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*英雄伝説 零の軌跡
【えいゆうでんせつ ぜろのきせき】~
|ジャンル|RPG|&amazon(B003ULN9N6)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル&br Windows(中国語版のみ)|~|
|発売・開発元|日本ファルコム|~|
|発売日|2010年9月30日|~|
|定価|通常版:6,090円&brドラマCD同梱版:7,980円&brダウンロード版:5,200円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/652.html]]''|
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**概要
-日本ファルコムの二枚看板の一つ・英雄伝説シリーズ第三期『軌跡シリーズ』の一作。前作『[[空の軌跡 the 3rd>英雄伝説 空の軌跡シリーズ]]』の続編で半年後を描く。
--『3rd』から実に3年ぶりの続編。前作では名前だけ登場した『クロスベル自治州』が舞台となる。
-もともとは『英雄伝説 空の軌跡 the 3rd』のエンディングにおいて、「To be continued... The Legend of Heroes VII.」と次作が続編となることが示されていた。
--『英雄伝説VII(仮)』で開発が進められていたが、途中でタイトルの変更が発表された経緯がある((このため「ナンバリングタイトルでないならVIIまでの繋ぎ程度の外伝なのでは?」と疑うファンもいたとか。))。
-キャラクターデザインが『SO4』や『イース7』のエナミカツミ氏に変更になった。
-スタート時に難易度を4段階で調整できる。
**ストーリー
ゼムリア大陸西部、クロスベル自治州──~
かつて帝国と共和国の狭間で熾烈な領土争いが繰り広げられたこの地は、現在では大陸有数の貿易・金融都市として発展を遂げ、繁栄を謳歌していた。 一方、帝国と共和国による圧力も目に見えぬ形で高まっており、両大国の意向を受けた議員・役人たちが醜い政争と汚職を繰り広げる中、裏社会ではマフィアや外国の犯罪組織が台頭し、抗争を始めようとしていた。~
そんな中、市民の信頼を失ったクロスベル警察に4人の若者が集められた。&br()新米捜査官、ロイド・バニングス。 クロスベル市長の孫娘、エリィ・マクダエル。 若き《魔導杖》の使い手、ティオ・プラトー。 女たらしな元警備隊員、ランディ・オルランド。~
およそ規格外な彼らは「特務支援課」という新部署に配属され、厳しい現実に直面しながらも、力を合わせて立ち向かって行こうとする。~
──これは《壁》を乗り越えようとする若者たちと、大都市の光と闇に生きる人々の生き様を描いた物語である。~
※公式サイトより引用
***世界観
-舞台となるクロスベルは牧歌的な雰囲気を残していた前作のリベール王国とは打って変わって、導力ネットが導入されるなど近代化が進んでいる。
--その分政治の腐敗やマフィアの台頭など急速な経済発展の負の側面が色濃く出ており、『魔都クロスベル』とも呼ばれる。
--そんな腐敗の影響もあり市民の警察への信頼はどん底、『民間人の味方』である遊撃士協会が人気を集めている状態から物語は始まる。
-続編ということもあり前作で登場した単語もしばしば作中で出てくるが、問題ない程度にはフォローされている。
**前作からの変更点
-一度訪れた場所は次回以降バスで移動(ゲーム的にはワープ移動)できるようになった。
--主な舞台となるクロスベル市内もかなりの広さがあるが、序盤に入手できるアイテムでショートカット移動できるようになる。
-未読・既読問わず、会話やイベントシーン(バスや列車が走る、風景全体を見渡すなど)の早送りが出来るようになった。ただしバックログはないので飛ばしすぎに注意。
-フィールドアクションの搭載。戦闘を有利に開始でき、自分より10以上低いLvの通常敵は、戦闘に入らずフィールドアタック2回で倒すことが出来る((前作までも戦闘をスルーするクオーツ「葉隠」はあったが、CPとセピスは入手できない))。
--一部のプレイヤーはこれにはまってしまい、「2周目は''撲殺ゲー''」と評したこともある。
-実績の追加。
--ゲーム内の行動によって実績が解放され、それによって得られたポイントを消費して2周目以降の引継ぎ要素を解放する仕組みになっている。
