エロなしナルマヨ


>>471
エロパロスレにエロなし投下してもいいものかと…けど、過去を見たら何本か有るから、いいのかなと思って。

なら、投下してみます。
設定としては、3-2前あたり。


  8月22日 午前10時53分
成歩堂法律事務所


暦では秋を迎えたとはいえ、昼間はまだまだ過ごしにくい。
「暑いなぁ…」
デスクに座る成歩堂は、手元のクリアファイルを団扇がわりにぱたぱたとあおいだ。
開け放たれた窓から風が入るとはいえ、アスファルトで熱されたものだ。心地よいとはとても言えない。
事務所は今月も赤字ギリギリだ。以前よりも依頼数が増えたとはいえ、満足のいく経営とはなっていない。
だから、お客の居ない日はこうやって外の風を入れている。クールビズと言えば聞こえはいいが、ただの経費節約である。クールなのは財布の中だけだ。
(ホテルの中は涼しいんだろうなぁ…)
成歩堂は、恨めしそうに窓の向こうを見やった。
通りを挟んだ向こうには、板東ホテルがある。何度か中に入ったが、庶民の自分達にはまず用のないところだ。誰だったか、ボーイに紅茶を届けさせてた人もいたようだが。
(僕も冷たいアイスティーを届けてもらいたいよ…)
生温い風にふぅ、とため息をついた。真宵が帰ってくるまでとはいえ、この暑さは辛抱しきれない。
「涼しいところへ行きたいなぁ…」
海には行ったけど涼みに行った訳じゃないしな、と出掛けた事を思い返した。
先月、矢張の提案で皆で海水浴へ行った。久し振りの海にはしゃぎすぎたせいか、今でも日に焼けたところに汗をかくと痒みが出る。
汗にまけた襟足をぽりぼりと掻きながら、再び資料に目を通した。

と、
「ただいまぁ~!…おっ、なるほどくん、辛抱しきれたみたいだね」
威勢よく扉を開け、真宵が外から帰ってきた。
「おつかい行ってきたよ~」
「あぁ、ありがとう」
真宵の帰りを待ちわびてた成歩堂は、急々と部屋の窓を閉めにいった。これでエアコンを入れられる。
真宵は、買い物袋と通帳を入れたクリアポーチをテーブルに置き、中身の確認をした。
「スタンプの補充インクとB4封筒、A4印刷用紙に収入印紙…で、切ってもらった領収書ね。あと、通帳記入したのと…」
あ、そうそう。と、真宵は一枚の葉書を成歩堂に差し出した。
「これ、先生から残暑お見舞いが来てたよ」
「先生?」
取引先に出すなら普通は暑中見舞だろ、と腹の中で思いながら見ると、それは星影先生からのものだった。しかも、個人に宛てたもののようで、文面には旅行先の写真と簡単な手書きの文が添えられていた。
「これ、自分で作ったものっぽいな。どこかへ出掛けたときの写真かな?」
先生が撮ったのだろうその写真には、青い海と海岸線沿いの豪華なホテルが写っていた
「どこだろう?よくわからないけど、熱海とか?もしかして海外かな…」
「えぇー。いいなぁ、お金持ちはどこでも行けてー」
「そうひがむなよ。海だったら、僕たちもこの間行っただろ?」
成歩堂は葉書をデスクに置くと、冷たい風に当たろうとクーラーの真下に立った。
「そうだけどー、涼しいとこにも行きたいよぉー。例えば…山とか!」
「倉院の里があるだろ」
「倉院は山じゃないよぉ!」
駄々をこねる真宵に気付かぬふりをして、成歩堂はぱたぱたと手で扇ぎながらクーラーの風を浴びる。
「ぶーっ!なるほどくんのケチー!ケチケチだぁー!」
真宵はブーイングをあげながら、郵便受けに入ってたフリーペーパーを開いた。と、あっ、と小さく声をあげた。
「ねぇねぇなるほどくん。ここの近所でも夏祭りがあるの?」
「え?」
真宵の問いに、成歩堂は扇ぐ手を止めた。
「ほら、これ」
真宵は、フリーペーパーに折り込まれた一枚のチラシを見せた。一色刷りのそれには、幼稚園児が描いた絵と、祭りの日程が書いてあった。
「あぁ。それ、町内の祭りだよ。毎年、そこの商店街であってるんだ。ひょうたん湖でも花火が上がるし、結構大きな祭りだよ」
「へぇ~」
成歩堂の話に、真宵は目丸くさせ、再びチラシに目を通した。
「8月23日…あ、明日だ!ねぇ、なるほどくん。明日、一緒に行こうよ。はみちゃんも誘って」
「夏祭りかぁ…」
思えば、社会人になってからそういうものに行ってない。
明日と言えば土曜日だ。特に急用が入らなければ、事務所も早めに閉められる。
「久し振りに行ってもいいね」
成歩堂の応えに、真宵はやったぁ!と手を合わせて喜んだ。
「じゃあ明日、6時に駅で待ち合わせね」
嬉しそうにニコニコしながら席を立ち、
「あたしの浴衣姿、楽しみにしててよね!」
鼻唄を歌いながら給湯室へ行った。
(浴衣、か…)
向こうから聞こえてくる真宵の歌を聞きながら、成歩堂は何かを考えているようだった。

