From Northern Home '09
Q&A集
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hust
wikiの掲示板で過去にあった質問とその回答をまとめていきます。
自分が疑問に思うことは、過去に先輩が同じように悩んだことかもしれません。
過去同じように悩んだ先輩の考えたことを読み、自分で考え、さらに深い理解に到達しましょう。
ダウンウィンド
ハンドリング
セッティング
ダウンウィンド
のせに関して先合宿ちょろっと話が出たのですが、 |
力を詳しく分解していくと、いろんな力が働いていますが、 |
ランニングでジブハリを飛ばしすぎるデメリットはなんですか? メリットはジブを引き込めることで、 デメリットはジブの形が崩れることでしょうか? リグのテンションが弱くなり、ブローを活かせなくなるとかはありますか? |
ジブハリを飛ばしすぎるデメリットはその通りだと思います。 ジブの形が崩れ、風が逃げてしまうからです。 ジブハリを抜きすぎるということは、リーチがなくてシバーしているのと同じです。 ランニングのジブハリの考え方 落して走れずに風を流して上って走るような微風では、 船の角度に合わせてジブを引きます。 リーチングと同じと考えれば良いでしょう。 引き込めるだけ(風に合わせてシバーしないところまで)ジブを引きます。 ジブハリを抜く意味は特にありません。 落して走れるくらいの軽風では、 セールの投影面積を最大にすることを考えます。 ジブハリは抜けるだけ抜いて、ジブは引けるだけ引きます。 ランチャーポールは十分に長いので、引けるだけ引けば投影面積が最大になります。 ジブハリを抜けるだけというのは、ラフワイヤーがたるまないように。 という考えでよいと思います。たるむとセールの形が悪くて風をつかめていません。 本当はもっとジブを引き込みたいのにラフワイヤーがたるんでジブが引き込めない場合は、 ランチャーポールを短くして、ジブを引き込みます。 ある程度以上の風域になると、ジブはマックスまで引き込めると思います。 フットとランチャーポールの長さは決まっているので、 ある程度のところまでしかジブはひきこめません。 そこまでジブを引いたら、その後のジブハリは形を整えるためだけに存在します。 (実際には少しはジブが引けるようになると思うが) なので、風をつかんでいて速そうなところ以上にはジブハリは抜きません。 基準は見た目ですが、練習ではレスキューに横から形を見て比べてもらったり、 ビデオに撮ってもらうとよいでしょう。 リグのテンションに関しては、 ジブハリを抜いている時点でもうあまり関係ないと思います。 |
ランチャーポールを短くするとラフワイヤーがたるまなくなるのですか? |
ランチャーポールを短くするとジブを引き込めるのです。
図では、ジブセールの形は全く変えていませんが、 ランチャーポールを短くした赤線の方が投影面積で得をしています。 |
スタボランニングでバウ先ちょい右から1分3艇身の潮。
このときの2下で、僕が先行艇で、○○さんが後3艇身くらいにいました。スタボランです。
僕たちとしては、海面の左ブローを使って、向かい潮を先に走っちゃおうという風なプランでした。
この時、○○さんがブランケットに入れてきて、ジャイブしたかったんですけど、右海面は風が弱そうで、フレッシュつかんでからジャイブしたら(そんなに行かないですけど)、○○さんよりも相対的に潮の影響を受けやすくなると考えてノンジャで行きました。
結果として、マーク手前のジャイブポイント付近でインにラップされて抜かれました。
詳しい状況はこんな感じなんですけど、結局聞きたいのは、
ランニングのブランケットに逃れ方です。
今まで自分は、基本的にはジャイブで逃れる。ジャイブはタッキングよりもロスが少ないし、ジャイブしてもマークでの位置取りで有利に働くから、ジャイブしてればいい。
と思ってました。
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が、○○さんに相談したところ、
○○さん自身は、
「マーク直前でインにラップしようとしていて、それまではブランケに入れたり逃がしたりするようにしてた。だから、それと逆の動きをするようなラフベアをしてコントロールすれば良かったんじゃないか?」
という風におっしゃっていました。
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ランニングで前の船に追いつくために非常に有効で一般的な手法です。
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今、2艇が断トツのピン艇団だとして、他の艇を無視できるとすると、
ジャイブ以外に、こういった方法でブランケットを外す、という選択肢は有効ですか?