---実績をはじめ、さまざまな要素を初見で取るのは相当厳しい。特にお約束の書物関連は長年のファルコムファンでもよく見落とす。実績を全て埋めるには最低でも2周は必要で、前作の弱点だったやりこみ要素を強化したと言える。
---2周目以降の隠し要素なども登場した。前作よりも周回を楽しんでもらうための工夫がされている。
-前作にもあった料理は、料理するキャラによって得手不得手があり、また1つのレシピで3種類の料理ができるようになった。失敗しても何かアイテムを入手できる。
--意図的に調理することはできないが得意(苦手)分野のキャラやクオーツを装備することで発生率を調整することは可能。
--素材「魔獣の○○」系は物々交換でも入手可能になったので必要な素材としている料理の大量生産が可能になった。
-CPを溜める手段が増えたのでクラフト技を使う機会は増えた((CP回復料理レシピの増加、フィールドアタック、宿屋))。
-クオーツに関しても、かなり追加・削除・変更されている。
--敵・宝箱の位置を示してくれるクオーツの効果が''列の先頭にいるキャラでないと効果が発揮されなくなっている''((続編『碧の軌跡』では一部を除いて、この制限は解消されている))。
--ステータスを上げるクオーツは最大3段階まで。
--オーブメントのカバーはカスタマイズ可能だが各キャラ基本1種と追加1種の2つだけ。ストラップは固定されているが、各キャラの個性が出ている。
-ボイスの増加
--一部の会話シーン、料理を始めとした特定の操作をすると声が入るようになっている。それ以前は戦闘のみだった。
***戦闘システム
-ATバトルは前作のものを基本的に踏襲している。
--ATボーナスに『チームラッシュ』が追加。前作までのチェインクラフトをボーナス化したようなもので、戦闘メンバー全員で攻撃する。CPは消費しないが狙って行なえるとは限らない。
--特定キャラに『コンビクラフト』が追加。特定の2人組でCPを100ずつ消費して行なう強力な技で、キャラにより威力、範囲、効果などが違う。
-サポートメンバーの追加。
--ゲストキャラが参戦した時は戦闘メンバーに選んだキャラ以外がサポートに回る(シナリオ的には全員で戦闘している扱い)。全員同行しているので前作までのようにいちいち拠点に戻って編成する必要が無くなり、利便性が大きく向上した。経験値もちゃんと入る。
---サポートメンバーはそれぞれ固有の技(サポートクラフト)で援護してくれる。但しランダム行動なのであまりアテに出来ないが。
-アーツの構成が大幅に変わった。
--特に回復魔法などが属性ごと変更されるなど、編成が偏らないよう調整されている。上級アーツを複数属性揃えるのはなかなか難しい。
--攻撃アーツはほぼ一新されている。
--『空の軌跡』から存在しているアーツについては、必要な数値が簡素化・減少されているため、以前よりも簡単に使えるようになった。
-タクティカルボーナスが導入された。特定の条件を満たして戦闘を終了すると経験値が増える。但し「EXP×1.50」などと表示されても実際は仕様で小数点以下が切り捨てになり、2倍や3倍にならないと効果は無い。
***バランス
-前述のフィールドアクションで戦闘を有利に始めることが半ば前提となっているためか、難易度ノーマルでも雑魚敵が結構強め。
--このシステムが戦闘をワンパターンなものにしてしまっているとの意見もある。
-章ごと・ダンジョンごとのボスなどもそこそこ強い。ラスボスは大して強くないのはシリーズ恒例である。
-各地に『高レベル魔獣入り宝箱』があり、敵を倒すと強力なアイテムが手に入る。最序盤から開けることができるが、終盤になってから挑戦しないとほぼ確実にフルボッコにされる。
-前作まであまり活用されなかった通常クラフトが強化され、アーツはやや落ち着いた性能に調整されたと言える。
--メンバーが5人以上の時もコンビクラフトの存在やお互いの相性から、主役4人を主に使っておくのが簡単である。
***シナリオパート
-進行の仕方は空の軌跡FC・SCと殆ど同じ。名前が変わっただけと考えてよい。
--主人公が警察官なので、依頼は『支援要請』という形で警察の仕事として行なう。遊撃士手帳にあたるアイテムは当然警察手帳である。
---依頼の達成によりDP(Detective Point)というポイントが溜まり、これにより捜査官ランク((警察官としての階級ではないらしい))が上昇する。初回のプレイで最高ランクに到達するのは至難の技である。
--市民からの日常的な案件の依頼が多かったFC・SCと違い、事件の捜査が仕事の中心となる。