8月23日 午後5時50分
駅 南入り口前

駅前の小さな噴水のオブジェの前が、いつもの待ち合わせ場所だ。
人通りの多い中、成歩堂は足指で下駄の鼻緒をいじりながら、真宵が来るのを待っていた。
柿渋色の絣の浴衣はずいぶん前に購入したもので、秋祭りの時に一度着ただけでそのまましまいっぱなしにしていた。
せっかくだからと久し振りに袖を通してみたものの、どうも落ち着かない。
慣れない足元を撫で付けながら、成歩堂はあの頃を思い出した。
(そういえば、あの時もこんな風に待ってたっけ…確か二度目のデートで。待ち合わせに早く着いてしまって。早く来ないかと人混みの中から彼女の姿を探してたな…)
懐かしいな、とフッと笑う。
と、向こうからおーい、と言う声がした。
顔をあげると、人混みの中を小さな姿が小走りでやって来る。
傍まで来たその姿を見て、成歩堂は驚いた。
いつもの黒髪は結い上げられ、紺に秋桜の浴衣を着ている。少し赤らめた頬は薄化粧を施してるのだろうか。唇には色の薄いグロスも引いている。
「なーんだ、なるほどくんも浴衣着てきたんだね。わからなくて探しちゃったよ」
少し息をあげながら笑う真宵に、成歩堂は少し見とれた。
(化粧ひとつでずいぶん変わるんだな)
いつもより大人びて見える。

「?どうしたの?」
「なんか…いつもと違うなぁと思って」
「へへっ、どう?似合う?お姉ちゃんがね、たまには髪を結ってみたら?って言って。ほら、かんざしも貸してくれたの」
刺したかんざしには赤い花が揺れていた。
「うーん、馬子にも衣装とはよく言ったものだね」
「えーっ、それ失礼じゃない?」
「ははっ」
頬を膨らます真宵に、成歩堂は笑った。そんなところはまだまだ子供っぽい。
「あれ?そういえば春美ちゃんは?」
いつもならば真宵の隣にいるはずの姿がない。
「それが、行けないって言って…」
真宵は残念そうに言った。
「どうして?」
「夏休みの宿題、まだ終わってないんだって」
「あの春美ちゃんが?」
真面目なあの子にしては珍しい。
「どうも図工で悩んでるみたい」
「図工?」
「リサイクルの作品で、ひとりひとつ作って持ってかなきゃならないんだって。牛乳パック片手に悩んでたよ」
「…そう言えば苦手なんだっけ、工作」
頭を悩ます春美を想像して、成歩堂はくすっと笑った。
「明日、事務所に連れてきなよ。僕も作るの手伝うから」
「うん。はみちゃんに伝えとく」
そんな話をしていたら、始まりの花火がパンパンと鳴った。

