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*ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 【どらごんくえすとすりー そしてでんせつへ…】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&image(RIMG0005-1.jpg,http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000068HWD/ksgmatome-22/ref=nosim,width=160)[[高解像度で見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=84&file=RIMG0005-1.jpg]] [[裏を見る>http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=84&file=RIMG0005-2.jpg]]&image(dq3game.jpg,http://www23.atwiki.jp/ggmatome?cmd=upload&act=open&pageid=84&file=dq3game.jpg,width=160)|&amazon(B005B7EUQM)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~|~| |メディア|2MbitROMカートリッジ|~|~| |発売元|エニックス|~|~| |開発元|チュンソフト|~|~| |発売日|1988年2月10日|~|~| |価格|5,900円(税抜)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |セーブデータ|3個(バッテリーバックアップ)|~|~| |備考|移植は【その他】参照|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -ロト伝説三部作完結編。プレイヤーは勇者オルテガの息子(娘)として、世界を支配しようとする魔王バラモスを倒すため旅立つ。 -DQI~IIIは、シナリオ的なつながりがあるだけでなく、ゲームとしても「RPG」という新たなジャンルを段階を追って世間に浸透させるべく考えられた作りになっている。 --『DQI』でRPGの基礎を知り、『DQII』で仲間と力をあわせる戦い方や乗り物による行動範囲の広がりを学ぶ。 --そして、キャラメイクなどを採用し、自由度を最大限まで高めた集大成として発表されたのが、本作『DQIII』である。 **特徴 前作『DQII』を下地に様々な追加要素が加えられ、ボリュームも大幅に増大している。 ''冒険の書'' -本作ではバッテリーバックアップ方式を採用しており、前作のようにコンティニュー時に復活の呪文を入力する(パスワード方式)必要はなくなり、時間を空けても快適に遊べるようになった。 --ちなみに、従来通りパスワード方式にすると200文字を超えてしまうと説明されていた。 ''キャラクターメイキング'' -パーティ制を採用した前作『DQII』では、仲間になるのは個性を持った固定キャラだったが、本作では(当時の)一般的なRPGと同じく、名前・職業・性別を自分で決めたキャラをパーティに入れて冒険できる。 --スタート地点の街「アリアハン」にある「ルイーダの店(ルイーダの酒場)」では、キャラクターの登録やパーティの入れ替えが出来る。このルイーダの店は後のシリーズでも度々登場している。 -前作までと同じく本作にも「あなた」、つまり主人公が存在する。主人公は勇者という職業で固定であり、残りの3人を任意で決めることができる。戦士・魔法使い・僧侶という組み合わせが基本だが、それ以外にも個性的な職業が用意されている。 --勇者以外の職業は「ダーマ神殿」で転職が可能で転職後はレベル1になりレベル上げをやり直す事になる。以降のシリーズでも、職業システムがある場合はダーマ神殿で転職を行うことが恒例となっている。 ---なお、本作における転職は「呪文も使える前衛職」という万能キャラを作るためのシステムという側面が色濃い。 ---ただし僧侶、魔法使い共に全ての呪文を覚えるのはゲームを終える頃になるのでクリアを目指すだけならこだわる必要はない。むしろレベル上げが大変なので稼ぎ手段(はぐれメタル退治等)が確立されるまではそのままで進んだほうが無難。実際、公式ガイドブックでも中途半端な転職はやってはいけないこととして記載されている。 -性別は移動画面でのグラフィックが変わるほか、一部性別限定の装備品がある。