今までも何度も逢瀬を交わしていたが、今回は異常だった。
仕事上、ストレスも溜まりやすく、それを不器用な御剣には
吐き場所が無いのは分かる。

有無も言わさず、冥はベットに押し倒され、彼女は狼狽していた。
今までならば互いの了承を得、はじまる筈なのだが部屋に入ってくる
なり、風呂上りの冥を御剣は押し倒したのだ。
強い力で押さえつけながら、彼女の手首は紐できつく縛られてしまった。
両手を後ろにまわすと言う格好上、胸を前に突き出すようになる。
白磁の様に白く美しい肌を、まるで見せ付けるかのようである。
「や…ねえ、レイジ…?」
真剣な表情で、彼は言った。
「愛している、メイ。」
嘘が真か等分からない。だが、冥は体中に力が入らない、と言った感じだった。
彼のその言葉に酔ったかの様に。
余りに粗暴過ぎる口付けを交わされ、彼の舌は鎖骨の凹みを舐め上げた。
桃の蕾の止まる乳房は乱暴に触れると、冥は妙に艶かしい声をあげる。
御剣は彼女が必死に声を堪えている事に気づいたらしい。
「声…出さないのか?」
それだけが最後の抵抗である。
手の自由を奪われ、組み敷かれた状態での抵抗を試みているのである。
「そうか。」
ならば、とでも言うかのように、彼の左手は冥の秘所に触れる。
乱暴な愛撫にだが、そこは確かに濡れていた。
「メイ…気持ち良さそうだな? こんなに濡らして。」
「っ…この変態…!」
「変態なのはどっちだ?」
見せ付けるかのように、指に絡めた彼女の愛液を顔面に晒した。
冥の顔が、恥じによって、より紅潮して行く。
「これはキミのだ。舐め取ってくれ。」
無理矢理に口内に指を突っ込まれる。
妙な味を、舌が感じる。そして指の温かさを。

「レイジ、もう、止めて…。何があったのよ…?」
彼女の問いかけに、答えは無い。
代わりに、と言っては何だが、彼女の秘所に男性自身があてがわれた。
「ぅあぁ!」
沈黙も、最早守れなかった。
乱暴な情事は初めてだが、今まで以上の快感を感じる自分を恥じていた。

「メイ、愛している…なあ、愛してる…。」
「ゃめて、やめて…! それ以上、言わないで!」
その言葉を続けられると、心の底からこの行為を許容してしまうのか、
御剣の言葉を冥は拒んだ。

手首は、痛むが、乱暴すぎるこの行為には心が痛んだ。
自分には勿論、心当たりは無い。
一体、御剣の何がこのような強姦紛いな事を駆り立てたのか。
打ちつけられる快感に朦朧としながら、必死に冥は考えていた。
しかし、達してしまう瞬間に、自分の中に彼の物が放たれる
のが分かりそんな考えも呆気なく消え失せてしまった。
「っあ…ナカに…」
いつもならば、きちんと避妊具を付け準備万端、なのだが
そんな事お構いなしに、冥の了承等彼は一言も得ずに
彼は冥の中に精を放った。

繋がりが解け、冥は御剣に凄い剣幕で怒鳴りつけた。
「はぁ…御剣怜侍…、貴方なんてやっぱり嫌いよ…
 こんな横暴な人だったなんて、知らなかった…!!」
「そうか、すまなかった。だが、私は愛している。」
「空虚な言葉…も、もう、騙されないっ!」
それでも、彼は汗ばんだ冥の髪を掻き揚げてやると、
額に優しく口付けるのだ。
今の彼の思考が分かる人物等、恐らく居ないだろう。
「手を解きなさい。」
「…タオルで叩かれては嫌だから、我慢しろ。」
鞭こそこの場所に無いが、風呂上りで体に巻きつけていたタオルは、
ベットの上に投げ出されている。
「解きなさい!」
きつく睨みつける瞳に涙を浮かべ、喚く冥を諭しあやすように
御剣は言った。
「メイは、優しい私が好きなのだろう?」
打って変わった優しい手つきで、もう一度、彼女の秘所に
触れた。達したすぐ後だからか、敏感になっている様で
触れるだけでも彼女は体をビクン、と反応させた。
「すまないが、今日は優しくしてはやれないようだ。
 君が、乱暴にしても気持ち良さそうに喘ぐからね。
 …妙に高揚した気分だ。」
「い…いや、止めて…」

その声は、冥の声は何とそそるものだっただろうか。
鞭を持った強気な態度等、微塵も感じられない彼女を御剣は何度も乱暴に抱いた。

最終更新:2020年06月09日 17:52