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*~タマ大統領襲撃についての声明~ ここはキノウツン藩国の政庁のとある一室。 物置倉庫だった部屋を整頓、別の倉庫に物を送り急遽用意した部屋である。 そこで、ダメな摂政、アシタスナオは備え付けられたカメラの前で入念に原稿を読んでいた。 「えーと、カメラはもうOK? じゃあはじめようか」 そういってカメラに向き直るアシタスナオ。 「みなさん、こんばんは。キノウツン藩国の摂政、アシタスナオです。  藩王に代わって、今回の経緯をここに表明させていただきます」 かしこまった言葉でつらつらと声明を読み上げる。 「数日前、我が国が誇るメイドがもたらした情報により、いくつかの事実が発覚しました。  1つ、わんわんから密使と随員が来た事、そしてタマが彼女らを拘束していた事。  2つ、次期選挙においてタマの目の上のたんこぶであるだろう是空氏の排除。  3つ、我が国へのありもしない疑惑と、ソレに対する討伐隊の出兵用意。  …これらの事実から、我が国はFEG、及びいくつかの国へ打診し、襲撃部隊を編成しました」 手元の台の上の原稿をめくる。 「我が国は、自国の防衛、及び先の経済問題を引き起こし、非人道的な行為に走るタマを粛清する為に、  今回の出撃を決定いたしました」 タマとは非人道的なにゃんにゃんの大統領であった。 彼はたけきの藩王を捕らえるだけではなく、今までにも気に入った女性を複数捕らえていた。 彼女らは、拉致されて無理矢理サイボーグ改造を受けさせられ、洗脳処理を受けた後、 タマの尖兵として第二の人生を送らされていた。 今回の襲撃で、その大半を倒さねばならない状況に陥ったが、 数人の傷ついたサイボーグ兵士を保護する事に成功したのだった。 彼女らを国へ連れて帰らせて、アシタスナオは彼女らの洗脳をとき、手当てをしてやった。 正気を取り戻した彼女たちの落胆ぶりは見るに耐えなかった。 まず、そのかわりはてた姿に絶望し、次に、あの大統領の下で忠実な駒として、意のままに操られていた、 その事実に恐怖した。何をさせられていたか、分かったものではない。 しかし今では、アシタスナオと、キノウツンのお付きのメイドである浅田の努力の甲斐あって、 少しずつではあるが、平穏を取り戻している。 アシタスナオは、彼女らにメイド喫茶を1店舗、用意してあげようとも思っていた。 ちょうど今いるこの部屋をそのまま使えばいいだろう。政庁内のメイド喫茶なら入り浸れる。 そうおもいながら、アシタスナオは次の言葉を続けた。 「結果として、我々はタマを拘束することに成功し、数々の悪事の証拠も押収できた。  我が国を守るためとはいえ、今回の騒動によってにゃんにゃん国民を不安にさせた事を、  ここに謝罪させていただきます」 カメラに向かって頭を下げる。今回の問題に関わっていないにゃんにゃんの国民には、 ソレに対する相応の対応が必要であったのだ。 頭を上げ、再び語りだす。 「結果として、大統領の席が空白となり、国が混乱してしまっている現状。  しかし、悪の枢軸がいない今、にゃんにゃんには新しい風が吹くことでしょう。  どうかそれが、良い風でありますように。それでは、声明を終わらせていただきます」 再び、カメラに頭を下げるアシタスナオ。 メイドの浅田がカメラのスイッチを切る。 頭を上げた後、一息ついて椅子に座り込む。 この摂政、どう見てもこういうものに向いてないのである。 さて、厄介な仕事は終わった。彼女たちの様子を見てこよう。元気付けてあげないと。 そう思ったアシタスナオは立ち上がり、浅田と共に部屋を後にした。 キノウツンの近くで働く二人には、山ほどの仕事が残っているのであった。

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