勝訴祝い



「良い天気だね~ナルホドくん!・・・もしも~し?聞いてるぅ~?」
「・・・えっ!あっ、ごめん・・・」
「もーナルホドくんったら朝からずっとそんな調子じゃない!」
ひょうたん湖公園の並木道を散歩しながら、僕は思い返していた。昨晩の出来事を・・・

―9月XX日 午後9時23分―
「ナルホドくん、今日のハッタリも凄かったね~。アタシ鳥肌立っちゃったよ!」
「そりゃどうも」
僕と真宵ちゃんは事務所のソファーに腰掛け、今日の裁判での『勝訴』のお祝いをしていた。
珍しく質素なお祝いは、真宵ちゃんの「ナルホドくんの財布ぴんちなんでしょー?」の一言から始まった。
いつもならやれでぃなーが食べたいだの味噌ラーメン10杯食べるだの騒いでいた彼女だが、
一応僕に気を遣ってくれるようになったということだろうか・・・。
「・・・なんだよ、ジッと見て・・・」
ふと気がつくと、真宵ちゃんが僕を食い入るように見つめていた。
「トノサマントレカ買うお金ならやらないぞ。」
「欲しい・・・・・・」
「だから、あげないって・・・?!」
次の瞬間、真宵ちゃんの唇と僕の唇は重なっていた。
僕は驚いて彼女を軽く突き飛ばすようにして距離をとった。
「なっ・・・真宵ちゃん・・・何を・・・」

「アタシ欲しいの!ナルホドくんが・・・」

潤んだ瞳──

18歳とは思えない程甘い声色──

彼女の全てが僕を誘っていた。

僕は一瞬ドキッとしたが、ふるふると頭を振り、彼女になにが起きたのか冷静に考えることにした。
まさかとは思い、真宵ちゃんが飲んでいたジュースの缶を見てみると・・・案の定。
「ま、真宵ちゃん!これ缶チューハイじゃない・・・か・・・・・・」
缶から彼女に視線を戻すと、そこには上下共に下着一枚になった彼女の姿があり、僕は息を呑んだ。
「ねぇ・・・ナルホドくんは・・・まだ私の事子供だと思う・・・?」
甘く囁きながら詰め寄ってくる彼女を前に、僕の逸物は完全に膨脹してしまっていた。
(・・・可愛い・・・)

「あの・・・真宵ちゃん?風邪引いちゃうから・・・服着ようよ・・・」
爆発寸前の理性を必死に押し留めながら真宵ちゃんに服を着るよう促すと、彼女はさらに瞳をうるませ
「アタシ、ナルホドくんに・・・・・・シてほしいの・・・」

プツン

糸が切れた音がした。『成歩堂龍一の理性』という名の糸が。

「真宵ちゃん!!」
僕は勢いよく彼女をソファーに押し倒し、そのまま覆いかぶさった。
彼女の両手を押さえ付け、強引にキスをしようとする。

「やっ・・・ナルホドくん・・・手、痛いよ」
どうやら僕は無意識の内に、彼女を押さえる手に力を入れていたようだ。
「あっ、ごめん!」
咄嗟に手を引くと、勢いに任せていた為見えていなかった真宵ちゃんの顔が目に入ってきた。
アルコールが入ったせいか、彼女の頬はほのかにピンク色をしていた。

その顔が妙に色っぽくて、愛おしくて───

僕は改めて真宵ちゃんの瞳を覗き込み、ゆっくり彼女の唇に己の唇を押し付けた。
「ん・・・ふっ・・・んん・・・・・・」
長い口付けだった・・・。お互いの息も絶え絶えする程に。
呼吸をする為に一度唇を離してやると、真宵ちゃんは静かに微笑み、消えそうな声で囁いた。
「ナルホドくん・・・・・・大好きだよ」
僕は何も言わずに、再度キスをした。言葉に表すことができなかったんだ。

君が欲しい───

君を守りたい───

君を僕だけの君にしたい───

君を───

君を───


そう考えているうちに、どちらからともなく舌を絡め始めた。僕は深く、しっかりと舌を絡めた。
彼女も一生懸命に舌を絡めてくる。その様子は、僕の逸物をさらに硬直させた。
「ナルホドくんの、凄いことになってる・・・」
(しまった!バレてる!)

