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Gダライアス」(2013/09/07 (土) 00:44:28) の最新版変更点

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*Gダライアス 【じーだらいあす】 |ジャンル|横シューティング|~| |対応機種|アーケード(FXシステム)|~| |発売・開発元|タイトー|~| |稼動開始日|1997年|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ダライアスシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/225.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -AC版ダライアスシリーズ4作目。時系列はシリーズ中で最も古い時代とされ、主人公2人はダライアス星人の先祖。敵はシリーズおなじみの「ベルサー星人」ではなく、海洋生物モチーフの機械生命体「THIIMA(シーマ)」。 -『[[ダライアス外伝]]』に引き続き一画面だが、ダライアスシリーズで初めてフルポリゴン描画を採用した事、また機械生命体という設定により、ボスの巨大さや挙動の豊かさで例を見ないスケールとなった。 -楽曲は従来のACダライアスシリーズから引き続いてOGR氏が担当。 -ステージは全15ゾーンから5ステージ選択と従来より減少しているが、ゾーン内の分岐や全てのゾーンに異なるボスが配置されるなど総合的なボリュームはむしろ増している。 ---- **ゲームシステム ***基本システム -シルバーホークの性能自体は対地用のボムとバリアのアーム、ミサイル・レーザー・ウェーブの三段階成長するショットと初代に近い性能である。だが最も重要なのは『外伝』にも登場したキャプチャーシステムである。 --『外伝』では中ボスのキャプチャーボールを取り外す事で一時的にキャプチャー(捕獲)しオプションとするものだったが、今作では自分でキャプチャーボールを発射して敵に当てる事で''中ボスのみならず雑魚もキャプチャーする事が可能になった''。 ---但し、ソリドナイト(金色の金属)製の敵には弾かれてしまい捕獲できない。また中ボスは必ずソリドナイト製の装甲をもっており、捕獲の前にその装甲を破壊しておく必要がある。 --キャプチャーした敵は、機体ごとに異なる個性的な攻撃を自機と連動して発射する。無敵ではないが耐久もそこそこ有る(敵弾2,3発程度では破壊されない)ため、自機を守る盾にもなる。 -キャプチャーした敵を強力な攻撃に変換することもできる。 --ショットを長押しする事で、強力な「''αビーム''」を発射。 ---αビームで倒した敵は普通に倒すより4倍のスコアが手に入る(ちなみにキャプチャーした敵の攻撃で倒すと2倍スコア)。この為、スコア稼ぎにとっても重要な要素になっている。 --キャプチャーボタンを押すと緊急回避の「キャプチャーボム」が撃てる。広範囲攻撃で敵弾も消すことができ、しかも爆発エフェクトが出ている最中は自機が無敵となる。こちらで倒した敵は3倍スコア。 ***αビームカウンター 『[[メタルブラック>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/994.html]]』の影響を色濃く受けた、ビーム干渉システムを搭載している。 -本作のボスはβビーム(αビームと同性質)を放ってくるが、βビームに対してこちらもαビームを当て返す事で「αビームカウンター(連打勝負のビーム合戦)」へ持ちこむ事が出来る。 --連打勝負に勝った側のビームが相手のビームを吸収し、攻撃力が上がった極太ビームを一方的に照射できる。勝てばボスに大ダメージを与えられるが、負ければ逆に極太ビームが帰ってくるのでリスクも大きい。 --キャプチャーする機会が少なくアイテムも出てこないボス戦では、キャプチャー敵を失うと悲惨な状況を招きかねないが、ご親切にもβビームを放つ直前にキャプチャー可能なオブジェクト(雑魚敵等)をわざわざ吐いてくれることも多い。良くも悪くも、まずビーム合戦ありきのゲームなのである。 **ゲームバランス -とにかくαビームへの依存度が高い。 --αビームカウンターを前提としているためか本作のボスはかなり''堅い''。