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GUILTY GEAR X」(2013/09/14 (土) 21:44:34) の最新版変更点

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*GUILTY GEAR X 【ぎるてぃぎあ ぜくす】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B000067UEP)|&amazon(B00007KWJC)| |対応機種|アーケード(NAOMI)|~|~| |販売元|サミー|~|~| |開発元|アークシステムワークス|~|~| |稼働開始日|2000年|~|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ギルティギアシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1089.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[GUILTY GEAR>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/753.html]]』の続編。ただし、ストーリー的には「初代の外伝」と位置付けられている。~ 格ゲー人気の低下が決定的になってきた中、ゲーム業界ではさして名を知られていなかったサミーが突如として発表した超新星で、格ゲー好きを唸らせる魅力的な要素がこれでもかというほどに詰め込まれた革新作であった。 ---- **GGXでの追加・変更点 ***ゲームシステム編 -前作のパワーゲージは、「テンションゲージ」と呼ばれる物に変わった。テンションゲージは「攻めの行動を取るほどに上昇効率がアップする」という仕様となっており、攻撃を当てるだけでなく相手に向かって前に出るだけでも溜まる。逆に逃げ続けていると上昇効率が下がるばかりか、「ネガティブペナルティ」と呼ばれる罰が与えられてしまう。待ちなどのチキン対策としてはかなりの有効打となった。 -テンションゲージを50%消費する代わりに、通常技必殺技問わず強制キャンセルできる「ロマンキャンセル」システムが導入された。隙の多い技のフォローや連続技のさらなる発展を見込めるため、応用の幅がとても広い。それにしてもこのネーミングセンスは見事としか言いようがない(笑)。((こんな名前にした由来は「なんとなくのノリ」らしい。)) -待ち対策の一環として、「ガードレベル」システムが搭載された。攻撃をガードするとガードレベルゲージが増加し、溜まった量に応じて連続技のダメージ補正が緩和されたり、一定値以上で常時被カウンター状態になってしまうというもので、ガード一辺倒だと崩された時に驚異のダメージを受けることになる。当時流行していた「ガードクラッシュ」とは別のアプローチで待ち行為にリスクを負わせる画期的なシステムだった。 -一撃必殺技の仕様が変わった。まず全ボタン押しで「一撃必殺技準備状態」になり、そこからコマンドを入れると発動する。ただし、1ラウンド中1回しか出せない上、決めても1本取るのみ、使用後はラウンドが終わるまでテンションゲージが消失するなど性能は大幅ダウン。魅せ技となってしまった。 ***新キャラクター キャラクターデザインは引き続き石渡氏が担当。前作のキャラも多数登場するが、キャラ性能やデザインが大幅に変わっている者も多い。 -Dr.ボルドヘッド、クリフ、ジャスティスは登場しない。ただし、Dr.ボルドヘッドはファウストとして登場しており、クリフとジャスティスは家庭用では使用可能なバージョンも存在する。 #region(ゼクスにて追加されたキャラクター一覧) -ファウスト --頭に紙袋を被った医者。設定や立ちグラフィックが前作のDr.ボルドヘッドを連想させるが…? --何を投げるかわからない飛び道具と、リーチの長い通常技が特徴。 --ドリフっぽい技やギャグ成分が多いためいい意味で「狂っている」キャラだが、バックグラウンドストーリーも勝利台詞もものすごく真面目。