身体を密着させていた為か、僕の勃起したモノは隠し切れなくなってしまったようだ。
「あ、いや・・・これは・・・その・・・」
「ねぇ・・・ナルホドくんの・・・・・・な」
「え?何?聞こえないよ」
「だからぁ、ナルホドくんの・・・早く欲しいな・・・」
僕は普段では考えられない大胆発言に(というかどこで覚えたんだ?)驚いたが、すぐに返事をした。
「・・・うん。わかった・・・。」
歯止めが効かなくなった欲望に促され、僕は身に纏っていた全てのものを脱ぎさり、一糸纏わぬ姿になった。
真宵ちゃんはピンクの頬をさらに赤く染めながら、僕の膨脹した下半身を見入っていた。
「じ、じゃあ、真宵ちゃんも・・・」
「・・・ナルホドくんが脱がせて・・・」
そう言うと、彼女は目を閉じ、全身の力を抜いた。僕はすぐに彼女の下着のホックに手を伸ばした。
強く抱きしめると消えてしまいそうな小さな身体であっても、自分と同じくらいの熱を帯びている。
その熱が心地よくて、ホックを外すのを止め、少しの間だけ真宵ちゃんを抱きしめた。
「ナルホドくん?」
「ごめん真宵ちゃん・・・ちょっとだけ、このままでいさせてくれない?」
彼女は状況が飲み込めないまま、コクリと頷いた。

30秒ほど経った頃だろうか。僕は真宵ちゃんに、外すよ?と確認をとってから、行為を続けることにした。
下着を外すと、真宵ちゃんの以外に大きな胸がプルンと表わになった。
僕の手にちょうど収まるくらいの大きな、可愛い胸。これもまた、僕の欲望を促進させるのに充分だった。
「真宵ちゃん・・・触っても・・・いいかな・・・?」
「ナルホドくんの好きなようにして・・・」
真宵ちゃんとしては、早く僕のモノが欲しかったに違いない。
しかし、僕は目の前の絶景を素通りすることができなかった。

僕は両手で真宵ちゃんの乳房をゆっくり、丁寧に揉みしだき始めた。
「・・・ん・・・あっ・・・あぁ・・・」
ピンク色をした小さな突起に触れるたびに、彼女の身体がピクンと反応し、喘ぎ声をあげた。
円を書くように大きく両手を動かし、時には突起を抓ってみたりした。
愛しい真宵ちゃんの表情全てを自分のものにしてしまいたかったから、ゆっくり長く愛撫を続けたのだ。
僕は我慢できなくなり、右側の突起物にキスをした。
左側の突起は親指と人差し指で引っ張ったりして刺激を与え、右側の突起には兎に角舌を這わせた。
舌先でチロチロと転がすように愛撫してみると、愛しい彼女は苦しそうに僕の名前を何度も呼ぶ。
「あ、んあ・・・ナルホドくん・・・ナルホド・・・くぅん・・・」
僕は、嬉しくて嬉しくて・・・彼女の突起を吸い続けた。すると今度は彼女の方が我慢しきれなかったらしい。
「あ・・・ふっ・・・あぁぁ・・・ナルホド・・・くん・・・そこだけ・・・?」
「あ、あぁ・・・ごめん・・・、真宵ちゃんが可愛かったからつい・・・」
真宵ちゃんが僕のモノを欲していることをすっかり忘れていた。
慌てて真宵ちゃんの陰部に触れると、急な事に驚いた彼女が
「やんっっ」
と叫んだ。興奮し切っていた僕はそんなことお構いなしに、
彼女のパンティーを少しずらし、割れ目に中指を伸ばした。

──ヌルッ・・・

彼女のそこは、軽く触れるだけでもわかる程に濡れそぼっていた。

「こんなに濡れちゃって・・・僕のせいだね。最後まで責任はとるよ。」
微笑みながらそう囁くと、彼女は照れ臭そうにふふっと笑った。
「じゃあ・・・いっぱいイカせて・・・ね?」
僕は「もちろん!」と言わんばかりに頷いて、彼女の秘部に中指を挿れた。
「んあぁ!んっ・・・ひぁっ」
喘ぐ彼女を尻目に、僕は中指を前後にゆっくり、掻き乱すように動かし始めた。
指を動かしながら覗き込むと、与えられた快楽に溺れるように目を閉じる真宵ちゃんの顔が目に入った。
それを眺めていると、ついに僕のそそり勃った肉棒は言うことを聞かなくなった。

