久しぶりに逆転2をやったら霧緒嬢に萌えてしまったので
どマイナーだけど、イサオちゃん×霧緒を投下

・トノサマン丙!事件が起こる前の設定(週刊誌の記事が載る前あたり)
・若干無理矢理+百合要素あり
・イサオちゃんの設定は完全に妄想

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いつもより仕事を早めに切り上げて、普段は着ないような派手なワンピースに袖を通した。
胸元に手を当てて、呼吸を整える。これは自分が決めたことなんだ。だから、後悔したりしない。
「あれえ、マネージャーさん、どうしたんですか、そんな服着て」
間抜けな声がする。春風のように爽やかなアイツ、言っている自分でも吐き気がするほどのキャッチフレーズで
今誰よりも人気の王都楼真吾だった。いつもの赤いバイクスーツを身につけて、笑顔で私を見ている。
「今日の仕事はもう終わりです。プライベートなことですから」
できるだけ冷たく言い放って、淡いブルーのカーディガンに袖を通す。
「へえ、マネージャーさんでも、デートくらいするんですね。
言ってもらえれば、ボクがいつでも相手してあげるのに」
顔が赤くなる。気分が悪いほどの笑顔を浮かべて私を見ていた。いつもそうだ。こいつの笑顔に騙されるんだ。
あの人も……。また呼吸が荒くなる。王都楼に悟られないように咳払いをする。
「とにかく、私は失礼します」
ほとんど逃げるように事務所を出て、慣れないハイヒールのかかとを鳴らしながら、全力で走った。
仕事でなければ、あの人のことがなければ、誰があんなクズ男のマネージャーになんてなるものか。
けれど、私は今から王都楼と同じくらい卑怯なクズ男と会おうとしているのだ。
怖い。怖い、由利恵さん、私、とても怖いです。でも、あなたの最後の言葉を取り戻すためなら、
私はどんなことだって。そこまで考えて、優しかった由利恵の笑顔を思い浮かべながら、また走った。

自分のお金ではとても来られそうに無い高級ホテルの前で、私は呆然と立ち尽くしていた。
さすがスーパースターは違う。王都楼には及ばないにしても、こんなホテルを簡単に予約できるほどなのだ。
もう一度呼吸を整えて、仰々しい入り口へ足を踏み入れた。制服を着こなしたホテルマンたちが頭を下げる。
こんな場所だと知っていれば、もう少し高いドレスにしたのに。いくら思惑があるからとはいえ、
急に自分の姿が恥ずかしくなってきた。
「やあ、お待ちしてましたよ」
少し低い男の声が背後からきこえた。思わず体が震える。私が振り向くより先に、男の姿が眼前に現れた。
ニット帽を深くかぶり、漆黒のサングラスをかけている。服装はいつもの白いシャツではなく、大きな文字の書かれた
パーカーだった。はっきり言って、こんな高級ホテルにはとてもふさわしくない格好だ。
入り口に立っていたホテルマンが男に深々と頭を下げる。男がサングラスの縁に手をやりながら、そのホテルマンのほうを向いた。
「ね、いつもの部屋、用意してくれてる?」
ホテルマンが男に近づいて、薄い鍵を男の前に差し出した。
「モチのロンでございます」
ホテルバンドーとかかれた薄い鍵を手にして、男は私の肩を抱き寄せた。きゃ、と思わず声が出る。ボーイは顔を少し
赤らめながら、また頭を下げた。
「このホテルの偉い人とは、ちょっとした知り合いでね。時々こうやっていい部屋を使わせてもらっているんだ」
テレビで見るのと同じ笑顔を浮かべながら、男はエレベータのボタンを押す。時々こうやって。それは、この男が
王都楼と同じようなことをしている事実を思わせた。そうだわ、由利恵さんだってこうやって……。
エレベータに乗り込み、男が最上階のボタンを押す。密室の空間は無言だった。呼吸が荒くなる。情けない。これは
私が選んだことなのに。やがてベルが鳴り、扉が開かれた。私はもう一度呼吸を整えた。

