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*ゼノブレイド
【ぜのぶれいど】
|ジャンル|RPG|&amazon(B003I4EBBO)|
|対応機種|Wii|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|モノリスソフト|~|
|発売日|2010年6月10日|~|
|定価|6,800円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ゼノシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1096.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**あらすじ
巨神と機神、天を衝く二柱の神は互いの全てを賭けて戦い、やがて相討ち、骸となった。~
それから長い月日が流れ、神々の骸の上に生命が誕生した。~
巨神界に住むホムス(人間)族は機神界からやってきた機械生命体、機神兵の侵攻を受けていた。~
機神兵は見境なく殺戮を繰り広げ、ホムスは存亡の危機に立たされた。~
しかしホムスは英雄ダンバンと彼の持つ神剣モナドの力によって機神兵を追い払い、危機は去った。~
それから一年。神剣モナドは先年の戦いで負傷したダンバンの手を離れ、研究施設に保管されていた。~
主人公シュルクはそこでモナドの力の秘密を解き明かそうと日夜研究を重ねていた。~
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**概要
ゼノシリーズ5作目。タイトルにゼノの名を冠しているが『[[ゼノギアス]]』とも『[[ゼノサーガ>ゼノサーガI・II]]』とも設定的・世界観的な関係はまったくない(共通しているのは、用語「エーテル」とジャンプモーションが『ゼノギアス』と同じという地味なファンサービスくらい)。~
ゲームデザインはわかりやすくいえばメインシナリオのついた一人用MMORPG(『[[Oblivion>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/454.html]]』や『[[FF12>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/300.html]]』のような物)。
近年のゼノサーガシリーズの悪評や、『ゼノギアス』、『ゼノサーガ』と全く関係のない話ということからシリーズファンからの前評判はあまりよくなかった。((もっとも『ゼノギアス』はスクウェア・エニックス、『ゼノサーガ』はバンダイナムコゲームスに版権があるため下手に関連付けさせることができないという事情があるのだが。))
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**世界観
-巨神と機神、天を貫く巨大な二つの神の骸の上に世界が広がっているという、ぶっ飛んだ世界観が特徴。
--地域ごとに神の脚や背中、腕といった部位を表現するコンセプトが設定されている。そのため上にあたる地域から崖を見下ろすと下の地域の遠景が見えたりする。
--目を見張る異質さだけでなく量的にもぶっ飛んだ世界で、とんでもなく広い。最初の街「コロニー9」の周辺の地図を埋めるだけでも初見では一日がかりである。
---その「コロニー9」の次に訪れる「巨神脚」はその倍近く広いと、まずボリュームのインパクトだけでプレイヤーを驚かせてくれる。
---しかしイベント中以外はいつでもメニューで各所のランドマーク(ワープポイント)へ瞬時に移動できるため移動にかかるストレスは最小限。またパーティーより弱い敵なら相手が何もしてこないので無視して横切ることが可能。
-美しい景観や奇景が豊富で内容的にも設定的にも飽きさせない。
--茫洋たる水面の広がりや不思議な色合いが美しい「エルト海」、二層構造の起伏と滝や川のパノラマが目を見張る「巨神脚」、昼には沼気、夜には仄かな光がたなびく神秘的な「燐光の地ザトール」といった個性的かつ美麗な舞台に事欠かない。
--昼夜や天候の概念がある。時間帯によって活動するNPCや入手しやすいアイテムが変わり、特定の天候でしか出現しないモンスターなどもいる。
