受け冥

「こんな薄っぺらい布団で熟睡できる人の気が知れないわ。」
冥は奥の院で見つけた薄っぺらい布団を見ながらいつもの呆れ口調で呟く。
「でも、やわらかい布団より、姿勢にはいいんだよ。」
「ふーん。どう見ても寝心地は良くなさそうね。」
言い終わって成歩堂を見ると、せっせと布団をひいている。
「ちょっと、なんのマネよ。」
「論より証拠だよ。ほら、寝てみなよ。」
布団をひき終わり、冥を見ながらせんべい布団をポンと叩いた。
「冗談じゃないわよ。何で私が…」
「いいからいいから。」
成歩堂は嫌がる冥を無理やりせんべい布団に寝かせる。
「どうだい、寝心地は。」
「カタいわね。」
「ふーん。じゃ、ぼくも。」
言うが早いか成歩堂は冥の寝ている布団に潜り込んだ。
冥は咄嗟にムチを揮おうとするが、布団の外のムチは成歩堂によって遠くへ払いのけられる。
「ゆっくりしろよ。2人の方があったかいだろ。」
成歩堂があまりに当り前のように話すので冥も少々怯んだ。だが、冥がそのままおとなしくしているハズはない。もちろん布団から這い出ようとする。
「ゆっくりしようって言ってるじゃないか。」
が、成歩堂の手によって布団の中に引き戻されてしまった。
思惑通り事を進めている成歩堂はクスリと笑った。
「狩魔検事、あったかいよ。」
さすがに冥は痺れを切らし、ビンタをくれてやろうと手を振り上げる。が、その手も成歩堂によって押さえつけられてしまった。さすがに男の力には適わない。
冥の顔に恐怖の色が浮かんだ。
「ちょ…」
精一杯抵抗しようとした冥の唇は次の瞬間成歩堂によって塞がれた。
「…んっ…くっ…」
なにやら言いたそうだが口を塞がれていては声が出ない。窒息しそうだと感じた瞬間、冥の口は開放された。
「ぷはっ…なっ、何を…」
冥の言葉には耳の1つも傾けず、リボンに手をかけると一気に引き裂いた。
成歩堂は唇を鎖骨へ胸へと落としてゆく。
抵抗しようにも腕と足を押さえつけられ、身動きがとれない。
そうしている間に、いつの間にか成歩堂の手が冥のスカートの中へ入る。
「イヤ、やめて。」
冥の言葉に成歩堂は唇の端を吊り上げた。
「イヤよイヤよも好きのうちって、さっき言ってたじゃないか。ここまで来て、やめられるわけないだろ?」
「そういう意味で言ったんじゃないわ!」
わめきたてる冥の唇を唇で塞ぐと、冥のタイツを引き千切り、自分のズボンを下ろすと、既に硬くなった自分自身を冥のショーツへあてがった。
「ホラ、コイツが狩魔検事の中に入りたいって言ってるんだ。」
言うと、冥のショーツに手をかける。
「イヤァァァ!!」
大声を出すが、理性が飛んでいる成歩堂にとっては冥の叫び声も欲望を刺激する起爆剤としかならなかった。
ショーツをずらし、自身を冥の中に入れようとしたとき、成歩堂の体が浮いた。
そのまま襟首を掴まれ、投げ飛ばされ、タンスで背中を強く打った。
成歩堂と冥が同時に振り向くと、マスクで目元を隠した男が立っていた。