「う、わぁ。すごい……」
部屋に足を踏み入れるなり、思わず感嘆の声が漏れた。窓には夜景の光が鮮やかに写っている。この澱んだ都会で
このような夜景を見られる場所があるなんて、とても信じられない。こんなホテルの最上階なんて、私の力では
とても来ることができないだろう。
「ね、綺麗でしょう? この部屋は俺も気に入っているんです」
そう言って男はニット帽とサングラスを外した。夜景に負けないほどの白い歯が見える。笑顔を浮かべながら私に
近づいてくる。動揺を見せないように自分で自分を抱く。震えているのが自分でもわかる。
「まさか華宮さんのほうから連絡してもらえるなんて、思ってもみませんでしたよ」
男の腕がまた肩に伸びる。ひっ、という吐息が漏れた。その男、藤見野イサオはそんな私の顔を見ながら、また笑った。
王都楼と藤見野はライバルであったが、それをおもしろおかしく仕立てる仕事も少なくないので、藤見野と顔を
合わせる機会もしばしばあった。あのとき、由利恵さんが自殺したときから、私はこの男のことを考えなかった日はない。
由利恵さんは、絶対に遺書を残していたはずだ。あの由利恵さんが、何も言わずに死んでしまうなんて、そんなことは
ありえない。遺書は藤見野が隠してしまったんだ。そんな噂を耳にして、私はどうにかその遺書を取り戻してやろうと
計画を練った。けれど、どうしても勇気が出ずに、気がつくと由利恵さんの死から二年近くが過ぎていた。
いつまでもこうして塞いでいるわけにはいかない。由利恵さん、由利恵さん、どんな手を使っても、私はあなたの遺書を
このクズ男から取り戻してやります。
「今日はとても綺麗です。いつも仕事で見るときとは、全然違う」
藤見野の顔が私に近づく。思わず顔を背けた。背けた顎に指を添え、強引に藤見野のほうへ引き寄せられる。
「そのつもりで、俺に連絡してきたんじゃないんですか?」
唇が塞がれた。藤見野の吐息が頬にかかる。正真正銘、私のファーストキスだった。唇の隙間から舌が入り込む。
「ん、んむぅ…」
藤見野の舌が私の口の中を犯していく。呼吸がうまくできずに、頭がくらくらする。体が震える。藤見野は私の口内を
舌で探りながら、私の腰周りをさする。私に経験はないが、かなり慣れているのだろう。そうだ、由利恵さんもこんなふうに。
そう思えば、この不快感も少し楽になった。藤見野の唇が離れて、私の耳元にうつる。吐息が耳たぶに触れ、また吐息が
漏れてしまう。
「俺と会うために、こんなに綺麗にしてきてくれたんですか?」
「ふぁ…だ、だめ、やめて、くださ」
男性用のコロンの匂いが鼻を突く。耳元を舐められて、くすぐったい感触が全身を駆け巡る。私が逃げないように背中を
腕で抱きとめ、腰のあたりをゆっくりとさすり続けている。
「華宮さん、俺、もう我慢できないです」
きゃ、と声をあげたときには、もう柔らかいベッドの上に押し倒された。藤見野の大きな手が私の手首を押し付ける。
思わず顔を背けたが、顔を背けたせいで先ほどまで舌で嬲られた耳たぶが藤見野の顔の前に突き出され、再び耳たぶを
舌で舐められる。声にならない吐息が漏れる。先ほどまで腰をさすっていた手が胸へと移動し、胸をさすられる。
「ひっ…あぁ…」
カーディガンの肩をずらされ、素肌があらわになる。肩にかかっているワンピースの紐もずらされ、少しずつ
私の肌があの男の前に晒される。背筋が冷たくなった。自分の肌なんて、由利恵さんにも見せたことがないのに、
こんな男に見られるなんて。私の思いとは裏腹に、藤見野の手が手早く私のワンピースと下着を外す。
「あっ…だめ、だ、だめ、です、ちょっと、待ってくださ……」
情けない声が出る。だめ、こんな男に弱みを見せちゃいけない。助けて、由利恵さん、助けて。でも、耐えなければ。
藤見野の指が胸におりてきて、胸の突起を指先で触り始めた。
「ふぅ…ふぁ…あ…やぁ…」
「可愛い。すごく、可愛い。もっと、いい声きかせて」