--天候は雨や晴れだけでなく、場所によっては熱波や流星群といった一風変わった天気になることも。グラフィック的な変化も大きいため、初めて見たときに感動したという声も。
-これらの広大なマップの目視できる部分の大半は何らかの方法で移動することができ、柵などもジャンプで飛び越えることができる。不自然な通行止めやどうみても歩けそうなのに侵入することができない部分がほとんどない。
--高い場所から飛び降りることも、場違いにレベルの高いモンスターの巣窟に序盤から侵入することにも制限はない。移動の自由度はきわめて高い。ただし、着地点が水場でないと高所から転落した場合大ダメージを受ける。
--もちろん極端に高い所から落下すると死亡する。しかしこのゲームのシステム上、ただランドマーク(ワープポイント)に戻されるだけである。ゆえに落下を気にしすぎて探索の妨げになる事はなく、気軽に探索が可能になっている。場合によっては称号までもらえちゃったりする。
--落下時のダメージは自然回復するので、それまでに敵に出会わない限りは特に問題はない。ショートカットや新しい場所の発見などに、思い切って飛び降りてみるといった手段もある。
-外見だけでなく構造的な意味でもマップデザインの完成度は高い。
--高所の麓にはほぼ確実に水場がある。そのため高所から水場に飛び降りればノーダメージで麓へ移動できる。
--他の地域に比べてもひときわ広大かつ、ほとんどの場所が移動速度が下がる水域のエルト海にはご丁寧にもワープ施設がいくつも設置されている。
--場違いに強力なモンスターが徘徊している場所の近くには大抵別の安全な回り道がある。
--わかりづらい死角に洞窟があったり、思いもよらないルートからしか行けない場所があったりするため探索心に火をつける。そういったところにレアなコレクションアイテムが落ちていたりユニークモンスター(ボス並に強い雑魚)がいたりする。
--これだけのスケールと完成度を誇っていながらロードはフィールド間を移動した時だけである。しかも情報量に不釣り合いなほどロード時間は短い。
-雑魚モンスターも無造作に配置されているわけではない。
--実は設定に基づいた固有の生活習慣を始めとした特殊な行動が存在する。特にターキン族などの亜人種はよく観察してみよう、意外とおもしろい事実が見えてくる。
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**戦闘システム
-戦闘システムは戦術性に富むとして好評、画面切り替えがなくシームレスに戦闘シーンに突入するのでテンポも快適。
-本作の戦闘はフィールド探索と一体であり、フィールド上の敵に対してターゲッティングし、攻撃を仕掛けることで戦いに挑むことができる。また好戦的な敵はプレイヤーキャラを認識すると襲いかかってくる。
--逆にいえばそれ以外の条件で戦闘に入ることはない。敵に触れようがぶつかろうがどちらかに戦う意思がない限り戦闘は発生しない。
--モンスターによってプレイヤーキャラの認識手段が違う(聴覚、視覚、エーテル(魔力)感知などといったふうに)。これを利用して聴覚型に対しては静かに歩く、視覚型に対しては死角を進むといったふうに戦闘回避ができる。本作は序盤からいける場所でも一部高レベルモンスターがうろついているためこのようなテクニックが役に立つ。
--高レベルのモンスターが混ざっている地域を進むにも見つからないように進むといった緊張感もあり、逃げるときは本当に全力疾走でその場を離れる。なのでフィールドや敵の存在感がじつにリアルに伝わってくる。
-ゼノシリーズ初のリアルタイム戦闘で、おおよその要素は自動化されている。たとえば操作キャラ以外はAIに従って勝手に戦ってくれる。操作キャラも通常攻撃は自動で行ってくれる。
--こうして書くとあまり爽快感がなさそうに思えるし、戦術性も低いように見えるが、それは全く逆である。
--プレイヤーは敵や味方の行動に気を配りながら、味方のテンションを維持し、パーティゲージ(士気)を溜め、位置取りやヘイトを調整しながらアーツ(技)を交えることに気を配ることになる。
---ヘイトとは敵からの攻撃優先度で、敵に対して攻撃を仕掛けたり敵が攻撃している相手を回復したキャラはヘイトが上がる。わざとヘイトを上げる技や下げる技もある。ヘイトが一番高くなっているキャラは赤い印がつく。
