成歩堂×真宵①

事務所はいつもの様に静まりかえっていた。ただ、先ほどの喧騒が名残惜しいかのように
酒瓶や菓子、乾物などの影が隣のビルからの光に照らされ、テーブルにうっすらと映っていた。
ソファで寝ていた僕はまだ痛む頭をおさえ、上半身を上げた。
…あれ?なんで自分はこんな所で…

そうだ、たしか…

いやー、今日の弁護、実に素晴らしかったッスよ!!
と、赤ら顔でイトノコ刑事は僕の肩をバンバンと叩いた。この台詞を聞くのはもう何回目だろうか。
御剣の無実と、時効寸前で事実の紐解かれたDL6号事件―この2つを僕は解決させたのだ。
無論、僕一人の力ではなく、みんなの助力の賜物でもあるのだが―そのみんなで僕らは
御剣のお祝いをしていた。当の本人は留置所に居て参加できなかったのだが。
イトノコ刑事のおごりで食事を済ませた僕たちは、事務所で2次会と相成った。
ナツミさんは矢張に肩を組んでクダを巻いていた。絡み酒だ。矢張も酒は進んでいたが、
目の坐ったナツミさんの勢いにはたじたじで、可笑しかった。
イトノコ刑事は泣いていた。どうやら酒が入ると泣き上戸になるらしい。そんなもんだから
今日の弁護は素晴らしいこれで御剣検事も…うううのひたすらループ。
こっちは相槌を打つほかなかった。
真宵ちゃんは…実はイトノコ刑事に隠れてこっそりお酒を飲んだのだが、一気に顔を真っ赤にして
倒れてしまった為、奥の部屋で休ませた。まさかビール1杯で酔いつぶれるとは…
そんなこんなで真夜中にお開きとなって、僕はソファに転んだまま、寝てしまっていたのだ。

…まさか、千尋さんの追っていた事件を、僕が解決させるなんて、思わなかったな…

暗い事務所の外では、時折前の通りを過ぎる乗用車の音のほか聞こえるものはなかった。
ふと思って、財布の中から1枚の写真を取り出した。
湖をバックに、緊張した顔の僕と笑顔の女性が写っている。僕が持っている千尋さんの、唯一の写真だ。
初めての逆転劇を迎えた後、千尋さんはひょうたん公園へ散歩しよう、と僕を誘った。
そのときに、偶然写真家の方が僕らを撮ってくれたのだ。
ただ、その写真が届いたのが千尋さんが亡くなった後ではあるのだが…

なるほどくん…?
写真から顔を上げると、真宵ちゃんが毛布を羽織って僕の前にいた。
部屋暗いから、寝てると思った…なに見てるの?
い、いやなんでもないよ…それより、もう大丈夫なの?
僕は写真を隠すようにしてズボンの後ろポケットにしまった。真宵ちゃんはまだ気になる様子だったが、
その後首を振って、体調は悪くないと告げ、僕の隣に腰をかけた。
…お姉ちゃんの、写真でしょ
相手に異議あり!!と言われたくらいの衝撃で、一気に心臓が跳ねあがった。
…図星、みたいだね
真宵ちゃんが少し残念そうな笑みを浮かべて、正面を向いて伸びをした。僕はまだドクンドクンと
せわしく胸が鳴るのを感じている。な、なんで分かったんだ!?
なんとなく言ってみたんだけど、当たっちゃった
こっちを向いて、意地悪く笑う。
なるほどくんって…お姉ちゃんのこと…
真宵ちゃんはほんの少し俯き加減になって、それでも、僕の目を見ながら。
…好きだった?

幾分落ち着きを取り戻した心臓と、壁にかかった時計の針の音とが重なる。隣のホテルの一室が
電気を落とし、僕たちのいる事務所の闇は濃くなった。
…好きじゃなかったって言ったら、嘘になるかな
僕は真宵ちゃんの目を見ることができなかった。何故だか後ろめたい気がして、
…真宵ちゃんを悲しませる気がして。
御免ね、変なこと聞いちゃって
真宵ちゃんが立ちあがると同時に、僕はその腕を握った。
なるほどくん…
…今度は僕の番だ。…真宵ちゃんは、僕のことが好き?
我ながら酷い質問だな、と思った。だけど、聞かずにはいられなかった。…僕はまだ酔っているのか。
それとも…
…ずるいよ、なるほどくん…
顔を赤らめて、真宵ちゃんはポツリと呟く。暗くてハッキリしないが、目が潤んでいる様にも見えた。
…そうだ、僕はなんてことを!
ご、ゴメン!真宵ちゃん!
とっさに手を離して、誤る。でも、僕は真宵ちゃんに顔を向けられなかった。真宵ちゃんは、俯いたまま
沈黙を守っていた。僕も、掛ける言葉もなく、ただ黙っていた。

