ナルマヨ

「やったあ!またストライク!」

……今、僕はボーリング場にきている。
依頼もないし事務所でゆっくりしていると
「ボーリング場に行きたい!」
と真宵ちゃんが言ってきた。
まあ最近法廷でピリピリ…と言うか、ムチで打たれたりコーヒーご馳走されたり
と、キツイのが続いてるから、たまには気晴らしもいいかな~っと、来てみたのだが
急に真宵ちゃんが「負けたほうが勝ったほうの言うこと聞くルールね!」
といきなり賭け事をはじめてしまった。

もちろん止めようとしたが、いつのまにか登録もすましていた。
しかし、僕も学生時代友達のなかでは一番ボーリングが上手かった。
さっさと勝って今日のところはお帰りいただこうと思っていたのだが……

予想以上に真宵ちゃんの腕は上手かった。
立て続けにストライクを取りまくり、いきなり大差が広がっていた……。

数十分後。
結果は、もちろん僕の敗北だ…。
いくら数々の裁判で『発想の逆転』をしてきた僕でも、この結果は逆転できなかった。

敗者に口なし。キッチリ全額僕のおごりだ。

…しかし、何より恐いのが真宵ちゃんがなにを頼むかだ。
『トノサマンイベントに付き合え』か、はたまた『修業に付き合え』か。

『トノサマンイベントに付き合え』は、行ったところまではまだいいんだ。
イベント後は、売店で買ったトノサマンスピアーで突かれたり、
トノサマンパンチにトノサマンキックにトノサマンチョップにトノサマンビンダの
コンボを決められる。

『修業に付き合え』なんかは想像しなくとも目に浮かぶ。
あのスペシャルコースはまさに地獄だった。
あのあと再び風邪が再発し、苦痛に一週間もうなされた。
それどころかあれから一ヵ月、法廷で他の人には見えない被害者に似た人物が
歩き回っていた。

しかも春美ちゃんいわく、あの葉桜院には『ウルトラコース』があるらしい。
スペシャルであれなのに、ウルトラとなればもう一生霊が見れる体になる可能性が…

しかも霊媒なんかができる体質になってしまったら、『霊を呼べる弁護士』…
いや、もし霊力がつよくなったら『弁護ができる霊媒師』かもしれない。

「なるほどくん、どうしたの?」
僕が考え事をしていると隣から真宵ちゃんが話し掛けてきたので
「ああ、いや、別に…」
と、適当に答えた。

「あ、負けたほうが勝ったほうの言うこと聞くんだっね。じゃあ…」

き、きた!
お願いだから今後の人生に関わりのない頼みごとにしてくれ!っと、心の中で祈る。


「今夜、なるほどくんの家に停めて。」
「…ごめん、今なんて?」
「だから、今夜なるほどくんの家に停めてって。」
「ああ……って、えええぇぇぇぇぇぇ!!!」

今まさに僕の体に雷が落ちたような気がする。
「い、いや、なるほどくんの家に停めてって…。本気で言ってるの?」
「うん。」
速答してきた。

たしかに今後の人生に関わりのない頼みだが、事を誤ったら人生に関わりありまくりだ。

「いやいやいや…でもさすがにそれは…真宵ちゃんを汚すというかなんというか…」
「ああ、大丈夫。処女じゃないから。」
「…………え?」
素っ気ない返事を返してしまう。

「霊媒師はね。18歳になったら処女だと霊媒できないの。なんでか知らないけど。
だから、里に帰って非処女にならなきゃいけないんだよね。」
「はあ……」
また素っ気ない返事を返してしまう。

「だから大丈夫。あんしんしてね、なるほどくん。」

安心って……まったく安心できる状況でもない。

………実は僕、童貞…だ…。
たしかにちいちゃ…いや、あやめさんとは付き合ってたけど、あやめさんはなんか…
神みたいな存在っていうのかな。何ていうが。
見えないバリアを貼っていた、みたいな。だから僕は手を出せなかったのだ。
…理由としてはちょっと変だけど。

「さ、安心したことだし。さっそく行こっか、なるほどくん。」
「あ、うん……。」

僕と真宵ちゃんは、僕の家にむかった…。


…ごめん、なんか眠い状態で書いたから誤字脱字無理矢理感は勘弁して。

とりあえず、あとは続きを書いてくれる神に任せる……。

では…後は任せたぞ。…相棒。みたいな。
最終更新:2006年12月13日 09:24