成歩堂×真宵③

「なるほどく~ん、まだ寝てるのー?」
 …真宵ちゃんの声がする。
どうやら前に渡した合鍵で、呼び鈴も押さずに上がり込んだようだ。
ずかずかと隣りにやってきて大声を出す。
「もう、とっくに朝だよ!起きてよー」
「…ぅう、待って…あと…あと5分…」
 ぼくは少しでも日曜日の朝寝が長引かせられるように、布団を頭からかぶる。
「外はいいお天気だよっ、洗濯して掃除して出掛けるんだよーっ」
 そう、今日は実は真宵ちゃんと出かける約束をしている。
なんでも、トノサマンの新シリーズの公開記者会見があって、それを観に行きたいのだそうだ。
 …全く、御剣とでも行けばいいのに。
貴重な惰眠が破られることを、少しばかり呪っていると、シャッとカーテンが開けられる音がした。
仕方ない起きよう…と思ったその時、まずいことに気がついた。…こ、これは…。
しかし、それを制する前に…
「ほーら、無駄な抵抗は…」
「あ」
 …数コンマの差で、真宵ちゃんの手によって、ぼくの布団はひっぺがされた。
そして瞬間、微妙な沈黙がぼくの部屋を支配する。
「…あの…さ、なるほどくん…、ふくらんでるよ」
「…う、ん…」
 トランクスの上からも、はっきりわかるくらい僕は勃起していた。
真宵ちゃんとは、既にいわゆる男女の仲になっているとはいえ、ぼくは少し動揺する。
しかしそこでひるむ真宵ちゃんではない。
  ―(尋問 開始)―
「おしっこ我慢してるの?」
「いや、そうではなくって…」
「えっちなことでも考えてた?」
「いやいや、そんなこともないんだけど…」
「じゃあなんでここ、こんなにおっきくなってるの?」
 真宵ちゃんは思いっきり証拠のブツに指を指す。
「えーと…あの、これは、一般に「朝立ち」と呼ばれるもので(中略)で、
つまり健康優良青少年男子にとっては、珍しくも何ともない当然ともいえる自然現象であって、
故意に何らかの働きかけが行われたというわけではないんだよわかった?」
 何でか知らないが、ぼくは性に疎い真宵ちゃんに力説を試みた(本筋に関係ない部分は略したけど)。
「そうなんだー」
 真宵ちゃんはあっさりと納得した。しかし…
「で、それどうなるの?」
「え?」
「これ、まだおっきいままだけど、勝手にしぼむの?」
「それは…」
 何を言い出すんだ?
「えいっ」
「ぁひィ…ッ」
 いきなりの感触に僕は変な声を出してしまった。
下腹部に目をやると、真宵ちゃんは身を乗り出して僕を自身を握っている。
「ま、ま、真宵ちゃん…」
「あ、痛い?」
「いや、痛くはないけどそうじゃなくって…ぅひぇ…ッ」
 真宵ちゃんは両手で交互に、ぼくをにぎりにぎりしている。
「あはは、おもしろーい」
 …笑ってるよおい。しかし彼女はさらに云った。
「あたしが出してもいい?」
 ……。彼女はやる気だ…。ぼくは既に良い感じになっていて、言葉が出ない…。
あー、この無抵抗のまま、あっさりぼくは10代の女の子に辱められるのか。
真宵ちゃんとはこれまで何回かセックスはしたが、こんなに積極的なのは初めてだぞ…。
「なんか…さっきより硬くなってる」
 小さな指が上下左右と軽くひねる様に摩擦を与え、ペニスは布地を引っ張ってさらに怒張を続ける。
「ねえ、なるほどくん。さっきから黙ってるけど、ちゃんと感じてるの?」
 ぼくはやっぱり無言でこくこくと頷いた。…ど、どうにも恥ずかしすぎる。
ううう、丁寧にフクロの方まで揉まれてしまって。もういいや、好きにしてください…。
「あ、なんかじんわり…先っぽから出てきて…、えいしょっと!」
 ついには、ぼくのトランクスは引き下ろされ、先走りに濡れる巨塔(誇大広告)が姿を現した。
「うわー…なるほどくん、すごいすごーい…。初めてこんなに近くで見たーっ…」
「…そ、そうだったんだ…」
 ぼくは情けない声を出す。
「うんっ、だってえっちの時は部屋は暗くするし…、ホントきのこみたーい!」

