冥×御剣


男が一人、後ろ手に縛られて、椅子に座らされている。
部屋の反対側には、机がある。どっしりとした頑丈なつくりで、いかにも高価そうだ。
女は、その机に腰掛け、薄い笑みを浮かべていた。
「無様な格好ね…」
男はただ縛られて椅子に座らされているわけではない。
ズボンのチャックがあけられ、そこからだらんとしたイチモツが見えている。
羞恥に薄く顔を赤らめた男は、思わず女の視線から逃れるように、つと目をそむけた。
「だめよ。こっちを見なさい」
命令というには甘い声で、女はささやくように言った。
「とりあえず、その役にたたなさそうなモノをどうにかしなくちゃね」
言うと、机に座ったまま、スカートをたくしあげる。
濃い色のストッキングを見せ付けるようにゆっくりと右足をあげた。
腰を動かしてするするとストッキングをおろし始める。
不必要なほどにゆっくりと時間をかけてつま先から丸めたストッキングをはずすと、ぱさりと床に落とした。
男の喉が上下する。ごくり、という音とともに唾を飲み込んだのだ。
「ふふふ。少しはマシになってきたかしら」
男のモノが少し大きくなっている。
「でも、まだまだね…。これからよ」
女の顔が紅潮している。興奮を隠しもせずにため息をつくと、自分の唇をゆっくりと舐めた。
ゆっくりと机の上で脚を開く。
自らの秘所を覆う黒いショーツを男に見せ付けると、右手でゆっくりと秘裂にそって撫で下ろした。


「見たいでしょう?ここ…どうなの?」
「ああ…」
声を嗄らした時のようにかすれた声で、男がつぶやいた。
女は嬉しそうに笑うと、今度は一気にショーツを引きおろし、右足の甲に乗せて、鞠遊びの時にやるように蹴り上げた。
放物線を描き、男の前に落ちる。
「あら、失敗したわね」
くすくすと笑う。どうやら、男のモノめがけて蹴ったらしい。
「まあ、いいわ」
脱ぐ時に閉じた脚を、閉じたまま机に座りなおす。
「ねえ、どうして欲しい?この足?」
「見せてくれ」
かすれてはいるが、はっきりとした低音で、男が言う。
「わかったわ」
女も、男も、息が荒くなっている。男のモノは、首をもたげて勃ちあがっていた。
脚を開くと、薄い陰毛に覆われたまっすぐな淫裂があらわになった。
女は、右手で淫裂にそって指をそっと進ませた。
それとともに、左手の親指でクリトリスを押しつぶす。
視線は男からはずさない。
「ん…うんっ…はあっ」
控えめだった嬌声が、どんどん高くなっていく。
秘裂をなぞっていただけだった指を、その中に差し入れて、じゅぶじゅぶと音をたて、かき回す。
左手で、大きくなってきた突起をぐりぐりと弄ぶ。
すっかり上気した顔で、とろんとした目で、男を見ながら、喘ぎ声に嗄れた喉を潤すために唾を飲み込む。
そのしぐささえ艶かしい。
「興奮…してるのね」
男の顔はすっかり興奮で赤くなっている。息も荒く、食い入るように女を見つめている。先ほどは力なかったイチモツも、すっかり硬くなり、まっすぐ立ち上がっている。
「ねえ、何かしたいことがあるでしょう?」
「ああ…」
甘えるように言った女に、男が答えた。
「じゃあ、言って…ねえ、はやくぅ」
男は、ごくりと喉をならして、ゆっくりと口を開いた。


「メイのオマ○コの中に、私のオチ○ン○ンを入れさせて欲しい」

しかし、訪れたのは、奇妙な沈黙だった。
さっきまで顔を上気させて喘いでいた女は、ぴたりと行動をとめ、奇妙な顔で何か考えるように首をかしげ、ため息をついた。
「うーん、全然ダメ」
「なぜだっ!」
すっかり素に戻ったようなメイの声に、御剣は、憤りの声をあげた。
「この趣向を考えたのは君だろう!その、わ、私に卑語を言わせてみたいなどと…」
「そうね…。でも、想像の中では興奮したのだけど、オマ○コとか、オチ○ン○ンとか、実際に言われると、何か滑稽で、気分がのらなくなっちゃったわ。特にレイジが言うとなんだか、いやらしいというより、笑えるというか、変というか、とにかく、ダメ」
と言うと、あー、疲れた。などと肩を回して机をおり、スカートを下ろして身づくろいまで始め出す。

「待て!私にこんな恥ずかしい思いをさせてしかもおあずけか?」
「気分がのらないわ」
「…それならせめて早くこの縄を解いて立たせてくれ」
「じゃあ、そのまま放置プレイにでもする?」
「そんな気のない声で、しかも今の今思いついたという案を実行にうつすな!どこへ行くんだ、戻れ、おい!」

おしまい
最終更新:2006年12月13日 08:33