8月23日 午後6時12分
商店街 祭り会場

商店街の入り口に警察が立ち、車両進入禁止になっている。立て看の間を抜け、二人は商店街へ向かった。
通りの両脇にはたくさんの屋台が並び、香ばしいタレの焼ける匂いがただよってくる。いつもと違う人の流れ、子供たちの声、スピーカーから流れる音頭、広場に設けられたステージでは、近所の人たちの舞が披露されている。
「すごく人が多いねー!」 
「そりゃあ祭りだからね。倉院の方ではどうなの?」
「うーん、下の村まで下りれば祭りはあるけど、さすがにここまで混んだことないよ」
嬉しそうにきょろきょろと辺りを見回す。その姿を眺めながら、成歩堂は後ろから付いて行く。化粧をしていても、やはりいつもの真宵、中身は相変わらずだ。そのギャップがおかしく思えた。
と、その時、
「おーい、成歩堂!」
どこからか聞き覚えのある声がした。辺りを探すと、屋台の中から手を降る姿があった。明るい髪にジャケット姿…矢張だ。
「なんだ、またバイト変えたのか?」
屋台をのぞくと、いか焼きと焼きとうきびが売られていた。
「またとは失礼だな。今日はダチの手伝いで居ンだヨ」
矢張は、手にしたはけで隣の男を指す。男がとうきびを焼きながら、らっしゃいと言ったので、成歩堂もどうも、と挨拶をした。
「ヤッパリさん、こんにちはー」
「あれ?もしかして真宵ちゃん?誰だかわかんなかったヨー。今日は一段とかわいいねー!」
真宵の姿を見て、矢張は嬉しそうににこにこ笑う。

と、ふたりを格好を見比べ、
「あ、もしかしてデートか?」
「え?」
「な、何でそうなるんだよ!」
驚く二人に、矢張はヘラヘラ笑いながらジョーダンだ、と言った。
「けどよぉ。お前がスーツと普段着以外を着るなんて、今までなかったじゃんか」
「そ、そうだけど…」
そういえば、学生の頃に矢張と祭りへ行ったときも普段着だった。自分が珍しい格好をしたら、そう受け取られるのだろうか?言われてなんだか恥ずかしくなった。
「二人で浴衣着てお祭りかぁ…いいねぇ…」
そう矢張はしみじみと言ったが、
「オレなんか、野郎と二人でイカを焼きながら祭りを過ごすんだぜ…」
突然、屋台の梁に寄りかかり、おいおいと泣き出した。
「何でそこで泣き出すんだよ…」
「あー、そいつの彼女、今出張中でさ。月末まで帰ってこないんだと」
隣の男が客をさばきながら教えてくれた。
「それでか…」
女好きの彼には相当堪えるだろう…
「オイ矢張!イカ焼かねぇなら帰れよ!!」
商売にならねぇだろ!と、男は嘆く矢張の尻を足蹴にした。矢張の涙は当分止まりそうにない。
「そう落ち込むなよ、矢張。イカ買ってやるから…」
そんな親友の姿が哀れに見え、仕方なく成歩堂はいか焼きを二本注文することにした。

矢張のいか焼きを二人で食べながら、通りを歩いてゆく。買い食いなんていつもの事なのだが、祭りとなればまた違う。そして、隣でうまそうに頬張りながら歩く真宵が、今夜はいつもと違って見える。
その横を、近所の幼稚園の出し物である手作り御輿が通る。園児たちが楽しそうに掛け声をあげながら過ぎていく。
「あ、おみこしだ!かわいいー?」
御輿を楽しそうに見る真宵。その横顔に一瞬どきっとした。
(矢張が変なことを言うからだ…)
あの一言で変に意識してしまう。
赤くなった顔を片手で押さえ、腹の中で彼を責めた。
と、誰かに肩を叩かれた。
びっくりして振り返ると、そこには赤いスーツの男がいた。
「やはり君だったか」
「あ、御剣検事にイトノコ刑事」
真宵の言葉に、御剣の後ろにいた大男が、ちわっス、と手を挙げた。
「珍しいな、お前がこんなところに来るなんて」
スーツのままということは、仕事帰りなのだろうか。
「なに、使いを頼まれてな」
そう言うと、御剣は手にしたピンク色の袋を見せた。
「あ!トノサマンの綿飴!」
「冥が食べたいと言うのでな」
「えっ、冥さん来てないんですか?」
「あの娘は人混みを嫌うからな。仕方あるまい」
「そうなんだ…」
残念、と真宵はしょげた。
「君たちこそ珍しいな、そんな格好で」
矢張と同じように、御剣も交互に二人を見た。
「そうか?さっき、矢張にも言われたよ」
「矢張も来てるのか?」
「あそこの屋台で、いじけながらいかを焼いてる」
そう言いながら成歩堂は、赤い張りの店を指差した。
「意味がよくわからないが…後で見に行ってみよう」

「にしてもいいっスねー。二人して浴衣なんて、まるでデートみたいっスね」
にこにことそういう糸鋸には全く悪気はないだろう。
「…」
「…」
だから、二人は何も言えず、変な間ができた。
「…どうかしたっスか?」
「いえ…別に…」
キョトンとした糸鋸に、成歩堂はそう返すのがやっとだった。
「まさか、本当にデートだったりしてな」
糸鋸の隣で、御剣がふっと笑う。
「そ、そうなんっスか!?」
「違いますよ!」
「なら、そうだと否定すれば良いだろう?」
うろたえる成歩堂に御剣が言う。
「矢張にも全く同じことを言われたからだよ。やっぱりそんな風に見えるのか?」
「まぁ、若い男女が祭りに浴衣姿で歩くとなると、端から見たらそう思うっスねー」
腕を組みうんうんと頷きながら、糸鋸は答えた。
「そうか…」
別にそんな意味で着てきた訳じゃないんだけど、と思っていると、隣にいる少女がやけに大人しいことに気付いた。
「どうしたの、真宵ちゃん?」
「えっ?な、何でもないよ!?」
驚く真宵の様子に、成歩堂は首をかしげた。
「それでは、私たちは矢張のところへ行ってくる」
「あぁ、いか焼き買って慰めてやってくれよ」
成歩堂の言葉に、御剣は手を振って去っていく。糸鋸もそれに付いた。
「それじゃあ、僕たちも行こうか」
真宵に言い、御剣たちと反対の方に進んだ。この先にはひょうたん湖公園がある。
カランカランと下駄を鳴らしながら歩いていると、
「…そう見えるんだ…」
小さく、呟く声が聞こえた。
「え?何か言った?」
「ううん、何でもない」
成歩堂の問いに、真宵は首を振り駆け出した。

8月23日 午後7時47分
ひょうたん湖公園

屋台をいろいろ見ながら商店街を抜け、二人はひょうたん湖公園へ来た。
8時から湖で花火が上げられる。ここは一番良い眺めの場所なのだ。
良く見えるところを探そうとしたが、辺りはすでにカップルばかりだ。どうやら、今夜のデートスポットになってるらしい。
「なんか、場違いって感じだね、あたしたち…」
辺りをきょろきょろしながら真宵が言う。
「うん…でも、真宵ちゃんは花火見たいんだろ?」
「そうだけどー…」
さすがの真宵もこの雰囲気に耐えられないのか、赤面してうつむいた。
せっかく来たのに見ないのもあんまりだ。
成歩堂は辺りを見回し、
「…あそこの芝生のとこなら、空いてるみたいだよ」
少しでもカップルたちの少ないところへと、真宵を連れていった。
「ちょっと見えづらいかな…」
「ううん、あたしは平気」
楠が側にあるが、花火を見るには大して支障はないようだ。
二人で芝生に腰を下ろす。いつもならここからでも湖が見えるが、今夜は人の波しか見えない。
通りでもらった団扇をあおぐ成歩堂。巾着の紐で遊ぶ真宵。
花火を待つには、何故か静かだった。