僕は無我夢中に真宵ちゃんのパンティーを剥ぎ取った。
すると、綺麗に整った恥毛がふわりと姿を現した。僕にとってあまりに魅力的な光景だった。
そのまま彼女の両脚を掴み、大きく開いてみる。
「・・・・・・ピンク・・・」
「い、いや・・・そんなに見つめないでよ・・・」
僕と彼女は真っ赤になってしまった。
(おっといけない。真宵ちゃん、求めてるんだっけ・・・)
そんなことを思い出し、僕は彼女に告げた。

「じゃあ・・・いくよ?」
「・・・・・・うん」

僕は右手ではち切れんばかりの肉棒を掴み、左手で真宵ちゃんの割れ目をしっかり開いた。
そして、先走り液でヌラヌラと光る先端を彼女の秘部に当てがったい、ゆっくりと腰を沈めた。
「んああぁぁぁっ!!や・・・あぁん!はぁはぁ・・・あっ・・・あっ・・・」
「うっ・・・真宵ちゃん・・・きついよ・・・」
彼女は予想以上に興奮していたようで、初めから半端じゃない締め付けが僕を襲った。
「・・・ぁんっ・・・ハァ・・・・・・ふぁっ・・・や・・・やぁぁ・・・」
ついに僕の肉棒は、真宵ちゃんの肉壁の圧力に堪え、最奥部にたどりついた。
そこで僕は一旦動きを止め、お互いの呼吸を整えた。

少し落ち着いた所で僕たちはまた舌を絡め合った。何もしないでいる時間が惜しかったのだ。
真宵ちゃんは腕を僕の首に回し、より一層深いキスを楽しんだ。
僕はたまらなくなり、舌を絡めたまま腰を前後に動かした。
「んんんっ!・・・んふっ・・・・・・ン・・・」
真宵ちゃんは必死に喘ごうと口を開けるが、僕の舌は彼女の舌を追い続けた。
「・・・んっんっ・・・」
そのうち彼女も観念したのか、おとなしく僕の舌に応え始めた。
それどころか、己の細い脚を僕の腰に絡めてきた。
僕もそれに応えるように、徐々に腰の動きを激しくしていった。
やっとのことで唇を離してやると、真宵ちゃんは今まで抑えていたものが一気に吹き出したかのように叫んだ。
「あああぁぁぁんっ!ナルホドくんのおちんちん、気持ちイイのぉ!!」
「はっ・・・ふっ・・・もっと気持ち良く・・・させてあげるよ!」
僕は彼女をイカせてあげたい一心で、もっと激しく腰を振った。

ズチュッ・・・ズッズッ・・・

「は・・・あ・・・ナルホドく・・・ん・・・・・・アタシ・・・もう・・・んっ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・僕ももう・・・限界・・・だ・・・」


「ナルホドくん!イヤァァァァァァッ!!」

「真宵ちゃんっっ!!」

ドプッ──

こうして僕らは一緒に果てたのだった。




(結局あの後さらに2回イッたんだっけ・・・)
僕は今、散歩をしながら深く悩んでいる。
もう亡くなっているとは言え、師匠である千尋さんの妹に手を出してしまったのだから・・・。
「あ、ほらナルホドくん!あそこにコンビニがあるよ!ジュース買ってぇ♪」
「・・・はいはい」
悩みの原因である少女はアルコールのお蔭で記憶がないらしく、無邪気に笑っている。
(昨日のこと思い出したら、真宵ちゃんどうなっちゃうんだろうなぁ)
そんなことを思いながら、買物籠を一つ手にする。
目の前の少女は、早くも両手いっぱいにジュースやらトノサマントレカやらを抱えていた。
「これお願いね~」
「まったく・・・またいらない物いっぱい入れて・・・」
僕はふぅっと息を吐くと、籠の中に見慣れない小さな箱があるのに気がついた。
「何これ?トノサマンの新商品かなに・・・か・・・」
その箱を手に取った瞬間、法廷でも流したことのない量の冷や汗が滝のように流れた。
「・・・・・・・・・コンドーム・・・?」
恐る恐る顔を上げると、そこにはいつものように無邪気な笑顔の真宵ちゃんが立っている。

「だって、昨日みたいにしちゃったら、子供できちゃうじゃない!」

僕の悩みはまだ解決しない。


─完─
最終更新:2006年12月12日 22:09