「もう大丈夫だぜ、お嬢ちゃん。」
成歩堂を投げ飛ばした男は冥に近づくと布団を被せた。
「ゴドー検事。」
「まるほどう。男としてみっともないぜ。無理やり襲い掛かるなんてよ。」
ゴドーに投げ飛ばされ、正気に戻った成歩堂は自分のしたことを思い出し、呆然と竦んでいる。
一方冥は、自分を助けてくれた男から目を離せないでいた。
(ゴドー検事?この人が?)
「怯えるな。オレが来たからにはまるほどうに変な事はさせねえぜ。こんなガタガタな体でも、あんたを救うことぐらいできる。」
ゴドーは冥に優しく話しかけると成歩堂を見て言った。
「よく見ておけ、まるほどう。これがオレのやり方だ。」
その言葉を聞いた冥は嫌な予感が過ったが、逃げる間もなく気付くとゴドーに組み敷かれていた。
「そんなに怖がることはねえぜ。」
そう言うとゴドーは冥の唇にキスをした。歯列を割り入り、冥の口内でゴドーの下が優しく這い回る。先ほど成歩堂にされたキスとは全然違う、優しく官能的なキスに冥の頭もぼーっとする。冥を十分に味わうと、今度は引きちぎられた上着を丁寧に脱がし始める。
「なっ、ヤメっ…ぐっ」
抵抗しようとする冥の唇をまたしても塞ぐ。そのスキに上半身を覆っていた服をするりと剥ぎ取った。
優しく、強く、冥の膨らみを揉みしだく。冥の口から吐息が溢れるとゴドーの指は頂上の突起を刺激した。
「アッ…はぁ…」
思わず冥の口から声が漏れる。もう、抵抗するには力が抜けすぎていた。
「どうして欲しいんだ?言ってみな、聞いてやるぜ。」
ゴドーの言葉に少し我に返った冥は慌ててゴドーを押しのけようとする。が、上手く力が入らない。
「や…やめて…」
「コレでもか?」
ゴドーの指は容赦なく冥の硬くなった左右の突起を撫で回す。
「あんっ…」
冥の言葉が途切れると次は引き千切られたタイツを慣れた手つきで抜き取る。
そして、ショーツの上から指を滑らせた。それはすでに冥の蜜で湿っていた。
「もうこんなになってるぜ。」
「じょ、冗談じゃ…」
ゴドーの言葉を顔から火を噴くぐらい恥ずかしく感じながら、何とかして逃げようと試みる。
「おっと。逃がしゃしねえぜ。」

暴れる足を押さえつけ、ショーツの中に手を入れ、中央の突起を優しく刺激した。
「んっ…アアンッ…」
冥は堪え切れない声を漏らし、身を仰け反らせた。ゴドーは陰核を刺激しつつ、冥の中を指で掻き回した。冥はさらに声をあげる。
「ア…あん…や…めて」
「いい声だぜ、お嬢ちゃん遠慮することはねえ。もっと声を上げてみな。」
言うとゴドーは冥の足の間に顔を割りいれ舌で蜜を舐めあげた。
「ちょっ…」
あまりのことに冥は止めようと口を開くが、すぐに陰核を舌で刺激されて非難するはずの言葉は甘い喘ぎ声と変わった。
「どうして欲しい?今度こそ言ってみな。聞いてやるぜ。」
ゴドーの愛撫によって冥の理性は既に飛ばされ、ただただ甘い声を出している。
「どうした?早くいわねえとやめちまうぜ?」
「んっ…」
冥のよがる表情を見ているうちにゴドーは我慢の限界にきていた。
「早く…言えっ…」
とうとう先に残った理性を飛ばしきった冥は無意識に言葉を放った。
「…お願い…欲しい…」
それを聞くが早いかゴドーの剛直は冥の中へと侵入してきた。
冥が少し苦痛に表情を歪めるとゴドーはよりゆっくり侵入し、奥に到達すると冥の頬に口づけした。
「大丈夫だ。すぐ慣れるぜ。」
ゴドーは様子を伺うようにゆっくり腰を使う。冥の痛みを紛らわせてやろうと他の全ての性感帯を刺激しつつ。
初めての女性の扱いに慣れているようで、やがて冥は苦痛から開放され徐々に快感へ支配されていく。
こうなると、もう冥を止めるものはなく、ゴドーに身を任せていた。
ゴドーもまた、余裕に振舞ってはいたが限界が近づいていて、冥を突き上げる速度が速くなる。
「あ、あ…」
冥が切ない喘ぎ声を漏らすとゴドーは冥の奥まで入り込み、冥の中で欲望のすべてをぶちまけた。
ある程度余韻を楽しみ、冥に優しく口づけ、自らを引き抜くと、あっけにとられ座り込んでいた成歩堂に目をやった。
「まるほどう。コレがオレのやり方だ。参考になったか?」
その瞬間、言葉と同時に奥の院の扉が開き、一人の男が呆然としていた。