耳たぶから顔が離れて、胸元へとうつる。また背筋に冷たいものが走った。藤見野の舌が私の突起を転がす。
気持ち悪い。そのはずだったのに胸元が疼く。くすぐったい、それなのに、気持ちいい。
「んあ…やっ…あう…」
声が出る。藤見野の舌が左右交互に私の突起を弄ぶ。舌と指先で胸を嬲られているうちに、足の間が熱くなって来た。
思わず足がもぞもぞと動く。藤見野の顔が持ち上がった。意地悪い笑みを浮かべて、胸を触っていた手が
下半身へとうつる。
ワンピースの裾がたくしあげられ、藤見野の手がスカートの中に入り込む。何をされるか悟り、足を動かしたが
あいた手で胸の突起をいじられて、足の動きが止まった。
その隙に藤見野の指が下着の上から私に触れる。指で足の間の突起を少し強くかき回される。
「うあっ! あ、あう…そこ…いやっ…あはぁ…んあ…」
私が声を出すたびに藤見野の指が激しく動く。顔が火照る。あまりに恥ずかしくて、両手で頬を押さえる。
「本当にいやなの?」
そういって、藤見野の指が私の下着をめくりあげて、直接そこに触る。
「あああっ! いやっ、だめ、あふ……」
私が拒絶の声をあげるほど、藤見野は指の動きを早める。感覚が麻痺してくる。くちゅくちゅという液体の音がして、また顔がほてってきた。
「華宮さんのうそつき。こんなに濡れてるのに」
そのとき、何かが私の体内に侵入してきた。
「うあああっ! あはぁっ!」
藤見野の指が、私の中に入ってきた。異物を受け入れたのはこれが初めてだったので、痛みは激しかったが、指を出しいれする動きに合わせて
突起を触っているので、痛みと快楽が入り乱れて、頭がおかしくなりそうだった。こんなこと嫌なのに、どうして、体が言うことをきかないんだろう。
「あはぁっ…やっ…あうんっ…やめ…やめてっ…そんなの…だめ…です…」
「どうしてだめなの? こんなにびしょびしょに濡れてるのに」
藤見野の指が私の奥深くを突く。びくんと大きく体が跳ねた。くちゅくちゅという音は消えない。頬に当てた手を口元にずらして、声を出さないようにしたが、
藤見野の指が私の中を突くたびに、甲高い声が自然と漏れた。
「やはぁ…あうう…んあぁ…」
「いつもの華宮さんと全然違う。すっごく、いやらしい」
こんなのではいけない。わかっているのに、だんだん気持ちよくなってくる自分に嫌悪した。由利恵さん、由利恵さんもそうだったんですか?
この男にこんなことをされて、今の私みたいに……。そう考えると、また蜜があふれ出してきて、快感が戻ってきた。
「だめだよ、華宮さんばっかり気持ちよくなったら」
体内から藤見野の指が抜けた。あっ、と声を出してしまったので、藤見野が意地悪く笑った。私のそこは、藤見野を求めるように小さく痙攣していた。
藤見野が自分の服を手早く脱いだ。やはり、アクションスターだけあって、筋肉のしっかりついた体格だ。けれど、目線を下にうつすと、とても
グロテスクな物体が飛び込んできた。赤黒く天を向いて伸びるそれは、男性のものだということがわかった。
今から何をされるのか。考えるまでもなかった。
「いやっ…あ…やっぱり、わたし…」
「ねえ、華宮さん。華宮さんは、あいつに抱かれたの?」
藤見野は私の入り口にそれを当てながら、静かに問うた。入り口は先ほどの刺激でじゅうぶんすぎるほど湿っている。まだ中にはいれず、入り口を少し
こすっているだけだが、先ほどの快感が残っているために、今にもそれを受け入れてしまいそうだった。
「あ…お、王都楼とは…なにもっ…」
「本当かな? あの女も、俺に王都楼のことは黙ってたからね。王都楼の差し金で、俺に近づいてきたんじゃないのかな」
かっと頭に血がのぼった。やっぱりこの男はクズだ。由利恵さんが、あんたたちのことでどれだけ苦しんだか…! このクズ男にとっては、由利恵さんは
王都楼のお下がりとしか思ってなかったんだ。そして、この私も…。もちろん、王都楼とは抱かれるどころか、プライベートをふたりきりで過ごしたことすらない。
でも、そんなふうに思われるのが癪だった。だが、何より許せないのは、このクズ男に今から犯されようとしているということだった。
「ちが、ちがう、そんなこと、わたしは…おねがい、やっぱり、やめてください」
藤見野はすごい力で私の腰を掴んでいる。とてもじゃないが、振り払えない。自分で自分を抱きながら、ただ震えていた。助けて、由利恵さん! 怖い! 怖い!
「もうだめだよ。ほら、入っていくよ…」