そのためかドラマCDや小説など脇役としての出番が多かったりする。 -ジョニー --空賊「ジェリーフィッシュ快賊団」のリーダー。前作のメイのストーリー中に登場していたが、デザインを変えた上で使用キャラに抜擢。 --動きは遅めだが、刀を使った技は出が早くリーチに優れているため強い。 --しかしそれ以上に強烈なのが起き攻めである。詳しくは後述。 -御都 闇慈(みと あんじ) --日本壊滅の真相を追うジャパニーズ。舞うように戦う独特の戦闘スタイルを持つ。 --飛び道具と下段技を重ねることで、中下段同時攻撃(=実質上のガード不能連携)を行えるキャラ。 --一部の技には「ガードポイント」が存在しており、相手の技を受け流しつつ反撃することが可能。 --ちなみに上半身が裸。理由は「当たると痛いから本気で避けられる」と本人が勝利台詞で語っている。GPを使い敵の攻撃を耐えている様となんだか矛盾している気がしなくもない。 -蔵土縁 紗夢(くらどべり じゃむ) --拳法家にして料理の達人。自分の店を構えるため賞金を狙う。 --技のリーチは短いがラッシュ力が強く、ブロッキングの様に相手の技を受け流せるため接近戦が強い。 --必殺技を強化することが可能。強化された必殺技を絡めた連携、連続技は強力。 --ゲーム中の彼女の行動にはほぼ必ずパンチラが仕込まれている。気になる人はトレーニングモードでじっくりと確認してみよう。 -ヴェノム --アサシン組織の幹部。銀髪黒肌で穏やかな美形キャラだが、外見が色々と奇抜。スタッフによればどうやら腐女子受けを狙ったキャラらしい。 --ビリヤードをモチーフとした技を持つ。特に「ボール生成」を絡めた連携のバリエーションが豊富で。しかし火力が低く切り返し技に乏しいため常に自分のペースを握り続ける必要がある。 --本人にその気はないかもしれないが、ザトー=ONEに盲目的な忠誠を誓っており、言動がそれっぽいため愛称が「フォモ」。 --ACで声優が変更されたキャラの一人。 -ディズィー --人間を素体とした生体兵器「GEAR」。本作のストーリーにおける最重要人物で、ラスボスでもある。 --豊富な飛び道具と高い空中移動能力を駆使して戦うキャラ。しかし喰らい判定が大きい・装甲が低い・気絶しやすいと、一端攻められると厳しい。 --PS版ストーリーモードでは、続編への伏線がちりばめられている。そのせいで続編発売時にちょっとした騒動になったことも。 #endregion ---- **評価点 ***爽快感あふれるゲームシステム システムは概ね『[[ストリートファイターII]]』からの流れを継承しており、初代GGは「自由度の高いゲームシステム」が売りであった。本作でもそれは変わっていない。 -二段ジャンプや空中ダッシュ、チェーンコンボ、ダストアタック、通常技ジャンプキャンセル、といった動作は、前作同様ほぼ全キャラに搭載されている。適当に操作しているだけでも非常にスピーディで派手な動きができる。 -各キャラごとにルートが用意された「ガトリングコンビネーション」システムのおかげで、ボタンを連続で押すだけで簡単に連続技が繋がる。連続技の要になるキャンセル行動も必殺技キャンセル・ジャンプキャンセル・ロマンキャンセルと多岐に渡る。 -グラフィックのパワーアップのおかげで、必殺技も派手。テンションゲージを消費する「覚醒必殺技」はもっと派手。 -攻め攻めのゲームバランスだが、それに劣らず防御も重要。防御手段も「フォルトレスディフェンス(テンションゲージを消費して行う強化版ガード)」や「直前ガード(硬直を微妙に減らす)」や「デッドアングルアタック(ガードキャンセル技)」と豊富。また空中コンボはつなぎが甘い場合、空中受け身で抜けることができる。 -地味な点ではあるが、先行入力が利きやすくなっていたりするなど細かい仕様が随所に存在する。これらの仕様を逆手に取って様々なテクニックが開発されていった。 -ヒットストップが長く、通常技が当たったのを見てからガトリングコンビネーションに繋ぎ、〆に必殺技を出すという行為が、他の格闘ゲームに比べるとかなり楽である為、&bold(){(対CPU戦に限れば)}格闘ゲーム初心者にもおすすめできる。