シルバーホーク単体の攻撃力は高くなく、ちまちまとショットを撃っているだけではなかなか倒せない。 ---また生命体という設定上か、部位破壊しても再生するボスが多い。 --そのためボス戦はαビームカウンター狙いになりがち。αビームは「溜め」が必要で、またボスがβビームを放つまでは猛攻を耐える形になり、どちらかといえば「避け」に比重が置かれている。やや弾幕STGに近い物があるかもしれない。 --一応言っておくと4面ボスぐらいまでなら(ボスやこちらがキャプチャーしている敵にもよるが)敵がβビームを放つ前に撃破することも可能である。 -キャプチャーボールを落とす敵はかなり多い。その為、道中でもケチらずにαビームを使いまくる事も出来る。 --逆にボールだけ持っていても捕獲可能な敵が居なければ使いどころがなく、かといって敵を幾つも捕獲してストックしておくことも不可能。捕獲していない状態ではαビーム・キャプチャーボム共に撃つことができず、結果、外伝のようにボス戦でボムを使ったゴリ押しは出来ない。 -『外伝』のピラニア・シャコのような凶悪ボスは居ない。シリーズ伝統のクジラルート(下ルート)は他に比べると難しめだが、他のラスボスの難易度も近い物がある。 --逆に言えば『外伝』でいう所の「ウナギルート」のような初心者向けルートが用意されていない。出てくるボスはまんべんなく強いのである。 ---ただボスの動きはパターン化による覚え要素が強く、攻略のしがいがあると言える。 --一応、「α下→γ上→ε下→ι下→ν上かξ下」と、比較的パターン化が容易なルートはある。 ---- **演出 -ポリゴンで生き生きと動き回る海洋生物系ボスキャラクター。 --このゲームのボスは画面内に収まりきらないサイズを持つものばかりだが、画面奥まで使った動作で悠々と泳ぎ回ることで、画面の窮屈さを感じさせないプレイの快適さと、練り込まれたキャラクターデザインを効果的に魅せることを両立させている。 --花に囲まれて現れ、ひれで顔を隠すしぐさを見せるトライポッドサーディン(サンキャクウオ型戦艦)、ロボットアニメばりの合体分離を見せるエターナルトライアングル(ミツクリザメ型戦艦)等、シリーズの中でも突出した個性を持つボスが多数登場する。 --戦闘中の挙動も非常に芸が細かい。威嚇するように咆哮する、軽く予備動作を入れてから大きな動きをする、微妙な緩急をつけながら揺らめく様に動くなど生物的かつリアルな動きをする。このあたりに関しては昨今のゲームと比較してもなんら遜色のないレベルの高さを誇る。 -道中も、中ボスの射撃で高架道路が落とされるなどの演出が光る。特に雷鳴とともに一瞬シルエットを現すG.T.はシリーズ中最高の演出と評価されている。 -ただし、当時レベルのポリゴンで描写されているため、前作までの精密なドット絵と比べると、グラフィック的には少しぼやけた印象が否めない。しかしプレイに支障をきたすレベルではない。 -ビーム干渉、キャプチャシステムなど、過去作STG(メタルブラック、ダライアス外伝)の要素を昇華している。 -本作は創生・誕生がテーマであり、1作目ダライアスへ繋がる作品という設定上、EDは「新人類」「アダムとイブ」を押し出した流れで統一されている。 --以前にあった夢オチ・ゲームオチといったおふざけEDが無く、主人公のどちらか、あるいは両方が死ぬEDもある為、シリーズ最鬱作品とも言われる。 ---本作はストーリー、登場人物、世界観、及び敵勢力であるシーマの設定が詳細に作られており「だがしかし夢オチだった」「というストーリーのゲームでしたとさ」といったエンディングは正直無理がある。またそのようなエンディングを毎回入れる必要があるのか?という意見もある。 ---主人公が死ぬEDもあるが、基本的には新しい星や人類の歴史が始まるエンディングが中心であり(ベルサー軍の誕生にまつわるEDもあるが)それを鬱ととるかどうかは人それぞれである。 --尚、ゾーンνのジ・エンブリオン(クリオネ型戦艦)撃破ルートが正史とされており、当時開発者も雑誌で「このエンディングこそが真のエンディングです」と明言していた。 ---『[[ダライアスバースト]]』にもその設定は引き継がれており、驚くべき展開を見せるEDがある。 ---ただし、本作発表当時と『バースト』発表後では設定に食い違いがあり、例えば本作の開発者は雑誌「ゲーム批評」のインタビューで「『ダライアスII』は一作目の何万年後というとんでもない未来」と発言していた。