「初音ミク Project DIVA Arcade」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

初音ミク Project DIVA Arcade」(2013/09/19 (木) 08:04:03) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*初音ミク Project DIVA Arcade 【はつねみく ぷろじぇくと でぃーう゛ぁ あーけーど】 |ジャンル|音楽ゲーム|~| |対応機種|アーケード(RINGEDGE)|~| |発売元|セガ|~| |稼動開始日|2010年6月23日|~| |デフォルトプレイ料金|100円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[初音ミク関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1286.html]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 -PSP専用ゲーム『[[初音ミク -Project DIVA-]]』を、アーケードゲームとしてリメイク・移植した作品。 --ただしゲームシステムや実際のプレイ感覚に関して、PSP版と本作には少なからず違いがある。総合的なクオリティも考慮に入れると、''「PSPのゲームの移植版」という域を超えた別物''として扱う方が実情に即しているとも言える。 -初音ミクをはじめとするボーカロイド((この記事ではボーカロイドという言葉を「クリプトン・フューチャー・メディアの音声合成ソフトウェア『キャラクター・ボーカル・シリーズ』および関連作品に登場するキャラクターたち」という意味で使用する。))たちを題材・モチーフとしたゲーム。ジャンルはリズムアクション(いわゆる音ゲー)である。 -発売時期は、PSP版の一作目と、続編『2nd』のちょうど中間にあたる。そのため両者の折衷・良いところ取りのような部分もあれば、どちらにも見られない独自の要素もある。 ---- **基本システム -『[[初音ミク -Project DIVA-]]』を参照。いたってシンプルで理解しやすいリズムアクションゲームである。 **AC版の特徴・差異点 ''圧倒的に美麗になったグラフィック'' -ハードウェアとして、セガの最新アーケード基板「RINGEDGE」を採用。このため画面上におけるボーカロイドたちの姿は、PSP版とは比較にならないほど美しいものとなっている。 --PSP版と同じ曲については、基本的に同じ構成・内容のPVとなっている。しかしグラフィックはまさに別次元であり、AC版の高い表現能力を実感させる。 ''アップライト筐体'' -ゲーム筐体は、現在セガで広く採用されている汎用筐体を使用。『[[ボーダーブレイク]]』『シャイニングフォース・クロス』等に使用されているものと同じタイプである。しかしそれらが椅子に座って遊ぶゲームであるのに対し、本作には原則として椅子は用意されず、立ったまま遊ぶアップライト筐体ゲームとして扱われている。 ''横一直線に並んだボタン'' -PSP版が、PSPのボタン配置にあわせて右手でボタンを押すスタイルを原則としていたのに対して、本作は4つのボタンが操作パネル上で横一直線に配置され、両手を使って叩くことになる。片手プレイのPSP版よりも操作が楽である場合が多く、ノリのよい軽快なプレイが体感できる。 -ボタンには左から「△□×○」という記号が明記されており、PSP版に慣れたユーザーに対して親切な措置と言える。 -ボタンはかなり大きめで、押すというよりポンと軽く叩く雰囲気である。これをタイミングよく押すだけという、シンプルなゲーム性である。 ''ICカードによるプレイ記録'' -昨今のアーケードゲームでは珍しい事ではないが、本作でもプレイヤーにゲーム用ICカードを発行し、それを利用してプレイ結果を記録するというシステムを採用している。また、電子マネー機能つきの携帯電話を用いて、ICカードと同様にプレイデータを残すことも可能。 --現在は、このICカードはセガの統一カードである「Aimeカード」に統合され、1枚のカードで『MJ5』『戦国大戦』などもプレイ可能となった。