マックス×ミリカ+α

偶然とはいえ、その光景を見かけたボクは呆然となった。
(あ、あれは……ミリカと……マックスか!?)
誰もいないテントの中で、ミリカは派手に飾りつけされた跳び箱に
上体を倒し、その背後からマックスに……激しく衝かれていた。
いつも着ている衣装は床に散らばり、着けているものといえば
肘まである手袋とストッキングくらいだ。
そのストッキングも、わざとなのか成り行きなのかビリビリに引き裂かれている。
だが、それがまた扇情的に見えて、十六歳のミリカに艶っぽさが増していた。
引き裂かれた部分からはみ出ている白いふとももが、触れてもいないのに柔らかだとわかる。
『アイツ……オレのミリカになんてことを!』
ボクの胸元にいるリロくんが、怒りをあらわにして叫んだ。
ボクはとっさに人差し指を口に当てる。
「リロくん、そんな大きな声出したら見つかっちゃうよ」
リロくんはボクをキッと睨みつけて、グーにしたこぶしをボクの顎に連続してぶつける。
『ナニすっとぼけたこといってんだよ! オレのミリカがあんなことになってんだぞ! 
これがおちついていられるかっつーの!!』
両手をバタバタさせて暴れるリロくんをボクは必死に押さえ込む。
リロくんの怒りはもっともだと、ボクは思った。
「で、でも……邪魔しちゃ悪いよ」
『チクショウ! マックスのヤロウ、ぜったいゆるさねぇ!!』
ボクは二人に気付かれるのを気にして、リロくんを必死になだめる。
けれどリロくんの怒りはとどまらず、二人に殴りかかんばかりに激しく暴れた。
「リロくん! だめだよ……」
二人をチラチラと見ながらボクはリロくんを説得しつづけた。
やがて、ボクの説得が必要なくなってきた。
リロくんもボクも、二人に釘付けになってしまったのだ。
最終更新:2006年12月12日 20:08