『バースト』発表後に公開された年表ではおよそ1600年後になっている。 ---- **BGM -音源は前作から格段に進化。作りこまれた音色は非常に癖が強く、解釈にプレイヤーの想像力を大きく要求し、ノリの良さや爽快さを是とする従来的なシューティングゲーム音楽に比べて、極めてハードルの高い物になっており、賛否が分かれるながらも非常に評価が高い。 --もっとも前作(外伝)でもメロディアスすぎてゲーム音楽としては一部賛否もあった。しかし外伝も本作も実際のゲーム画面及び演出と非常にマッチしており「ゲームの世界観を引き立たせるための音楽」という意味では両方共に間違いなく秀逸である。 -シリーズの特徴であったステージとBGMのシンクロも健在。本作1ステージ目ではゲーム開始直後は無音で効果音のみの状態が続き、分岐地点に差し掛かるあたりからBGM「G-ZERO」が鳴り始め、分岐後の背景に合わせて曲が高潮を迎え、ボス前に曲が終わるという計算のされたものになっている。 --最終面BGM「KIMERA II」および最終ボスBGM「Adam」は、最終面BGMにふさわしくダライアスシリーズ、及び2Dシューティングゲームの中でも高い人気を誇る。 -1997年度ゲーメスト大賞BGM部門において、2位以下に大差をつけ歴代最高得票数で大賞受賞している。プレイヤーの食いつきが悪かったとされる本作がこのような記録を打ち立てたという事実は、音楽の評価の高さを物語っているといえよう。 #region(参考動画・もっとも賛否が分かれると思われる曲) &nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm5611678) -他のボスの数倍のサイズを誇る超大型艦「クイーンフォッスル」及び一歩歩くごとに地響きと土煙を巻き上げながら大地を闊歩する「トライポッドサーディン」という重量感を押し出したボスに使われる曲である。 #endregion ---- **問題点 -プレイ料金の高さ。1プレイ100円のゲームが主流だった中で、デフォルト設定で1プレイ200円。 --既に格闘ゲーム全盛の時代となっており、難易度の高さもありプレイヤーの食いつきは芳しくなかった。 --本作の開発にはかなりの資金とマンパワーが注がれたといわれ、のちにコストパフォーマンスの改善を狙って、1プレイ100円の『[[Gダライアス Ver.2>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1177.html]]』を出したが、これがプレイヤーにとって不利となる変更点が多い不評作であったため、テコ入れどころか止めを刺す結果となってしまった。以降、ダライアスシリーズは『バースト』発売まで12年間沈黙することとなる。 -ボス出現前の演出がかなり長く、ゲームのテンポを悪くしている。 --但しスタートボタンを押せば演出カットできる為、問題ではないという意見もある。''演出を見るのは嫌だがスキップするのも嫌''という特異な人でもない限り気にする必要はないだろう。 -程度の差はあれシリーズほぼ共通の問題として、死んだときのパワーダウンがその後に甚大な影響を及ぼすほどのものであり、復活が困難な点がある。強化アイテムの出現数も上限がある上、特にアーム強化アイテムはノーミスでもフル強化にならないぐらい出現数が少ない。 --ショット2段階目のレーザーは「がっかりレーザー」とよばれるほど使いづらく、3段階目のウェーブに手が届くようになる3面から急激に難易度が上がるため、詰むことが多い。 --とはいえ、本作ではキャプチャーした敵が実質「もう一枚のシールド」となってくれるため、他のシューティングの主人公機と比べてもサバイバリティは十分確保されているといえる。 --またキャプチャーした敵は大抵主人公と共に攻撃してくれるため、ステージ道中程度ならパワーの無さはそこまで問題にはならない。ボス戦に関してはαビームカウンターがあるため、やはり深刻な問題というほどのものではない。 -良くも悪くもαビームに偏重したゲームバランス。 --ボス戦でのαビームカウンターは連射に勝つというシステムである為、連射付でプレイした場合バランスが変わってしまう。 -キャプチャーボムが、キャプチャーした敵の生存が条件で(つまり本当のピンチのときに使えない)、敵を一掃出来るほどの破壊力もないなど、かなり性能が悪い。