「メイ…」

御剣はその部屋の中の惨事を目の当たりにし、ショックと怒りに唇を震わせた。

「…御剣…おまえ、どうして…?」
突然の御剣の登場に驚く成歩堂とは逆に落ち着き払った様子のゴドーは御剣を見てニヤリと笑った。
「クッ…お嬢ちゃん、王子様のご到着だぜ。」
「私は何のために呼ばれたのだろうか…」
ゴドーはぶち切れ寸前の御剣の言葉をさらりと聞き流し、親指を奥の鉄格子へ向けた。
「もちろん、アイツの解除をできるお嬢ちゃんを護送して来たんだろうぜ。」
御剣がふと自分の隣を見るとあやめの姿は忽然と消えていた。この部屋の惨劇に耐えられなくなって逃げ出していたのだった。
御剣はぐったりと布団に横たわる冥を見つめた。髪は振り乱れ、服は引き裂かれ、秘所からは鮮血と精液が溢れ出ていた。
「メイをこんなにしたのは貴様等か!?」
御剣は呆然と座り込む成歩堂と余裕たっぷりに腕組みをして立っているゴドーを交互に見ながら声を荒げた。
「おっと、そいつは違うぜ。正確には無理やり犯そうとしたのはまるほどうだ。オレはただ、怯えきったコネコちゃんをあやしてやっただけだぜ。」
その言葉にギリギリのところで保っていた御剣の堪忍袋の緒が完全に切れた。ゴドーの胸座を掴み上げ、鬼神も逃げるような形相で睨み付けた。
「結局、メイをこんな目に遭わせたのはキサマなのだな!」
そんな御剣の怒りもゴドーの前では無意味なものに終わってしまう。ゴドーは御剣に耳打ちをした。
「今あのお嬢ちゃんを救ってやれるのはあんたしかいないだろうぜ。」
言うとゴドーは自分の胸座を掴んでいる御剣の腕逆にを掴み返すと、一捻りして御剣を冥の横たわる布団へと突き飛ばした。
御剣が倒れると目の前に虚ろな表情を浮かべた冥の顔があった。御剣と冥の視線がぶつかると冥は目を潤ませ、御剣に抱きついた。
「レ…イジ…」
いつもの彼女からは想像できないほど弱々しい冥の姿に御剣は込み上げてくる欲望を感じたが、成歩堂とゴドーをこのまま見逃すことはできないと体を起こした。

「クッ…なんだ、そういうことだったのか。」
何の抵抗もなく御剣に助けを求めた冥を見て、ゴドーは二人の関係を悟った。
「悪かったな。後は二人で心行くまで楽しんでくれ。ジャマなんて野暮なマネはしねぇからよ。」
相変らず呆然としている成歩堂の襟首を掴み、彼を連れて部屋から出て行く。
「ちょっと待つのだ。それで済むと思っているのか!?」
御剣が叫ぶがすぐ冥の手によって布団の中に引きずり込まれる。
「レイジ…私…怖かった…」
そう言いながら自分の腕の中で小刻みに震える冥を見るうちにどうしようもない欲望が御剣を侵してゆく。薄れ行く理性の中で御剣は冥に精一杯優しいキスをした。
御剣が舌を口内に入れると既にゴドーによって敏感に開拓されている冥は御剣の舌に自分の舌を絡め、お互いに欲望を貪りあう。
やがて唇を離すと冥は艶やかな瞳で御剣を見つめた。理性が弾け飛んでいるとはいえ、やはり愛する御剣とのキスは手慣れたゴドーのキスより何倍も心地よく感じた。
一方御剣は自分を見つめる冥の潤んだ瞳に抑えきれない欲望を募らせる。
(こんなことをしては、私もあいつ等と同じになってしまう。)
必死に自分の欲望を断ち切ろうと葛藤する。
長い間、ずっと大切に、愛しく思っていた冥がこんな形で他の男に犯された怒り。
また、そんな状態の冥とこんな関係になろうとは。御剣は冥と男女の関係になることを望んではいたが、それがこんな状況ででなはい。
だが、強姦され、心にキズを負った冥を救ってやれるのは自分しかいないともまた考える。
そのとき、予想しない冥の一言が耳に飛び込んだ。