というか、やったことある、やったことがあるとしたら、
注意しなければならないポイント、失敗談、などなどあったら教えていただきたいです。
宜しくお願い致します。
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いつもやります。 |
ハンドリング
ベア中のヒールとヘルムの関係に関して質問です。 最近サークリングをする機会が多く、その際に感じたのですが、 リーヘルム=アンヒールという風に思っていましたが、 ベア中にオーバーヒールを入れてもリーヘルムがずっと入ってます。 メインを徐々に出していくから僅かづつCEが前にずれていってそれがリーヘルムを生み出しているのかと今考えていまして、 つまり、ベアするだけの最小のリーヘルムは実はメインだけで作っているのではないかという疑問が生まれました。 なぜオーバーヒールをつくってもティラーが戻ってこないのでしょうか?? それとも船がおかしいのでしょうか。。。 |
ベアをしているから、リーヘルムが入っていると思われます。
→④前述のようにヒールする力が減るのでアンヒールする→①にもどる
リーヘルム以上のウェザーヘルムが発生すればリーヘルムは消えます。 ベアをしていることによるリーヘルムよりも、 オーバーヒールによるウェザーヘルムが大きくなればティラーは返ってくると思います。 |
強風でのジャイブで、ブームが上手く返せなくて、 スキッパーマニュアルを読み返したらメインを返す時にティラーを思い切り引いて、 ブームを返して思いきり当て舵をする。 とあるのですがやっていましたか? 私は今まであまりやっていなかったので、 これをやればうまくブームが返るのかなと考えているのですが。
ちなみにうまくいかない原因として他には波に乗せられていないというのがあると思っています。 |
そういう方法はあります。 ティラー切って、船をまわし、ブームが返り始めたら逆側の内ガンネルくらいまで当て舵する。 基本的にはは波に乗せて見かけの風が前に回ったタイミングで返すのが良いですが、 強風が吹きすぎてて不安定なままになったら怖いときとか、 そのような時に有効だと思います。 もっとお勧めの方法としては、メインをブームが返るところまでガリガリと引いてくることです。 そのため、逆サイドのアビームまで船を回しているのにブームが返らなくて、 ワイルドジャイブしてしまう。というようなことはありません。 また、メインシートを引いているので、 ブームが返ってサイドステイをる遠心力で押すことにより切りあがることも防ぐことができます。 メインを引くと、推進力がなくなってしまうので、 ジャイブ中は止まることになりますが、安全だし、確実なのでこちらの方法をお勧めします。 返らないならセンタリングしてやるくらいのつもりでメインを引けばいつかは返ります。
図を見てもらえればイメージしやすいかと思います。 左から、メインを引いていないとき、45度まで引いたとき、 70度まで引いたときのブームが返るタイミングです。 実際には、強風時は波に乗る見かけの風の変化、微風時は重力などにより、 この角度より早くブームは返りますが、この図を見てもらえば、 メインを引かずにジャイブするのは、ワイルドジャイブになってしまう確率が高そうだ。と 実感してもらえるのではないかと思います。
パンピングのようにブームを返そうとしてメインを引くのではなく、 メインセールの基本位置自体を引き込んだ位置にしてジャイブをすると安全にジャイブすることができます。
理論的にはデッドランにしておけばメインを引いてもヒールは来ませんが、 ウェザーヘルムが来てベアしにくくなってしまうこともあるので、 クルーにはヒールバランスをお願いしましょう。 |
セッティング
ピン詰めてレーキダウンしてウェザーが強くなって リグのテンションがよわくなるんですか?すいません知識不足で。 なんでメイン引けるようになるのですか?? |
強風で、メインが引けなくなったとき、ピン詰め(レーキダウン)することによって、デパワーし、メインを引けるようにする。というテクニックがあります。 ピン詰めをするには、事前に陸でピン詰め用のチューニングも出しておく必要があります。 最終的には、洋上で乗ってみて、バランスを調整しなければなりませんが、初めての場合は、サイドステイのピンを通常時の位置よりも下につけ、サイドステイのテンションが通常時と同じになるくらいジブハリを引いてみてください。つまり、リグのテンションは通常時のチューニングと同じくらいにします。そのチューニングがレーキダウン後の基本のチューニングと考えると分かりやすいでしょう。
サイドステイの長さがギリギリで、ピンを所定の位置まで詰められない場合は、ブームを出した状態で、バングをガリガリ引きましょう。マストがサイドベンドするので、下側のサイドステイにたるみができ、ピンを詰めることができるようになります。片側を詰めたら、タックを返し、反対側も詰めましょう。
ピン詰めすると何が起こるかというと、 図のように、マストが後ろに倒れることによって、CE(揚力の中心、揚力全体と考えてよい)の高さが下に下がり、また、CEが後ろに下がります。 図では分かりやすくするために15度マストを傾けています。(実際にはここまで傾かない。)
CEが下に下がったことにより、船をヒールさせようとするモーメントが減り、 CEが後ろに下がったことにより、CLR(水中の抵抗の中心位置)とのずれが大きくなり、同じだけヒールしたときに感じるウェザーヘルムは強くなります。
モーメントが減ってヒールしにくくなる。というのが分かりにくい人は、てこの原理を考えてみてください。図のヨットを画面の向こう側に押し倒すことを考えます。マストの根元を押して倒すよりも、マストのてっぺんを押して倒す方が簡単ですよね?CEが低いということは、風によってマストの根元を押されるということで、CEが高いということはマストのてっぺんを押されるということと同じです。
ピンを詰めることによって、CEを下げ、ヒールさせようとする力が根元に当たることで、ヒールが少なくなり、その分メインを引けるようになります。ただし、やりすぎるとウェザーヘルムが大きくなりすぎ、ブローでの加速が悪くなります。また、落としのレグではデパワーしただけ遅くなるので、兼ね合いを考えて、風速にあったレーキを選択してください。 |