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*超執刀カドゥケウス 【ちょうしっとうかどぅけうす】 |ジャンル|SF外科手術アクション|#amazon(B00097D8W6)~| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|アトラス|~| |開発元|アトラス&br()アイ・ティー・エル|~| |発売日|2005年6月16日|~| |定価|5,040円|~| |レーティング|CERO:12歳以上対象|~| |廉価版|アトラスベストセレクション&br()2007年4月26日/2,980円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要 -真・女神転生シリーズ、ペルソナシリーズでお馴染みのアトラス(現:インデックス アトラス事業本部)の、ニンテンドーDS初参入作。DSのタッチペンをメスなどの手術器具に見立てた、SF外科手術アクションゲーム。 -企画、原案はペルソナシリーズのプロデューサー兼ディレクターの橋野桂氏。ディレクターは後に『世界樹の迷宮』で一躍、その名が知られる事となる新納一哉氏が務めた。 -DSで発売された医療を取り扱ったゲームとしては、スパイクからリリースされた『研修医 天堂独太』に次いで二作目。(ちなみに独太はアドベンチャー。今作はアクション。) --但し、&bold(){発表が先だったのは今作}。当初は『カドゥケウス』とシンプルなタイトルだった。([[≫ソース>http://www.famitsu.com/game/news/2004/08/20/103,1093011199,29778,0,0.html]]) -結果的に『研修医 天堂独太』の方が今作より先に発売される形(しかもDS本体とのロンチ)となった。 --しかし、その独太は&bold(){[[こんな有様となってしまった。>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2995.html]]} -DS最初の医療ゲームがそのような悲劇を招いた為、次に出る予定だった今作も、また同じ地雷なのかとの不安があった。 -様々な不安要素を抱えながら、2005年6月に今作は発売された。 -肝心の出来栄えは、その不安も何処へやら。ニンテンドーDSのタッチスクリーン、タッチペンを最大限に活用した斬新で、完成度の高いアクションゲームとして仕上げられていた。 **システム -ステージクリア型のアクションゲーム。タッチペンでメス、ピンセット、注射器などの全10種類の手術器具を状況に応じて使いこなし、患者を蝕む病魔を倒す。 -本編は『ストーリーパート』と『手術パート』に分かれて展開する。前者はストーリー展開に焦点を絞ったパート、後者は患者の手術を行うパートである。 --ストーリーパートのスクリーンショットを見る限りでは見た目がアドベンチャーっぽいが、選択肢などの要素はない。 -患者の体力(バイタル値)が0になる、或いは『ミスリミット』と表示された値を超える執刀ミスを起こす、或いは制限時間以内に手術を完了しないと、ゲームオーバーとなる。 -執刀は助手キャラクター(ヒロイン)の指示に従いながら行う。一件作業的だが、手術という背景設定の恩恵で不思議と煩わしさは無い。 -ゲームが進むと『超執刀』と呼ばれる強力な技を主人公が取得。「五芒星」をタッチペンで一筆書きにする事によって発動し、一定時間の間、時間の進みが低速化して病気の進行を遅らせる事ができる。 --この隙に一気に処置する事で、それまでの窮地から抜け出せる可能性が高まる。いわゆる、一発逆転要素。 --但し、使えるのは一回限り。状況を見極めた上での発動が求められる。 -手術は主に腫瘍、裂傷、異物除去などが中心。途中から謎の寄生虫『ギルス』が登場し、それとの戦いが中心となる。 **長所 -ニンテンドーDSのタッチスクリーンの特性を最大限に活かしたゲームデザインとアクション性 --メスで皮膚を切る、糸で傷を縫うなど、タッチスクリーンというインターフェイスがあってこその手応え、独特のアクションが堪能できる。 -タッチペンオンリーの自然な気持ちよさに秀でた操作性 --基本的にペンをスライドしたり、タッチするだけで各アクションが行えるので、ゲームに不慣れなライトユーザーでも取っ付き易い。 --手術器具の切り替えも左右に表示されたアイコンをタッチするだけで切り替えられるので、非常に快適。 -圧倒的な使命感と達成感 --&bold(){「敵を倒す」でなく、「患者を救う」ことを最大の目的としたゲーム性。}医療を題材にしたゲームならではの「人を救う達成感」が味わえる。 --また、今作で戦う敵が&color(red){''人間最大の敵である病気という、正真正銘の「悪」''}であるという点も見逃せない。 ---特に作中世界に実在する奇病『&color(red){''ギルス''}』は本作のメイン悪役たちだけあって邪悪を体現するような特性とバリエーション、出自から「完全悪」と言っていい存在であり、プレイ中に使命感と正義感が極限まで奮い立つこと請け合いである。 -使命感と達成感を引き立てる、硬派な難易度 --少しのミスが文字通り命取りとなる、医療現場の恐怖をそのまま体現した理にかなったバランス調整。 --今時のゲームには珍しいほどに厳しさを貫いている。これが本作最大の魅力であると同時ではあるが、どうも行き過ぎだという意見も(後述) -多種多様な手術の数々 --腫瘍の除去から寄生虫との戦いなど、バリエーションに富んでいる。 --中には「爆弾解体」という人間以外を相手にする手術(!?)も。 --手術の総数(ステージ総数)も50以上と充実。しかし、構成に少し欠点が(後述)。 --各手術クリア後にはプレイヤーランクも表示される。最高評価はS。それを目指すやり込みも熱い。 -生々しさを徹底して廃した、グロくないグラフィック --手術という事で胃、肺と言った内臓器官が表示されるがディフォルメされており、気持ち悪さはほどんどない。 -プレイ中の緊張感を煽る、生々しい効果音 --グラフィックとは対照的に効果音は重く、生々しい。 --特にミスをした際にはもの凄く痛々しい音が鳴る。無駄に緊張する。 -ストーリー、キャラクター --よくある手術現場を舞台にした作品とは一線を画し、重い展開(命、医療格差などの問題を扱ったシーンなど)は少ないので、そこに期待してはいけない。 --しかし、内容そのものは非常に熱い。後半はキャラクターの台詞も含め、思わず感情移入してしまうような名シーンが多い。 --キャラクターもツンデレなヒロインで助手の利根川アンジュ、神経質な天才・新垣修也、厚生労働省の大臣で漢の中の漢、日比谷克己など魅力的な面子が揃っている。 **短所 -硬派な難易度 --長所であり短所。 --医療現場の恐怖と達成感を演出しているとは言うものの、ゲーム後半の難易度は鬼畜。相当に慣れているプレイヤーでも、集中力を切らすと危険。 --特にラスボスであるギルス『サヴァト』は、これでもかというほど初見殺しのオンパレード。複数形態存在し、形態ごとの対処法を初見で判断するのはまず不可能。さらに&bold(){本編で二回戦うので、尚更死ねる。} ---しかもこのラスボス、超執刀を使わなければトドメを刺せない。演出としては良いが、前述の通り超執刀は一回の手術で一度しか使えない。ラスボス戦だからと言って例外という事はなく、途中で使ってしまっていた場合は地獄のようなラストバトルを切り抜けた最後の最後で無条件の敗北を喫するという絶望を味わう羽目に。そしてそれは超執刀無しでラスボスと戦わなければならない事を意味する。 --また、やたら面倒臭い処置を踏まなければならない三角形型のギルス『テタルティ』も難しい。 --人によっては、超執刀に頼っても音を上げかねないレベル。そのくせしてSランク条件に「超執刀を使わない」とあるステージが多いのも困りもの。 --この難易度設定はコアなプレイヤーですら悲鳴を挙げるほどだった。その反省として、次回作でリメイクの『カドゥケウスZ』では難易度設定機能、更にテタルティの処置手順の変更などが行われている。 ---なお、ゲームをクリアすると『Xステージ』なるおまけが登場するが、これに至っては&color(red){''吐血して失血死に至りかねないレベルの難しさ''}である。ただ、これはクリア後の要素なのでそれほど大きな問題点ではない。 -省略(スキップ)不可能な手術中の会話デモ --再プレイ時のストレスになりやすい。変に長くないだけまだ救いといえるが、それでもかなりウザったい。 --これも後の『カドゥケウスZ』ではスキップ機能が設けられた。 -リトライ機能の未搭載 --主にSランクチャレンジの際のストレス要因。 --高評価が狙えなくなって最初からやり直したい場合、&bold(){患者を殺すしかない。}(或いはリセット) ---ストーリーモード最後では、あることをするとクリアできなくなる(しかもノーヒント)。手も足も出ずにゲームオーバー待ちというのは流石に辛い。 --さすがにマズいという事で、これも後の『カドゥケウスZ』で設けられた。 -ギルスの手術に偏ってしまう中盤以降の手術(ステージ)構成 --現実的な手術(腫瘍の除去、移植手術など)を楽しみたいという方にとっては肩透かしを喰らう。しかも、その数が少ない。 --またギルスの手術はアクション性が現実的な手術以上に高く、ゆっくり処置するとあっという間にゲームオーバーになるなどバランス調整にもいささか問題あり。 ---そしてそのギルスだが、ゲーム性から言って仕方ないかも知れないが、どいつもこいつも''異様''。~ 鮫の姿で臓器の下を''移動して切り裂く寄生虫''、転写を繰り返して''移動する腫瘍''、特定の手順で除去しないと増えるパズルのごとき''分類不可な何か''など、バイオ技術でどうにかなるとは思えないとんでもない特性を有している。~ こういった無茶苦茶な連中のオンパレードであるからこそ、医療物でありながら「医者である主人公=正義」という図式を問題なく成立・徹底させることができたとはいえ……。 -一部だけ、気持ち悪いグラフィック --&u(){個人差はあるが}、裂傷(特に深いタイプの裂傷)や心臓などはディフォルメされているとは言え、ちょっと生々しい。 //-曖昧な処置判定 //--主に縫合(糸で縫う)の判定が曖昧。 //--患部を処置した際の判定は「Cool、Good、Bad」の三種類に分けられる。縫合だけは何故かちゃんと縫ったはずなのにBad判定を下されることがある。 **総評 やや荒削りな部分もあるが、ニンテンドーDSのハード特性を最大限に活かしきった傑作。現実では到底味わえぬ手術が体験できる意欲作と言っても良いだろう。 昨今のゲームでは珍しい超難易度ゲーということもあり、我こそはというコアゲーマーにもオススメ。 ボタン操作では絶対に味わえないゲーム性と達成感は格別。アクションゲーム好きは勿論のこと、ニンテンドーDSをお持ちの方も是非、手にとって遊んでみて欲しいタイトルだ。 **その後の展開 -2005年10月には海外でも発売。タイトルは『Trauma Center: Under the Knife』。 --日本の十倍以上の売上を記録し、数多くの賞を受賞する快挙を成し遂げた。 --この海外での大ヒットが機となり、後に続編がリリースされる運びとなった。 -初回出荷はかなり限られたらしく、発売から数日経って直に品薄に。更に追加出荷も行われなかったため、一時期には入手困難になった。またその完成度の高さで高評価を得た所為で中古市場にも流れず、価格が高騰していた。 --2007年になって廉価版(アトラスベストセレクション)が発売され、この品薄は大きく改善された。2011年現在も流通はこちらがメインとなっている。 --廉価版には初回版とは異なり、難易度全般に修正が加えられている。 --但し、修正が加えられたのは爆弾解体のオペだけ。その他に大きな変化はない。 -ディレクターを務めた新納一哉氏は今作の後に完全新作の3DダンジョンRPG『[[世界樹の迷宮]]』を発表。このタイトルをきっかけに一躍、氏の名が知られるようになった。 --ちなみに今作のキャラクターの一人である北崎威一郎が『ケフト施薬院』の院長、&bold(){Dr.キタザキ}として友情出演している。 --また後の世界樹の迷宮3にも、今作のキャラクターの一人である利根川アンジュを元にしたキャラクターが登場する。 -また2006年12月2日にWiiのロンチとして、リメイクである『カドゥケウスZ 二つの超執刀』が発売された。 -更に2008年8月には今作の3年後を舞台とした続編、『救急救命カドゥケウス2』も発売された。 **余談 -今作の主人公、月森孝介はゲームオーバーになると何処かへと失踪してしまう。 --ゲームオーバーになって瞬時に失踪してしまうことから、彼の事を超執刀ならぬ&color(red){''超失踪先生''}などと呼ぶファンが多い。Googleで「超失踪」と検索すると、高確率で彼の名前が出てきたり。 --また前述の『世界樹の迷宮』のリメイクである『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』ではケフト施薬院自体が無くなってしまっており、こちらでも超失踪してしまっている。 -ゲーム中盤に&bold(){福田康夫}なる患者が登場する。但し、会話シーンはない。 --リメイクの『カドゥケウスZ』でもそのままの名前で登場する。
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