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*有罪×無罪 【ゆうざいむざい】 |ジャンル|裁判員推理ゲーム|&amazon(B001ULCIC6)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2009年5月21日|~| |価格|4,800円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 -裁判員制度をモチーフにした推理ゲーム。3日に及ぶ裁判にいち裁判員として参加し、裁判中の質問や裁判後の会話で不明点や矛盾点を解き明かしていくことで真相が見えてくる…というシステムをとっている。 -全四章構成で、各話は独立している。裁判官や弁護士・検事は同じ人物が登場するが、各話ごとに主人公とは初対面という設定。 **特徴・評価点 -リアリティ追求を優先し、わざわざ本物の法曹関係者に監修してもらう(元検察および元裁判官だけでなく、現役の弁護士にまで頼んでいる)など、徹底して現実的な演出に拘っている。 --監修のせいか扱う事件も現実で起きかねない、あるいは実際にあったとしか思えないようなものばかりに思えてしまう。シナリオ自体の出来の良さとの相乗効果で逆転裁判シリーズや、『THE 裁判員』とは対照的に強い現実味を、否応なしに感じさせてくれる。 -画風は薄めの劇画調で、人によってかなり好みが分かれるところ。本作の場合、セールス的にはマイナスになってしまったようだが、ともすれば写実的に見えるその絵柄が本作の現実的な雰囲気を強めてくれる。 -法廷ゲームのパイオニアである逆転裁判シリーズと異なり、本作は一本道ではなく、真実と異なる判決を下すこともあるが、ゲームオーバーではなくひとつの結末という形をとる。まさに裁判である。 --ただし、真相とかけ離れた判決を下すと、究明度という数値が下がる。 -個性的でありながらも、常識の範囲を逸脱しない登場人物たち。とくに、井原裁判長や荒牧検事は人気が高い。 --裁判長である井原兼行は生真面目な人物だが、裁判員のひとりである長沼莉緒に「かねゆきちゃん」と呼ばれてしまい、困る描写がある。しかし、のちにさらっと、「りおちゃん」と返すユーモアを見せる。ラスト近くで見せる存在感に惚れた人も多い。 ---スタッフの間でも人気だったのか、公式サイトのコラムはこの人の担当(という設定)になっている。 --荒牧検事は、相手を追求する際の口癖「おかしいじゃない!」が、彼には不釣り合いなお姉言葉の妙なインパクトのせいで人気となった。AAまで存在する。 -絵・内容ともにかなり硬派なゲーム。地名等も、細部は架空のものだが、区名などは実在のものを使用しており、舞台・時代・法律も完全に現代日本をベースにしており、徹底してリアルなのが分かる。 -最終章の展開は、多くのプレイヤーの予想の上を行った。物語のテンプレートを見慣れている人ほど、むしろ罠に陥りやすいかもしれない。 #region(超ネタばれ) 「被告人はつらい過去を持ち、妹思いの良い兄だから無罪に違いない」と考えたプレイヤーも多いようだが、実際にはしっかり殺している。むしろ「妹思いだったから殺した」のだが、単純に考えていると引っ掛かりやすいようだ。 -二人の人間を殺した罪に問われていたのだが、真相は「一人は殺していたが、もう一人は殺していない(既に別の人が殺していた)」、つまり「片方は有罪でもう片方は無罪」。~ タイトルの『有罪×無罪』とはこのことを指しているのではないか、とも言われている。……もちろん、一人殺した時点で総合的には有罪なのだが。 --同情の余地も多いがそれでも罪は罪であり、しかも「罪状を否認している=反省していない」ということで、決して軽い刑には収まらない。そういったどこかやるせない、物悲しさを残しつつ本作は幕を閉じる。 --''…………と、思われた。'' //被告は実際殺人犯である。しかもガチ脳筋DQN。「つらい過去を持ち、妹思いの兄だからいいやつ(冤罪)だろう」という、プレイヤー心理の裏をついている。 //-まぁ、一言で言えば「妹思いの兄が仇を討った」わけで、後味はあまり良くないものの決して超展開というわけではない。……少なくともこの点に関しては。 //--ただし、本作が法廷ものであることを忘れてはいけない。どんな理由があろうと違法なのだ。 #endregion --また、最後の真相は、下手なホラーよりぞっとすると評判。 ---ファミ通に載ったインタビューによると、当初から想定された展開ではなく、ライターの暴走だったらしい。しかし、これによって最後の最後にプレイヤーに対して凄まじいインパクトを与えたことを考えると、これはこれで良かったのだろう。 ---あまりのアレさに、あるバッドエンドを支持する人まで出るほど。 #region(超ネタばれ) 通称「相討ちエンド」。無罪となり放たれた被告が、すべての元凶と刺し違える。続編があるなら、このすべての元凶を極刑にしたいという声も多数。 #endregion **問題点 -とにかくテンポが悪いのが最大の問題点。 --裁判員は一生に一度なるかどうかというものなので、主人公は毎回別人という体裁をとっている。このため、すでに見た裁判における権利や義務について、毎回説明される。 --「文章を読む」シーンが多く、そして長い。検事や弁護士ではなく裁判員である以上当然なのだが、裁判に介入するシーンはほとんどなく、唯一の介入点である証人への質問も一部例外を除けば他人任せで問題ない。裁判が終わり審議に入るとゲーム要素が強くなるのだが、それまでは非常に受動的。 --裁判のリアリティを増すため、回りくどい発言や専門用語が頻発する。リアルではあるが、面倒でもある。 --文字スキップが遅く、操作も割と不便で、さらにセーブのスロットも1個のみ。 ---これらが相まって、なかなかに苦痛である。 -シナリオが良質なため、一字一句よく見て読まないと気付けないレベルだが、実は人物の台詞回しなどに細かい粗がある。他の裁判員だけでなく、よりにもよって話を引っ張るべき立場の主人公までもが裁判の内容の一部を聞き逃したかのような発言をすることも。 -薄めの劇画調は好みが分かれると言ったが、そもそも劇画調としてもあまり上手くない…。 -他の裁判員や裁判官が、いち裁判員である主人公におんぶにだっこになってしまう。ただし、ゲームである以上、空気主人公でも困るので、難しいところではある。 --また、裁判員の議論で分かった新事実について、裁判では弁護士も検事も一切触れない。同じ事を二度聞かなければならない面倒さを回避したのであろうが、リアリティはない。 -四章の冒頭で井原裁判長からされる、ある質問に意味がない。 #region(ネタばれ) 「死刑の量刑を下せるか?」というもの。しかし、実際のこの話の判決ではどうやっても死刑は採用されない。というか、このゲーム全体でも死刑が採用されることはない。 -裁判に纏わる雑談は他にも多く存在し、その1つと考える事はできる。だが、雑談でするには少々重い話と言えるだろう。 --ゲーム全体を通せば4話は最終話であり、その盛り上がりを煽るためなのだろう。しかし、前述の通り「主人公は毎回別人」と言う体裁を取っているため不自然さが大きくなってしまっている。 #endregion -毎回必ず、裁判員の中に最初から有罪と決めてかかる頑固なキャラや、本筋と関係ない私語をやたらと語るキャラがいる。主人公が真相をつきとめたら結局同調するのだが。 --前者は、逮捕・起訴されただけでイコール有罪と見てしまう、現実の風潮への皮肉と取れなくもない。 -四話の証人に対するある質問がさんざんピックアップされる割に、真相解明に全然必要ない。というか、最終日には放置される(現実には、大切だと思っていた情報が実はそうでもなかった、というのはある話なのではあるが…)。 -ハマりがある。二話で被告人に「(クレジットカードで)自分のために何を買ったのか」について質問をしていないと、無限ループに陥る。 ※ネタバレだが重要情報なので、隠さずに掲載。 **総評 -問題点もかなりあげることとなったが、推理物という性質上、評価点を語りたくても多くを語れないだけでしかなく、良作であると考えていただければ幸いである。 **余談 本作の約二年前に発売された『[[逆転裁判4>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/293.html]]』が、裁判員制度を扱った挙句&bold(){やらかして}しまい、「裁判員制度はゲームにならない」という先入観を与え、本作と裁判員もののもうひとつの良作『[[THE 裁判員>SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~]]』はセールス的に苦戦することとなった。
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