さらにバンダイナムコが展開する「バナパスポート」とも統合され、互いに共用が可能。 --なお、記録したプレイ結果はオンラインサービス「''DIVA.NET''」でも確認可能。「DIVA.NET」ではその他、多彩なカスタマイズ要素や、実績に相当する「DIVAレコード」など様々なコンテンツが用意されている。 ---他のアーケードゲームではこういったオンラインサービスを利用する場合、月額課金をしなければならないのが普通であるが、「DIVA.NET」は無料で利用できる((ただし「利用権」というものが必要で、これは10回プレイするごとに30日間「DIVA.NET」が利用可能になる権利を得られるというもの。ストックできる利用権は最大60日分。))。これは「DIVA.NET」β版公開時にアンケートをとった結果、携帯電話での課金が難しく、クレジットカードも持っていないであろう高校生以下のプレイヤーが多かったためである。 ''新システム「同時押し」と「HOLD」'' -これは、PSP版『2nd』の「同時押し」「長押し」とは異なるシステムである。以下に解説する。 -''同時押し'' --PSP版では押すボタンは一つずつが原則であったが、本作では2つ、3つ、あるいは4つすべてのボタンを押すことが要求される譜面が多発する。 --その多くは曲が盛り上がる箇所で、曲の最後の部分で4つのボタンを同時に叩いたりする。同時押しに関しては通常と異なるマーカーが出現するのでそれを見て構えることが可能。 --高難易度の譜面になると、4つのうち特定の2つのボタンを高速リズムで同時連打することが要求されたり、連打の途中で押すべきボタンが切り替わることもある。最高難易度ともなると一見して人間の限界を越えたような譜面も存在する。 ---とは言え全曲とも3~4段階の難易度選択が可能なので、同時押しやHOLDの要素がほとんど存在しない、初心者にも楽しくプレイできる簡単な譜面も取り揃えられている。 -''HOLD'' --本作独自のアイデアとして特筆すべきシステムが、このHOLDである。 --ターゲットの中に、小さく「HOLD」と書かれたものがある。これを長押しすると、押している間どんどんスコアが増加していき、一定時間押し続けるとボーナスが得られる。((あくまでボーナス要素なので、HOLDしなくてもコンボは途切れないし、クリアに必要な達成率への影響も微々たるもの。)) --面白いのは、''わざと単発マークを無視してでもHOLDを継続したほうがスコアが高くなる場合がありうる''という事実である。これは「捨てノーツ」と呼ばれ、スコアにこだわる熟練プレイヤーの注目の的となっている。 --それに加えて「HOLD切り替え」というテクニックも存在する。文章で説明するのがやや難しいのだが、例としてはHOLDが2個以上存在する場合に、その2つのHOLDを同時に取ることをせず、敢えて1つ目のHOLD継続を切ってから2つ目のHOLDを取り直すことにより、結果的にHOLDをより長く持続させる、といったものである。 --原則として音ゲーとは、お手本通りに正確に操作するゲームである。PSP版もそうだった。しかし本作はプレイヤーの創意工夫によって、そのお手本を超える余地が残されているのである。 --その結果、高得点を得るための、いわゆる「ルート」が仲間内やネット上で激しく議論されている。一方で自力で「ルート」を見つけ出し、それが世に広まる事を防ごうと試みるプレイヤーもいる(もちろん己がランキングの上位に君臨するためである)。「攻略ルートを模索する」という他の音ゲーにない要素は本作の大きな特徴である(しかし批判もある。詳しくは後述)。 ''多彩な収録楽曲'' --収録曲は、稼動当初の時点では全40曲だった。うち31曲はPSP版一作目よりの移植であり、9曲が新規収録曲であった。 --新規曲のうち特に喜ばれたのは、鏡音リンが歌う「孤独の果て」と巡音ルカが歌う「星屑ユートピア」である。本作の稼動開始はPSP版『2nd』発売よりも前のことであり、初音ミク以外のボーカロイド曲をプレイする機会は、この時点ではこれだけだったのだ((他に公表されない隠し要素として、「いのちの歌」「荒野と森と魔法の歌」のモジュールをリンかレンに設定すると、ボーカルもそのキャラの声になる。))。 ---「孤独の果て」のPVが「3DCGモデルによるダンス」という原則を離れて、ニコニコ動画で発表されたPVを忠実に再現した内容であったことも話題となった。 --その後は1~2ヶ月に一回、1~5曲程度のペースで新曲が配信され続けている。2013年4月の時点で139曲。なお特殊な条件を満たさないとプレイできない「隠し曲」は一切無く、また今までアップデートに際して曲が削除されたこともない。 ---追加された楽曲にはPSP版『2nd』『extend』等からの移植曲の他、新規収録曲、コンテスト採用曲もある。また往年のセガのアーケードゲームのBGMをアレンジした楽曲も収録され、話題を呼んだ。((2013年4月現在では「Magical Sound Shower」(『アウトラン』)、「多重未来のカルテット -Quartet Theme-」(『カルテット』)、「AFTER BURNER」(『アフターバーナーII』)「LIKE THE WIND」(『パワードリフト』)の4曲。)) --また、曲と同様に、モジュール(PV上の表示キャラクターやその服装)も新しいものが次々と追加されている。これはプレイ結果に応じて手に入るVPというポイントを消費して購入することにより変更可能となる(モジュールの自在な変更は、ICカードでのプレイデータ保存が必須となる)。 **バージョンアップについて -本作は他の音ゲーとは違い「新作」としてナンバリングが更新されることはないが、オンラインアップデートにより、一定のペースでユーザーインターフェースなどの改善が行われている。~ 2011年1月27日に、メジャーバージョンアップといえる「Version A」がリリース。2体のボーカロイドによるデュエット曲が追加され、PSP版『2nd』からの楽曲が順次移植されているなど、あらゆる面でより充実した内容となった。~ 2012年7月には、2度目のメジャーバージョンアップ「Version B」がリリース。ゲーム内容に大きな変化はないが、筐体や画面のカラーデザインが一新され、「ライバル機能」や「PV撮影機能」などいくつかの機能が追加されている。 **ユーザー参加型の制作姿勢 -本作は世界初のCGM(=Consumer Generated Media、つまり消費者がコンテンツ作りに参加するということ)アーケードゲームを標榜しており、ユーザーに単に遊んでもらうだけでなく、限定的な形ではあるがゲーム製作に参加してもらうという姿勢をとっている。 -収録曲の中にはニコニコ動画やピアプロで発表され、すでに一定のファンを集めた名曲が、少なからず含まれている(メルトやワールドイズマインなど)。 -コンテストを開催して、一般ユーザーからボーカロイドを用いた曲を公募し、採用する事も行っている。さらにはPVもユーザーから公募している。課題曲にあわせてPSP版のエディットモードでPVを作って応募。優秀作はスタッフの手によってAC版クオリティにリファインされ、実際のゲームに使用される。 --ちなみに、これらの採用者には''金色に輝く特製ICカード''が贈呈される。これを所有することは本作プレイヤーにとって最大の誇りと言えよう。 //サンボルもユーザー参加型だし、特異性ってわけでもない気がする。 //↑まあこの記事書かれたのがサンボルが出る前だったし **問題点 -PSP版の問題点の多くは本作にも引き継がれている。「オブジェクトがPVにまぎれて見づらい場合がある」「初見殺しの譜面が珍しくない」などである。 -他の音ゲーでもめずらしくはない現象ではあるが、本作は特に難易度表示があてにならず、実情に即していない例が目立っている。 --本作には、ナンセンスなほど簡単な譜面から絶望的なまでに難しい譜面まで、実に幅広い難易度の譜面が収録されている。~ それは良いことなのだが、''これらの全難易度の譜面を統合して9段階''((例えるなら太鼓の達人のような譜面別の難易度表示形式ではなく、IIDXやDDRのような一括型の難易度表示。))で表示しているため、高難易度において表示が目安にならない状況が頻発している。~ 初心者用から上級者用まで幅広く用意された数多い譜面数に対して、わずか9段階の表示では対応しきれないのは明白である。ある曲は難易度☆9と表示されているのに、どう見ても別の難易度☆8の曲の方が難しいといった例も珍しくない。このため予想外の高難易度譜面に出くわして全く歯が立たず、あえなくゲームオーバーを迎えてしまうといった光景も散見される。