「レイジ…あなたが好きよ」
その言葉を聞くと今まで頭をぐるぐると回っていた御剣の葛藤は完全に吹き飛ばされた。
「私もだ」
言うと、貪るように冥の膨らみを撫で回した。御剣に触れられるたびにビクッと反応する。
御剣は首筋から鎖骨、胸へと唇を落とし、膨らみの頂上の突起を見つけると口に含んだ。
「…はぁ……う…ん…ッ」
冥の甘い声に刺激された御剣はなおも膨らみと突起を刺激し続けながら、冥の既に全て剥ぎ取られた下腹部へ手を伸ばした。
冥自身の蜜とゴドーの精液でそのはぐちゃぐちゃに塗れていた。その感触に、御剣のゴドーに対する怒りが再び蘇る。
指を冥の中へ入れ、既にぶちまけられたゴドーの精液を掻き出す様に指を動かす。
そうしながら、親指で陰核を強く弄ると冥は刺激に声を上げた。
「あっ…ああん…もうっ…」
無我夢中でそんな冥を気遣う余裕もなく、欲望のままに御剣は冥を攻め立てる。
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が奥の院全体に広がる。
「メイ…」
乱れる冥を目の当たりにしている御剣は冥を突き上げたい衝動が抑えきれなくなっていた。
指を引き抜くと、冥に覆いかぶさるようにして既にいきり立った剛直を冥の入り口にあてがった。
冥は御剣の熱い剛直を感じ、濡れた瞳で見つめる。その瞳に吸い込まれるように御剣は冥に口付けをし、ゆっくりと冥の中に腰を押し進めた。
「あ…ふん…」
御剣が入ってくると冥は待ちわびていたかのように甘い声が漏れる。
ゴドーに貫かれたときよりも感情がある分、快楽もより一層膨れ上がる。
御剣が腰を動かし始めるとぐちゅぐちゅと卑猥な音が上がる。
御剣の動きにあわせて冥の胸が揺れ動く。冥を自分の下に見ながら御剣は冥の耳元に顔を近づけ、熱い吐息を吹きかけた。
「あんっ…レイジっ…んっ…」
御剣は冥の耳を甘噛みしながら深く、浅く、激しく、緩やかに腰を打ち付け続ける。
おかしくなりそうな程の快楽に顔はゆがみ、抑えきれない切ない声が漏れる。
「や…あ、ああん…レ…イジ…もっと」
冥の甘い声に御剣も徐々にのぼりつめてゆく。結合部からは卑猥な音と共に、冥の蜜が滴り落ちる。
御剣の冥を挿し貫く速度が速くなる。
「んっ…」
御剣の口からも声が漏れる。危険を感じた御剣は冥からずるりと自身を引き抜いた。
そして、冥の体を持ち上げると自分の膝に座らせ、今度は下から突き上げた。
突き上げられながら、冥も腰を動かす。動きにあわせて御剣の熱い吐息が耳元に吹きかかり、快楽のスパイスとなる。
「あぁぁ!…あぁ、あんっ…!」
冥の口から漏れる声も大きくなり、お互いの腰を打ち合う速度も上がる。
「レイジ…レイジ…」
自分の名前を呼びながら首元に腕を廻し抱きついてくる冥をとてもいとおしく感じる。
「メイ…好きだ…」
冥の耳元で呟くと御剣はより一層激しく奥まで突き上げた。
最果てを突かれ、頭の中が白みがかっていく。
「レイジ…もうだめ…あっ…あああっ!!」
冥はこれまでにない嬌声をあげ、これ以上ないほど御剣を締め付けた。
「む…」
同時に御剣も思いの丈を冥の中に吐き出した。
ドクリ、ドクリと脈を打ちながら自分の精液が冥の中へと流れ込んでいく感覚に御剣はおかしくなりそうな快楽を覚えた。
昇り詰め、ぐったりしている冥を両腕で優しく包むと冥の唇にそっと触れるだけのキスをした。
「メイ、すまなかった。もう二度とキミを他の男に汚させはしない。」
呟くと冥は嬉しそうに御剣を見つめる。
「これからはずっと一緒にいてくれるかしら」
「ああ。約束しよう。」
そう言って愛を育みあう二人の後で、部屋の奥で事の成り行きを一部始終見物していた血も涙もない女は嘲り笑っていた。

「ほんと、馬鹿なやつ等ばっかりね」

この出来事も、魔性の女の執念がここにいる人間を狂わせたのだろうかと考える人間は1人もいない。
最終更新:2006年12月12日 20:14