オバちゃん×御剣

「ミッちゃぁん」
          • この声は・・・・・・・。しかもなんか重みを感じるような・・・。
「・・・・・・・・・・大場さん?」
どうやら寝てしまっていたようだ。・・起きようと動こうとした瞬間
「!?」
オバチャンが上にのっかっている。そして体が指一本動かせない。
しかも・・・オバチャンが脱いでるのはなぜだろうか。
「・・・これは一体どういうことですか?」
「怒らないでおくれヨォ。ミッちゃぁん」
「う・・・・・だからその茶色い声は・・・・・」
「ヒッヒッヒッヒッ・・・ちょっと薬を使わせてもらったのサ」
「く・・・薬!?」
「眠り薬としびれ薬。特注なんだヨ。わざわざ通販でとりよせたんだからネ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ!?」
あまりのことに言葉がでない。何を考えているんだ?!この人は。
「ミッちゃんいつもそっけなかったけど、あたしゃわかってるんだヨ」
「な・・・何を・・・・・」
「その冷たい態度も愛情表現の一つなんだってサ!!」
「・・・・・・・・・ち・・違ーーーー!!!!」
こんなに衝撃を受けたのは容疑者として捕まった時以来だろうか。
いやもしかしたら裁判で成歩道に負けた時か。いやまぁそれは置いといて。
「もっと素直になっていいんだヨ・・・・ミッちゃぁん」
潤んだ瞳でこっちを見つめてくる。
体は動かない。話も通じそうにない。
まさに四面楚歌。なんとかせねば・・・。

「お・・・大場さん頼むからおちつくんだ」
「あたしゃおちついてるヨ」
「目が血走ってる!!目が!!」
「そして脱がせないでください!!」
なぜかちゃっかりと脱がせようとしてるオバチャン。
「ヒッヒッヒ・・・・そんなに怯えなくていいんだヨ・・・・」
だめだ・・・この人には何をいっても無駄だ・・・。
何でこんなに絶体絶命なんだ・・・わたしは・・・。
「ミッちゃぁん・・・・・・・」
だんだん唇を近づけてくるオバチャン。
「ひ―――――――――――ッ!!」
なんとか力をふりしぼって押しのけようとするも
「ああん、もうミッちゃんったら照れ屋なんだからぁん」
薬とオバチャンパワーに勝てるはずもなく。

■暗転■

「・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ・・・・・・」
何発抜かれたかはわからない。もう体が限界を超えている。
          • にしてもなんであの人はあんなに元気なんだ・・・・・ッッ?!
「ハァ・・ステキだったヨ、ミッちゃぁん。でもオバチャンだって捨てたもんじゃないでショ?
 あたしゃこれでもムカシはテクニシャンで通って通ってそりゃもう
 男を骨抜きにしたもんだよ。ウブな男どもを虜にして(以下略)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・」
小さくため息をつき、そこで御剣の意識は途絶えた。
最終更新:2006年12月12日 20:09