~ また、相次ぐ新曲の追加によって高難易度の譜面が増えてきている一方で、''稼動当初から存在していた曲の難易度表記が修正されたことがこれまで一度もない''ため、初期曲と最新曲とで基準の食い違いが生じているのも一因である。難易度表記の全面的な見直しが必要だと考えているプレイヤーは多い。 -先述した「攻略ルートの模索」という要素に対して、否定的な印象を持っている人もいる。 --曲によってはどれだけ譜面通りに正確に叩いても、「捨てノーツ」や「HOLD切り替え」等のテクニックを駆使しなければランキング上位は望めないこともある。ハイスコアランキングに名を連ねるためには、プレイ動画を必死に見つめて捨てノーツやHOLD切り替えの余地を探し出し、それが実際にスコア向上に貢献するのか理論値を算出しなければならないのだ。~ このような行為はおよそ「音ゲーで遊ぶ」という言葉とは程遠いものであり、まるでパズルを解いているかのようである。他の音ゲーとあまりにもかけ離れているランキング争いの現状に戸惑いをおぼえ、批判の声をあげている者もいる。 ---そういった声に応じたのか、のちに純粋に精度を競う達成率ランキングも実施された。 //-他の音ゲーにも言えることなのだが、ボタンをひたすら(時には超高速で)叩くのみというゲーム性のため、ボタンのメンテナンスはゲームの快適性に直結する。ゲームセンターにとっては、本作は頻繁なメンテナンスを要求する「手のかかる娘」である。 //↑メンテが欠かせないという点は全てのアケゲーに共通すること。その中で、実質ボタンが4つだけの本作は、むしろ構造が簡素な部類といえる。よってCO。 //-当たり前のことではあるが、今作はボーカロイドの歌う曲ですべて占められているため、ボーカロイドにあまりいい印象を持っていない人や歌声が好きになれないという人には当然お勧めできない。そのため、ハードルの高さは多種多様な音ゲーの中でも''違った意味''でトップクラスとされる。 //↑偏った一面的な見方というか、気にしすぎ・考えすぎなのでは? 実際に客層を見ていると、むしろ他の音ゲーをプレイしないような人(女性やライト層)にも広く受け入れられています。 //--しかしこれは逆に言うと、ボーカロイド(キャラクター・ボーカル・シリーズ)を用いた曲ならば''なんでもあり''ということでもある。~ //実際、本作の収録曲は、テクノ、ロック、アイドルポップス、和風や童謡風、さらにはワルツやサンバに至るまで、非常に幅広いジャンルにまたがっている。ボーカロイドの声質から来る違和感さえ乗り越えれば、誰もが自分の好きな曲に巡り会えるはずである。 //もうここらへん個人の好みの問題としか言えないのでCOでいいんじゃないかな。そもそもボカロ嫌いの人はこんなゲームに近づくわけがないし -他の音ゲーでは1クレジットで3曲遊べる例が多く、また筐体の設定しだいで変更もできるが、本作では2曲(通常モード)もしくは1曲(途中ゲームオーバーが起こらない完走モード)のみであり、お店の判断で設定変更することもできない。そのせいで他の音ゲーよりも1プレイの時間が短いような印象を受ける。 --ただし、本作では曲の長さが他の音ゲーと比べて長い傾向にあり((半分以上の曲が3分超(他の音ゲーでは大体2分程度)。楽曲募集コンテストでも、応募曲の長さは最大で2分40秒と、音ゲーの収録曲としては長めに設定されている。))、実際のプレイ時間はそれほど差異はない。 **総評 数ある音ゲーの中でも異色な扱いを受けることが多いが、簡単な操作・魅力的でバリエーションに飛んだキャラクター・曲のジャンルの豊富さなど、多くの魅力を備えている。また『SOUND VORTEX』などにも見られるプレイヤー参加型のゲーム制作姿勢を、最初に打ち出した音ゲーである点も特筆に値するだろう。~ 一見さんには絵柄もあって遊びづらい面もあるかもしれないが、ゲーム内容自体はハードルが低くとっつきやすいものであり、誰もが自分の好きな曲に巡り会える可能性を持っている。食わず嫌いをせず、是非とも一度は遊んでいただきたい。
''Wiki統合に伴い、ページが[[カタログ>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/3331.html]]に移転しました。''

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: