「冥さん、浴衣姿も素敵ですよねー」
旅館の部屋に戻ってきたところで、真宵が言った。

糸鋸が日ごろの感謝と称し、気と手を回して温泉旅館一泊二日に招待してくれたのだ。
しかし、回したのは気と手だけで、資金を提供させられたのは御剣だったが。

成歩堂と真宵も声をかけてもらい、温泉旅館に到着するなり、御剣と成歩堂と糸鋸、真宵と冥に分かれて温泉へ入り、二部屋に分かれた広いほうの三人部屋で皆で夕食を取った。
男たち三人は酒を飲んでグダグダに酔っ払い、真宵と冥はさっさと自分たちの部屋に戻ってきたのだ。

「なるほどくんたちもすっごい見てましたもんね、冥さんのこと」
「そう?」
温泉と食事と少しの日本酒でほんのりと頬を染めた冥が、真宵を振り返った。
着慣れない冥の浴衣が着崩れているのにちょっと手を添えて、真宵はふふふっと笑った。
「おっぱいも、大きい」
襟元をくいっと広げると、白い胸がのぞく。
「ちょ、ちょっと、真宵?」
「やっぱり、この温泉ってお肌にいいんですね。ほら、冥さんのおっぱい、つるつる」
とまどう冥の胸に、そっと唇を押し付けた。
手を突っ張って真宵を押し返そうとすると、かくんと膝の力が抜けて、冥は二人分並べてある布団に倒れた。
「え…?」
真宵の手が伸びて、浴衣の腰ひもをほどいた。
「え、え?ちょっと、あなたそんな趣味が?!」
言葉は出てくるが、思ったように腕が上がらず、冥は信じられないように自分に覆いかぶさってくる真宵を見た。
「ふふふ、さっきのゴハンに綾里家秘伝の媚薬をふりかけたんですよー。あと、男の人たちの方には、ぐっすり眠れるようなのをね~」
「な、なぜそんな!きゃあっ」
腰のひも一本で着付けられていた浴衣は、そのひもを取り去られるとあっさりと冥の裸身をさらした。
「お風呂で見たけど、やっぱり冥さんってスタイルいいですね。うらやましいなあ」
真宵が指先で触れるか触れないかのように冥の体をなぞった。
「顎から首筋とかすごく華奢だし、鎖骨はくびれて、そこからおっぱいまでのなだらかな盛り上がりとか。仰向けなのにぜんぜん横に流れないし、乳首はピンクだし、乳輪も小さくてかわいいです」
「ま、真宵、お願いだからっ」
「だめですよー、御剣検事もなるほどくんたちと一緒に今ごろ夢の国です。でも、仲居さんに聞こえると困るから、あんまりうるさくするのやめてくださいねー」
テーブルの上にあったおしぼりを口の中に押し込まれて、冥は絶望的な目で真宵を見上げる。
「ほうら、ウエストもきゅってなってるし、お尻も小さいのに形がいいですよ。脚もすらっとしてるのに、太ももはちゃんとムチっとしてて、こーゆーの男の人は好きなんですよね?」
「んー、んーっ」
「で、ここ」
真宵の手が臍の下をすっと撫でた。
「お手入れしてるんですね?でも薄い方かなあ?きれい」
指が小さな白いレースの下着の中、閉じた脚の間に割り込む。
「んんんん!!」
媚薬で思うように体を動かせないながらも、必死に脚を閉じようとする冥を見下ろして、真宵は自分の浴衣に手をかけると、それを肩からすべり落とした。
「あたし、おっぱい小さいんですよね。ちょっと幼児体系だし。でも」
冥の上に真宵が重なる。
「感度は良いって言われますよ?」
真宵が、自分の乳首と冥の乳首をすり合わせた。
「う~ん、きもちいい。ね?」
「んんんんん!!んーんーんー!!」
「だ~め、やめない。あたし、女の子も好きなんだも~ん」
真宵の立ちはじめた乳首で何度もこすられて、冥は目に涙を浮かべた。
媚薬のせいだとは思うものの、ごまかしきれない疼きが自分の胸から伝わってくる。
「あー、冥さん、立ってきた。うふふ」
はむ。
片方を口にくわえて、舌先でねぶる。
「はん~、コリコリしておいしいっ」
もう片方を指先でつまんで転がしながら、自分の脚を冥の脚に割り込ませる。
温泉で潤った肌と肌がこすれた。