---重要な事件などでは集めた手がかりをもとに事件の真相を推理する選択肢が出てくるが、これが結構難しい。数回間違え続けると自動で進めてくれるが、取得DPがかなり減ってしまう。
**問題点・賛否両論点
-前作登場キャラに関する事柄やシナリオが、前作未プレイだと分からない。
--「前作を知らなくても楽しめる」と盛んにアピールしていたが、やはり続編だけあって前作を知っていた方が楽しめる。当たり前のことだが新規プレイヤーには優しくない作りである。
--逆に既プレイ者でもキャラデザが変更になったため、前作登場キャラに「違和感がある」との声も多い。
-操作可能キャラの減少。しかし『空の軌跡』は''FC当時は8人''だったし、シリーズを重ねてパーティキャラが増えたので最初から10人以上と言うわけではない。
--メイン4人組+ゲスト参戦4名+最終ダンジョンのみ参加2名の計10名。一作で話を纏めるためには仕方なかったと思われるが、残念な所ではある。
---とはいえ、その分メイン4人には愛着がわく。ゲスト参戦キャラもストーリーに絡み、パーティにいては出来ない熱い見せ場もあるため、一長一短と言えなくもない。
-通常マップでの視点固定。
--前作までは視点をLRボタンで回転できたのが不可能になった。作業量の削減であろうか?戦闘画面では今までどおり回転できる。
--ただし、本作ではマップに対して見易い視点や見栄えがする視点に自動的に回転するため、利便性という面では前作と比べて一長一短であると言える。
-バグの存在。
--特に進行に支障があるのがキャラが特定の場所に挟まって抜け出せなくなるバグ。他にも原因不明のフリーズや電源落ちが報告されている。公式サイトを参照。
-読み込み速度自体は前作よりも向上しており快適と言えるレベルなのだが、UMDドライブの動作音は改善されていない。
--長めのイベントシーンなどで読み込みが入ることが多いので、折角の良BGMが邪魔されてしまうことも。
--制作発表時からデータインストールに対応することがファンの間で希望されていたが実装されなかった。音が気になる人はDL版を購入しよう。
**総評
-いつもどおりの英伝をいつもどおり全力で仕上げた、と言った所か。シナリオ・システム・バランス・BGMと高レベルで纏まっている。
--長所は前作と変わらず、短所を克服してきたのでより完成度が高くなった。本作のレビューなどでは「丁寧な作り」という言葉が目立つのがそれを表している。
--シナリオ的には「第1部完」という感じだが、本作で解決すべき点はちゃんと解決しているので『空の軌跡FC』のように途中で終わっているわけではない。
-シナリオ中心で語られることが多いが、ゲームとしての完成度も高い。
-公式サイトから製品版にデータ引継ぎ可能な無料体験版がDL出来るので、興味がある人は是非プレイしてほしい。
**メディア展開他
-主役のロイドとエリィが本作に先駆けて『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』に登場している(ストーリー的な繋がりはないお祭りゲーである)。
-本作の前日譚を描いた漫画『英雄伝説 零の軌跡 プレストーリー -審判の指環-』、コミカライズの『英雄伝説 零の軌跡』がともに『電撃「マ)王』で連載されていた。後に『電撃「マ)王』→『電撃マオウ』で本編のコミカライズが連載中。
-PlayStation Awards 2010 ユーザーズチョイス賞(ユーザー投票の上位10作品)を受賞し、電撃オンラインアワード2010ゲーム大賞では2010年一番おもしろかったゲーム第5位にランクイン。販売本数が50~100万本クラスの大作が並ぶ中で健闘している。2011年には日本ゲーム大賞において、年間作品部門で優秀賞を受賞している。
-2011年3月24日、続編『英雄伝説 碧の軌跡』の内容を発表、予告ムービーも同日公開、同年9月29日に発売された。『空の軌跡FC』から『SC』が2年かかったことを考えると(ファルコムにしては)早いと言えるだろう。
-2013年6月14日にwindows8対応版が発売された。中国・台湾で販売していたPC版を日本語にして逆輸入した珍しい経歴のソフトである。解像度やキー操作等の各種設定をカスタマイズしておかないと泣きを見る。
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*英雄伝説 零の軌跡 Evolution
【えいゆうでんせつ ぜろのきせき えう``ぉりゅーしょん】~
|ジャンル|RPG|&amazon(B0088LXI8E)|
|対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~|
