飛騨語林
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飛騨語林
ja
2009-07-25T12:07:57+09:00
1248491277
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てきない
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/39.html
*てきない
意味;苦しい・息苦しい
漢字;
説明;
「えらい」の類語で、特に、息苦しい・せつないという意味が強いです。
その昔、小者(こもの)・中間(ちゅうげん)と呼ばれる、公家・武家・寺院などに仕えていた雑用や使い走りを する従者が使っていた言葉で、今もなお変化することなくそのまま使われています。(位;侍(足軽)→中間→小者)
当時は、全国的な共通語として使われていたようで、高山では、金森時代の言葉が城下町と共にそのまま残されている 大変貴重な言葉です。これ以前の語源については、残念ながら解りかねます。他にも、富山や信州でも使われています。
類語→「[[えらい>えらい]]」
使用例;
「そこの坂道、走って登ったら、てきねぇって、てきねぇって。」
翻訳:
そこの坂道を走って登ったら、息苦しくて息苦しくて。
2009-04-23T00:02:15+09:00
1240412535
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やし
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/38.html
*やし
意味:夜店・出店(祭りなどに出る)・路上で物を売る店
漢字:香具師・野師・弥四
説明:
春と秋の高山祭り、いわゆる山王祭りと八幡祭りでは、たこ焼き・りんご飴・輪投げ・金魚すくいなど、 様々な出店が立ち並びます。高山の人はこれらを総称して「やし」と言います。
「やし」とは、主に「香具師」と書き、 百貨売りをする「的屋(テキヤ)」のことで、フーテンの寅さんがそれにあたります。本来、「香具師」という職業は、 江戸時代に、「旅をする薬売りの行商人」として栄え、人集めの手段として、軽業・曲芸・独楽回しなどをしながら薬を 販売していたそうです。明治に入り、製薬・売薬規制法により、売薬行商ができなくなり、 彼らは、安物を叩き売る百貨売り(的屋)に変わっていったそうです。こういった職業の人たちが、今もなお、全国の縁日・祭礼などの人出の多い所で出店を開いているのです。
的屋というと、いかがわしい品物を売る・・・というイメージがありますが、夏の花火大会などに出かけた時など、 ついついあれやこれやと買っちゃいますよね。賑やかな催し物での、「やし」は、 子供だけでなく大人にとっても魅力的なものです。
ちなみに、「的屋」は、的に矢が当たる、ねらいが当たれば利益が得られるというところからきているそうです。(広辞苑)
「香具師」の「香具(こうぐ)」とは、香道に用いる道具、匂袋・たきもの道具のことで、「香道」とは、 香をたいて楽しむ芸道のことをいい、室町時代からあったそうです。(広辞苑)
今でいう、アロマテラピーみたいなもんですかね。ここから、薬売りにつながっているのかもしれません。
2009-04-19T11:04:41+09:00
1240106681
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まめ
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/37.html
*まめ
意味:健康・元気
漢字:忠実
説明:
「あれ、久しぶりやな。まめなかな。」と、飛騨の人は、日常の挨拶としてこんな言い方をします。
一般的に、「まめ」というと、「まめに働く。」というように、勤勉・真面目・誠実、という意味で使われますが、 その他に、飛騨で挨拶代わりに使われるように「身体が丈夫・健康・元気」という意味があります。
要するに、飛騨では「まめに働く」=「元気・健康」→「まめ」というように略して使われているのです。
さようならの時に使う「達者(たっしゃ)で・・」の、こんにちは版というところですか・・・。
で、さらに、この「達者で・・・」を、飛騨では、「ためらって」といいます。
達者(たっしゃ)・・・物事に熟練しているという意味のほかに、身体が丈夫であるという意味があります。
「達者でな」は、お元気で・・・。
使用例:
「あーれ、久しぶりやなぁ。まめにやっとるけな。」
翻訳:
「お久しぶりです。お元気ですか?」
注釈:
「やっとる」は「~やっている」「~している」の意。
2009-04-19T11:03:21+09:00
1240106601
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べんこくさい
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/36.html
*べんこくさい
意味:生意気な・一丁前な
漢字:弁口臭い・弁巧臭い
説明:
小さい子供や若輩者(新人社会人など)に対して、「生意気な、一丁前に」という意味で使います。
この語源は、弁口もしくは弁巧で、口先が巧み・弁舌が巧みという意味があり、「くさい」は、 ”オヤジ臭い”などで使われるように「~のように感じられる」という意味で、「弁口臭い」→「口先ばかりの生意気な奴だ」 ということになります。
弁口・弁巧という言葉は、現在あまり耳慣れない言葉で、いつ頃頻繁に使われていたのかはわかりませんが、 ちゃんと辞書にも載っている共通語です。IME(パソコンの変換辞書)でも、出てきます。タイプしてみてください。
使用例:
「向いの娘は、ガキのくせしてべんこくさいやっちゃ。」
翻訳:
向いの家の娘は、子供のくせして小生意気な奴だ。
2009-04-19T11:02:10+09:00
1240106530
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はんちくたい
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/35.html
