持を得ることに成功し、アスキーは「ウィザードリィを日本に広めた功労者」としての地位を確固たるものにしていった。 *余談 -本作外伝Iは、『ネザードメイン シナリオ#2』というタイトルで携帯電話向けにアレンジ移植がなされている。 --移植担当は外伝Iを製作したゲームスタジオ(現モバイル・ゲームスタジオ)。大筋は変わらないが、上記のバグを含めた不具合修正などがなされている他、「リルガミン」等権利に関わる語句を変更。また、シナリオ#3([[外伝II>ウィザードリィ外伝II ~古代皇帝の呪い~]]相当のアレンジ移植)も担当している。 --ちなみにネザードメインシナリオ#1は携帯オリジナルシナリオなので当Wikiでは触れないが、興味のある方はプレイして損はない。
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