御剣、冥の修業時代(どっかで見たよなエロなし小ネタ)

 ある日の狩魔家にて。冥が御剣の部屋を訪れた。
 いつもの勝気な様子と違って、なぜか少し不安げだ。
 冥は御剣のそばへ寄って来た。

「レイジ…」
「メイ、どうしたのだ?浮かない顔して」
「私…あの…とても言いづらいんだけど…」
 あの高圧的な態度の少女が、自分を頼ってきてくれている。
 そんなくすぐったい気持ちがにじんできた。
 御剣はぎこちなく微笑み、再び冥に問いかけた。
「ム…なんだろうか?」

「パパにはナイショよ…。
わ、私…あそこから、血が出てきて止まらないの…。
もしかして、病気なのかしら…?」

 あそこ…?

 血が止まらない…?
 …もしかして。

 御剣はその原因が思い当たり、顔を赤くした。
 こういうことは、女性のほうが説明しやすいだろう。
 だが不幸なことに、既に冥の母は他界、年の離れた姉は家を出て独立している。

「…それは、生理、といってだな、女性が大人になった証で…その、出血するのは…一時的なものなのだ。」
 たどたどしくも真面目に説明する御剣の言葉に、冥はホッと安堵の表情を浮かべる。
「そ、そうなの…?じゃあ、私、病気じゃなかったのね…」
「う、うム」
「でも、どうしよう。生理の間は血が止まらないんでしょう?」
「ム…待っていろ、冥。すぐ戻るから。」
「レ、レイジ、どこに行くのよ!?」

 御剣は財布を持って、一目散に部屋を出る。
 そして、これ以上ない恥ずかしい思いをして生理用品を買いに行ってきた。
(使い方も御剣が真っ赤な顔をしながら冥に教えてやった。)

「先生、今晩は赤飯にしましょう」
「御剣よ、どうしたのだ?何かメデタイ事でも…そうか!」

(しまった!)

 その晩の狩魔家の食卓では、赤飯が炊かれた。

「なあに?この赤いつぶライスは?」
 冥がスプーンで赤飯をすくいながら問いかけると、黙々と食べていた御剣は箸を止め答える。
「ム、これは赤飯といってだな…オメデタイ時に食べるものなのだ」
「オメデタイ時?…そんなの、あったかしら?」
 何この粘ついたライス、美味しくないわ、と言い、いぶかしみながら冥はスプーンで赤飯をつつく。
 その時、箸で赤飯を食べる豪が顔を赤らめて言った。
「…冥よ、…その、…大人になったのだろう?」
「!!もしかして、レイジ、パパに言ったの!?」
「すまん、冥!そんなつもりはなかったのだ!」
「冥よ、恥ずかしがることではないのだぞ」
 慌てる御剣と冷静な豪に対し、冥は真っ赤な顔をし涙目で怒りながら二人に鞭を振るった。
「もう、レイジとパパのバカバカバカ!!」
最終更新:2007年12月28日 02:33