*はんちくたい
意味:(歯がゆくて)腹が立つ
漢字:半ちくたい
説明:
飛騨から都会へ出た人たちも、共通語に慣れ親しんでしまった人も、 マジで腹が立つときはつい口にしてしまう、飛騨の人々に染み付いた言葉です。
この語源である「半ちく(はんちく)」とは、中途半端、歯がゆいという意味で、 最近ではあまり使われていないようですが、江戸っ子の話し言葉や落語などを聞いていると今でも耳にするかもしれません。 もともと「はんちくたい」は、歯がゆくていらいらする様を表現したものだったと思われますが、 「いらいらする」の方が強調されてしまったようで、 現在では「腹が立つ」という意味で使われています。飛騨では、これに接尾語である「たい」 (冷たい・重たいなどで使われる接尾)がくっついて、「はんちくたい」となったようです。 その昔、江戸から伝わった言葉だと思われます。
通常、口語では「はんちくてぇ」や「はんちくてぇうぇ」などと使い、極度に腹が立つ時は、「はっちくてぇなぁ!」 などと変化します。
同意語で、”ごがわく”という言葉があります。意味合いとしてはほぼ同じですが、怒り度でいえば、”はんちくたい”>”ごがわく” というところか・・・。
同義語→「[[ごがわく>ごがわく]]」
使用例:
「まーた、パチンコ負けてまった。はんちくてぇなぁ。」
翻訳:
また、パチンコ負けちゃった。腹立つなぁ。
2009-04-19T10:58:41+09:00
1240106321
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はじかい
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/34.html
*はじかい
意味:ざらざらしている・がさがさしている・荒れている
漢字:芒い
説明:
正確には、はしかいと読みますが、飛騨では、「はじかい」といい、手肌の乾燥など、 表面がザラザラ・ガサガサしている様をいいます。 一方、隣の富山県、遠く離れた福岡県や香川県など、一般的な方言(?)では、「はしかい・はじかい」といい、 ちくちくしてかゆい状態をいうようです。どちらも、だいたいよく似たような意味であることは、おわかりだと思います。
語源は、麦などのイネ科の植物の花の外殻にある針のような突起を「芒(はしか)」といい(広辞苑)、 これを形容詞化したものだと考えられます。
飛騨では、他に”声”などにも使いますね。
使用例:
A「おめぇ、今日はどいれぇーはじかい声しとるなぁ。」
B「昨日、晩くまでカラオケしとったもんでなぁ・・・。」
翻訳:
A「君、今日はとてもガラガラした声だね。」
B「昨日、晩くまでカラオケをしたので・・・。」
2009-04-19T10:56:03+09:00
1240106163
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どむならん
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/33.html
*どむならん・どもならん
意味:どうにもならない
漢字:
説明:
これは、わかりやすいですね。「どうにもならない」→「どうもならない」→「どうもならん」→ 「どむならん」と変化しただけのことです。あらためて語源を調べる必要もないでしょう。
(追加2002/05/22)
三重県でも、まったく同じ方言があり、徳島県では、「どんならん」や「どみならん」と言うように、同じ意味で使われています。 どうやら、飛騨特有の方言ではなく、多少の変化があるものの、西日本全域の所々(大阪、鳥取など)で使われているようです。
使用例:
「あぁ!? あいつぁ、また遅刻かよ~。全くどむならんやっちゃなぁ~。」
翻訳:
あぁ!? あいつ、また遅刻かよ~。まったくどうしようもない奴だ。
2009-04-19T10:55:06+09:00
1240106106
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どさねぇ
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/32.html
*どさねぇ・どさない・ぞさない
意味:どうってことない・たやすい
漢字:造作無い
説明:
共通語である「造作無い」が少しずつ訛ったもの。
この共通語自体、あまり聞きなれない言葉ですが、パソコン雑誌のコラムで使われていたので、もしやと思い、 広辞苑で調べたらしっかり載っていました。
「造作(雑作とも書く)」は、造ること、装飾、技巧、 そしてこれらは、たいへん面倒で、手間や費用がかかるという意味にもなります。(広辞苑)
使用例:
A:あーりゃ、げばいた!字を間違えてまった。
B:そんなもん、どさねぇーさ。
翻訳:
A:あれー、失敗した!字を間違えてしまった。
B:そんなこと、どうってことないさ。
2009-04-19T10:54:05+09:00
1240106045
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でーれ
https://w.atwiki.jp/hidagorin/pages/31.html
*でーれ
意味:とても・ものすごく・えらく
漢字:
説明:
元々は、名古屋でよく使われる、「どえりゃぁ」が転じてたものと思われます。 この「どえりゃぁ」は、「えらく」に「ど」を付けて強調した言葉です。 他にも、私の調べたなかで「でーれ」を使う地方は、岐阜、岡山、高知、三重と、なぜか大阪、京都を中心に 一つ県をまたいだ所で、使われています。
大阪方面では、「ごっつ」「めっちゃ」。松浦亜弥の「yeah!めっちゃホリデイ」で使われ、今では共通語といっても 過言ではない方言です。?? 名古屋では、先にも書いたように「どえりゃぁ」。
余談ではありますが、
その昔、クイズで、「ドラえもんのポケットには、何が入っているでしょう?」 というのが流行ったことがあって、
その答えは、
「どえりゃぁ、ええもん」
なんてのがありました。
使用例:
「でーれ、はんちくてぇ!」
翻訳:
「すんごい、腹が立つ!」
2009-04-19T10:53:00+09:00
1240105980