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*悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon 【あくまじょうどらきゅら さーくるおぶざむーん】 |ジャンル|アクション|&amazon(B00005QBKC)| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|64MbitROMカートリッジ|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメント神戸|~| |発売日|2001年3月21日|~| |定価|5,800円|~| |セーブデータ|8個(バッテリーバックアップ)|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[悪魔城ドラキュラシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/511.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -探索型ドラキュラの2作目。GBAのロンチタイトルでもある。通称「月輪」「サークル」(海外は「CotM」)。 --探索型シリーズの解説は[[シリーズ一覧>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/511.html#id_25fac4c7]]のページを参照。 -面クリア型ドラキュラを今まで制作してきたKCE神戸が唯一制作した探索型ドラキュラでもある。後に、KCE神戸は吸収合併されコナミデジタルエンタテインメントに統一されるため、ドラキュラシリーズ生みの親による最後のドラキュラとなった。 -本作にはお金の概念が無く、アイテム類はほぼ全て敵が落とした物を拾うしかない。 -『月下の夜想曲』(以下前作)に比べ、複雑な要素が排除されシンプルに遊びやすくなった。 --前作は剣やナックルなど様々な武器を使っていたが、今作は従来通りの鞭に戻った。ただし後述のDSSを使用すれば、今作でも様々な武器を使うことが可能。 -能力値の上限をアップさせるアイテムに最大MPアップが加わり、3種類になった。 **ストーリー 時は1830年。 オーストリアの郊外にて、闇を統べる魔王が混沌を欲する者の手により蘇ろうとしていた・・・。 ドラキュラの僕 カーミラの手により、悪魔城でドラキュラ復活の儀式が執り行われている。 そこへ、異変を察知したバンパイアハンターのモーリスとその弟子ネイサン、ヒューがドラキュラの復活を阻止しようと現れた。 「貴様を復活させる訳にはいかん!」 しかし、時既に遅くドラキュラは復活し、その魔力によりモーリスはドラキュラに囚われてしまった。 そして、ネイサンとヒューは悪魔城地下墓地に落とされてしまう。 二人は、ドラキュラを倒し師匠を助けるために、悪魔城内を探索し始めた。 (説明書3ページより抜粋) **特徴・評価点 -ドラキュラらしいハードな難易度。 --前作では、後半になるにつれ主人公や武器が強くなりすぎてバランスが崩壊するという問題点があったが、本作は敵の強さが全体的に高めであり、エリアごとの敵の強さにもメリハリがついているので、大きくバランスは崩れない。 ---また、ゲームを進めると一部エリアの敵配置が変化するが、その切り替えタイミングが非常に上手い。エリア移動時にほぼ100%通るであろうルートをピンポイントで変えてくるため、すでに何度も通った場所であっても常に緊張感を持ったプレイが必要となる。 --回復アイテムを使ってゴリ押しをしようとしても、特定の敵が落とすアイテムを集めるしかないため非常に時間がかかる。そのうえ回復量も微々たる量(HP数百~数千に対しポーションの回復量は僅か20)である。 ---後半になると100以上回復できるものも出てくるが、入手する手間を考えると非効率。 --様々な種類の敵も厄介で、積極的に攻撃をしかけてくる。手を抜くと簡単にやられるので、ザコ相手でも攻略パターンを考える必要がある。 -GB三部作からはるかに快適になったアクション。 --ハード性能の限界からスロー歩行を余儀なくされていたGB三部作と異なり、SFC並みの処理能力を持つGBAになったことで移動速度は軽快になり、プレイヤーのストレスも大きく低減した。 --ゲーム開始直後こそ歩き+低空ジャンプだけで不安になるが、すぐにダッシュアイテムが手に入りスピーディに。この点は明示こそされないものの、「伝統のノロノロ歩行からの脱却」を暗に印象付けている。 -飛び級ならぬ飛びエリア。 --とあるエリアをクリアした後、本来次に行くべきエリアを飛ばして2つ先のエリアに挑むことができるようになっている。普通は入口付近である洗礼を受けて慌てて退散することになるのだが、それを無視して強引に進めることもできる。 ---これが意図せずなってしまったものではなく、明確に狙って作られた節が見受けられるのがポイント。つまり探索型の問題であった「攻略ルートが固定されている」点を打破し、「自信があるなら進んでもいいですよ」とプレイヤーの腕に判断を委ねることで自由度の高さを実現しているのである。 ---一方で「死神の存在がさらに空気化する」という問題も孕んでいるわけだが。 -素晴らしいサウンド。 --GBAのロンチタイトルでありながら、本作は音質がとても良い。さすがコナミと言ったところか。 --本作のBGMは半分以上が過去作品のアレンジであるが、おなじみの「[[Vampire Killer>http://www.youtube.com/watch?v=LqtKN-_uHR4]]」をはじめ、「[[clockwork>http://www.youtube.com/watch?v=9mx_AP3KxOQ&feature=related]]」、「[[THE SINKING OLD SANCTUARY>http://www.youtube.com/watch?v=6RaZtKUt4MA]]」など様々な曲が選ばれている。「Bloody Tears」「Beginning」がないのが残念だが。 //↓2曲でしたか? //中にはSFC版のBGM2曲を一纏めにした[[カラクリ館>http://www.youtube.com/watch?v=PEzJlaBi2iM]]など、奇抜なアレンジ曲もあり印象深い。 --勿論、「[[fate to despair>http://www.youtube.com/watch?v=2QZTuuV1Q4A]]」や「[[proof of blood>http://www.youtube.com/watch?v=jLMU143vNUc]]」などオリジナル曲もレベルが高く、定評がある。特に最初のエリアの曲である「[[awake>http://www.youtube.com/watch?v=OPWuK0275Sc]]」に至っては、地下墓地という暗くて薄気味悪いイメージからは想像出来ないほど美しいイントロで始まる曲で、この作品の主人公ネイサン・グレーブズのテーマ曲として人気が高い。 ---最初のエリアにオリジナル曲「awake」を持ってきて、実質最後のエリアに既存曲(かつ三大名曲の一つ)「Vampire Killer」を持ってきたスタッフのセンスはファンに絶賛されている。 ---それだけに、タイトル曲が既存曲の「鎮魂歌」である点が非常に悔やまれる。 -DSSについて。 --デュアルセットアップシステム(Dual Setup System)の略で、本作一番の特徴である。特定の敵を倒すと入手できる「動作カード」と「属性カード」を組み合わせて使用する(設定では鞭にこのカードをセットするスロットがある)ことにより、様々な能力を得ることができるようになる。 --鞭に属性をつける、能力値を上昇させる、属性攻撃を吸収する、スケルトンになる、など合計100種類にも及ぶ。 --基本的には攻略の手助けになる程度であり、クリアに必須なものではないので、一切使用せずにクリアすることも可能。 --中には微妙な性能に思えて、使いこなすと意外な効果を発揮する組み合わせも。ただし、使えないと分かったものはどうしようもなく使えない。 -グラフィックはおなじみのゴシックホラー調でレベルが高く、背景の細部まで描き込まれている。 -壁を破壊できる隠し通路が大量にあり、マップ達成率を100%にするやりがいがある。さらに、DSSやレベルアップアイテムや装備品を収集したり、DSSがまともに使えなくなる闘技場を制覇するやりこみ要素もある。 -ゲームをクリアすると、新たに4つの転職モードが遊べるようになる。基本となるバンパイアキラー以外の特徴は以下の通り。 --マジシャン…INTとMPが高く、DSSカードも最初から全て揃っているが、他の能力値が低い。 --ファイター…DSSが使えない(カードが手に入らない)が、戦闘関連の能力値が高い。 --シューター…サブウェポンの扱いに優れる。他のモードと比べてハートの最大値が高め、ダメージ大幅修正((サブウェポンごとに修正値が異なり、STR値を基準に最低は聖水(1.0倍)最高は十字架(3.0倍)。))、ハート消費半分となっている。また、ナイフを取るたびに通常ナイフと追尾ナイフが切り替わる。 --シーフ…戦闘能力は最低クラスだが、敵のアイテムドロップ率に影響するLCKが16倍。 ---それぞれ新しく出現したモードでクリアするたびに次のモードが出現する(マジシャンをクリア→ファイター開放、といった具合)。 ---基本的にバランスは厳しめに設定されており、職業ごとに特徴を最大限に活かした戦い方を構築していかなければならない。他は変わらないのに、まるで別物のようになるアイデアは秀逸。 //↓色々違うのでひとまずco。 //---周回プレイではそれぞれ能力に差があり、シューターモードの難易度は極悪。((同じ能力の低いシーフはLCKが高いので回復アイテムを集めてゴリ押しも可能だが、シューターはサブウェポンの強化度合いに対し、肝心のSTRがマジシャン並(バンパイアキラーの2/3程度)であるため、基本となるダメージが低いので2倍になってもあまり強くなった気がしない。しかも直前がSTRが高いファイターであるため、なおさら辛く感じてしまう。目玉の追尾ナイフも、元々の威力が低い上に、別のサブウェポンを誤って取ってしまうと消滅する(取り直しても通常ナイフになってしまう)ので使いづらい。))逆にファイターは何も考えずごり押しで割と楽勝だったりする。 -セーブデータが8個も作れる。 --多くても2~3個、酷いと1つしか作れないものもある中、この数は驚異的。 --各職業(モード)別に作成してもなお3個も余るサービスっぷりは評価に値する。 **欠点 -全体的に画面が暗く、敵や敵の攻撃が見づらい。バックライトがない初代GBAでやると難度は5割増し(推定)。 --SP、ミクロ、DS、GBプレイヤーなら問題ないので安心してほしい。 -GB三部作から遥かに快適になったとはいえ、まだまだ全体的な操作性に難有り。まぁ操作性がよろしくないのはドラキュラシリーズの伝統ではあるが・・・。 --すぐにダッシュアイテムが手に入るが、「十字キー2度押し」なので入力しづらい。 ---また、ダッシュジャンプ中に方向転換をすると強制的にダッシュが解除されてしまう。そのため、ダッシュジャンプ中に危険を感じても回避できないことがある。もっとも、これは自分の不注意によるところが大きいが。 --鞭を振る時の溜め・振った後の硬直がやや長い。かなり余裕をもった攻撃をしないとあっさり反撃されてしまう。 //↓もともとそういう用途なので…。 //--壁蹴りが使いづらい。方法からして「ジャンプ中に壁に接している時にRボタンを押す」という変な操作で、蹴るモーションも妙に長く、蹴った後のジャンプも広い範囲を移動できないので高い段差を移動する手段でしかならない。 -評価点に挙げた飛びエリアに関して、初プレイ時にその仕様に気付けず、延々とやり直し続けたプレイヤーも少なからずいた模様。 --いくら進めるといっても、予めエリアの構造を熟知したうえで敵を無視して最短ルートで駆け抜けなければならないくらいにシビアであり、初プレイで挑むのは無謀である。 -DSSカード、回復アイテム、装備アイテムのすべてが敵のドロップ頼み。 --大きくバランスを崩しにくい仕様ではあるが、何を手に入れるにしても敵を倒し続けなければならないのは不便。 -DSSカードの入手と説明が意地悪。 --敵一体一体のドロップアイテムをリストにしてしらみつぶしに探していくことでもしない限り、全てのカードを見つけ出すのは非常に困難。 ---さらに属性カードは落とす敵がそれぞれ2体ずつ設定されているので、それに気付かないと落としもしないアイテムを求めて延々と倒し続けるハメになる(その場合はビッグハートが出るという決まりがあるが、気付けるかどうか…)。 --中には特定のエリアをクリアした後、通常ならまず行かないであろうボスを倒した後の空部屋に出現するというタチの悪い敵もいる。 ---一応、「敵配置が進行に応じて変わる」というヒントはあるのだが…。 --使用するDSSがどういう効果なのかは、「効果が実際に発揮されるまで」表示されない。武器変化系などはただ攻撃するだけで良いが、「特定属性に対するダメージ吸収」ならその属性の攻撃を受けなければならないし、「LCKアップ」なら敵がアイテムを落とさなければならない(これは発動時にLCKが変化するのでまだ分かりやすい方だが)。 ---極めつけは「コマンド入力で発動」というもので、普通でも無理難題であるのにコマンドがあろうことか「↓→↑+攻撃」である。サブウェポンを(妙な操作を経て)使おうとして暴発(判明)…という奇跡を起こしたプレイヤーが果たしているのかどうか。 //--これらについてのヒントは一切無く、情報無しで全てのカードを集め、能力を発動させるのは困難。 //---未入手のDSSを使用することが出来る裏技(バグ)がある。ただ、一回ごとに面倒な操作が必要な上、効果説明が一切表示されない。((なお、動作・属性カードがそれぞれ1枚ずつ必要なので、ファイターモードでDSSを使う事は出来ない)) -DSSの強さにムラが有る。 --例えばウラヌスは「画面全体攻撃+無敵になる召喚魔法」という強力な効果で、組み合わせによっては連発しているだけでボスを倒せる(消費MPの多さや、無敵時の硬直時間と使用後の隙もあるため、絶対に安全とはならないが)。逆に、サターンは入手時期が遅い・落とす敵が強い・ドロップ率が低いの三重苦にも関わらずゴミ性能である。 -DSSバグ技の存在。 --動作カード、属性カードが各1枚ずつあれば、すべての組み合わせを自由に発動できてしまうというバグ技がある。クリアできないプレイヤーのための最終手段とすることもできるが、主に縛りプレイ時にはこの存在によって多大な制約ができてしまう(「どれか一つ限定」などの証明ができない)。 -ボスを倒しても魔力の玉が出現しない(回復できない)。 --アイテムを使い切ってHPも残り僅かというギリギリの勝利だと進退窮まる事となる。 --ほとんどのエリアはそう遠くない位置にセーブ部屋(回復可能)があるので、そこまで行ければ良いのだが、全く危険がないというわけではない。 ---この作品ではそこまで含めてのボス戦、と考えるべきである(いわゆる「試合に勝ったが勝負に負けた」「帰るまでが修学旅行です」など)。 //また、地下墓地や展望閣、闘技場など、セーブ部屋まで距離があるエリアも有る。逆に機械塔などはほぼノーリスクでセーブ部屋に到達できる。 -死神がぞんざいで格好悪い。 --地下保管庫という辺鄙なエリアの警護にまわされたうえに、事前の掛け合いもない(格下のネクロマンサーですらあるのに…)。格好も一見死神には見えず、さらに変身すると六本足の''亀''になるというあんまりな扱い。 --この『月下の夜想曲』から始まる「死神冬の時代」は、今後しばらく続くこととなる…。 -ヒューが使えない。 --そのモーションの多彩さから、「クリア後に使えるようになるに違いない」と期待したプレイヤーは多かった。 **総評 -GBAのロンチとしてかなりの完成度を見せた名作。発売当時は品切れ店が続出し、中古価格も沸騰するなど好評を博した(特に海外での爆発的なセールス記録はシリーズファンの間で有名である)。 -高い難易度と操作性の悪さ(癖)などから、探索型でありながらもそことなく従来の趣向を彷彿とさせる本作は、「探索系はどうもなぁ…」という面クリア型ファンにもオススメできる。 **余談 -コナミ・ザ・ベストとして2005年11月3日に再販された。セーブ謀体がリチウム電池からFRAM(フラッシュメモリのような物)へと変わっているので、末永くお楽しみ頂きたい方はこちらを是非。 -サウンドトラック(白夜の協奏曲とのカップリング)が出ているが、なぜか音質が非常に悪いので注意。 -ストーリー年表的には他シリーズと設定上の破綻はないのだが、開発にIGAこと五十嵐孝司が携わっていないからか、五十嵐がプロデューサになってから作成した年表には含まれていない。そのため、ファンからの非難の声が上がることも少なくはない。
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