隣のホテルの灯りがまた1つ、消えた。漆黒が、見えない刷毛で塗りつぶされてゆく。
…好き
ポツリと、一瞬で闇に溶け込む位の小さな声がした。僕は立ち上がって、真宵ちゃんの肩に手を添えた。
ぴくんと反応したが、真宵ちゃんは拒絶しなかった。
…暑い…まだ、酔ってるみたい…
…僕もさ
どさっと、2人ともソファに身を転がせた。窓から入る最後の灯りが、消えた。

唇を寄せる。始めはついばむ様にして、軽く重ねる。真宵ちゃんの顔がぽうっと朱に染まってゆくのが
暗闇のなかからでもハッキリ分かった。
僕も…素直じゃなかったかもね
真宵ちゃんは首を横に振る。そんなの、今は関係ない
お互い少し笑みを浮かべると、再び口付けをした。僕は少し激しくしようと、舌を絡ませた。
真宵ちゃんは一瞬たじろいたが、おずおずと自らも舌を出した。それが分かると僕は
少し吸いつくようにして、唾液を絡ませる。
ん…はぁ…
真宵ちゃんの口から漏れる溜息。顔立ちは少女のあどけなさを残しつつも、大人と変わりない、色めいた声。
アンバランスに揺れる彼女の女性という存在が、僕の中でいとおしく思えた。
真宵ちゃん…!
あっ…!
僕は彼女の帯を外しに掛かった。すっと布が滑る音がすると、着物はあっさりとはだけた。
お世辞にも豊かとはいえない胸が、僕の前に露わになった。
や…恥ずかしいよ…
どうして?
僕は指の腹で、彼女の乳房を触れるか触れないかの距離でそっと撫でる。
あっ……そ、その、私……あまり、ムネ、おっきくないから…
異議あり。恥ずかしがる事じゃない…可愛いよ
…なるほどくん…ああっ!」
指を少しずつ中心へ近づけて行き、桃色の先端に軽く触れる。ぴくんと、真宵ちゃんの身体が跳ねる。
あっ…くぅん…!

更に、僕は乳首に舌を這わせた。真っ赤な顔で震えて、目尻に涙を浮かばせる真宵ちゃんの表情が、
僕の劣情を更に引き起こした。
舌で愛撫していた乳首を口に含み、赤子のように吸う。真宵ちゃんは困ったような恥ずかしいような顔で、
目を細め頬を赤らめながら「んっ…んっ」と小さく喘いでいる。口を離すと一本の糸が紡がれ、乳首は
唾液で淡く輝いていた。
じゃあ…
僕は真宵ちゃんの下半身へと手を伸ばした。くちゅ、と、なにかの水音。
間違いなかった。真宵ちゃん、濡れてる。赤い真宵ちゃんの顔が、より一層赤くなる。
ち、ちがうの!わ、わたし…その…こんな…
慌てて何かを弁明しようとする真宵ちゃんに、僕はそっと呟いた。
恥ずかしい事じゃない。むしろ、嬉しい
ぁ…
真宵ちゃんに覆い被さるようになって首筋にキスをする。そのとき、真宵ちゃんが小さく耳打ちした。

!…真宵ちゃん…
…なるほどくんになら…
僕は既に濡れているショーツに再び手を伸ばす。生地をずらし、そっとその中へ指を侵入させる。
あくまでも優しく、ゆっくり…
ふぁ…はぁ……ん!
ゴメン、痛かった?
慌てて指を止めるが、真宵ちゃんは瞬時に首を振って否定した。
違うの…止めないで……