各職業の男女両方に鳥山明氏による公式イラストがあり、いずれも人気が高い。 #region(職業) -どの職業もそれぞれ特徴があり旨く釣り合いが取れている。 --主人公専用職業「勇者」、RPGではスタンダードな「戦士」「僧侶」「魔法使い」、上位職業の「賢者」、通好み(?)な「武闘家」「商人」「遊び人」とバラエティ豊か。 --一見、役立たずに見える商人や遊び人もレベルの上がりやすさと装備品の優秀さで序盤は物理攻撃要員としてそれなりの活躍をし、賢者は呪文系職業の最上位だが転職前提の上、レベルの上がりにくさで強力な呪文が使用しにくい等バランスが取れている。 ''勇者'' -いわゆる主人公、当然他職業への転職はできず、主人公以外が勇者になることもできない。またルイーダの店で入れ替えることもできない((ただし一度クリアした後の冒険の書で、勇者にある称号がつけられるとルイーダの店で入れ替えることが可能になる。))。 --この特性ゆえか、バシルーラ(対象1人をパーティ内から吹き飛ばしてルイーダの店に戻してしまう凶悪呪文)も100%回避する。 -ステータスは戦士系で力、HPが高く、MPが低い。レベルアップは最初遅いが、レベルが上がるにつれ速くなる。 --上記の特性上、序盤は他の職業と比べると得意分野がなく能力も抑え目な為にいまいちパッとしない。 ---ただし後半は強力な専用呪文を覚え始め、終盤では勇者専用の武器防具を入手できる為に戦士並みの攻撃力とダントツの守備力、耐性を持ち、強力な呪文も使用可能になりPTのリーダーに相応しい戦闘力に成長する。 -呪文は一通りの攻撃、回復、移動呪文を、後半から勇者専用の特別な攻撃呪文や最強の回復呪文まで幅広く覚える。ただし専用呪文は消費MPが多く、また当人のMPも低いために乱発はできない。 -前述の観点から職業中1番有利に思われがちだが転職で能力の底上げや呪文を覚えられず、覚えられる呪文も(特に補助系に)穴がある等必ずしも完璧ではない。 ''戦士'' -典型的な肉弾戦のプロ。力、HPはトップクラスで他の能力値はほとんど伸びない。 -武器防具を揃えるのに金が掛かる。またすばやさ(つまり素の守備力)が低いため、重装備が要求される。幸いFC版では他の職業と比べて相対的にかなり強力な武器防具が装備できて耐性面でも優秀な為に打撃役、壁役として最も期待できる。 --問題なのは、破壊の剣、地獄の鎧、不幸の兜と最強武具が呪いアイテムであること。この内、破壊の剣と地獄の鎧はそれぞれ1/4、3/8の確率で動けなくなる((この呪いは「たたかう」コマンドを選ぶと発動する。また本作では武器防具の呪いは互いに重複するので同時に装備していると半分程度の確率で動けなくなる。))ので実用に適さないが、運の良さを0にする不幸の兜は元々運の良さの低い戦士にとってデメリットは少なく、またルビスの塔クリア後は特にこれといったステータス異常の機会もないため、素直に使用を勧められる。 --ちなみに、破壊の剣は普通に店売りしている武器である。呪われている武器が売られているのはいかがなものかと指摘されることも。 -屈強な外見の男戦士に対し、女戦士はビキニアーマー着用で妙に露出度が高い。男女とも、後の『VIII』、『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''武闘家'' -戦士のような武器を使わず、体を使っての闘いを得意とする職業。LV/256の割合でクリティカル(会心の一撃)を繰り出すようになり、ここ一番での会心の一撃は武闘家の見せ場である。ただしレベルアップ速度は遅め。 -力、素早さはダントツ、他の能力値も賢さ以外全般的に高いものの装備が冷遇されているので最終的には打たれ弱いイメージがあり、戦士に遅れをとっている感が否めない。実質鉄の爪((最強武器は黄金の爪だが敵との遭遇率が大幅に上がる為実用性に欠ける。))とみかわしの服((女性の場合は「まほうのビキニ」を装備可能))が最強装備。ただダントツの素早さのおかげで物理防御力はそこまで見劣りしない(素早さの1/2が防御力になる仕様の為)。 --先制で行動することが多いため、打撃攻撃以外でも活躍の場は多い。前述の通り武器と服しか装備できない為にアイテムを多く持てる、装備にお金が掛からないのも見逃せないポイント。 -男女とも拳法着を着用している。男のみ、後の『VIII』、『IX』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''魔法使い'' -文字通り、多数の魔法を使いこなす職業。 --攻撃呪文は固定ダメージのため、守備力の高い敵に対して力を発揮する。序盤のヒャド((冷気で敵単体に小ダメージ、中盤までは無効化もされにくい。))とギラ((炎で敵グループに小ダメージ、守備力の高いザコを焼き払うのに便利。))