「やわらかくって、弾力もあって、乳首はコリコリ。これは御剣検事も大喜びですよねっ」
「んんんん!!」
「えー?御剣検事とセックスしてるんでしょ?他の人なんですか?」
「!!!」
「このおっぱい、セックスしてる人のおっぱいだと思うけどなあ」
言いながら、真宵は膝で冥の脚を押し広げた。
「ま、ここに聞けばわかっちゃいます」
「むーーーーー!!」
するりと下着を足から抜き取り、薄い陰毛を指に絡める。
人差し指を割れ目に沿って進める。
「ふっくらしてやわらかいのに、大きすぎなくっていい感じ」
真宵は両手を冥の膝の後ろに回して、大きく脚を開いてその間に座り込むと、太ももを抱えるようにして覗き込んだ。
「ご開帳~~」
「んんんーーーー!!」
「大丈夫、きれいですよ~」
顔をうずめて、指で開いた大陰唇の中に舌を入れる。
縦になぞるように舐めあげると、冥の腰がびくっと揺れた。
「きもちいいでしょ?やっぱり、女の子のきもちいいところって、女の子が一番よくわかるって思うんですよねー」
両手の指でひだを開き、膣口の周りをなぞった。
「あたしもねー、なるほどくんのおちんちん入れてもらうのも好きだけど、里の女の子とこうやって遊ぶのも好きなんです。今日は冥さんもいっぱい気持ちよくしてあげますからね~」
「んーーーんーーー!!」
細い指が中に入り込む。
入り口のあたりのヒダヒダを何度も往復するようにこすられると、意に反してゾクゾクする感覚が冥を襲う。
「ここ、いいでしょ?男の人だと指も太いし、こういう繊細なとこってうまくできないんですよね?」
「んっ!」
指を回しながら、だんだん奥まで入り込むように出し入れさせて、真宵は冥の反応を見る。
「ほら、なんか出てきました、冥さ~ん」
指を引き出して、それが濡れているのを確かめて今度は二本いれ、中で交互に壁を叩くように動かした。
「んっ、んっ!!」
そのまま顔をうずめて、クリトリスを舌でつついた。
「ん!!!」
「皮、むいちゃいますね~」
「んんんんんん!!!」
「男の人はおちんちん入れちゃうと、ここ、あんまり触らないんですよね。自分が気持ちよくなろうとしちゃうから、ピストンばっかりしたがるもん。中に入れて、ここも触ってもらうのが一番きもちいいですよ」
片手の指を中に入れ、もう片方でクリトリスをつついたり撫でたりつまんだりされて、冥は思わず首を振って悶える。
どこからとりだしたのか、真宵は冥の目の前に、ピンクと水色のバイブをかざした。
「じゃ~~~ん!」
「んんんん!!!」
「大丈夫、これすっごくいいですから。ほら太すぎず長すぎずでしょ?こーゆーのがいいんですよ、バカみたいに大きいだけじゃなくって、動きとか大事なんです」
スイッチを入れると、バイブが細かく動く。
「あとこの根元のウサギ。クリバイブなんです。ちょうど耳にクリを挟むようになってるんだけど、この位置が最高なんですよねー。も、たまんないの」
もうひとつのスイッチで、ウサギの耳が振動し始める。
「これ入れてあげますねっ」
「んんんーーーーーーーーーーー!!」
細い指でさんざんいじりまわされたあとに、そんなものを入れられたらどうなるのか、冥が顔を引きつらせる。