αビームの強力さや点数倍率もあいまって、ほとんど使われない。 --ただし無敵時間の長さを利用し、中ボスのソリドナイト装甲に接近して一気に破壊するテクニックもあり、中ボス(特にゾーンηとΘ)を安全にキャプチャーするのには役立つ。 --一方αビームは溜めが必要で、発動中も無敵ではなく前方以外は無防備、ビーム自体もソリドナイト製の敵には遮られるなど意外と弱点が多い。緊急回避としてはボムのほうが有効である。 --なおたまにビームやボムはキャプチャーボールが実質2個必要といった話が出てくるがこれは勘違い。 ---僚機がいなくなってしまう状況と、ビームやボムを使用したい状況が重なることが多く、もう一度キャプチャーして使わざるを得ないためではないかと思われる。 ---- **総評 -ダライアス外伝とメタルブラック、その双方からの影響が見られるゲーム。明白なメタルブラックへのオマージュも色濃い。 -演出、システム的には良い意味で非常に個性的な面を持つもののゲーム的にはやや大味で大胆な部分が目立つGと、そつなく綺麗に纏まってはいるものの良くも悪くも普通のSTGといった趣のある外伝は比較される事も多い。 --無論双方共に好きなファンも多数いる。結局方向性が違うだけでどちらも良いゲームという意見が主流である。 --αビームシステムの特異性に関しては、ダライアスシリーズはAC系だけを見てもIIで核トーチカ(破壊すると画面上の敵を一掃)が加わり、早くもダライアスの象徴ともいえるグレートシングが登場しない。外伝では従来の三画面から一画面になり、ブラックホールボム(ボンバー)や上記キャプチャーも加わり、常に構成要素が変わっている。ダライアスは作品ごとの個性が強いと言えるシリーズであり、Gダライアスだけ異質というわけでもない。 ---メタルブラック・ダライアス外伝といった名作において影の薄かったシステムを再調理して昇華させたところは評価出来る。 ---- **移植 |対応機種|プレイステーション&br()Windows 95/98(SE含む)/Me/XP|~| |発売元|【PS】タイトー&br()【Win】サイバーフロント|~| |開発元|【PS】アイシステム東京|~| |発売日|【PS】1998年4月16日|~| |定価|【PS】6,090円|~| |配信|【PS】ゲームアーカイブス:2008年8月27日/600円|~| |備考|Win版はメディアカイトやソースネクストからも発売|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ※表示価格は全て税込。 -PS版は、そこそこ良移植。ボスとの対戦だけ楽しめる「ボスモード」があるのはうれしいポイント。ただしAC版より処理落ちが多く、CD読み込みの為BGMがエリア分岐付近とボス出現のかなり前で途切れる欠点はある。 --薄型PS2で起動すると処理落ちが減り、AC版にかなり近い感覚でプレイできる。 --WinやPS2版はACではなく、このPS版をベースにして移植されている。 -Win版は、基本的にPSと大きな差異は無い。 -この他、PS2『タイトーメモリーズ 下巻』(タイトー 2005年8月25日/5,040円)に収録されている。 --BGMの途切れや処理落ちが解消された。処理落ち解消についてはAC版から言われていた「もっさり感」がなくなった反面、ゲームバランス上必要なウエイトがかかっておらず、処理スピードが上がってかなり高難易度化しており賛否がある。残念ながら処理落ちの有無などは設定できない。 --PS版の移植ではあるが、アーケードモード以外のモード(ボスモード等)は無い。 //廉価版「TAITO BEST」(2006年9月7日/2,604円)、「TAITO BEST エターナルヒッツ」(2007年6月28日/2,500円) ---- **余談 -このゲームを作ったスタッフはタイトーを離れた後、後に『旋光の輪舞』シリーズ、『まもるクンは呪われてしまった!』等を開発したグレフを設立している。 --グレフの『[[ボーダーダウン>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1011.html]]』も当作品と同じくメタルブラックのリスペクトが強いゲームだった。 ----
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