---つまり打たれ強いキャラのヘイトを高めて囮役にしたり、ヘイトを溜めた仲間が相手をしている隙に敵の背中に回り込んで強力な技を食らわせるといった戦術ができる。
--アーツの中には側面や背面を攻撃した時に追加効果が出たり、自分や仲間のヘイトを調整する技もある。
---アーツの中でも敵を転倒させる技は特に重要。相手を転倒させるにはその前に敵を「崩し」状態にする必要がある、その後に「転倒」状態にさせる技を使うことで相手が転ぶ。さらに転倒している敵を「気絶」させる技もある。
---転倒、気絶中は相手の回避率が0になり、更にクリティカル時のダメージが上がり、パーティゲージが上がりやすくなる。
---物語中の主な敵である機神兵はモナドを手に入れるまでは転倒させなければダメージを与えられないため、要領よく転倒させることが必要である。
--テンションとはキャラクターの士気で、高いと攻撃がクリティカルになりやすくなり、低いと攻撃が当たりにくくなる。キャラクターごとに割り当てられ、気絶状態になったりすると大幅に下がり、キズナアクション(後述)に成功すると上昇する。
--キズナアクションとは戦闘開始時(抜刀キズナ)、味方がクリティカルやミスを出した時(突発キズナ)に発生するサークルのこと。サークルが水色の領域に重なったときにBを押すと成功する。
---抜刀キズナに成功すると味方全員のテンションが上がる。抜刀キズナは相手から攻撃を仕掛けてきた場合発生しない。
---突発キズナに成功するとクリティカルなどを出したキャラクターのテンションが上昇し、パーティゲージ(後述)も上昇する。
--パーティゲージとはいわゆる連携技ゲージである。ただしチェインアタック(連携技)だけでなく、戦闘不能状態の味方を蘇生させたり、危機回避時に味方に指示を出すためにもゲージを消費する。
---このため相手によってチェインアタックを叩き込むか、回復や危機回避に備えて溜めておくかの判断力が必要となる。
-特筆すべきは未来視(ビジョン)のシステム。
--戦闘中に、突然敵が強力な攻撃を仕掛けてきてパーティーが壊滅する映像が現れることがある。これはもうすぐそうなる、という未来を神剣モナドが教えているのである。
---しかしこの未来は回避可能な未来である。敵が攻撃する前に転倒させたり、あるいは味方に防御効果をつけたり、ヘイトを変化させターゲットを免れたりすることで破滅的な未来を阻止できる。
---未来を阻止すると味方のテンションが大幅に上がり、戦闘曲まで非常に勇壮なものに変わりプレイヤーのテンションまで上がる。演出とシステムが合致したとても優秀なシステムであるといえる。また定められた未来を変えるというのは本作のテーマでもある。
---また、未来視はアイテムを入手した場合にも適用され、クエストクリアに必要なものかどうかがわかるようになっている。
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**その他のシステム
-キズナシステム
--仲間やNPCとの関係を築き上げるシステム。
--仲間と街のNPCとで好感度の上げ方やメリットは違うが、いずれもイベント面での変化だけでなくパーティーを強くするのに役立てるようになっている。
---仲間の場合は連携技(チェインアタック)を成功させたり、ピンチ時に応援したり、アイテムを贈り物にすることで好感度を上げられる。
---仲間との好感度が高いと、なんと仲間の覚えているスキルを他の仲間につけることができる。そのため明らかな後衛キャラに重装備をつけたりと多彩な戦術を考えることができる。
--NPCの場合はクエストを受けて達成したり、何度も話しかけたり、アイテムを交換するときに価値の高いものを交換してあげると好感度が上がる。
---NPCとの好感度を上げれば新しいクエストを受けられるようになったり、アイテムを交換するときにより価値の高いものを交換してくれるようになる。
--キズナグラムという、この世界の名ありNPCたちの人間関係と好感度が網羅された図がオプションで表示できるが、数十人規模の広がりと繋がりであり、彼らの名前を埋めたり、NPC同士の関係を依頼の結果によって繋ぎ合わせて、最終的にNPC同士が幾つもの絆の線で結ばれた図は実に壮観。
-アイテム交換
--街の人とアイテムを交換できるシステム。
---大量にアイテムを拾うゲームであるため、いらないアイテムも必然的に多くなる、しかし交換システムや仲間への贈り物といった要素でいらないアイテムも有効活用できるようになっている。