懇願する様にねだる表情が、それがでまかせでない事を示していた。僕は更に指を進めた。
小さな蕾の先端をそっと撫でて、摘み、トントンとノックしたり…愛撫を続ける度、真宵ちゃんは
可愛い声を紡ぎ出す。どんどんと愛液が溢れ出し、僕の手全体がぐっしょりと濡れてきた。
…そろそろ頃合いか…
ベルトを外し、自分自信を開放する。ひどく熱を持ったそれは脈打ちながら怒張していた。
それを見た真宵ちゃんが、目を丸くしていた。
…お、おっき…
これが真宵ちゃんの中に入るんだよ…本当に、いいの?
真宵ちゃんは少し躊躇した後生唾を飲み込んで、首を縦に振った。真宵ちゃんの方も
あれだけ濡れているし、受け容れるには十分だろう。残りは、本人の意志だけだったのだ。
僕はソファに仰向けになって、その上に真宵ちゃんに立膝を突いてもらった。
そしてそのままそっと、性器同士の先端が触れる。ん…と真宵ちゃんの声。
手を彼女の腰に回して、少しずつ降ろす様に導いてゆく。ず、ずっ、と性器がめり込んで行く度、
真宵ちゃんは今まで以上に喘ぎ声を上げる。
あぁっ……!くぅ…!!ぁ、ふぁ……!!
涙をぽろぽろとこぼし、僕の胸に手をつく。足はガクガクと震えて、息も荒い。やがて、
僕は彼女を完全に貫いた。
…全部入ったよ、真宵ちゃん…気持ちいい…
な、なるほどくん…なるほどくぅん
繋がったまま、真宵ちゃんは僕の身体に抱きついた。僕のほうも今はまだ動かず、じっとそのまま
真宵ちゃんが落ちつくのを待った。
…ふしぎな感じ…頭がボーっとして…身体が熱いの…
僕は彼女が落ちついたと見て、少しずつ揺さぶってみた。案の定、痛みはさほどよりはましな様だった。
なるほどくん…あ、熱いよっ…!
真宵ちゃん…真宵ちゃん…!!

僕は無意識のうちに腰の動きを早めていった。もう、理性で繋ぎとめるには限界だった。
むさぼる様に、彼女の奥へ奥へと性器を突きたてる。
真宵ちゃんの中、きゅうきゅうって締め付けてきて…すごくいいよ
いや…そんな事、いっちゃやぁ…
僕は上半身を起こし、真宵ちゃんと抱き合いながら腰を揺さぶる。ぐちゅぐちゅと、弁護士の事務所には
似つかわしくない淫靡な音が当たりに響き渡った。その他には僕等の声以外、なにも聞こえなかった。
なるほどくん…キスして…
僕は無言で返事をした。先ほどとは比べ物にならないほど激しいキス。真宵ちゃんも積極的に舌を
咥えこみ、お互いの唾液が宙を舞っていた。
真宵ちゃん…僕、もう…!
さらに激しく性器を突きいれはじめると、真宵ちゃんの口からもより高音の声が響き始めた。
な、なるほどくんっ!!…!わ、私…おか、おかしく…なっちゃうよぉっ!!
真宵ちゃん…!イくよ、中に、出すよッッ!!
来るの、何か来ちゃうの!!や、やああああぁっっ!!!!
今まで出したことないほど、ドッと精が吐き出された。びゅくんびゅくんと、真宵ちゃんの膣に
白い液は止めど無く注がれていった。
あ、あ、あ…あぅ……
ふっと、そのまま僕と真宵ちゃんは上半身をソファに倒した。真宵ちゃんのほうはそのまま
失神してしまったようだった。僕も少しの余韻を味わった後、真宵ちゃんから離れる。
結合部から、白と朱の混ざった液体がドロリと溢れた…


おまけ

3ヵ月です。おめでとうございます
…なるほどくん、3ヶ月だって!…で、何が3ヶ月なの?
い、異議あり!!…本当ですか?
とある産婦人科。頷く先生。なにも分かっていない様子の真宵ちゃん。呆然の僕。

2人に幸多い事を…願いたいものである。(おしまい)



あとがき
…以上です。あぁ、やっぱ真宵ちゃん萌え~…(誰
楽しんでいただけたら幸いです。
ちなみに今日2買おうと思ったらお金が足りませんでした。ぎゃふん。
最終更新:2007年05月26日 09:54