と、
「ねぇ、なるほどくん…」
先に口を開いたのは真宵だった。
「うん?」
「なるほどくんは…好きな人と、お祭りに行ったこと、ある?」
「え…?」
意外な質問に成歩堂はあおぐ手を止めた。真宵を見ると、彼女は恥ずかしさをごまかすように巾着の紐をいじっていた。
訊いてきた理由は、きっと彼らのせいだろう。年頃の彼女だ、あれだけ言われて意識しないはずがない。
自分の昔話をしても面白くないだろうと思いながらも、
「…一度だけね」
そう、成歩堂は短く答えた。
ずいぶん昔の話だ。初めての彼女と行った、あの秋祭り。
「楽しかった?」
「…楽しいと言うより、緊張したな」
一緒に歩くこともままならず、手すら繋げなかったことを思い出して、成歩堂は苦笑いした。
「そうなんだ…」
そんな成歩堂の表情に、真宵はぽつりとそう言った。
彼女には、まだそんな経験はないのだろうか。里ではそんな恋は難しいのだろうか。
そういう自分も、決して経験が多かったわけではないが…
あの頃は、一途に彼女が好きだった。幸せだった。けれど、思い返してみれば、恥ずかしいものや苦い思い出も多い気がする。
そんなちぃちゃんと過ごした時間を、楽しい思い出と言うのは少し違う気がする…
暗い空を見上げ思い返してみたが、
「…そう言えば、花火は一緒に見なかったな…」
「え…?」
成歩堂の言葉に、真宵は振り向いた。
ヒューゥ…ッ
花火の上がる音がする。
ドーン!
始まりの大輪に、辺りは急に明るくなった。
「花火は、真宵ちゃんと見るのが初めてだね」
成歩堂は真宵を見て微笑んだ。
ヒューゥ…ッ ドーン!
また花火が上がる。
花火のきらめきに照らされる成歩堂の顔を見て、真宵も微笑んだ。
「あたしも…なるほどくんと見るのが初めてだよ」

8月23日 午後9時07分
駅 南入口前

「あー、楽しかった!また行こうね。今度ははみちゃんも一緒に!」
満足そうににこにこする真宵の手には、いくつものビニール袋が下げられていた。中身は、たこ焼き、フライドポテト、焼きとうきび…その他色々である。
「あぁ。…にしても、荷物多すぎない?」
土産というにはあまりにも数がある気がする。
「だーいじょーぶ!はみちゃんが食べきらなかったら、あたしが加勢するから!」
「というか、自分が食べたいだけじゃないか」
「もう、細かいことは気にしないの!」
にっこり笑う彼女には、やはり勝てない気がする。
「それじゃあ、また明日ね」
改札口の前で、真宵は手を振る。
「あぁ、春美ちゃんにもよろしく」
「うん、工作のこと話しとくね」
改札口を通り小走りで駆けて行ったが、
「なるほどくん!」
急に真宵はくるりと振り返って、こう言った。
「…今日は、ありがとう!」
その言葉に、成歩堂も答えた。
「こっちこそ、ありがとう」
真宵は大きく手を振ると、駅の奥へ駆けていった。
そんな彼女の姿を見送りながら、成歩堂は思った。
きっと、僕らの間にあるものは、恋とか愛などとはまた違うもの…どちらかと言うと、家族とかそういう愛しい気持ちに近いのだと思う。そんな彼女とだから、楽しい時が過ごせるんじゃないか、と。
いつの日か思い返したとき…真宵と過ごした時を、楽しい思い出と言えるだろうか?
あどけない少女を思いながら、成歩堂は一言呟いた。

「また明日ね、真宵ちゃん」

最終更新:2020年06月09日 17:25