From Northern Home '09
クローズ
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hust
クローズ
クローズでのジブの重要さ
たまに現役の練習に混ぜて貰ったりしたときに、
一番差を感じるのは
基本
数カ月スキッパーをやってクローズを走れるようになった頃、何度かレースに出てみると、
レースの場面によってバウを出して振れのゲインを得たいシーンや
逆に高さを稼いで他艇の影響位置から逃げる走りをしたいシーンに出会う。毎年のように
「バウを出す走りをしたいんですけど、高さのロスが大きすぎてゲインできません、どうしたらいいですか?」
という質問を受けます。
高さを取る走りは初めてやってもなんとなく形になるみたいだけど、
バウを出すのが難しいらしい。
練習するしかないですが、いつも答えるコツというか考え方のようなものを書いておく。
風上マークに向かう場合、通常はVMG最大のクローズを走るが、
ブローや振れのゲインを得るためや、他艇の影響位置から逃げるため、
VMG以上にバウを出す事が重要なシーンがある。
そのような限定された場面でドライブモードが要求される。
左図赤がドライブモード、青が通常のVMG最大のクローズ。
風が変わらない場合、当然VMG最大の青が勝つが、
風が左に振れると赤が勝つ。
この場合のように、振れのゲインをより多く得るためにドライブモードが使われる。
ドライブモードは他に、スピードモード、落とし目、バウ出しなどと呼ばれるのを聞いたことがある。
振れのゲインを多く得られるドライブモード
角度を落とし、アビームとクローズの間を走ればいいんでしょ。
ジブを出し目にしてスピードスピードで走ればいいんでしょ。と思いがちだが、
やってみると意外にうまくいかない。通常のクローズに比べて、落として走る角度のロスが大き過ぎ、
少々の振れではゲインを回収できなくなってしまう。
バウもなかなか簡単には出ない。どのへんに気をつけたらいいか?
アンダーパワー
バウを出すためにジブを出してしまうと、そこでロスする角度をほとんど取り返せない。
影響位置から逃れたいがタックできない場合など、特殊な状況ではそのような対処も有り得るが、
風上へ向かうレグで振れのゲインを得るための走りとしては適さない事が多い。
ジブを出して角度を落とさず、セッティングで微妙に落とす。ことが一つ目のコツと言える。
セールを深くして、エントリー角度を広くすることで、角度を落とす。
通常のクローズを走っている時のセールは、VMG最大のクローズ角度を走る事を考えてセッティングしているはずなので、
少し落とした角度に合わせてセッティングをする。それをせずにジブだけ出してしまうと、角度を落とした時に十分なスピードを得られず、高さだけを損してしまう。
具体的には、サギングを増やし、アウトホールをきつくしない、メインを引きすぎない。
サギングが増えれば、ジブのエントリー角度が広角になり、自然に角度は落とし目になる。
※風速の割に波が高い場合など、ジブリーダーを前にしてジブを出したりすることがあるが、
それはモードとは関係なく、VMG最大の走りでもそのようにする。
二つめのコツは基本的な角度を落とさず、ブローなどのゲインをスピードに変える。ことである。
ずっと角度を落としてスピードをつけるというよりは、左図のようにブローなどで得られるゲインを高さに使わずスピードに変換するイメージで走る。
基本的な角度自体を落とし目にしてしまうと、なかなかロスを取り戻せない。
通常時はいつものようにクローズを走り、ブローなど、おまけで得をできる要素をコツコツとスピードに変換していく。
VMG最大で走っている船に対して、ブローの度に少しずつバウを出していくイメージ。
他艇種は分からないが、スナイプは角度を落としたからと言って大きくスピードが変わるというわけでないので、
高さのロスを抑えつつ、一気にバウを出そうとせず、少しずつ下先行するイメージを持った方が良いと思う。
ブローのゲインをスピードに変えるハンドリングとして、一番大切なことはべったり起こすことである。
ブローが入った時に、ヒールの起こし量が足りないとウェザーヘルムが来てしまう。
ウェザーヘルムが来るということは、水面下での抵抗が発生しているということなので、スピードが出ない。
ウェザーヘルムが来ないくらいしっかりと起こす。
ブローでメインを引くと、その分でもウェザーヘルムが来るが、その分も打ち消すだけしっかりと起こす。アンヒールになろうがしっかりと起こす。