、最終盤のメラゾーマ((火の玉で大ダメージ、終盤のボスには比較的無効化されにくく、コストパフォーマンスも高め。))は、ダメージソースとして非常に優秀。しばしば誤解されがちだが、本作のメラゾーマは意外と強い。 --攻撃ばかりではなくバイキルト(通常攻撃のダメージを倍増)やスクルト(味方全員の守備力を増強)などの補助呪文、リレミト(ダンジョン脱出)やルーラ(後述)などの便利な呪文も覚える。 -MP、運の良さには秀でるが、HPや力の伸びは小さい(特に力)上に装備できる武具に乏しいため、呪文抜きでの攻撃力には期待できず守備力も低い。呪文が不要な場面ではパーティの最後尾で出番を待っていることが多い。 --ただし、魔法使いの専用装備「毒針((常に1ダメージしか与えられないが、一定確率で敵を即死させる。))」「水の羽衣((耐性だけなら勇者専用の最強防具・光の鎧に匹敵する。守備力もそう低くはない。))」はこれらの弱点をカバーできる性質を持っている。 -なお、終盤では素早さが劇的な伸びを見せるため、弱点である守備力はある程度改善され、賢者の石((味方全員を無制限に回復できる強力なアイテム。一品物。))係にも適する。 -男魔法使いは唯一の老人である一方、女はドットキャラの可愛らしさでも定評のあるおしゃれでキュートな女学生の魔女っ娘。 ''僧侶'' -回復呪文のエキスパート。HP回復、状態異常の回復、はては蘇生まで一手に引き受ける。 --回復アイテムを多数持ち歩く必要がなくなるという点でもありがた味が実感できる。ちなみに本作はリメイク版と違い「袋」が存在しないため、持ち運べるアイテムの総数は厳しい(装備品込みで1キャラ8個まで)。 --またルカニ(敵の守備力を0にする)やラリホー(敵1グループを眠らせる)、マヌーサ(敵の通常攻撃の命中率を激減)など、魔法使いと同様サポート呪文も強力。 --攻撃呪文も、風によるバギ系(但しダメージがばらつきやすくやや不安定)や即死呪文のザキ系を覚えていく。 -能力は平均的に伸び、装備品もある程度充実しているため、魔法使いとは違い呪文以外にも戦闘に参加していくことができる。ただし、魔法使いと比べると終盤にかけて能力は伸び悩んでいく。 -男女ともぴっちりした全身タイツに貫頭衣状の上着を重ねるという、露出度は低いながらセクシーな格好。女僧侶は清楚な容姿とその服装のギャップからか人気が高い。 --女は緑のドット絵なので、リメイク版を見ると違和感を感じるかも。男のみ、後の『VIII』の一般人キャラクターの中に再登場する。 ''商人'' -アイテムの鑑定能力を持ち、戦闘後にその戦闘で入手したゴールドの1/6程度を追加で入手することが結構な頻度で発生し、意外にこの積み重ねが馬鹿にならない。 -何よりこの職業の1番の特徴は、パーティに入れた商人と別れることで発生するイベントを進行させるのが、物語を先に進める上で絶対に必要であること。 --もちろんルイーダの店で登録したばかりの商人でも可能。''別れた商人は一生牢屋行きなので人選は熟考する事''((リメイク版では後にパーティーに復帰させることができる。)) -能力としては前衛系だが、レベルアップが全職業中最も早い為能力値も伸びやすく、序盤は安価な専用装備も充実しており((アリアハン大陸で最強の兜の「ターバン」を購入でき、ロマリアで「鉄の鎧」並みの守備力で安価な「鉄の前掛け」を購入可能。))、先述の特殊能力も金欠になりやすい序盤の財布事情を幾分か解決してくれるため、転職させるかイベントで離脱させるまでと考えても十分すぎる活躍をしてくれる。 --そうした「序盤限定のお助けキャラ」という立場を裏打ちするように、中盤以降に出てくる装備品はほとんど装備できず、船が手に入る頃にはほぼ戦力外となる。ダーマ神殿で商人に転職することもできるが、ガイドブックにも「後半商人に転職するのは無意味である」とか書かれており、まさに正鵠を射ている。 ''遊び人'' -爆発的に伸びる運の良さを除いて全てのステータスが平均を下回っている、レベルが上がると戦闘中に勝手に遊んで何もしなくなるなど、いい所なしの職業だが、「悟りの書」という一品物アイテムを使わずに賢者になれるのがこの職業の特徴((この仕様は実はバグの賜物だったのだが、リメイクにあたって公式化された。))。 --一応、この職業も序盤で入手可能な専用装備が存在し魔法使いよりは強力な装備を身につける事ができ、序盤なら真面目に戦闘に参加してくれるのでダーマで賢者に転職する事を前提に最初に連れて行くのもいいだろう。…残り3人の負担は通常よりかかってしまうが。 --遊びはレベルが上がるにつれて種類が増えていくため、シャレのつもりで育てていくのも一興。 -男は道化師、女はバニーガールの格好をしている。 -遊び人は他の職業から転職することができない。この制限が解除されたSFC版以降では、「悟りの書」なしでも遊び人を経由してから賢者になることができるようになった。 ''賢者'' -最初から作成できない上に、「悟りの書」を使用するor遊び人として修行を積む、のどちらかを満たさないと転職不可。 --「悟りの書」を使う場合、後半利用価値が薄くなる商人が最も最適。次点は一部習得呪文がかぶるが転職する事で物理攻撃、回復手段が向上する魔法使いである。戦士や武闘家の場合呪文習得の無駄はないが、パーティーの物理攻撃力が大幅にダウンするのでお勧めできない。 -僧侶と魔法使いの呪文を同時に習得し、最終的には双方の呪文全てを習得できる。装備品も僧侶の装備+α(草薙の剣、隼の剣)を装備できる。 -ここまで書いたらいいことづくめと思われがちだが、レベルアップが非常に遅いため普通にクリアする範囲では僧侶、魔法使いと同程度の呪文までは覚えきれない。それでもフバーハ((敵が使う炎や氷の息から味方全員を保護し、ダメージを2/3にする。))やベホマラー((味方全員のHPを中回復。))ぐらいまでは覚えられるか。 -能力の伸びは平均型であり、転職キャラであるためか全体的に高めになるものの、レベルアップの速度の関係上僧侶並の攻撃力と守備力に、僧侶や魔法使いよりは少し高い程度のHPに落ち着く。MPは両者より少ない。普通にクリアする範囲なら両系統の魔法を生かした補助役、緊急時の回復役やサブの攻撃要因くらいの位置付け。 --ただ、レベルが50を過ぎると他の職業では成長が止まっていても賢者は成長を続けるので万能というイメージに近づく。成長吟味なしでMP500に達する唯一の職業であり、また隼の剣を装備できるので打撃役でも戦士以上の潜在力になりうる。 -男女ともにルックスは抜群で、特に女は「エロカワイイ」をそのまま表した様な本作屈指の人気キャラである。 #endregion ''世界を渡り歩く物語'' -ワールドマップは前作からさらに大きくなっている。1つの街が単なる中継点・通過点ではなくなった。 --本作では呪文「ルーラ」の効果も変わっており、行った事のある町や城へ任意に飛べるようになった。 -また比較的一本道の傾向が強かった前作までと比べて、世界各地に散らばっているオーブを探すといったワールドマップ全体を使ったお使い要素も今作で本格的に登場。いわゆる「王道的シナリオ」の原点を築いた。 --なお、本作のワールドマップは現実の世界地図によく似た形であり、地名も現実の地理や世界史などを元にした名前が使われている。 ---分かりやすいものも多いが、インドに相当するバハラタや胡椒屋のグプタはバーラタ族と王朝グプタ朝、アープの塔は西部の開拓時代の保安官ワイアット・アープ、地球のへそはエアーズロックの別名、ガルナの塔は仏教用語のカルマ(業)からなど奥が深い。 ---最初の目的地であるロマリアは現実のイタリアにあたり、そこから東方を目指すシナリオは東方見聞録を思わせ、大航海時代の幕開けとなったポルトガルにあたるポルトガで船を手に入れるなど、地理から歴史的旅情を味わえる。また、暗黒大陸と言われたアフリカ大陸はバラモスの拠点だったり、アメリカ大陸で開拓の町を作れたりと世界史通にはニヤリとさせられる。もちろん日本に相当するジパングも登場する。 ''昼と夜'' -ワールドマップを歩き続けると時間が経過し、画面が暗くなって夜になる。夜になると街は静まり返り、エンカウントするモンスターは昼よりも強力になる。 -この仕掛けを使ったイベントが数多く入れられている。 ''賭博要素'' -闘技場及び賭博要素が本格的に登場したのもこの作品から。 --今作の場合は自分が持っているお金を勝つと思うモンスターに賭けてバトルを見物する、といったもの。シンプルながらかなり面白く、以降のシリーズでも更に改良されたものが搭載されることになった。 **評価点 -DQ特有の手応えのあるゲームバランスは本作でも健在。 --初めて相まみえる魔物との戦い、厳し目の数値バランスにより緊張感ある戦いの連続、パーティーが成長することで行動範囲は広がり、見えてくる未知の土地と新たな敵……という誰もが確実に手応えを感じながら進められるバランス調整が徹底されている。 --強敵は数多いものの、バランス調整がしっかりと行われたのか『DQII』のように投げ出したくなるような強敵やダンジョンは本作にはなく、終始安定したゲームバランスが保たれている。 -すぎやまこういち作曲によるBGMは非常に評価が高い。 --フィールド曲「冒険の旅」、通常戦闘曲「戦闘のテーマ」、城の曲「王宮のロンド」等、物語の雰囲気を盛り上げるためにも、曲単体として聞くにも十二分なものばかりである。 --特にラーミアの曲『[[おおぞらをとぶ>http://www.youtube.com/watch?v=zfb8KUTYHm8]]』や最終バトルの曲『[[勇者の挑戦>http://www.youtube.com/watch?v=BrBxEbKoWPw&feature=related]]』はシリーズでも1,2を争う人気を誇る名曲とされている。 -王道的ながら当時のプレイヤーを驚かせたストーリー展開。 #region(ネタバレ注意。ただし現在ではかなり有名な内容) -当初、物語は魔王バラモスを倒すことを目的に進んでいくが、バラモスを倒した後に大魔王ゾーマの存在が明らかになる。今でこそ真の黒幕がいるのはさほど珍しいことではないのだが、当時としては斬新でプレイヤーを驚かせた。 --ただ、FC版では戦闘時のBGMが通常の戦闘と同じだった為、ここで真のラスボスがいることに勘付いた人も結構いた。この点に関してすぎやまこういち氏は「ROM容量の都合でBGMを削らざるを得なかった」とコメントしている。リメイク版では専用BGMになった。 --そのラスボスのゾーマは、威風堂々とした圧倒的な存在感にビジュアル面とバトルの曲のかっこ良さからDQシリーズでも屈指の人気ラスボスになっている。また、その後のシリーズで定番となった「いてつくはどう」を初めて使用したことでも有名。 --余談だが当初はゾーマに第2形態がある予定だったのだが、外見が余りに酷かったからか没になってしまった。詳細を知りたい人は検索してみるといい。 -ゾーマの居城がある場所は闇に包まれた地下世界だが、探訪するとそこが『DQI』の舞台であるアレフガルドであることがわかる。ゾーマを倒すために必要なアイテムを手にするイベントも『DQI』に登場する人物との繋がりがあり、印象深い。 --そのアイテム(光の玉)が無ければ難易度がかなり上がるが、倒せないわけではない。その場合、攻撃力が550守備力300素早さ255と格段に上がり吹雪も「強」のみになる一方で、HPや自動回復量に変化は無く行動は完全ローテーションになり光の玉使用後より効く呪文が多くなる(特にマヌーサが効く様になるのは大きい)。従って、相手の後に行動することを前提にした詰め将棋的なバランスで、闇雲に攻めても勝てないが、ちゃんと作戦を練れば驚くほどアッサリだったりする。 -そしてエンディングでは、前作まで伝説として語られてきた「勇者ロト」の正体が明らかになる。このシーンで流れるBGMは代々タイトル画面用のBGMとして使われてきた「ロトのテーマ」。かくして「そして伝説は始まった」のである。 --エンディング後にクリアしたデータで再開すると、データの一部に変化がある。そして、勇者をパーティから外すことができるようになる。 ---これを使って意図的にハマり状態を起こすことができる。詳細は割愛。 //ゾーマを倒し、エンディングを見たあとだと主人公(勇者)をパーティから外すことができる。この状態でアレフガルドでセーブし、その後ルイーダの店へ行ってレベル1でアイテム装備なしの弱いキャラ一人のパーティにし、お金も0にした状態で敵と戦って全滅すると、レベル1一人パーティはアレフガルドで復活してしまう。アレフガルドからルイーダの店へ戻るにはキメラの翼かルーラの呪文が必要だが、所持金なしでは買うこともできずルーラも覚えておらず、アイテム装備なしではスライムにすら勝てないので、どうあがいてもレベル1のまま抜け出せないハマリ状態になる。なお、クリア前でも最初に勇者を死なせ、勇者のみ死亡状態で成長させないままアレフガルドに到着して同様に勇者一人パーティにすれば同様にはまり状態になる。ラダトームの宿屋は極めて安くて回復はしやすいため、スライムやスライムベスを一発で倒す手段を持っている武闘家や魔法使いなら頑張れば脱出できる可能性はある。極めて難しいし、運に左右されるが…。 --なお、ゲーム開始時に主人公の名前を「ろと」にすると「じぶんのなまえをいれてください」として受け付けてくれない。ルイーダの店で仲間に「ろと」と付けようとしても「これはおそれおおい!」と断られてしまう。上記のエンディングを知っているとニヤリとさせられる心遣いである。 -今でこそ誰でも知ってる「ロト三部作」だが、その事実は本作発売当時はメーカーの意向で一切情報が雑誌などでも伏せられていた。前作までとのつながりは序盤一切描かれず、マップも違うために世界観を仕切りなおしたもの、と思わせていた。それゆえに、ストーリーが進行して前作までとのつながりが見えてきて、全てが明らかになるラストはシリーズを通してやってきたプレイヤーには感動モノであった。なお、実は当時のCMやパッケージ裏で「アレフガルドの謎」とはっきり明示されていたりするのだが…。 #endregion **問題点 -バッテリーバックアップの誤認識により、セーブデータがとても消えやすかった。 --セーブデータが消えた((厳密にはソフト自身が壊れたデータと認識して消している。))際に真っ暗な画面で表示される「おきのどくですがぼうけんのしょ○はきえてしまいました」というメッセージ、同時に流れる不気味なジングル(呪われた武具を装備した時と同じジングル)がプレイヤーにトラウマを刻みつけた。 -主人公(勇者)も性別の選択が可能だが、たとえ女にしても移動画面の姿は男にした場合と同じ。イベントなどでも性別による違いはほぼない。 --母親には&bold(){16年間男の子として育てられた}ことになっている。 --リメイク版では女勇者専用のグラフィックが用意され、さらに女勇者限定で女海賊とのイベントやロマリアでのイベントが追加された。 -「防御攻撃」というバグ。 --戦闘中に「ぼうぎょ」を選択した後にBボタンを押してキャンセルしてから別のコマンドを選びなおすと、防御の効果が残ったまま攻撃を行うことができる。 --プレイヤー有利のバグのため、意図的に使えば難易度を下げて快適に遊ぶように調整することもできる。 --ただし4人目は不可能で、1人目が呪文を使えるメンバーだと2・3人目しか使えない。 --この方法は当時の公式ガイドブックでも載っていた。 -説明書・攻略本双方に、「パラメータの体力・賢さは、最大HP・MPの上昇しやすさに影響する」と書かれているが実際対応はしているものの種でこの2つを上昇させすぎると、かえって最大HP・MPの成長が鈍ってしまう。 --これは最大HP・MPの上昇量がレベルアップ時の体力・賢さの上昇量に比例しているため、種で上昇させると「レベルアップによって上がるパラメータは平均より高くなっているほど伸びにくくなる」仕様により、本来上がるはずだったパラメータが上がらなくなるため。 --逆にカンスト値の255の時に種を使うとオーバーフローによってパラメータが1桁まで下がる。さらにこの状態でレベルアップすると前述の仕様により平均値に追いつこうと猛然とパラメータが上昇するため、体力・賢さと共に最大HP・MPが凄まじい勢いで上昇する。 **総評 -名実ともに日本を代表するシリーズを完成させた作品といえよう。 -ロールプレイングゲームの大きな特徴である異世界探訪は、現実世界の地理を反映させたことでさらに旅情味豊かなものとなりプレイヤーの想像力をかきたてるほど奥深い。 -ゲームバランス面でも練りこみ不足だった前作の反省を生かし、緻密なパラメータ調整により最後まで一貫して確実に手応えを感じながら徐々に先に進めるJRPGの理想系を提示。 -演出面でもさらなる強大な敵の登場、前2作のファンには嬉しい演出、緊張感溢れる最終決戦、三部作を締めくくるエンディングなど、王道ながら見どころが詰まっている。 --多くのJRPGがこの作品の影響を受けている。「全ての能力が比較的高い主人公」、「特定のアイテムを使って弱らせるボス」、「以前の作品の過去の話」等。 -日本中を熱狂に巻き込んだことに頷けるその完成度の高さには、現在においても目を見張るものがある。名作の名に相応しい一作。 **余談 -本作のオープニングは黒画面に白文字で『DRAGON QUEST III』と小さく表示されるだけである。容量ギリギリまで詰め込んだために、ゲーム開始画面でのいつものファンファーレやタイトル表記が削られたとのこと。 --このOPカットにより、街2つ分とイベント数回の容量を稼ぐことができたという。 --これは堀井氏も発売直後に雑誌のインタビューで問題点として真っ先に挙げており、『IV』以降では毎回のように秀麗なOPムービーが作られている。 --逆にこの白文字OPが「シブくていい」というファンもいる。 //ロト伝説の始まりを表す「まだタイトルも無い物語」とも解釈され、好意的な受け止めている。 //ネタバレ要素を含むので閉じる形式にしようとしたが、画面が崩れるので取り止めました。 -発売日は平日だったのだが、学校を休んでまで買いに行き警察に補導される子供たちが日本中で400人近くにまで達し、また全国で小学生から本作品を脅し取ろうとする者まで多数現れるなどの刑事事件にまで発展し、ニュースでも報じられる程の社会現象まで引き起こしてしまった。 --この件に関して警察庁が、文部省と業者に対して再発防止策を出すよう命令するなどの事態にまで発展してしまった。 --この一件を問題視したエニックスは、これ以降新作ソフトの発売日を休日に固定するようになった。なお『10』は(夏休みではあるが)平日に発売された。 ---当時は問屋も休日が休みだったので、その後のゲーム流通のあり方にさえ影響を及ぼした形になる。 --[[参考動画>http://www.youtube.com/watch?v=a2zqM7GtGow]] -ルイーダの店には最初から戦士・魔法使い・僧侶が登録されており、彼らの名前には自分で作った場合には使えないカタカナが使われている。 --戦士の名前は「ハンソロ」「スタロン」「ベンハ」など映画にちなんだ名前がなぜか多い。 -主人公の父親・オルテガが出てくる場面があるが、そこでのオルテガのグラフィックがモンスターから使いまわされているため、あんまりなことになっている(通称パンツマスク)のはよくネタにされる。 --ちなみに『ドラゴンクエスト バトルロードビクトリー』ではこの時のオルテガが登場していたりする。 //-前作同様、同じ防具の鎧・盾に比べて兜の種類が少なく、呪われていない最強の兜は「てっかめん」であり若干イマイチさを感じさせるものになっている。 //--特徴に書いたネタバレと合わせると、この点がややこしい問題を帯びてくる。 -女商人は先述のイベントでパーティーを離脱した際、男商人と同様に汎用の商人のグラフィック(ヒゲ面の太ったおっさん)に変わってしまい「性転換」したかのような状態になってしまう。 --これはリメイク版では修正された。 **有名な裏技・バグ、その他 -本作で初登場したドラゴラム(竜に変身して超強力な炎を吐く呪文)は、シリーズおなじみのメタル系と呼ばれる高防御高耐性モンスター(メタルスライムやはぐれメタル)を簡単に焼き尽くす。 --次作『IV』以降では、威力が下がりメタル系を簡単に焼き尽くすことはできなくなったが、本作のリメイク版では本作の高性能が継続している。 --ただし『IV』以降では「変身したそのターンから」炎を吐くのに対し本作では「変身した次のターンから」炎を吐くので逃げられることも多く、MPの無駄使いで終わることも…。 -容量ギリギリまで詰め込んだために、下記のような問題点もできてしまった。 --アイテム無限増殖技が存在する。さらにあることをすると、全セーブデータが消える。 ---これはリメイク版では修正された。 -レーベの村で岩を押して村の左下隅から左側に出すと、多くの村人が消えてしまい、「はなす」を選択すると消えた村人の場所に先頭のキャラクターが飛んでしまう。 --そもそも、なんで岩を押さなければならなかったのかも謎。後に謎解きで『倉庫番』をする場所があるのでそのヒントか? --後に"動かした岩の下を調べる"というイベントもある。 -アッサラームでパフパフ娘に話したあと、イベント開始前に女性キャラを先頭にすると、女性キャラでイベントが始まってしまう。 --このイベントは男性キャラ限定だからギャグシーンとしてなりたつわけで、女性キャラでもやれるとなるとしゃれにもならない。何しろ、''20歳にもなっていないであろう少女が子持ちの中年男に弄ばれて感じてしまう''シーンになるわけだから…。 -アカイライを倒すと「悟りの書」を落とすことがあるとされているが、その確率は1/1024。つまり出ないに等しい。 -闇の衣を剥ぎ取ったラスボスには、実は回復呪文でもダメージを与えることができる。最も強力なベホマなら約170ポイントのダメージを与えることが可能。しかもベホマは消費MPがたった7で済むため、通常攻撃や他の攻撃呪文で攻撃するよりも明らかに効率が良い、これのせいで僧侶や賢者が攻撃役になり、戦士や武闘家が賢者の石で回復役に回るというおかしな状況になってしまうことも(と同時に攻略も楽になってしまう)。 --SFC版では修正され与えられるダメージ量が大幅に減少した。が、その後のGBC版ではほぼFC版と同水準に戻っている。 -重要アイテム『最後の鍵』の入手にかなり苦労するプレイヤーも多かった。スーの村の西とは言われるが、そこは現実の世界では北極海にあたる場所。大海原の中にある浅瀬なぞ、くまなく探さないと見つからない。 --とある町の真南だが、スーの西と言われて思いついたプレイヤーは少ないだろう。 --『ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場』の作家・すずや那智氏も、この浅瀬を見つけるのにかなりの苦労をしたようだ((氏の場合は本作が初めてプレイしたFCソフトであり、公式ガイドブックがあることを知らなかったこともあった。さらに『I』『II』も未プレイだったためアレフガルドの存在も知らず、歩き回って地図を作ったと同単行本で明かしている。))。 --魔法使いが「アバカム」という呪文を覚えれば鍵無しで扉を開けられるようになる((ただし習得に要求されるレベルは非常に高い。普通に進行できているなら、これを覚える頃にはクリアが目前。最後の鍵を探し回るのは中盤。))が、とあるストーリー上必須なイベントを進行させるフラグの1つに「最後の鍵入手」があるので、苦労して覚えた所で結局は手に入れなければならない。 //鍵でアイテム枠を圧迫することがなくなるので、アバカムは無意味というわけではない。 --地図に該当するアイテムがないのも厳しい理由か? ---リメイク版では地図が追加されている。もっとも、"最後の鍵の浅瀬"が見つけやすくは…あまりならない(目標物が小さすぎて地図に写らないため)。 //-コピーした冒険の書は、元が消えると一緒に消えてしまう。 -呪文の習得テーブルでヒャダイン(冷気で敵全体に約70のダメージ)とマヒャド(冷気で敵1グループに約100ダメージ)が入れ替わってしまっている。 --本来Lv32で覚えるマヒャドをLv26で使えるようになるため、非常に強力。逆にヒャダインは非常に影が薄くなってしまった。 --そのせいだけというわけではないのだろうが、『V』以降はヒャダインが削られ、同時にマヒャドが全体魔法に変更されている。 --ちなみにミュージシャン・「ヒャダイン」氏の芸名の由来は当然この魔法で、命名した理由も上記のとおり「不遇だから」というもの。 -「幸せの靴」を装備したキャラを戦闘中にバシルーラで吹っ飛ばして、ルイーダの店で再び仲間にすると、フィールドに出て1歩歩いた瞬間にレベルアップする。これを利用すれば全員を簡単にレベル99にする事も可能。 --とはいえ「幸せの靴」を入手する事自体が結構大変ではあるのだが(はぐれメタルのドロップアイテム)。 --このバグはリメイク版では修正され、さらに「幸せの靴」で溜まった経験値は戦闘に入らない限りレベルアップしないように修正されている。 **その他 -本作発売から8年後にSFCソフトとして[[リメイク>スーパーファミコン ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]が行われた。 -当時発売されたエニックスの公式ガイドブックには、光の玉などのアレフガルドに登場する一部のアイテムや「回転する床」の仕掛けについての説明はあるものの、ネタバレを防ぐためか、アレフガルドで登場する重要アイテム(勇者の最強装備や攻略に必須なアイテム含む)、アレフガルドに登場するモンスター、ゾーマの城内部はおろかアレフカルドの地図すら載っておらず、アレフガルドに関する攻略情報は事実上記載されていなかった。 --バラモス討伐前でも入手可能な光の玉、雷神の剣((ある中ボスが低確率で落とす事があるアイテムの為、バラモス討伐前に入手するにはかなりの根気と運が必要。))は記載されている。あとは公式ガイドブックの表紙の柄が『王者の剣(I、IIでのロトの剣)』であることぐらい。 --ちなみにSFC版の攻略本でもアレフガルドの存在については記載がない。ただし、FC版とは違いアイテム全種・通常モンスター全種は掲載されている。GB版は袋綴じ内のクリア後のお楽しみの1つという形でアレフガルドの概要が掲載されている。Wii版では神竜戦まで普通に載っている。ファミ通でもFCとSFCではバラモス倒したところまでだったが、Wii版ではゾーマ直前まで掲載された。 -「遊び人は賢者に転職できる」という設定が、『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』でもポロンの設定に取り入れられている。 -テレビ朝日の『題名のない音楽会』ではFC時代に問題が起こったり、2010年にはDQIIIの曲((DQIXの序曲もあった。))を2つ演奏している。詳細は、クソゲーまとめ@Wikiの「用語集 > サイト、コンテンツ等2」を参照。 -yahooゲーム、DQMBVコンテンツ内での「一番思い入れのある(ナンバリング限定)主人公は?」の2010年8月から9月に行なわれたアンケートでは、全9作中、本作の主人公がトップであった。更に同日行なわれた「お気に入りの大魔王は?」のアンケートでは全9作品中、本作のラスボスがトップだった。 -2010年のファミ通の桜井政博氏と[[ドラゴンクエスト モンスターバトルロードシリーズ]]のプロデューサーのインタビュー時に「DQMBのIIIのラスボスのとどめの一撃は氷系にして欲しかった」がIIIのオールドファンの意見が結構多かったという。ちなみにDQMBのIIIラスボスのとどめの一撃は炎系のメラガイアーで、これにした理由はメラガイアーの派生魔法のメラゾーマからの洒落だという((もう1つの理由として、アーケード版の段階で先に実装したDQVのラスボスに氷系のマヒャデドスを使わせていたため、被りを回避したという説もある。))。%%あまりにも遠すぎるシャレ。%% -2011年にはFC版「I」「II」「III」、SFC版「I・II」「III」を移植した、Wii『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』が発売された。
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