「ああああああっ!」
体内に異物が侵入してくるのがわかった。先ほどのとは違う。ずっと太くて大きい。
少し受け入れただけなのに、裂けてしまいそうなくらい痛かった。
「いたいっ! 痛いです! ごめんなさい、やめて、やめてください!」
「う…きつい…な。あいつとは、本当に何も、してなかったんだね」
「ああああっ! あううあああ!」
私の悲鳴などきかない振りをして、藤見野は私の中に入っていく。ゆっくりと体内に異物が押し込まれていくのがわかる。
血が出るほど爪を腕に突き立てた。
ぐちゅぐちゅと音がする。藤見野は私の腰に手を当てて、ゆっくりと足の間に腰をうずめていく。
「ふぁ…いちばん、奥まで、入ったよ、華宮さん」
藤見野の体温が伝わってくる。私の腰から手を離し、私の腕をゆっくりとほどいた。先ほど藤見野に舐められた胸がまたあらわになる。
藤見野が私の手首を押さえつけながら倒れこんでくる。首筋にキスをして、ゆっくりと鎖骨まで這わせた。ぞくりと快感が伝わってくる。
「んっ、ふぅ…あぁ…やぁ…」
鎖骨から顔を離し、私の唇を塞いだ。舌が口の中に入ってくる。そのとき、一回下半身を突き上げられた。
「んううううっ!」
痛みが下半身を支配する。藤見野は構わず私の口の中を犯し続けた。藤見野の手が手首から離れて、私の胸を掴んだ。
思わず藤見野の背中に手をまわす。
口の中を犯されるぐじゅぐじゅと言う音が響く。下半身が異物を加え続ける感覚に疼いてきた。
「キリオ、かわいい」
耳元で藤見野の低い声がした。名前を呼ばれると、体内がぎゅうっと締まった。それを嘲笑うかのように、大きく突き上げられた。
「んああっ! やっ、やめ、やめて、くださっ…」
「キリオ、すっごくやらしいよ」
藤見野の体が大きく前後する。私の一番奥を何度も突かれる。藤見野のものを受け入れた痛みはあったが、
何度も突かれるうちに、痛みは麻痺してきた。
ああ、こうやって、由利恵さんもこの男に抱かれていたんだ。そう思うと、藤見野のもので感じている自分を許せるような気がしてきた。
私は今、藤見野のものを通じて、由利恵さんと繋がっているんだ。それだけが、唯一の救いだった。
「あうっ…ああん…はぁっ…」
「キリオ…ああ、俺、もう、だめだっ…」
藤見野の動きが早くなる。私の腰に手を当てて、激しく動き始めた。純白のシーツを掴んで、その衝撃にひたすら耐えた。
私も一番奥を激しく突かれることで上り詰めていた。
「うっ、ううっ…あっ…んあっ!」
「キリオ…もう、出るっ!」
「いやあああああっ!」
藤見野が大きく一回私の奥を突くと、私の中で何かが破裂したように流れ込んできた。流れ込んでくる液体に反応して、体内が痙攣する。
こんなクズ男の精を受け止めて感じてしまった自分が悔しくて、顔を両手で塞いだ。けれど、その塞いだ両手を藤見野に引き剥がされて、
私の惨めな泣き顔がクズ男の前に晒されてしまった。顔を背けたが、頬を捕まれてまた唇を塞がれた。
「キリオ、これからは、俺がずっと君のことを、可愛がってあげる」
そう言って藤見野が汚い笑顔を浮かべた。この男が見ているのは私じゃない。私の向こうにいる王都楼だ。愚かな男。けれど、この愚かな男に
私の純潔が奪われたのだ。悔しい。虚しい。けれど、そんなことは大したことじゃない。そう自分に言い聞かせた。
由利恵さん、由利恵さん、私が絶対にあなたの無念を晴らして見せます。藤見野に口の中を犯されながら、
藤見野の先にいる由利恵さんの笑顔を思い出して、目を閉じた。

最終更新:2020年06月09日 17:33