逆に対人戦は完全に初心者お断りである。理由は後述。 --なお、決して他の格ゲーを否定する訳ではないのだが、「KOF」や「ストリートファイター」シリーズなどは、ヒットストップが短く、格闘ゲーム初心者にはヒット確認をしてから技を出して連続技を決めるのが困難な面があった。また、空中ダッシュや空中ガード(FD)に値するものも殆どない為、ジャンプで飛び込んで対空で迎撃されるケースが多かった((最も、KOFなどは元からそういうゲームとして作られているのだが))が、本作では飛び込む側にも対空する側にも選択肢がある。 ***美麗なグラフィック 使用基板がNAOMIとなり、グラフィックは大幅にパワーアップ。前作と比べればその差は一目瞭然である。 -キャラクターはダイナミックかつ表情豊かに動き、エフェクトも派手。格ゲーに多かったキャラ専門層の注目も大いに集めた。 --2Dということでドット絵と勘違いされやすいが、本作でのキャラアニメーションの作成手法はアニメのようなセル画。石渡氏が技の絵コンテを描き、それをアニメーション製作会社が動画として描き起こし、それをさらにドット絵として打ち直しゲームに落とし込んでいる。そのためドット絵という解釈でも問題ない(CAPCOMも原画や3Dモデルからトレースする手法)。 ***BGM 前作同様、石渡氏作曲のエレキギター全開のHR/HMが主体のBGM。前作でも人気であった「Holy Orders」「Suck a Sage」「Writhe in Pain」「Momentary Life」等の名曲はアレンジされて本作でも使われているし、多数の新曲も収録。BGMの評価は高い。 -中でも、ザトーvsミリア戦のBGM「Still in the Dark」は特に高評価の曲として有名。石渡氏もお気に入りの一曲である。 ---- **難点・賛否両論点 -ゲームバランス --調整がまだ練りこまれておらず、様々なテクニックの開発の末に本作は「ひどいハメゲー」として知れ渡っている。 --本作では起き攻めが非常に強烈で、これと起き攻め対策を覚えることが対人戦の基本となる。というか覚えないと一方的にハメ殺されてお話にならない。 -特にダイヤグラム上位のキャラである、ジョニーとミリアの起き攻めは「強力」を通り越して「極悪」である。 ---ジョニーには「霧ハメ」というセットプレイが存在し、''一旦霧ハメに移行されると、起き上がりにガード不能かつダウン回避不能の必殺技を死ぬまで重ねられ続ける''ことになる。&br()連携の隙を縫って脱出することは一応可能だが、「ほぼ無理」と言えるくらい非常に困難。 ---ミリアは設置系必殺技「HS版タンデムトップ」を重ねてからのガード崩しが強力無比。&br()''中段、下段、投げ(さらに裏回りも加わる)、どれを取っても出が速くて見切りづらく、どの技を始動技にしてもダメージと気絶値を稼ぎ、相手をダウンさせる連続技に移行できる。そして再びHSタンデムトップを重ね、気絶するか死ぬまで逃がしてくれない。''仮にこちらにターンが回っても、ゲージさえあれば''ガードキャンセルからコンボが繋がってしまうため、守りからもダメージを取りつつ起き攻めに移行できる(気絶させる事も可能)''という理不尽。 ---各種通常技もいちいち嘘のように判定が強く、牽制を振り回して何か当たればそのままコンボに移行、ガードされてもそのまま固めに移行、と差し合いに関しても異常な強さを誇っていた。ただし防御力が低いため、ワンチャンスに高威力の連続技を決めればまだ勝利の目はある。それでも超高性能キャラであることは間違いなく、北斗のトキや戦国陸上のオクラの先駆けとなる強キャラとして有名。 --さらに「FCD((「ガトリングで出した足払いの出かかりをフォルトレスディフェンスでキャンセル→それをさらにダッシュでキャンセル」とすることで、疑似的な通常技ロマンキャンセルが可能となるテクニック。ロマンキャンセルはテンションゲージを50%消費するが、こちらはごく僅かしか消費しないため連続で行える。))」と呼ばれるテクニックが発見されたことで世紀末を迎える。