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*クロックタワー2 【くろっくたわーせかんど】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000069SUP)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売・開発元|ヒューマン|~| |発売日|1996年12月13日|~| |定価|6,900円|~| |配信|ゲームアーカイブス&br()2012年2月22日/600円|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[クロックタワーシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/555.html]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ---- SFCで発売されたアドベンチャーゲーム『[[クロックタワー]]』の続編。古典ホラー的世界観がベースであった前作に対し、今作ではサイコホラー的世界観を取り入れ、平穏な日常が殺人鬼の出現によって一瞬にして非日常に変貌してしまう恐怖を描き出している。ハードがPSに移った事でグラフィックとサウンド・演出面が強化され、前作以上にパワーアップした。 キャッチコピーは''生存確率1/10000の恐怖''。 ---- **ストーリー ---- 前作から1年後のオスロが舞台。バロウズ邸で発生した猟奇殺人事件は「クロックタワー事件」と呼び習わされ、事件の生還者ジェニファーが証言する事件の犯人―不死身の怪物はマスコミによって「シザーマン」と名づけられ、恐怖のシンボルとして巷の若者達の間で取りざたされていた。ジェニファーはオスロ大学の助教授へレンに引き取られて姉妹のように仲良く暮らし、心の傷も癒え次第に落ち着きを取り戻しつつあった。一方、ヘレンの恩師バートン教授は、彼女の証言する事件の犯人「シザーマン」を恐怖が生み出した妄想と決め付けつつも、犯人像の割り出しに手間取り、真実を知る為として催眠治療によって彼女の記憶をムリヤリ引き出そうとし、そんなやり方にヘレンは反感と疑問を抱いていた。 そんなある日。 ジェニファーがバロウズ邸での戦いで葬り去ったはずのシザーマンが再び現れ、血と恐怖に塗れた非日常へと人々を引きずり込んでゆくのだった……。 ---- **ゲームシステム ---- -本作では、全3章のシナリオが存在し、インターミッションモードとシナリオ本編の2つから構成されている。 --インターミッションは、次のシナリオへ進む為にキャラクター同士で会話をしてフラグ立てをしていく((プロローグではサブキャラのバートン教授を操作することになり、その時の行動によって以降の主人公が、ジェニファーかヘレンのいずれかに決定されるようになっている。))。''日常と非日常の対比''がテーマとなっている本作における''日常''のシーンであり、全て日中の明るい時間帯で進み、シザーマンは出現しない。 --時折表れる選択肢によってシナリオが分岐し、シナリオの流れに影響を及ぼす。場合によってはバッドエンド確定でやり直さなければならなくなることもある。 --フラグを立て終えるとシナリオ本編へ移行し、シザーマンの出現をもってゲーム本編が開始される。 ---エンディングはジェニファー編、ヘレン編双方で5種類ずつ、計10種類のマルチエンディング方式。 -カーソルによる操作法は概ね前作をそのまま踏襲している。 --''通常状態''(BGMが無音の状態)中に、カーソルを画面内のオブジェに合わせ、カーソルの形が変化したオブジェ(クリックポイントと呼ぶ)をクリックすることで、調査・移動・アイテムの使用を行う。 --ドアや床等をダブルクリックすると、キャラクターが走る。 -特定のクリックポイントをクリック時および撃退後から一定時間が経過するとシザーマンが出現し、追われる(''逃走状態'')事になる。 --シザーマンに追い詰められると、''パニック状態''に陥り、カーソルが激しく点滅する。この状態の時にクリックボタンを規定回数以上連打することで、体力の減少と引き換えに、緊急回避してその場を脱することができる。(通称RSIシステム) ---ただし、ジェニファー&ヘレンが緊急回避を行うにはシザーマンと同じ高さで隣接する事が条件。これらを満たさなければ問答無用で殺されてしまう。((例えば階段を下りた直後に階段から降りてきたシザーマンに接触してパニック状態になる等、段差がある場所でシザーマンが主人公よりも高い位置にいる場合。)) --シザーマンの襲撃を一時回避すると、自動で一番近い部屋に逃げ込むか、室内であれば部屋の外へ出る。 --完全に回避するには撃退専用アイテムをクリックするか、特定の場所に隠れる必要があるのは前作と同様だが、今作では回避ポイントと見せかけた罠や特殊な手順を踏まなければ回避できない罠が設けられており、一筋縄では行かなくなっている。 ---一定確率でシザーマンが先回りして現れたり、隠れても回避の成功がランダムで決まる回避ポイント、強制的にゲームオーバーになるダミーの隠れ場所、パニック状態中に画面内の特定のオブジェをクリックしないと完全に回避できない罠など。 -前作では主人公の体力は5段階だったが今作は3段階。 --ダッシュしても体力は減らず、パニック状態回避によって減少した体力は通常状態時にのみ、時間経過で回復する。 --カーソルの色で体力が表わされ、赤が最低。体力が最低値の時にパニック状態になると死亡する。タイトル画面に戻り、コンテニューを選択すると、体力が一段階分回復して逃走状態中の状態から(クリックポイントのクリックによる出現では通常状態から)再スタートとなる。 -シザーマンの追跡も前作と違い、リアルタイムで追ってくるようになっている。 --この為前作のように扉に出入りして仕切り直しということが不可能になり、じっとしているとすぐ追い詰められてしまうのでより緊張感と焦燥感が増した。 -前作のオートセーブに代わり、今作ではメニュー画面から任意でセーブ可能。 --データも最大で3つまで保存できる為、シナリオ分岐後やバッドエンド後の再挑戦の手間をある程度省けるようになった。 ---- **評価点 ---- -3D化により、立体化されたキャラクターとカメラワークが映画的臨場感を盛り立てている。 --キャラクターの動きにモーションキャプチャーが取り入れられ、リアルな動きを追求している。 -シザーマンの出現により、日常的に見慣れたはずの場所が瞬く間に非日常的空間と化していく恐怖感と、PS初期ながらのあまりキレイでない無骨なポリゴングラフィックが却って醸し出す独特なホラー映画的空気感が、前作とは一味違った雰囲気を演出している。 -主人公が2人になった事で、同じステージでも展開が異なる「二度美味しい」作品となった。それぞれのシナリオでサブキャラクターを操作する機会もあるので、プロローグを含めれば操作キャラは全5人である。 -シザーマンのビジュアル的恐怖感のアップ。 --本作のシザーマンは、コートを着込んで更に巨大で無骨なハサミを構え、びっこの片足をずっこずっこ引きずりながらシャキンシャキンと音を鳴らしてジワジワ近寄って無言で殺しに掛かって来る。3D描写により様々なアングルから描写される臨場感も相まって、より恐怖感が増した。 --神出鬼没ぶりは前作譲り。クリックポイントのトラップで再出現する際の登場の仕方も前作に負けじと劣らぬ奇抜かつ大胆なもので、時には思わず笑ってしまいそうな方法で現れることも。登場時の恐怖を煽る演出にも一段と磨きがかかっている。 -前作に比べ、死亡描写はかなり直接的でグロいものが多く、プレイヤーの恐怖感をさらに盛り立てる。 --シザーマン回避失敗時には、巨大なハサミで串刺しにされるシーンが克明に映し出される。 -相変わらず無音による恐怖感も健在。シザーマン登場時のBGMもより恐ろしい物になっている。 -最終章は前作に劣らず即死トラップの宝庫であり、気を抜けばすぐに「DEAD END」の文字が画面に表示される事必至である。 --更に最終章の登場人物の生死はプレイヤー次第。各キャラに生存時間が設定されており生存時間内に再会できないと死亡してしまうため、何も考えないでグダグダなプレイをしていれば、気がついた時には死体だらけなんて事はザラ。しかも殺害方法はどれも例によってエグい。更に死体を調べたらシザーマンが出現する。 -クリア後のおまけも用意されている。 --操作キャラ全員とシザーマンに隠しコスチュームが用意されており、黒コートのシザーマンがセーラー服のジェニファーを追いかけると言う怪しいシチュエーションを拝めたりする。ゴッツ警部補のコスチュームには漢字の当て字が書いてある等ネタには事欠かない。 --更にエンディングコンプリート後のおまけはシュール過ぎてホラーを喜劇に変えてしまうだろう。 --その他、字幕の表示方法を変更できるという隠しオプションも選択可能。 ---- **問題点 ---- -キャラクターの移動がしにくい。 --キャラクターの動きに合わせてカメラが移動する為、どこから移動してきたのかが把握しにくい。 --ダッシュ中にクリックボタンを押すと立ち止まってしまう為、スムーズに動かしにくい。一度ダッシュをさせたらクリック地点に到達するまではボタンを触らないこと。 ---次回作「ゴーストヘッド」ではカーソルを少しずつ滑らせつつ連続でクリックすることでスムーズな移動が可能になっているため、そちらに慣れていると却ってもどかしく感じられる。 --ドアをダブルクリックしてダッシュで到達させる場合、ドアの前で変なポーズのままぐるぐる一回転してからやっとストップ→ドアを開けて移動、という感じになりがちでテンポが悪く、その時の動きも滑稽に見えてしまう。 -PS初期の頃のソフトな為、グラフィックはあまりキレイではない。 --人形のような造詣で動きもカクカクしており、キャラクターがアップになるとローポリ故の粗さが目立つ。 -ヒント機能が追加されたが内容が抽象的で具体的なヒントは少ない。 --しかも特定の場所をクリックしないと見つからない。全部見つけるにはジェニファー編、ヘレン編双方のシナリオ内でよく調べる必要がある。 -前作同様、ゲーム内での描写不足が目立つ。 --バロウズ家の闇の歴史、悪魔の子供の起源等、ゲーム内で掘り下げられればストーリー的に面白くなったと思われる要素がいっぱいあるのだが、いかんせん描写が断片的で説明不足であり、メディアミックス展開でリリースされた小説版で全補完される有様であった。 -シナリオ終盤になるとだれやすい。 --全3章(内分岐シナリオ2つ)のオムニバス形式で、その内の1章、2章は比較的内容が短く、手順さえ覚えてしまえば短時間で終了させられるほどなのだが、最終章のシナリオはそれまでと比べてやるべきことが一気に増え、謎解きの手順と各エンディングに至るまでの経緯が複雑化していくので詰まりやすい。 ---このため、お約束のように表れるシザーマンが次第にうっとうしくなってしまう。 --最終章の舞台となるダンジョンは、それまでのシナリオと比べて内部が明るく、あまり暗くない為に不気味さが薄れている点もやや残念。((ストーリー上、主人公達が潜入するのは日中の明るい時間帯な所為もあるが。)) -2章はシナリオ分岐により、シナリオの舞台がバロウズ屋敷の元執事の家と図書館のいずれかに決定さる。 --しかし、図書館ではジェニファー編だろうがヘレン編だろうがヘレンを操作する事になる。内容も全く同じ。 ---従って、本作では5人中ヘレンを操作する機会が圧倒的に多いことになる。一応、看板背負ってるのジェニファーなんだけど…。 -ベストエンディングの到達条件に付いて(攻略情報に関するネタバレなので隠し) #region -ジェニファー、ヘレン編双方において、ベストエンド(ランクA)取得の為に必須のアイテムが最終章以前のシナリオに存在している。 --その為、事前情報を知らないと見逃してしまい易く、アイテムの存在を知らないまま詰んでしまうことになり得る。 --尚、そのことは第1章で手に入るヒントに書かれている。前述の通りヒントはなかなか見つけにくいので人によっては気付くのに時間が掛かる。 #endregion ---- **総評 ---- 終盤になるとマンネリ気味で恐怖感が薄れやすくなり、ゲーム中のストーリーの掘り下げもあまり深くないのがやや残念だが、独特な洋画ホラー的な空気感と雰囲気は前作からそのまま引き継がれており、3D化を取り入れることで前作の持ち味であった映画的演出がうまく活かされている。~ 独特の敵モンスター「シザーマン」が持つインパクト、徹底したビジュアルデザイン、「喧騒と静寂」をコンセプトにしたサウンド、またホラー映画や実在の猟奇殺人犯のパロディ要素が多くのホラーファンに受け入れられ、ホラーゲームの代表作品の一つとなった。ホラーゲームファンはもちろん、ホラー映画が好きな人にもぜひおススメしておきたい1作である。 ---- **余談 ---- -本作のPVは映画評論家で有名であった故・淀川長治氏が内容解説してくれるという非常に手が込んだ物であった。スタッフの本作に対する拘りが感じられる。 #region(PV) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=a8IRzdgNpcE) #endregion ---- **メディア展開 ---- -ラジオドラマ版 --ラジオ番組「子安・氷上のゲムドラナイト」でラジオドラマがオンエアされた。リスナーの投票で放送されるシナリオが決まるというもので、同作品を収録したドラマCDには未放送分も完全収録されている。キャストも西村ちなみ、鶴ひろみ、真殿光昭、大塚明夫、佐藤正治と結構豪華。 -牧野修が手がけたノベライズ版『クロックタワー2 アドベンチャーノベル』が、『ジェニファー編』と『ヘレン編』の2作発売された。 --選択肢によって展開が分岐する方式でゲームの雰囲気を再現する試みがなされている。本編では語られなかった多くの設定が明らかにされており本編の補完を兼ねた作品となっている。 -2008年に映画化の告知がされたのだが…未だに音沙汰が無い。ポスター等もあるが…。 ----
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