---採取系のクエストなどでは時には入手しにくいアイテムを集める必要もでてくるが、そういう場合は街の人からそのアイテムを交換してもらえば楽に収集ができる。
---交換でしか手に入らないアイテムもあるのでアイテムコンプリートや装備の強化には欠かせないシステムである。
-ヘルプ機能
--次の目的地を知るためのヘルプ「ストーリーメモ」はもちろん、戦闘中の状態変化や特別なシステム発動時、クエスト目的更新時などにヘルプ確認の表示が現れ、そのときに+ボタンを押すとその場で詳細を確認できる。システムをド忘れしたときや知りたいとき、その場でのクエストの確認にとても便利。
--各システム面のヘルプも、単なる説明文ではなくキャラクター同士が会話しているような文章で楽しく、画像付きで親切。これだけでもなかなか読み応えがある。
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**シナリオ
-メインシナリオは王道的でわかりやすく、熱いものとなっている。
--しかし決して陳腐なものではなく適度に謎や伏線を残しつつ、残酷な展開、意外性のある描写をところどころに交えているため終始プレイヤーの気を惹かせるものとなっている。
--中盤以降、世界の仕組みが徐々に暴露され、それに抗っていく展開は『ゼノギアス』を踏襲したものになっているが『ゼノギアス』と違いとても理解しやすい描写になっている。間口の広さという意味では多くの人に勧められる。
---その分、『ゼノギアス』の特徴であった哲学的なテーマや複雑に絡み合った濃い人物関係などは少なくなっている。古参のファンの中にそれを残念がる人もいるのは確か。
-シナリオライターは『ゼノギアス』、『ゼノサーガ』に引き続き高橋哲哉。『ゼノサーガエピソードII』以降のような一線引いた立場ではなく、総監督として原案から執筆まで全面的に手掛けている。更にアニメ版ゼノサーガ、『[[ゼノサーガI・II]]』の脚本家であった竹田裕一郎と共同執筆であり、『[[FOREVER BLUE 海の呼び声]]』の服部由里絵もシナリオ協力として参加している。完成度の高いシナリオは、この実力派脚本家陣の手腕が遺憾なく発揮された賜物だろう。
-キャラクターの評価も高い。一人一人に見せ場がちゃんと用意され、それぞれキャラもきちんと立っていて不快感を感じない。
#region(パーティキャラクター ※ネタバレあり)
-''シュルク''
--主人公。序盤のイベント後神剣「モナド」を振るう。技術探求に余念がない根っからの学者肌で、身体を動かすのはやや苦手。性格は温和で誠実、だがどんな敵にも恐れず立ち向かうという勇敢さも兼ね備えている。悩みや苦しみを抱え込む傾向があり、仲間に度々心配される。&br();戦闘では攻撃、モナドアーツによるサポートどちらもこなせる万能型。敵の横や背後から攻撃すると効果が上昇する技を多数所持している。機神兵にまともに攻撃ができる数少ないキャラ。
-''ライン''
--シュルクの親友。性格から何から全くシュルクの正反対であるのだが、彼とは非常に仲が良い。感情豊かでワイルドな性格をしている。考えるより先に行動するタイプで、情熱的な性格を象徴するかのような赤毛が特徴。&br();高いHPとヘイトを稼ぐアーツを多数所持する典型的な盾役で、ヘイトを稼ぐことに関しては彼の右に出るキャラクターはいない。攻撃力はそれほど高くないのだが、その卓越した盾役としての能力は戦いを安定させるのに非常に役立つ。
-''フィオルン''
--シュルクやラインの幼なじみで「コロニー9の英雄」ダンバンの妹。シュルクに好意を抱いており、両想い同然となっているが、恋愛関係にまでは至っていない。序盤のイベントで離脱するが中盤で復帰する。&br();彼女の武装は離脱前、復帰後ともに二刀流。復帰後はシュルク顔負けの超絶物理アタッカーとなる。機神兵に攻撃が効く数少ないキャラでもある。後述のダンバンとは違いこちらは手数で押すタイプで、ヘイトを獲得してしまっても高い素早さである程度回避出来てしまう。
-''ダンバン''
--一年前の機神兵との大戦でモナドを操り、巨神界を機神兵から守った英雄。本来モナドを所持する資格はない。彼の卓越した剣の技術で強引に操っていたが先の大戦でモナドを暴走させてしまい右腕を負傷、本編中では左手で剣を扱う。たった一人の家族であるフィオルンを兄として大切に想っており、妹を嫁に出すならシュルクにと心に決めている。&br();HPの伸びこそ今ひとつだが、非常に攻撃力と素早さが高い。ラインとは対照的に、高い攻撃力で強引にヘイトを奪い、高い素早さを持ってそれを回避するという「回避盾」である。ラインほどの安定性はないものの、殺られる前に殺るを地で行くほどの圧倒的火力で敵を殲滅する。
-''カルナ''
--コロニー6で衛生兵として働いていた女性。コロニー6が機神兵に襲撃された際、脱出艇で弟のジュジュや生き残った人々と共に逃れ巨神脚でキャンプを設営し潜んでいた。衛生兵らしく世話好きで面倒見がよいが、その一方で他人への依存心が強く、身内に何かあると取り乱してしまうことも。&br();衛生兵という設定に準拠しており、エーテル銃で回復や味方のサポートに徹するキャラ。AI操作でも十二分に活躍してくれるが、プレイヤー操作だと任意のタイミングで回復ができるので戦闘の安定性がグッと増す。他にも味方の防御面を強化するアーツを所持。
-''リキ''
--ノポン族の村であるサイハテ村の「今年の」伝説の勇者。見た目も言動も仕草も非常に幼いが、実はパーティでもかなりの年長者。ときには歳相応の大人らしさを見せることもある。ラインからは常に「おっさん」呼ばわりされ、リキも何かにつけて言い返すなど良きライバルとなっている。&br();HPは全キャラ中最高まで伸びるが、ヘイトを稼ぐ方法がないに等しいので壁役には向かない。全キャラ中最高のサポートキャラで、敵に状態異常をかけたり味方を回復したり敵からパラメータやアイテムを盗んだりと非常にトリッキー。敵の発狂すら解除できるから恐ろしい。
-''メリア''
--当初は正体を隠していたが、ハイエンター族の第一皇女。見かけはホムスの年齢で言うところの少女(17~18歳位)だが、長命のハイエンターである彼女の実年齢は88歳。テレシアの討伐を目的にハイエンターの都からマクナ原生林に降りて来ていた。その戦いで従者たちを喪い、彼女自身も疲弊し倒れていた所をシュルク一行が保護する。&br();エーテルを駆使した闘いを得意とし、他の仲間とは違い触媒なしでエーテルの力を操ることが可能。味方への強化、敵への攻撃ともに強力なのだが、強力過ぎてすぐにヘイトが溜まってしまうという弱点を抱えている。さらに耐久力は全キャラ中最低。AIでもヘイトを考慮して行動するが、指示の出し方を間違えると容赦なく大暴れしてヘイトを獲得してしまう。その為プレイヤー操作向きのキャラクター。
#endregion
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**音楽
-単品としても背景音楽としても優秀な音楽。壮大な世界の広さ、白熱の戦闘を大いに盛り上げる。
--フィールド曲、戦闘曲、イベント曲ともにバランスよく耳に残るものが多い。世界観との親和性は高く、場違いな曲など存在しない。
--マップもイベントも戦闘もシームレスだが、場面変化のたびに音楽が変化する。
---たとえば全ての地域には(洞窟など昼夜の変化がない場所は除く)昼と夜とでBGMががらりと変わる。同じ戦闘でも通常時、ピンチ時、反撃時、逃走時ではBGMが切り替わり、ピンチ時にはとても恐ろしく反撃時はとても熱く曲調が交錯する。
---またユニークモンスター戦のテーマ曲「名を冠する者たち」(作曲:ACE+)は絶望感と激情を感じさせる激しい冒頭が特徴的な曲であり、暗がりや背後から強力なユニークモンスターがいきなり近づいてきてこれが鳴ることもあるためトラウマになった者が多数。一方でサビは激戦における戦意を向上させてくれる白熱のメロディである。ストーリー中でも数度流れては、主人公が起死回生の活躍で劣勢を覆す、と言った燃えるシチュエーションを大いに盛り上げている。良い意味でも悪い意味でも印象に残る曲となっている。
---他にもタイトル画面で流れる「メインテーマ」、通常ボス戦で流れる「行く手を阻む者」、機神界での通常戦闘曲「機の律動」、イベントシーンとのシンクロが光る「敵との対峙」「引けない戦い」、フィールドとの親和性が素晴らしい「ガウル平原」、「マクナ原生林」、「燐光の地ザトール 夜」、「堕ちた地で…」、「機神界フィールド」、「中央工廠」、「帝都アグニラータ」など名曲を上げるとキリが無く、BGMの為だけにゲームを購入しても損は無いと言える程。
--コンポーザーは下村陽子、ACE+、清田愛未、光田康典(エンディングテーマのみ)の3名と1グループだが、それぞれが世界観や音楽イメージを統一することを重点に置いて作曲したために、漠然と聞いただけでは誰がどの曲を担当しているのかわからないほど調和が取れている。
---そのせいでいつもの下村節じゃない、などの批判もないことはないが。
---発売前はこれまで幾つもの有名作品を手掛けている下村、光田両氏に比べて実績のあまりないACE+、清田氏はそれほど期待されていなかったが、作中の担当曲では下村氏などと比べても遜色がないクオリティを誇っており、ゲーマーからの評価を大きく高めた。
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**その他の評価点
-豊富なやり込み要素。
--任意で行える数多くのサブクエストや任意で戦えるユニークモンスター、コレクションアイテムを集めて図鑑を作るコレペディア、パーティキャラとのキズナを上げる事で専用の会話シーンが見られるキズナトーク、プレイアワード(戦績)など。
---しかもそのやり込みのほとんどがキャラクターの強化やゲーム進行の手助けに直結する。コレペディアでアイテムを種類・地域ごとにコンプリートすればレアアイテムが貰え、ユニークモンスターを狩るとレアな装備を落とすといった感じ。加えて深くやり込まなくてもクリアできるバランスであるため強制されている感はほとんどない。
--ただ、これに加えてモンスター図鑑が欲しかったという声が強い。
--反面序盤からやり込みに傾倒しすぎてしまうと、キャラが強化されすぎてヌルゲー化することはある。もっともプレイヤーの自己責任ではあるが。
-装備アイテムによってキャラの外見が変わる上にムービーシーンにも反映される。
--しかもグラフィックを別の仲間同士で使いまわさず、同じ装備でもキャラごとにサイズやデザインをいちいち変えて表示される。ただし同じ仲間の装備の中でグラフィックが被るものはある。
--更には過去の回想シーンでは、そのときに装備していた装備がそのままイベントに反映されている。
-徹底的にプレイが快適な仕様。
--ロケーション(エリア)・ランドマークの発見(要するにマップ埋め)やクエストのクリアでも経験値が入るため、レベル上げがそれほど苦にならない。わざわざレベル上げせずとも、好きにプレイしているうちにいつの間にか適正レベルに上がっている感覚。
--他にもボタン説明の常時表示、豊富なチュートリアル・ワープポイント、全滅してもペナルティなしで復活、ゲーム内の時間帯を自在に切り替えられる、多少ロードはあるもののバグは皆無、戦闘中・イベント中以外いつでもセーブができる、弱いモンスターはこちらから戦いを挑まない限り襲ってこない、クエストで必要になるアイテムとストーリー進行で消滅するクエスト、サブクエストを受けられるNPCには印がついて表示される、次にシナリオイベントが起きる場所の方向と距離が常に表示されている、など快適なプレイのために配慮されている点がかなり多い。
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**問題点・賛否両論点
-円形の部分などがややカクカクに表現されている、キャラクターによってはモデリングが少々雑など、グラフィックはPS3、Xbox360などと比べるとさすがに見劣りする。
---もっともPS3、Xbox360レベルのグラフィックを搭載すると開発費や容量の関係でこの大ボリュームは実現できなかっただろうといわれている。
---とはいえ、演出やマップデザインが練られているため見栄えはよい。
-サブクエストの大半がいわゆる「お使い」である。
--上述の通り受けるのは任意であり、クリアしなくてもストーリーに支障はないので受けるかどうかはプレイヤー次第ではあるが。
---期限無しのクエストがほとんどのため、ストーリーを進めるついで程度に受けておいてもいいかもしれない。
-全滅してもペナルティがほとんどないので戦闘の緊張感が削がれる。
--ただこれによって「気軽にユニークモンスターに挑める」と評価する声もある。
---また移動範囲の自由度が高いため、操作ミスで高い場所から落ちて大ダメージを受けたり、知らずに強力なユニークモンスターの住処へ立ち入ったりするなどの事故死が多いためそれによるストレスを大幅に緩和しているのは事実。