 …上のTシャツしか着ていないぼくを、さんさんと太陽は照らす。…ああ。
真宵ちゃんは、わーとかへーとか呑気な声を上げて、必死なのはこちだけである。
まあ、喜んでくれたようで何よりだよぼくは…。
そして、気を抜いていた瞬間にまたもや……。
「あひゃぁぅっ…ッ」
 真宵ちゃんはぼくの脚の間に顔を寄せて、ぱくっと、そのきのこを口いっぱいに頬張っていた。
口の中で唾液と精液がじゅるじゅると混ざり、裏筋に舌がねらりと張り付く。
「ぅぐッ…ま、まよいちゃん…ッ、歯、歯は立てないでっ」
「…ン、ぁあ、ご…ごめんねっ」
 ぬらぬらと光るペニスを吐き出すと、再び真宵ちゃんは先端をちろちろと舐めとって、
軽く口に含み、沸いてくる液体をずずずと吸い上げた。
「…ぅ、うぅ」
「はぁ…っ、ぬるぬる…気持ちいい?」
「うん…すごく」
「良かった。じゃあ気をつけるけど、またおかしなところがあったら云ってね」
 うう、噛み千切ったりだけはしないでくれ…真宵ちゃんの行為は読めないから気を付けたいけど、
こっちも余裕なくなってきたんだよ…。
そんな思いをよそに、まよいちゃんは再びぼくを扱きはじめた。

 …男の人の体って変なの~。でも、おもしろーい。
小さくなったり大きくなったり、柔らかくなったり硬くなったり。
これはどうかな~と思いながら、ああしたりこうしたり、…初めてだけどなんとかなってるかな?
なるほどくん、気持ちいいみたいから。耳まで赤くして必死な顔してるもんね。あはは。
 …でも…なんか、あたしも…、情けない顔をしてるなるほどくん見てたら、羨ましくなっちゃって、
あそこの奥の方がじんじんしてきちゃった…。あたしも気持ちいいことして欲しいな…。
 あたしは思い立つと、なるほどくんのおちんちんはいいこいいこしながら、
自分の服の裾をたくし上げて、ショーツの上からあそこを軽く指で擦った。
「あ…ッ」
 じんわりとした鈍い快感が走った。どうやら既にやらしい気分だったみたい。
もっと強く感じたくて、小刻みに熱い部分を弄ると、もう片方の手のなるほどくんへの愛撫も
つられてどんどんペースが速くなっていく。なるほどくんの喉が鳴った。
 ああ、もう、たまらない。湧き上がっては弾ける快感に声を抑え切れなくて、あたしは思わず
なるほどくん自身に激しくしゃぶりついた。
「…ぅ、ンむっ、はぅむうぅ…ッ、…む、ぅ…」
「ま、まよいちゃん…っ」
「なっなるほど、くぅんっ」
 いきなり、なるほどくんは起き上がったかと思うと、
ショーツの隙間から指を挿しこんでいたあたしの手は掴まれて、
さっきとは逆に、布団に仰向けにさせられてしまっていた。
 あまりの早業に驚きながらも、唾液となるほどくんの粘液で、べとべとになった口元を拭っているあたし
の上に、なるほどくんは馬乗りになって、あたし自身の液体でしみの出来た、水玉のショーツが
丸見えになるくらい、着物の裾を捲り上げた。
「…あ、あたしも、びしょびしょになっちゃった…」
 そう云うと、なるほどくんはあたしの脚を思いっきり広げさせて、ショーツの上から濡れた自分自身を
あてがって擦り始めた。
「ぁ、ぅ…なるほどくんの…が、…当たって…、はぁ…っ」
 擦り込むような前後の小刻みな動きを逃さないように、あたしはなるほどくんの腰に両脚を絡ませた。
それは直接の性器の接触ではない分、じわじわとむずがゆい快感を生み出す。
「は、はぁっはあっ…はあぁっ…」
「真宵ちゃん…ごめん、やっぱり脚閉じて…」
「…?」
 あたしの脚をといて、ぴったりと閉じさせた両腿の付け根に、硬い自身を挟み込むと、
なるほどくんはものすごい速さで再び腰を動かしだした。
「…あ、ゃだぁ…っ、だめだよぉ…、そんなに、速くっ…あ、ぁッ」
「真宵ちゃんっ、動かないでッ…」
 下着を通して、敏感な部分への連続された摩擦の刺激があたしをおかしくさせた。
それでもなんとか、なるほどくんを逃さないように、ぎゅっと脚を閉める。
「ぅ…あ、ああァっ、は、はぁうン…ッ」
「…ぁ、う、…出ッ」
 で、出た…ぁ…。
脚の間から引き抜いた瞬間に放たれた精が、あたしの太腿とショーツの上にぼたぼたと垂れた。
「…はぁ、はァ…でも、お気に入りのパンツが…、ぐしょぐしょになっちゃった…」
「ご…ごめん…」
 肩で息をしながらなるほどくんは謝る。
水玉のショーツは陰毛やあそこがうっすら透けて見えるくらいに、白い精液で汚されていた。
「うぅ…こんなべちょべちょじゃ、履いてられないよ~っ」
 こそこそと自分をティッシュで拭いて、トランクスを穿きだしたいるなるほどくんを横目に見ながら、
あたしはぶつぶつ呟いて、糸を引いて纏わりつくショーツを脱ぐ。
「まあ、そりゃあたしだって濡れ…きゃあっ」
 なるほどくんは、あたしのそこだけ露わな腰を引き寄せると、またまた押し倒した。
「なっ、なるほどくんっ…」
 腰を浮かされて、脚は広げられて、今度はあたしが、恥ずかしいくらい隅々まで露わにされた。
なるほどくんは、陰毛やひだの内側にこびりついているあたしの液を、舌で丁寧に舐め取る。
「やだぁ…そんな、なるほどくぅん…、気、持ちいい…っ」
 さらに、先ほどの刺激でまだじんじんとしている陰核を大きな指でくにくにと優しく摘まれる。
「…ひ、引っ張っちゃ…だめっ、…おまめのところは…だめなのッ、あッぁっ…」
「まよいちゃん、もっと濡らしてもいいんだよ」
 なるほどくんは、不敵な笑みを向けながら、さらにあたしを掻きまわす。
「で、出ちゃ、ぅよぉ…ぅあ…、く、ぅ…は、ぁあ…ぁ…も、もう…」
 奥からとろりとあたたかいものが流れ出ると、それもじゅるじゅると啜り上げられた。