|発売元|角川ゲームス|~|
|企画・制作元|日本ファルコム、キャラアニ|~|
|開発元|ピラミッド|~|
|発売日|2012年10月18日|~|
|定価|通常版:6,090円&brダウンロード版:5,040円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/652.html]]''|
**主な変更点
-メインストーリーのフルボイス化。
-使用楽曲全てをフルアレンジ。
--ただし上2つは後述の問題点につながっている。
-オープニングムービーのフルアニメーション化及び新規ムービー追加。
-画面のHD化。
-新規の支援要請追加。
--これによりDP上限が増加し、捜査官1stクラス達成が容易になった。
-vitaの機能を利用したミニゲーム追加。
--エリィ、ティオ、ランディの自室で行える。
-機種がvitaになったことによる快適性向上。
--UMDの駆動音がなくなり、ロード時間もほぼなくなった。
--タッチパネルによるマップ表示、背面タッチで各種手帳が開けるようになった。
**問題点
-フルボイス面で、モブキャラの演技が酷い。モブとはいえしゃべる機会が多いので目につきやすい。
-アレンジの出来も賛否が多く、「Inevitable Struggle」などは改悪((ベースがシンセ音から、何故かサックスに変わったため、非常に気合が入らないアレンジとなってしまっている。バトルのベースに使うべき音なのだろうか。))という声も多い。
--それなのに同社の「イースI・IIクロニクルズ」や「フェルガナの誓い」で採用されたBGM切り替え機能が採用されていない。
-背景のHD化が一部不完全。そのためエリィのとあるセリフが大きくネタにされた。
-「碧の軌跡」で採用された便利機能がほとんど採用されていない。
--他にもPSP版の一部不具合がそのまま放置されていたりする。
-フォントが変更されたが、[[全体的に文字が潰れて読みづらい。>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1465.html]]
--これは発売前のスクショ公開の段階でかなり突っ込まれていたのだが、結局そのままGOサインを出してしまったようだ。
-発売当初フリーズなどのバグが酷く、まともなプレイが出来るレベルでなかった。一か月後にパッチが配布され改善された。
**総評
追加要素以外は良くも悪くも普通の移植作。深刻なフリーズも解決したので問題点に目を瞑れば「零の軌跡」として楽しむことができるだろう。
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*英雄伝説 碧の軌跡
【えいゆうでんせつ あおのきせき】~
|ジャンル|RPG|&amazon(B004TJ4M1Q)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売・開発元|日本ファルコム|~|
|発売日|2011年9月29日|~|
|定価|通常版:6,090円&brドラマCD同梱版:7,980円&br完全予約限定版:9,240円&brダウンロード版:5,200円|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/652.html]]''|
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**概要
-英雄伝説シリーズ第三期『軌跡シリーズ』の一作。前作『零の軌跡』のエピローグからおよそ1ヵ月後から物語りは始まる。
--前作との間の期間はドラマCDで描かれている。
-ドラマCDに加えエリィとティオのねんどろいどぷちが同梱された完全予約限定版が発売された。
-キャラグラフィックがエナミカツミ氏からファルコム社内絵師(詳細不明)に変更になった。
--会話グラはそのままだが、戦闘でのカットインなどは全て新規に描き起こされている。
-前作を未プレイの人のためにメインシナリオや設定を復習できるプレストーリー機能がついている。が、楽しむためにはプレイ済みが望ましい。
**ストーリー
-人間の感覚や身体能力を驚異的に高める薬剤「グノーシス」にまつわる一連の事件は、ロイドたち特務支援課の活躍によって解決に導かれた。&brだが、それは壮大なる物語のプロローグに過ぎなかった。&brはたしてクロスベルを震撼させる新たな事件とは……? “零”から“碧”へ、さらなる深みを増した世界に対し、特務支援課の新たな挑戦が始まる!