-アイテムの種類は豊富だがソートが不便。
--一度攻撃力順や入手数順にアイテムをソートしても、次メニューを開き直すと自動的に入手順に並び直されている仕様が特に不評。
-敵とのレベル差による強さ補正が大きすぎる。
--だいたい敵が味方のレベルより5以上高いとほとんど攻撃が当たらず戦いにならない。逆に味方のレベルを5以上敵より上げるとかなり戦いやすくなる。
---一応命中やすばやさを補正するジェム(アクセサリー)をつければある程度離れていても戦うことは可能。
---事実自分達のレベルは99レベルでカンストだがそれを上回るユニークモンスターが存在しており、これらに挑むにはしっかりとアクセサリーで対策をせねばならない。
--しかし本作は戦闘システムがやや複雑なため、システムを理解せずともレベルを上げれば勝てるので子供やライトユーザーに対しての救済措置として見る意見もある。
--これを逆用して意図的にレベルを敵より2~3ほど落としておけば適度に歯ごたえのある戦いが楽しめる。ただし上記の戦闘以外でも経験が入る仕様のため、調整するのはコツがいるが。
-さくさく進めようとすると必然的にレベルが足りなくなる。
--どこでも経験値が入る仕様の為かボスのレベルはかなり高く、前述の補正により全く相手にならなくなるため稼ぎをしなければならなくなる。
--サブイベントやロケーション埋めをスルーしているとレベルは5〜8程の差が産まれる事も珍しく無い。
--この仕様により、ストーリーを先に進めたいのに見れない、テンポが削がれる、レベル上げをやらされているなどの批判意見が無いわけでは無い。
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**総評
Wiiでは珍しい、いわゆる正統派大作RPG。コンセプトこそそこまで目新しくはないものの、ゲームとしての完成度の高さは今世代ハードのRPGでは屈指。~
ただフィールドを歩き回っているだけでも新たな発見や感動が生まれ、数々のやり込み要素やメインシナリオの良さがプレイヤーを飽きさせず、細かい部分まで配慮したゲームそのものの快適性が不快感や作業感をなくしている、1人用MMORPGの完成形と呼んで差し支えない。~
全体的に親切設計が行き届いていて、複雑なシステムが多数存在するが気になった部分から触れていけばいいという程度。戦闘システムも要は敵をロックオンして近づくだけ。そして場合によってアーツ(技)を選択する…。シナリオも軽すぎず重すぎず時にコミカルな場面もあり、と、硬派なゲームに見えて意外と取っ付きやすいゲームである。複雑なシステムや重いストーリーが詰め込まれたようなRPGが苦手という人も挑戦してみてはどうだろうか。~
その結果、前評判とは裏腹にamazonやmk2でも高く評価され、『みんなのニンテンドーチャンネル』では最も獲得が難しいプラチナ評価を獲得し((RPG初のプラチナであり、2013年6月28日にWiiのネットワークサービスが終了するまで3年間これを維持し続けた。))、さらに、日本ゲーム大賞2011にて優秀賞を獲得するにも至った。
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**その後
-欧州版が『Xenoblade Chronicles』として発売。なぜか北米版は発売予定表から消失しており、北米での発売を希望する任天堂ゲームファンのグループがアピールの一環としてAmazonに大量の購入予約を入れた結果、未発売どころか発売予定が未定のゲームであるにもかかわらず、同通販内のNo.1ベストセラー商品となってしまったという珍事が発生した。その成果が実ってか、2012年4月6日に北米版が発売がされた。
-IGNなどの海外サイトで行われたレビューはいずれも満点か90%以上を叩き出しており、世界的にも非常に高い評価を受けていることが判る。
//-2013年1月、ついにモノリスソフトによるWiiU向けの新作のPVが公開された(タイトルは未発表で「X」の文字のみ)。広がる広大な大地、似通ったUIと技名など本作に近い要素が多いほか、『[[ゼノギアス]]』の「ギア」を彷彿とさせる「Doll」(ドール)という変形ロボなどの要素が判明しており、早くも期待が高まっている。
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