「ちょっと暖めまーす。こーゆーの、大事だから」
真宵は自分の太ももで二本のバイブを挟んだ。
弾みで一瞬スイッチが入り、ブルっと震える。
「あんっ」
布団の上に正座した状態で、真宵が背中をそらして声を上げた。
「やだ、きもちいい・・・。ね、冥さん」
冥の中から出た液で濡れた指を、自分の脚の間に差し込む。
「あん…、あたしも濡れちゃいました」
挟んでいたバイブの水色のほうを、冥の股間に触れるように布団に置いてスイッチを入れる。
「ん!」
かすかな振動が、開いた脚の間に感じられる。
それを見ながら、真宵は冥から見える位置に座って自分の脚を大きく開いた。
「こうするんです…」
ピンクのバイブが真宵の中に飲み込まれていくのを、冥は信じられない思いで見ていた。
「ああ…、いい。すごくいいです」
後ろに左手を突いて体を支えながら、右手でバイブを小さく動かして、真宵はうっとりと頬を紅潮させた。
「スイッチ…、いれます」
真宵の中でバイブがうごめき、パッカリと開いたそこから愛液があふれてきた。
「ああ、きもちいい」
ブルブルと震えながら回転運動をするバイブが真宵の膣口からのぞく様子から、冥は目が放せない。
そして、自分に触れているバイブからの振動が、もどかしくなる。
「ああん、きもちいい、きもちいいです。たまんないっ」
真宵が腰をよじってあえいだ。
「こっちも、スイッチいれちゃう…」
大きく開いた脚の間で、ウサギが震え始めた。
「あああっ、いいっ」
赤くなって膨らんだクリトリスが、ウサギの耳の間に挟まれているのが見える。
真宵はぐいぐいとバイブを押し込み、耳は一番感じる芽を揉み上げるように振るわせた。
うめくのも忘れて、冥は自分で自分を高めていく真宵を見ていた。
「あーん、きもち、いっ、あっ、いいいいいいいっ」
限界まで大きく脚を開いたまま、真宵はシーツを濡らしてバイブで達した。
はあはあと息をつきながら、バイブを抜き取ると中からまたどっぷりと愛液がこぼれる。
「ああ、きもちよかったです。すぐイっちゃった…」
タオルを取って脚の間を拭くと、冥を見てふふっと笑った。
「人が感じてるの見るのも、感じちゃわないですか?」
冥の足元に移動して、軽く触れる位置で震えているバイブを強く押し付ける。
「んっ!!」
「ほら、冥さん、あたしがイっちゃったの見て濡らしてるじゃないですか?」
先端を差し込まれて、冥はかすかに腕を動かして布団を叩いた。
言葉も発せられず、体はしびれて思うように動かないのに、触られた場所は気持ちよくなる。
せめてもの抵抗に、感じまいとするのに、震えるオモチャを当てられた場所からこらえがたい快感が伝わってくる。
「入っちゃいまぁす。えいっ」
一度自分で満足したせいか、真宵は笑いながら余裕たっぷりに冥の膣口にバイブをゆっくりと沈めた。
「んん!」
「バイブ、“強”にしますね~」
中で激しく動き始めたそれを真宵が手で出し入れさせ、冥は自分の理性を手放した。
「んーーーーー!ん、ん!!んあっ!」
「すごおい、冥さんったら」
跳ね回る腰を押さえつけて、真宵は驚いたように言う。
「すぐイクとつまんないから、ちょっとこのままね」
テーブルの上でとっくに冷めたお茶の入った湯のみに指を入れ、冷たくなったところで冥の乳首をつまんだ。
ひんやりとした指先で乳首をこするように動かされる。
「んっ!」
「ほんと、きれいな乳首ですよね。感度いいなあ」
指先でつまんだまま、先端を舌で舐める。
その間にも、バイブは下半身を蹂躙し続ける。


おしぼりを噛まされたままの冥は、息苦しそうに眉をひそめ、ただうめくしかできなかった。
胸を揉んだり舐めたりされて体をひくつかせていると、するりとバイブが抜け落ちてそのモーター音が大きく聞こえた。
「やだ、冥さんお行儀が悪いなあ。ちゃんと締めておかないと」
もう一度、今度はいきなり奥までバイブを突き立てる。
「んーー!!ん、ん、ん、ん」
「そろそろ、ウサギさんもスイッチ入れてあげますよ~」
クリバイブの威力は、想像を絶した。
一番敏感なところが、ピンポイントで挟まれて絶妙な強さで絞り上げるように震えるのだ。
同時に、中にもちょうどいい角度で凸凹がこすり付けられる。
「んーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
乳首を突き上げるように背中を弓なりにそらせて、両足を全開にして痙攣させながら、冥はぐっしょりと愛液をこぼして達した。

「あー、きもちよかった」
無邪気なほどの笑顔で、真宵は冥の口からおしぼりを抜き取った。
媚薬の効果はまだ残っているようだが、かろうじて体が動かせるようになった冥は、布団の上に落ちているピンクと水色の二本のバイブから目をそらして赤面した。
「ね、女の子同士もいいでしょ?」
畳の上でくしゃくしゃになっていた浴衣を広げて肩にかけて、冥は汗やなにかで湿った布団の上でそうね、と呟いた。
確かに、普通のセックスでは得られないものがあったような気がする。
ただ、これにハマるのはちょっと怖い。
そういう冥にはお構いなしで真宵は全裸のまま、抱きついてきた。
「ね、もう一回」
「えええ?!」
冥が驚くのを見て、あははと笑う。
「やだー、もう一回お風呂行ってこよう、って言いたかったのに。冥さん、なに考えたんですかー?やーらしーーー」
「なっ、バカなことっ」
ふざけたように、真宵が腰ひもを締めかけた冥の浴衣の襟に手をかけた。
「照れてる照れてる~、おっぱいまで真っ赤にしちゃって、冥さん、かわいいっ」
それから真宵は適当に浴衣を着て、言葉少なな冥の腕に自分の腕を絡めるようにして、真夜中の廊下を大浴場に向かって足取りも軽く歩いていった。

 

壁一枚向こうでは、男たちがだらしなく眠りこけている。

最終更新:2020年06月09日 17:47