**前作からの変更点
-基本パーティーは前作の4人にスポット参戦だったノエルとワジを加えた6人。選択で2人がサポートに回る。
--終章では総勢8人になるが、同行できるのは6人までなのでよく考えて選ぼう。
-自動車が使用可能になった。
--序盤で支援課専用の導力車が支給される。これでクロスベルのダンジョン以外の殆どの場所にワープ移動できるようになる。
--しかもパーツを買って改造することで、HP・EP・CPを無料で回復できるようになる。
---あまりにも万能すぎて、前作で追加されたばかりのバスやホテルが即座にいらない子に……。
--シナリオに影響は無いが、パーツをつけて外観を変えたり、痛車にすることもできる。
-フィールド上にオブジェクトが登場。フィールドアクションで破壊することにより、ランダムでアイテムが入手できる。縛りプレイなどでは特に有用となる。
--CGムービーが入るときも存在しているので、景観を損なうのが難点か。
--地下駐車場のゴミ箱を破壊すると食材が出てくるなど、謎(というか適当)な部分もある。
***戦闘システム
-新システム『バースト』の追加。各章のクライマックスになると戦闘画面の右上に「バーストゲージ」が表示され、満タンになると任意で発動できる。
--バースト発動中は味方のディレイ値が0になり、敵の行動順を無視して連続して行動でき、魔法は詠唱なしで即座に発動できる。また状態異常の回復・CPの自動増加が発生する。
--ゲージは味方の攻撃などで少しずつ溜まり、発動から8回行動すると0になってバーストが解除される。またゲージが満タンのまま放置すると減ってしまう。
-『マスタークオーツ』の追加。オーブメントの中央にセットする特殊なクオーツで、戦闘で経験値を溜めると成長する。各種1個ずつしか入手できない。
--キャラの能力値加算効果及び様々な特殊効果を持ち、アーツに必要な属性値も一般クオーツより多め。レベルが上がるにつれこれらが成長する。
--最高のレベル5になればパーティー全体に効果を持つ『マスターアーツ』が使えるようになる。クオーツの属性ごとに様々な効果があり、後半戦では特に重要。
---マスタークオーツ導入で各キャラの属性固定スロットが減ったので、アーツ編成の自由度が上がった。基礎能力値の補強もしやすくなっている。
-アーツやチームラッシュの演出をスキップできるようになった。
--毎回長くなる傾向にあったのでありがたいところ。どうせならポケモンやスパロボのように一括で演出をON/OFFできるようにしてくれるとより良かったのだが。
-前作では小数点以下切り捨てだったタクティカルボーナスが小数点以下も計算されるようになった。
***バランス
-新システムの追加に併せて多少難易度は上昇している。RPG初心者は素直にノーマル以下で遊ぼう。
--新システムを使いこなせれば雑魚戦は前作よりスピーディにこなせるだろう。
--一部のボス戦はかなり高い難易度調整になっている。こちらの最大HPの倍以上のダメージを与えてきたり、防御回避不能の強制全滅技を繰り出してきたりする。
-前作で猛威を振るった一部のクラフトは弱体化。それ以外も少しずつ調整が入っている。
--レベルアップとともに強化されたり新技が追加され、以前の強さを取り戻すようになっている。
-武器の改造が手軽にできるようになったので、こまめに施しておくと少し楽に進める。
***シナリオパート
-絆システムの拡大。
--前作ではエリィ・ティオ・ランディの3人だけだったが、本作ではそれ以外のパーティーメンバーや非戦闘キャラにも絆ポイントが存在し、コンビ技の強化や強力なアイテムの入手イベントが発生する。
-隠しクエストの増加。
--本作ではゲーム内の1日に1つは隠しクエストがある。実績やアイテムに関わるものもあるので注意しよう。
--1つの隠しクエストが次の隠しクエストの発生条件になっていることもある。
**評価点
//ネタバレは極力無しでお願いします。
-「零」から引き継いだ「壁を乗り超える」、「碧」からの「同じ時代を生きていく」というテーマを軸とした物語は評価が高い。
--空の軌跡から張り続けていた伏線の大部分を回収。前作の謎も解き明かされている。
---それに伴い『空の軌跡FC/SC』のエステルとヨシュア、『3rd』のケビンとリース等多くの人物がクロスベルに駆けつけ、事件解決に尽力する。
---メイン以外にも様々な人物が過去作から登場し、シリーズファンをにやりとさせる。
-やりこみ要素の拡充。
--図鑑類や複雑化した釣りに加え、実績・隠し要素なども増加している。前作では名前だけ登場したミニゲーム「ポムっと!」も遊べる。
---最短で2周すれば実績・隠し要素のコンプリートは可能。アイテムコンプは5周必要。
-戦術の多様化。
--キャラの増加・新システムの追加により取れる戦術の幅が広がった。独自のやりかたで攻略を楽しもう。
-自由度の向上。
--第二章に入ればクロスベルの殆どのエリアに行けるようになる。イベントも豊富。
--これにより英伝ファンは住民との会話を堪能するべく、クロスベル中を駆けずり回って嬉しい悲鳴を上げることになる。前述の自動車も大いに活用しよう。
-楽曲の充実。
--特定の敵との戦闘BGMである「Unfathomed Force」、「The Azure Arbitrator」、あるイベント時に流れる「Miss You」「To BeContinued」など、ファルコムjdkならではの良曲は今作も健在。
--場面とも実に上手くマッチしており、イベントの臨場感を煽る。
**問題点・賛否両論点
-バグの増加。種類も発生頻度も増えている。
--一番問題なのが原因不明の電源落ち。マップや場面が切り替わる所で発生しやすい。
--エレベーターバグ。エレベーターで上がる/降りると地面にめり込んでしまい抜け出せなくなる。''ラスボス手前で発生しやすい。''
--その他釣りバグなど細かいバグ多数。前作とシステムはそう変わらないのに、どうしてこうなった?
--DL版のみ、これらの改善が見られた模様。気になる人はDL版を購入しよう。
-クラフトの問題。
--ディレイが弱体化。これによりディレイ効果を持つクラフトが軒並み弱くなった。前作が強すぎたとも言えるが。
--クラフト強化は強化の格差が激しい。実質「消費CPが増えただけ」なんてものも存在する。また、新規クラフトも使い勝手が良くない。
-絆システムの複雑化。
--前述の通り主人公ロイドが仲間との絆を深めると終章でイベントが発生し技強化などが行なわれるが、一部イベント内容が結構アレだったりする。しかも6人の中から1人だけ選ぶ。そのため「''どこのギャルゲーだ''」「硬派に戻せ」「いやもっとやれ」等の声も聞かれる。この辺は好みの問題か。
---絆イベントは実績開放の一部であり、周回引継ぎすると最初から技が強化されているという利点がある。そのため1周目から緻密なポイント調節とセーブ&ロードで実績を埋める「''全員攻略''」が推奨されている。
-レベル上げが困難になった。
--前作ではレベル上限50に対して隠しボスもレベル50だったのだが、本作では上限150に対して隠しボスが130。こちらのレベルが130を越えた辺りで急速に経験値が稼ぎにくくなる。上限まで育てるのは最早苦行。
--クリアには何の問題もない((実績開放するだけなら120まで上げれば良いようになっている。))のだが、やり込み派には不評だった。やり遂げた人もいるようだが。
-中盤までの展開が大きく評価されてる一方で、終盤のシナリオに不満を持つユーザーも。
--ロイド、ランディ、ワジ、リーシャは物語全体に見せ場があるのに対し、それ以外のキャラの見せ場が少なくなった。女性キャラに顕著。
---シナリオの風呂敷を畳むのに尺を取られ、個別イベントも絆ポイントによる選択式なので割を食っている。また、エリィとティオに関しては前作で大半のエピソードを描き終えてしまったというのも理由の一つである。
--ノエルは前作はイベントに恵まれなかったが、今作でもイベントに恵まれなかった。
---だが、終章でのイベントは一部で有名かつある意味で人気が高い。
-相変わらずシリーズの終わりが見えない。
--肝心の「結社」の計画等は意味深に語られるのだが、それは今回の騒乱にはあまり関係なく次回作に持ち越し。
-プレイ時間が2周目に引継がれなくなった。
--そのため、プレイ時間が100時間になると取れる実績が取りづらくなった。面倒な人はACアダプタを繋ぎ放置推奨。
**総評
-続編という性質上前作のプレイが前提だが、前作を楽しめた人はほぼ確実に満足する出来になっている。演出・展開の熱さではシリーズ1だろう。
--見た目が軽いので敬遠する人もいるかもしれないが、是非試して欲しい。
-続編としてPS3/PSvita用ソフト「閃の軌跡」が2013年9月26日に発売。舞台が遂に「エレボニア帝国」へ遷移した。尚、時系列は「零の軌跡」とほぼ同時期。
-それに合わせPSvita用ソフト「碧の軌跡 Evolution」の発売が決定した。2014年発売予定とのこと。
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