「まよいちゃん、そろそろ起きなよ。もう洗濯も掃除も終わったから」
 気が付くと、あたしはなるほどくんの布団で寝ていた。
「…えっ!今何時っ」
「もうちょっとで昼だから、今出ればトノサマンに間に合うだろ」
「…あ、そんな長く寝ちゃったわじゃないんだ…」
 のろのろと起き上がり、乱れた着物を直していると気付く。
「あ、あたし!パンツ穿いてないよなるほどくん!」
「…一応、洗って干したんだけど…」
 ベランダに目を向けると、なるほどくんの洗濯物と一緒にあたしの水玉のショーツが風になびいていた。
「…なんか、スース―する…」
「ぼくのトランクス穿いてく?」
「う~ん…、いいや。駅前の下着のお店までこのままで行く!」
「え、でもそこのコンビニの方が早いよ?」
「ううんっ、あたしそこのお店に目ぇ付けてた可愛いパンツが駅前で売ってるんだもん、
 だからなるほどくんよろしくね!」
「…う、わかったよ。でも、それまで裾を翻すようなアクションしないでね。例えば側転とか」
「はーい、ラジャー!そうと決まったらダッシュね、ほら、ダーッシュ!」
「あー…なんか、先行き不安なんだけど…」

 と、いうことで、その日は、なるほどくんの未踏の地であった、
くどいほどにファンシーで甘ったるい女の子炸裂なお店でパンツをあれこれ買ってもらい、
無事、トノサマンの公開記者会見やショーを観ることが出来たのでした。
「またしてあげるからね、なるほどくん」おわり。




 事務所で新聞を読んでいると、真宵ちゃんがやって来てぼくに着物の裾を捲ってみせた。
「ブふッ…い、いきなりなんだよ!」
「ほら、この前なるほどくんに駅前のお店で買って貰ったパンツだよ。可愛いでしょ」
「云われてみればそのギンガムチェックには見覚えが…じゃなくって、
女の子が人前でほいほいパンツなんて見せるんじゃない!…全く最近の女子高生はぶつぶつ…」
「なるほどくん以外の人には見せないよぉ」
「当たり前だ!しかも、ここは仮にも法を司る神聖な…それ以前に職場であって!」
「…でも、前にここでなるほどくんと…」
「あーーアレはいい、イイの、イイところで寸止めだったから数に入れないで」「そうなの?」
「そもそも何で寸止めになったかと思い出すと、手持ちのゴムが無かっ…
あああああ、イイ歳こいてナニやってんだかなぼくはーーーー!!(当然続きは帰ってから致したが)」
「なるほどくん、あたしは気にしてないよ」
「ありがとう、とりあえず過去のことは水に流そう。そして今後、仕事中はストイックに行くからね」
「仕事と胃袋に何の関係があるの?両方とも消化よく行こうってこと?」
「そりゃストマックだろ!無意味にとんちづくんじゃない!」「ご…ごめんなさい」
「…とにかく真宵ちゃん、ここではっちゃけたことは禁止だから」「わかった。じゃあ、何か仕事ある?」
「…マンガでも読んでて」「うん」
(全ては閑古鳥がいけないんだよ真宵ちゃん!)
最終更新:2006年12月12日 21:26