FCDを駆使することで、超強力な固め連携、超威力の連続技+確定気絶、また見えない崩し連携などが可能となった。 ---このテクニックの恩恵により一部キャラのコンボ火力が大幅上昇。上記のミリアもこの恩恵をフルに受けており、最早やりたい放題。強キャラとしての地位を確固たるものにした。 ---逆にこのテクニックを利用してもあまり恩恵を受けられないキャラ(カイやポチョムキン)は、元々が弱キャラだった事もあって悲惨な事に。ジョニーも全く恩恵は無かったが、結局は霧ハメが強かったためあまり問題なし。 --これらの理由から、完全に「初心者お断り」のゲームとなっている。 ---操作性は良好で必殺技コマンドも出しやすく、CPU戦の難易度も低い。というところまでは初心者向けなのだが、問題は対人戦。覚えるべき知識やセオリーが多く、FCDを筆頭とした高難度の操作テクニックを要求される技が多数存在するため、対人戦のハードルは非常に高い。ゲーセンの運営上(特に資金、設置スペースに関する問題)練習台を用意するのが難しいこともあり、初心者は家庭用発売までは練習がなかなかできない環境であった。 -「キャラによってはモーションがかっこ悪い」という声も…。 --ただ、上にも書いたとおりグラフィック自体はたいへん綺麗であり、それよりも対戦バランスのほうが重要であったため、あまり問題点としては認識されていない。 --また、この辺りは開発陣も自覚があったのか、新作に移行するにつれ新たに追加されたモーションほど評価が良くなっている。 ---- **総評 人気が下火となった格闘ゲーム界にいきなり現れた綺羅星といえる存在であり、同時にアークシステムワークスを有名ゲームメーカーとして認知させ、さらに会社の作風までをも決定づけてしまった作品。~ 前作という下地があったとはいえ、そこからの進化はまさに「昇華」としか言いようがない程に見違えており、しかもアーケード参入1作目にしていきなりこの完成度の高さであった。~ 過去の格闘ゲームの総決算+αとも言えるような詰め込まれたシステムと、それに支えられた動きの自由度とスピード感が売りの対戦ツールであり、このゲームの持つ魅力に取りつかれたプレイヤーは、多少のゲームバランスの悪さを気にせずやりこみ続けた。~ また、美麗なグラフィックと個性豊かなキャラクター、ロック調のイカしたBGMなども大好評で、多数の新規ファンの獲得に成功。格闘ゲーム界隈、ひいてはアーケード業界に新たな活気を呼び込むことに成功した。 ---- **移植 -DC版とPS2版(こちらのタイトルは『GUILTY GEAR X PLUS』)が発売された。どちらもAC版をほぼ完璧に移植している。 --DC版はオリジナル要素は控えめだが(トレーニング、サバイバルモードの追加など)、音源(特にギター)が強化されているためBGMの質はより高まっている。後者は発売こそかなり遅れた代わりに、ストーリーモードの追加やAC版では登場しなかったクリフとジャスティスが復活するなど、追加要素が多め。ただしメディアがCD-ROMなのでロードがやや長いのが難点。 --さらにはGBAへの移植版もあるが…。これは、まあ、色々な意味で「無茶しやがって…」という出来であった。 ---グラフィックは初代並みかそれ以下まで劣化。ダメージ補正が激しく、5~6ヒットほどですぐに与ダメージが1ケタまで落ち込んでしまう。その一方でGBA版にしかない「ヴェノムロケット13号」「ぶっきらぼうに全力で投げる」&bold(){「扇子で空を飛ぶ闇慈」}((厳密には闇慈が武器を用いて浮遊する技がある))などの独特な技もあり、できれば後発作品に組み込んでほしかったものもある。 ---- **その後の展開 本作は全国で人気が沸騰し、サミー主導の全国大会が実施された程の熱気であった。その後もアーケードで長く遊ばれ続けていたが、より進化した続編の登場が待望されていたことは言うまでもない。そして発売された『[[GUILTY GEAR XX]]』も、その前評判に見事に応えた良作であった。 ----
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